宝だって?
喉から手が出そうだ。
僕はきっと迷子になっている。
甘酸っぱい懐かしさと、黄金の夕焼けを見ていたはずなのに、
次の瞬間にはヒキガエルの気配と、すすきの揺れる寒空の日暮れ
頭を悩ませないでください。
意味のあることを言ってるわけではありません。
僕はきっと迷子になっている。
星空から糸電話が垂れている。
成層圏を越え、冥王星を越えて。長い長い糸電話。
それなのに、紙コップ
耳に当てると懐かしさがカサコソ鳴っている。
『常ならざるものを求めるなかれ』
これは宇宙の響き。もう一つぶら下がっている。
『宝は天に積みなさい』
これは愛の響き。最後の一つ、
『自らの源にとどまり、やすらぎなさい』
ここには知恵がこだましている。
砂場の中で小さな石英の砂粒が反射している。
しかしそれは確かにあの夕日の輝き。
〜〜〜〜〜〜〜〜
僕は目を覚ました。朝日がひび割れた窓から差し込んで埃が舞い光っている。
準備もほどほどに家を出る。
ここはガラクタの街。
でも僕は知っている。
この街の中心にも宇宙がこだましている。
11/20/2024, 11:38:54 AM