紗恵

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【寂しさ】

仕事帰りにいつものスーパーに寄ると年越しそばが陳列されていた。
もうそんな時期か、貴弘はずっしりと重いそばを1パック持ち上げてみる。

毎年大晦日はエリナの家で過ごしていた。
一緒に大掃除をして買い物をして紅白を見ながら用意したご馳走を二人で食べて。
穏やかで幸せな時間を過ごしていたのだ。
「あれからもう1年も経つのか」
1年というのは早いようでしっかりと季節を巡っていた。そんな時間の経過を実感させられて貴弘の心もずっしりと重くなった。


12/20/2023, 6:54:15 AM