『安らかな瞳』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
安らかな死を望んでいます…、そしたら、安らかな瞳を人に見てもらえるからです、
君がその目で見てくる
僕には持っていない目で見てくる
純粋で
安らかで
憂いなど何もないその瞳で
僕を全て見透かしてくるように
君は僕を見てくるんだ
お題『安らかな瞳』
祖母が危篤だと連絡があったのは
夜の9時過ぎだった
眠る子供を主人に託して
慌ててタクシーに飛び乗り病院を目指す
病室に駆け込むと、従姉妹のえっちゃんの潤んだ瞳と目が合った
着いたのは私が最後だった
私を待っていたかの様に
祖母は静かに息を引き取った
最後の瞬間、祖母は私たちを順番に見つめた
安らかな瞳だった
子供3人、孫7人、ひ孫は6人
92歳なら大往生だろう
葬儀ではみんな泣いていた
棺の中の祖母は
少し笑っている様に見えた
あんまり笑わないところが好き
表情がかたいっていうのかな
感情を表に出すのが苦手なぶん
目がやさしいというか
きっと 視線がやさしい
ちょっとツリ目のあんた
でも たまに笑うと
ほんとに顔がくしゃってなる
な
かわええな
安らかな瞳
心穏やかに…
清らかな水のように…
透明なあなたの…
安らかな瞳
何故か…
涙が溢れて
止まらない
安らかな瞳が人工のものになる未来。高性能な瞳とサイバーデジタルなボディのあふれる世界でネットの海を泳いでいく人たち。嘘をどれだけ上手につけるかでお金をもらう芸人たちの溢れる世界にインターネットはなっていく。そんな未来を頭の中で眺めてるずいぶんとデジタルの世界に馴染んだものたちは現実と地続きの加工された現実で生きている。輝く瞳はどこまでもレンズのように無機質にどこまでも加工された瞳に変わっていく。高性能さの代わりに現実を見失う。いつかの未来。
【230,お題:安らかな瞳】
今まで何人も死者を見送ってきた。
僕の仕事は死んだ人間があの世へ行くための手伝いをすること
死んだら当然人間は動けないから、代わりに僕が身支度を行う
身体をきれいにして、衣装を取り替えて、化粧をして
僕のところに来る人たちはみんな安らかな顔をしていた
満足げな、それでいてちょっとだけ寂しそうな顔
乾いた唇に紅をさしながら、ふとその手を止めた
御遺体の目が開いている。
暫くの間ぼーっと見つめ合った、美しい瞳だと思った
だがこのままには出来ないので目蓋を押さえ引っ張って、目を閉じさせた
安らかな瞳だ、看取ってくれる誰かがいて、満足に死ねたんだろう
少しだけ、羨ましい。なんて
ポツリと空いた穴に気付かないふりして、青年は作業を再開した。
安らかな瞳を覗き込む。
そして椅子に座る少女に語りかける。
『サキ、今日の裁判も疲れたよ』
『今日はね、大臣の息子をね……』
そう語りかける彼はただ人形に語りかけていた。
それでも彼には聞こえる。
『え〜っ!すごいね、パパ!』
『ふふ、もう、パパってばおっちょこちょいだなぁ〜』
そんな声が。はしゃいだ娘の返事が。
周りから奇異の視線を向けられたとしても。
彼には娘との時間が何よりだったから。
焼け落ちた屋敷から見つかったのは
孤独な男の亡骸と
焼け焦げた少女の人形。
人形の瞳は安らかだった。
眉間から血を流す彼の瞳には
安らぎなど感じなかったが。
【安らかな瞳】
もう私の名を呼ぶことも
思い出話に花を咲かせることもない
すべてを忘れてしまったあなた
それなのに、あなたの瞳はこんなにも美しい
世の中の暗いものもが全て消え去って
綺麗なものだけを残した記憶がそうさせるのか
ああ、
あなたのその安らかな瞳が
私を絶望の渦へと叩き落とす
—安らかな瞳—
「絶対に生きて帰るぞ」
そう誓いを立てて、拳をぶつけ合った。なにがなんでもこの戦場から帰るつもりだった。友人とお互い、同じ日に結婚式を挙げる約束をしていた。だから、それに妻が身籠っている。絶対に、生きて帰って幸せな生活を送るんだと信じてやまなかった。
「とつげーき!」
響き渡った隊長の声を背に受けて、走り出す。飛び交う銃弾が当たらないようにと祈りながら、敵との距離を詰めていく。隣で走る友人の目にも炎が宿っていた。
だが、ここは戦場だってことをきっと忘れていた。この場に置いて絶対なんて言葉が通用しないことをわかっていなかったのだ。
突然、隣を走る友人が倒れた。すぐに足を止めて、傷を確認する。ヘルメットを突き抜けて銃弾が入っていた。死んだのだ。そうわかっていても、見捨てられなかった。自分の死ぬ可能性なんて考える余裕もないまま、こいつを連れて帰らなければ。背中に背負って、なんとか掘まで走った。そこで改めて生死を確認したが、すでに息絶えていた。
銃弾が飛び交う戦場で俺は叫んだ。友人の死を目の当たりにして叫ばずにはいられなかった。生きて帰るぞって約束しただろ。俺だけ帰って結婚式を挙げるなんてできるはずないだろ。
銃弾が当たった瞬間のまま、目は見開かれていた。そこに宿っていた炎はもうどこにもなくて、安らかな瞳だけがあった。
「もうこんな戦場見なくていい。お前は先に天国に行ってろ」
瞼を閉じて、俺は再び戦場を走ろうとした。だが、それではいけないことに気づく。俺まで死んでしまったら、友人の奥さんにこいつの骨一つだって持って帰れないのだ。あとで、どんな罰が下ろうとも俺は覚悟を決めてこの戦いが終わるまでそこで待っていた。
ようやく、音が止んだところで立ち上がった。周囲に転がる大量の死体のうち一体何人が家族のもとに帰れるのだろう。
隊長の撤退だという声を聞いて、俺は友人の手首を切り落とした。これが、戦場で戦い抜いた男の手だと、奥さんに渡してやろうと、非常食をその場に捨てて彼の手をポケットに入れた。
安らかな瞳
空を眺める時
水鳥が川を進んでいる時
猫たちが戯れている時
花が風でそよいでいる時
その全てを慈しみながら
安らかな瞳で見ている
その横顔に惹かれたの
●●ちゃんは、おめめがきれいだね
本当?ありがとう。あれ?でも…あなた、だあれ?
わたし?わたしはね──
ああ、またここで元に戻ってしまう。いつも見る夢は、いつも同じところで現実に引き戻される。私の瞳を褒めてくれた、あの子は誰なのか知りたいのに。
欠伸をしながら、洗面所へ向かう。鏡に映る瞳は、真っ黒で輝きを失っている。
他の人は赤に緑に紫と、色とりどりの宝石を瞳に嵌め込んでいるのに、私の瞳はただの黒だ。
何も映らない、何にも染まらない。こんな瞳を綺麗なんて、私自身一度も思ったことは無い。
すし詰めになりながら通勤して、ミスをして、怒られて、瞳を貶されて、涙を堪えて、家に帰っても常にどこかへ帰りたくって。誰から見ても最悪の人生だ。
できることなら死んでしまいたいけれど、勇気のない私にはそれも無理だった。
私に子供ができた。
丸くて、暖かくて、愛おしい。この子を守ることに、残りの人生を全てかけようと思った。
例え、父親はいなくとも、その分私がこの子を幸せにしてみせると誓った。
そこからは少しだけ、仕事をするのが苦ではなくなった。
あるとき、家の近くに工場ができた。随分と大きな建物で、自動車か何かの工場だったと思う。そこからたくさんの灰が出た。工場なのだからある程度はと思っていたけれど、あまりにも酷い量だった。
しかも、灰はどうやら人体に有毒な物質が含まれていたらしく、灰を吸って、私の体はもうボロボロだった。
管を体いっぱいに刺されて、ここまでして生き永らえようとも思わない。視界の端に映る自分の手は、醜く老いさらばえていた。
機械に頼っても、どうせ寿命は変わらないのに。お医者さんに、もう治療を終わらせてもらうよう伝えましょう。ああ、その前に、あの子たちにも言わなくちゃいけないわ。愛しい子たち、私がいなくてももう大丈夫よね。
瞳を開けていることさえ辛くて、暫く瞼の帳を降ろしていると、いつの間にか眠っていた。
気付くと、髪も瞳も肌も真っ白な女の子が窓に腰掛けていた。確か、こういう子をアルビノと言うのだった。
それにしても
綺麗ねえ
気付くと、そう口走っていた。女の子は少し瞬きをすると、口を開いた。
「そう?ありがとう。でも私は●●ちゃんの目の方が好きよ。きれいだわ」
その言葉を言われるのは二度目だった。いや、一度目は夢の中だからこれが最初なのかしら。
そもそも私はこの子に名前を教えたかしら…
なんだ
あなただったのね
そう、あなたはそうだったのね
長年の謎がやっと解けたわ
ええ、思い残すことは無いわ
ほんとうよ…
「お母さん、本当に良かったのかな」
「…おばあちゃんはね、辛い思いをたくさんしてきた人なの。これ以上苦しめるなんて、出来ないわ」
「あ…お母さん、見て。おばあちゃん笑ってる」
「本当に、安らかな瞳ね…」
お題『安らかな瞳』
自分を責めて…泣きたくなる
そんな夜でも君を想ってる人が
居ることを忘れないで
君が安らかな瞳で笑顔になれる
そんな日のために…僕は生きて行きたい
また巡り逢えるその日まで
僕は君を探し続けるよ
そして必ず君と巡り逢うと
僕は…信じている
安らかな瞳
「来てくれてありがとう」
大きな月を背に、君は微笑んだ
「最期に、会いたかったから」
行くな
そう、引き止めたかったのに
声も出せず、足も動かない
「あなただけがわたしのこと、わかってくれた」
君のやろうとしていることは間違っている
まだ引き返せる
なのに
「ありがとう、さようなら」
君は遠ざかっていって
ビルの下に消えた
僕の記憶には
君の安らかな瞳だけが残された
【安らかな瞳】
悲しそうな瞳の君に声をかける
「どうしたの?」
君は笑っていうね
「大丈夫だよ」
いつもみたいに笑うから.
その安らかな瞳をみると何も言えなくなるんだよ.
踏み込めたらよかったね.ごめんね。
安らかな瞳
今日も貴方を見つめる。遠くから。
この時間が私の幸せ。
貴方はいつも安らかな瞳をしている。
それは、あくまでも主観だから本当はそうじゃないかもしれない。でも、その瞳が私を幸せにしてくれる。
日々色んなものを映している貴方の瞳。
そんな瞳に私を映し出してくれる日が来るだろうか。
私は今日も貴方を見つめる。淡い期待を胸に抱いて。
魚は水の中で
どのような世界が見えているのだろう。
照らされた光が、
ゆらめいたりしているのだろうか。
狭く広い水槽の右下にいる君の瞳は
変わらず落ち着きを払い続けている。
いろんな角度から向けられる
私達の瞳はどのように映っていますか。
どこまでも深く安らかな瞳に
水槽は反転する。
安らかな瞳
僕を見つめる君は、いつもと何ら変わらない無愛想な顔。
けれどその瞳は、どことなく安らかだった。
【安らかな瞳】
どうか
最期目に映した情景が
あなたにとって
幸せな思い出でありますように
『安らかな瞳』
安らかな瞳
君は、最後、何をその安らかな瞳に映すだろう。
最後に見るのは僕の笑顔だったらうれしい。