『宝物』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
目を閉じて心の宝箱を開けてみよう。さて、どんな思い出が出てくるかな?目に見えるものだけが宝物じゃない。誰かからかけてもらった言葉、あの時の思い出の曲…そのひとつひとつがかけがえのない宝物。そう考えると、ここまで歩んできた人生、出逢ってきたたくさんの人たちも心から愛おしくそして大切に想えるんじゃないかな?時には喧嘩もあるかもしれない。でもそれもいつかは、あ~あんなこともあったなぁって笑い話に変えれるような思い出になることを信じて一日一日感謝を忘れず、心穏やかに生きていきたい。
ワタシの首輪には、青くてキレイな球の飾りがついている。光を吸収する黒色をしたワタシと違って、光を通したり反射したりしてキラキラするんだ。
ご主人によれば、コレの中には魔力が詰め込まれているらしい。その魔力を放出すると、一時的に身体が強くなるんだとか。
そこは永久に強くなるもんじゃないの?って思ったけど…よくよく考えたら、コレはワタシの首輪の飾りにできるくらい小さい。こんなのに詰められる魔力量なんてたかが知れてるし、むしろ一時的でも身体を強くできるだけスゴイのかも?
この球はご主人が手に入れたものらしいけど、「本当に危なくなったらお前が使ってもいい」って言ってくれた。…ワタシが危なくなるなんて、そうそう起きないのにね。
だって、ワタシは影だもん。ご主人はワタシの"主"になったからワタシに触れるだけであって、他の人やモノはワタシに触れない。
ワタシを救う為に道路に飛び込んできた時も思ったけど…やっぱりご主人は面白いニンゲンだ。
ワタシが持ってたら、ご主人が使えたい時に使えなくなるんじゃないかって?
それは大丈夫。光と影さえあれば、ワタシはいつでもご主人の影に移動できる。そうしたらあとは、ご主人が自分の影からこの球を取り出して、使うだけ。
でも、もし、ご主人がこの球を使う時が来たとして。
魔力がなくなったこの球は、いったいどうなっちゃうんだろう?
壊れちゃうのかな?透明になるのかな?青いまんまかな?もしかして、キラキラしなくなっちゃったりするのかな?
いや、使ってみるまでわからないって言われたら、それはそうだけど。
でもほら、ご主人が球を使う選択をしたってことは、それほどヤバいことが起きたってワケでさ?そういうのが起きないっていうのが一番いいじゃん?ワタシ戦いとかできないし。
あとはー…そう、この青いキラキラがなくなっちゃったら、なんだか寂しいでしょ?
だからご主人、可能なら、ワタシのこの球は使わないでねっ!
(「ティマセル学園」―ベネガット―)
My treasure is...
いつかの私はそうやって不器用に英語を使って大切なものを発表していたっけ。
小さい頃は可愛いものやカラフルなものが好きでよく集めていた。母の化粧道具からリップを探し出してはよく塗っていた記憶もある。キラキラした世界が見えていたんだ。でも成長が早くて周りより身長が高かったこと、覚えるのが好きで周りより知識量が少しだけ多かったことがあって先生から大人びていると何度も言われた。1番記憶に残っているのは私だけ「○○ちゃん」と呼ばれたことがなかった。1度も。そのせいか、自分の好きなものを素直に好きだと言えず徐々に周りに馴染めなくなったんだと思う。
成長していくにつれ、周りは女の子らしいお洒落や美容に関して関心が湧く時期になった。私も興味はあった。ただ、周りの環境の影響もあってか、女の子として生きづらい自分がいた。女の子である自分も別に嫌いではない。ただ、時間が経つにつれて男の子でいたいと思う自分が強くなっていった。周りもいつしか「男友達みたいで安心するわ」とか「女として見れない」って男の子としての私を必要とするようになった。
私は髪を切った。部活で邪魔になるからって言うことを言い訳にしたけど、本当はもう女の子でいる自分を捨てる覚悟を決めたからだった。短いマッシュヘアに刈り上げを入れる。不安がなかったといえば嘘になる。それでも男の子として生きていく自分の第1歩と思えば難しいことではなかった。鏡に映った自分は男の子そのものだった。なりたい自分にようやく出会えた気がして心臓は高鳴ったままだった。
今になってみると、自分のために自分が決断してきた過去がとても愛おしく思える。いつか捨ててしまった女の子としての自分も大切な「自分」である。覚悟を決めた男の子としての自分も大切な「自分」である。だから私は女の子としても男の子としても生きていくことを決めた。大切な宝物、それは自分自身であった。自分自身を愛さないことには、自分自身と向き合わないことには人生というのは始まらないものである。今までの想い出全部を振り返って今だから言えること。
My treasure is myself.
題材「宝物」
〜宝物〜
全て無くして また拾い集めればいいさ
ロストワールド/エルレ
宝だって?
喉から手が出そうだ。
僕はきっと迷子になっている。
甘酸っぱい懐かしさと、黄金の夕焼けを見ていたはずなのに、
次の瞬間にはヒキガエルの気配と、すすきの揺れる寒空の日暮れ
頭を悩ませないでください。
意味のあることを言ってるわけではありません。
僕はきっと迷子になっている。
星空から糸電話が垂れている。
成層圏を越え、冥王星を越えて。長い長い糸電話。
それなのに、紙コップ
耳に当てると懐かしさがカサコソ鳴っている。
『常ならざるものを求めるなかれ』
これは宇宙の響き。もう一つぶら下がっている。
『宝は天に積みなさい』
これは愛の響き。最後の一つ、
『自らの源にとどまり、やすらぎなさい』
ここには知恵がこだましている。
砂場の中で小さな石英の砂粒が反射している。
しかしそれは確かにあの夕日の輝き。
〜〜〜〜〜〜〜〜
僕は目を覚ました。朝日がひび割れた窓から差し込んで埃が舞い光っている。
準備もほどほどに家を出る。
ここはガラクタの街。
でも僕は知っている。
この街の中心にも宇宙がこだましている。
何かを求め三千里
何マイルかの散歩道
何重にも連なる歩道橋
目的地までこの先何メートル?
お店で買ったキーホルダー
屋台で買ったあのタコス
有象無象の写真たち
脳の箱にしまい込む
――サメの言うことにゃ、
宝物
あなたの宝物は何ですか?
そんな問いに
彼はこう答えた
「それはきっと、時間だ」
宝物が時間?
あの時は、
全く意味が分からなかった
今なら、
少しだけ分かる
あの
永遠に続くように感じた時間
儚い物だと気づくには
あまりに遅かったから
…今が永遠のように感じてしまうから
…こんな事をしてるから
終わりが見えなくなるんだ
彼が笑った気がした
「宝物」
僕の宝物は「僕」です。
ほかにはない、バカ真面目さ。
ほかにない、臆病さ。
それでも日々、「成長」していく。
そんな僕が「宝物」。
題 宝物
宝物というのは目に見えるとは限らない。
思い出、場所、風景、人、動物それらは温かくキラキラしているのだ。
—————————————————————————-
昨日の分です。
前のアカウント『結猫』の話が出ていますのでそちらを読んでいただけるとより楽しめると思います。
題 キャンドル
私はキャンドル専門店を営んでいる。
ただのキャンドルではない。死者に会えるキャンドルだ。死者との再会を強く望む者に私の店は現れる。
いろいろなお客さんが来た。
イチョウの精霊との再会、家族との再会、恋人との再会母との再会。
あっ、でも一つ注意点。
死者と会える時間はキャンドルがなくなるまで。
2度目の死者と別れに耐えられなければ使用した人は死者の世界に閉じ込められるの。
宝物…と言われて
他人はどう解釈するだろう。
命みたいなものを指す人
金銀財宝みたいなものを指す人。
どちらもあっていてどちらも儚いものである。
ただ、私はこうやって字を綴る時間だと
思う。
字を綴る時は
お金みたいに無くならず
いのちみたいに激しくは燃えない。
ただゆったりと静かな時間が流れるのみだ
私はそういう時間を宝物とでも
呼ぶようにしている。
無論、異議を申してくる方も出てくるだろうが
個人的な解釈での話だ。
大切なものには代わりないので
それを大切にすれば良いとおもう。
思うように伝わらずとも
字に綴った事が大事なのだから。
そのゆっくりとした時間が私にとって
宝物だ。
色褪せたセピア色の写真
若い頃の
もう会えないあなたが笑っている
人にどう思われようと
それが私の宝物
勉強机の、小さな引き出しのうちの、左側。
幼い頃にシールを貼ったそこには、
友達から貰ったものがたくさん入っている。
修学旅行で買った、お揃いのキーホルダー。
少し角の削れたキャラクターの消しゴム。
どこかの旅行のお土産でもらったスプーン。
宛名の書かれた、ひらがなのお手紙。
小さい頃のたからもの。引き出しのタイムカプセル。
たまに覗いて、また閉める。
私の宝箱は、机の引き出しに。
「宝物」 白米おこめ
私の宝物という。
宝物を持つ、そこには物、が出来る。
ぬいぐるみ、人形、いろいろある。
私は父だ。
なにがなんでも、寝る時は電源オフ!!
これが鉄則。
私は宝箱の中にいたらしい
拾ってくれた人は海賊
まだ小さい私は
あたたかな温もりを感じながら育った
純粋な気持ちのまま
大きくなるにつれ海賊というものを知った
けれど私の事を育ててくれている海賊の人達は
いい人達だ
けれど
いつかこの人達とお別れをするだろう
その時まではどうか幸せな時間を
私の『宝物』
チョコレートについてきたネックレス。
好きな男の子からもらった髪飾り。
祖父母がプレゼントしてくれた財布。
両親が買ってくれたダイヤのピアス。
あの人がくれた指輪。
大切な大切な娘と孫。
なぜか大切だったものが浮かんではどこかに消えてしまう。慌てて追いかけようとするけど身体がだるくて動かない。
「おばあちゃん!」孫の声が聞こえた。
泣いてるの?この前あげた時計をなくしちゃったのかしら。大丈夫だから。
抱きしめてあげたいけど腕が上がらない。
大丈夫だから。おばあちゃんが探してきてあげる。
----------------------------------------------------------------------
夏の暑い朝。花束を持った青年がやって来た。
「1年ぶりだなー、にいちゃん。今年も墓参りに来て偉いねえ」
タバコの臭いをさせながら守衛が話しかけた。
「どうも。」
青年は無愛想に返事をし、足早に守衛の前を通り過ぎた。
一つの墓石の前で足を止めると花束を置き手を合わせた。青年の袖からは少し時代遅れの時計がちらりと見えていた。
トレジャーハンターの俺からしたら
宝物ってのは金銀財宝のことだ
長い探索の末に宝物を見つけた時は
最高に嬉しい
鑑定した宝物の価値が高いと
テンションが上がる
ん?宝物がそんなもので悲しくないのかって?
人によって価値観は違うんだから
そんなこと言うなって
お前の言いたいことはわかるよ
家族とか友達とか思い出とか
そういうものが宝物って話だろ?
でもなぁ
トレジャーハンターの俺からしたら
金銀財宝こそが宝物なんだよなぁ
俺にとって家族や友達とかってのは
宝物なんて言葉じゃ
言い表せられないくらいの大事なもんだね
まあひとつ言えることは
家族や友達と比べたら
宝物の輝きなんてくすんで見えるってことだな
こんなこと言ったら仲間に怒られそうだが
でも金銀財宝も好きだし
トレジャーハンターだから宝物を追うけどな
わたしの
宝物は
何だろう?
夫
両親
きょうだい
友人
わたしの
周りにいる
大切な人たち。
あとは―――
夫からもらったもの。
思い出のもの。
いただいた
お手紙
とかかなぁ。
それから
わたしそのもの。
世界に
独りしかいない
わたし自身が
やっぱり
1番大事。
これからも
どうぞよろしくね。
#宝物
宝物
小学校に上がりたての頃、歳の離れた姉が持っていたバニラの香りのリップクリームがどうしても欲しくて、気づかれないように自分のポケットに入れてしまった。
小さくて平たいスライド式の蓋のケースに入っていて、全体的に50年代のアメリカのデザインでソフトクリームのイラストと英語で“Lip cream”と書かれてあったのを未だに覚えている。
姉には幼少期からいつもいじめられて、私の軽度の人間恐怖症を植え付けたそれはそれは恐ろしい人なのだ。いつバレるのやら毎日ハラハラしていた。
しかし、盗んでしまったという罪悪感となんてどこかに行ってしまうくらい強いバニラの香り。
こっそり唇につけては、うっとりしていたのを思い出す。
当の姉はそれがなくなった事に気がついてなかったのか、私は怒られることもなかった。だけどそれを堂々と出すことも出来ずに秘密の宝物として引き出しに潜ませていた。
だけど、何年か経ち気がつくといつしか無くなっていたそのリップ。時々思い出しては失くしたことを後悔した。今でも何処かで出会えば必ず買うだろう。
ただ一つ疑問に思うことがある。姉は本当に気づかなかったのだろうか?それとも見て見ぬふりをしてくれていたのだろうか?
いや、よもやあの姉に限ってそんなことはない、はず、、。
姉がこれを読んでいたら言いたい。
「勝手にとってごめんなさい。それと、あのリップ何処で買いました?」
、、言えない。考えただけで恐ろしい。
全部私の心の宝箱に封印しておこう。
end
途中書きです。すみません。
「宝物」
Ladies and gentlemen.
世界一の宝物とは何なのか?
今ここに世界一の宝物を決める大会を開催します!
司会は私、Rが担当させていただきます。
審査員は視聴者である皆様。
皆様もたくさん宝物をお持ちですよね?
その中でも唯一無二の他に代えがたい特別な宝物を思い浮かべてください。
その宝物を超えるものが現れたら、それが世界一の宝物になり得るかもしれません。
その時はぜひ投票をお願いします!
さあ、早速参りましょう。
エントリナンバー1番
題 宝物
「君は僕の宝物だよ、自慢の彼女だよ」
彼氏は私に何度もそんなこと言ってくれる。
「そんなことないもん」
私は彼の目を見ながら卑屈に言う。
「なんで?」
彼は柔らかく笑って私の髪をクシャッとなでた。
「僕が宝物って言ったら君は僕の宝物だよ」
「んんん・・・」
そんな笑顔で言われると私は言葉が何も出なくなってしまう。
でも、あなたは輝いてて、とてもステキで、私を大事にしてくれて、いつもいつも大好きだ。
そんなあなたに私は宝物なんて言われる価値なんてない。
私はね、私はもちろん宝物だって思ってるよ、あなたのこと。
だって、もったいないくらい素晴らしい人なんだから。
私があなたの本当の宝物になれるのは一体いつなんだろう。
そう思ってしまう。
今、あなたはとても優しくしてくれるけど、私の本当の姿を知ったら私のことなんてもう飽きちゃうんじゃないかって思う。
「ねえ、何かまたマイナスなこと考えてるでしょ?」
私のことなんてお見通しな彼が私を見てにこやかに言う。
「・・・考えちゃうよ。だって私にとってタケルは本当にパーフェクトな彼氏なんだからね」
「僕にとってもクルミはそうなんだけど」
「私、全然何も出来ないもん、タケルの役に立ててないし」
「僕が役に立つかどうかで彼女を選んでると思ってるの?」
心外そうな彼氏の顔。
「だって、じゃないとカンペキになれないし」
「違うって・・・」
歩きながら話してたら、いつの間にか公園のベンチの前にいた。
何となく2人で座ると、タケルが真剣な顔で私を見た。
「クルミは、そのままでいいの。欠点も長所もあるし、出来ないとこも出来る所もあるけど、そのすべて、ありのままが僕にはカンペキに見えるんだよ。だから、僕がカンペキって言ったら、クルミはありがとうって笑顔で言ってくれればいいんだ」
言い終わるとイタズラっぽい顔で私の顔を覗きこむ。
もう・・・
もう・・・・そんなこと言えちゃう所がもうカンペキなんだから。
私の視界がゆらゆら歪む。
嬉しい言葉に、涙が、ポタリと自然とたれていた。
「クックルミっ?!」
タケルが、焦ったようにポケットからハンカチを出して、私の目をそっと拭ってくれる。
「大丈夫?何か気に触った?」
こんな時まで優しすぎる彼氏に胸の高鳴りが激しくなる。
胸に愛情が満ちて仕方ない。
「やっぱり、私よりタケルの方がずっとずっとカンペキだよ。・・・でもね、そんなカンペキなあなたに言われた言葉、私は受け取りたいから、自分のこと否定しないようにするね。タケルが、好きでいてくれる自分を好きになりたいから」
そう半泣きで言うと、タケルの顔は本当に嬉しそうな笑顔になった。
「ありがとう、その言葉、とっても嬉しいよ」
ああ、もうっ。
私は思わずタケルに抱きつく。
ここが外とかどうでもよかった。
「ありがとう。大好き。私の彼氏でいてくれて私、世界一幸せだよ」
「僕のセリフ取らないで」
タケルがそんなこと言うものだから、顔を見合わせて笑ってしまう。
私の唯一無二の宝物。
目の前の世界一大事な宝物をずっと大切にしていきたいと思ったんだ。