紗恵

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12/23/2023, 1:24:11 AM

【ゆずの香り】

12/21/2023, 10:10:15 AM

【大空】

12/21/2023, 4:44:12 AM

【ベルの音】

新幹線からJR線に乗り換え、さらにローカル線のホームへと向かう。都内の自宅を出てから3時間が経とうとしていた。
ホームにはすでにN駅行きの電車が停車していたが発車するのは25分後である。
座席に腰を降ろし荷物やお土産の紙袋を網棚に乗せた。
暖房の効いた車内には貴弘の他に60代くらいの女性が1人、部活帰りの男子高校生が2人いるだけであった。

2年ぶりの帰省である。
キレイに年内の仕事を片付け、両親や親戚たちへのお土産も万全に準備できた。
甥っ子に会えるのも楽しみだ、ばあちゃんもまだまだ元気にしているか、などと案外浮かれている自分に気づく。

予定通りの電車に乗れた事を父、貴之にLINEで知らせて発車を待つ。
日陰にはうっすらと雪が残り、古い住宅や建物がぽつりぽつりとある以外は田んぼや畑が広がっているだけの景色を見渡す。
遠くには白羽山脈が雪を被って広がり、懐かしさや自然の雄大さに圧倒された。
すっかり清々しい気分になったところで「パッパァーン」とローカル線の発車のベルが小気味よく鳴り響いた。
もうすぐ2年ぶりの実家に到着するのだ。

12/20/2023, 6:54:15 AM

【寂しさ】

仕事帰りにいつものスーパーに寄ると年越しそばが陳列されていた。
もうそんな時期か、貴弘はずっしりと重いそばを1パック持ち上げてみる。

毎年大晦日はエリナの家で過ごしていた。
一緒に大掃除をして買い物をして紅白を見ながら用意したご馳走を二人で食べて。
穏やかで幸せな時間を過ごしていたのだ。
「あれからもう1年も経つのか」
1年というのは早いようでしっかりと季節を巡っていた。そんな時間の経過を実感させられて貴弘の心もずっしりと重くなった。


12/10/2023, 7:00:02 AM

「手を繋いで」

「んで、山本ちゃんとはどうなったの?」
宮田からの問いに「うーん、まあ。おいおい誘ってみようかなぁ。何て。」
と曖昧に答えた。
宮田はあきれた様な表情で「早くしないとクリスマスが終わっちまうぞ!店なんかも予約で埋まるしな。」

授業の直後に宮田から声をかけられて何だか詰め寄られる型となった。
コイツはなぜ俺を急かすのか。
悠太は「そうか、確かにみやぴーの言う通りだな。早くしないと。」
口ではそう言ったもののかなり気が重い。
いや、正直に言うと勇気がない。

中谷悠太19歳童貞、もちろん彼女いない歴19年。
そんな男が同じ学科の山本亜美さんをクリスマスデートに誘い出す何て到底無理!ヤミ金の怖いお兄さんから急に明日までに300万円用意しろと凄まれた時ぐらい無理!!な状況である。

しかし一方で山本さんとの楽しい妄想は膨らむばかりだった。
夕方から待ち合わせをして遊園地あるいは映画にいく、その後ディナーをして夜景を見に行く。
寒い事を口実に手を繋いでみる。。
景色を見ながらベンチに座っておしゃべり。。
童貞による初々しくも誠に図々しい妄想である。

今まで4人ほどの女の子を好きになって全て妄想で終わらせて来た。
山本さんも妄想で終わらせるのかリアルな恋愛に持ち込むのか悠太、今が踏ん張りどきである。

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