『子猫』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
子猫
子猫をお迎えして1ヶ月が経った。
毎日が憂鬱で退屈だったのに初めて家に来てくれた日から私の心はとても晴れやかになった。
毎朝起きたときにおはようの挨拶をして、仕事から帰ってきたらおかえりをしてくれる。
休みの日には一緒にごろごろしたり、姿が見えなくて探せばクローゼットに隠れていたり、いつも私を楽しませてくれる。
これからもずっとよろしくね。
〇月✕日 くもり
こうえんのすみっこで子ねこをみつけた。ダンボールに入っていた。まっくろなねこだったから、わたしとおそろい。
家にかえってそのことを言うと、うちではかえないよって言われた。
子ねこがかぜをひくとわるいから、こうえんに行って、ダンボールの中にタオルを二まいしいてあげた。
〇月△日 はれ
子ねこはきょうもダンボールにいた。
ちいさなこえですこしだけニャーってないた。おなかがすいてるのかもしれない。
こうえんのすいどうから、りょう手で水をもって子ねこにあげた。水はすぐにこぼれちゃうから、なんかいも行ったりきたりした。
つかれたけど、子ねこがうれしそうだったからよかった。
〇月〇日 あめ
きょうのあさ、子ねこのところにいった。
子ねこはいなかった。
ダンボールもなかったから、たぶん、だれかがひろったんだとおもう。ちょっとかなしかったけど、こうえんはさむかったから、ひろわれてよかったねっておもうことにした。
またあいたいな。
△月✕日 はれ
となりのクラスの██ちゃんが、ねこをかっているらしい。
すてねこだったんだってみんなに言ってた。こうえんでひろったんだって。まっくろなねこだから、クロってなまえにしたみたい。
ねこをみたいみんなは、がっこうがおわってから██ちゃんの家にあそびに行くんだって。
わたしはなぜだか、██ちゃんのかおをみたくなくて、走って家にかえった。
そしてすこしだけ、██ちゃんのことがにがてになった。
ふっと私の目の中に小さな黒猫が写りこんだ。その黒猫は子猫のようだ。この子猫のお母さんはどこにいるのだろうか、元の飼い主に捨てられたのだろうか。気になることはたくさんあったが、まずは子猫の飼い主を探すことにした。首輪がないから探すのは大変だろうけど、子猫も飼い主の所に帰りたいだろう。そう思うとますます子猫を放っておけなかった。
子猫を抱き上げようと手を伸ばすと、その手をさっと避けて塀の上に登った。子猫でもあんなに高い所に登れるんだと感心しつつ、危ないよ、と声をかけた。
すると、子猫は私の前を歩いて行き、少し歩いた所で止まった。もしかして、ついて来い、とでも言っているのだろうか。違うとしても、私はついていくことにした。
しばらく歩いていると、知っている場所についた。暁月神社だ。確か、お祓いをしていた神社だったと思う。私は一度、お参りをしただけだったが、男子達はよくここでかくれんぼをしていた。隠れる場所が多いからかくれんぼには最適らしい。だから、遊んでいる最中に誘拐しようとする人もいたけど、未遂で終わっていた気がする。その効果が神社のかは知らないけど。
「どうしましたか。」
突然後ろから声をかけられた。振り向くと、この神社の巫女さんらしき人が立っていた。
「えっと……。黒い子猫を追いかけて来たんですけど……あれ?」
いつの間にか子猫はいなくなっていた。そして、巫女さんがこう言った。
「もしかしたら、あなたを助けたかったのでしょうね。」
わけが分からず混乱していると、また巫女さんがいった。
「ここに祀られている神は猫なんです。なので、世で黒猫は不吉だと言われているのに不気味がらずに自分のことを心配してくれたあなたのことを助けたかったのだと思います。」
私の方を見て巫女さんににこりと笑った。純粋で表裏のない笑顔だった。
「さっきからどういうことですか。私を助けたいって。」
「それはね、あなたが呪われているからでしょう。」
「…………ぇ。」
声にならない声が出た。私が呪われている?そんな話すぐに信じられなかったけど、思い当たることはあった。
最近、体調が優れなかったり、体が重い。信じたくないけど、彼氏が浮気して、その上ひどい振られ方をしたのもそのせいなんだろうか。
「でも、安心してください。今すぐ呪いを解きますから。あっ、でも無料ですからお金のことは心配しないでくださいね。」
そう言って私の呪いを解いてくれた。
帰るとき、最後に気になったことを聞いてみた。
「どうして子猫が私のことを助けたかったって分かったのでしょうか?」
「あぁ、それはね」
巫女さんが私の後ろの方を見て、
「その猫がこの神社の神様で、私に教えてくれたからよ。」
と、教えてくれた。後ろを振り返ったが、誰もいなかった。
あれから数年後、私は婚約者ができた。私のことを大切にしてくれる優しくてかっこいい同い年の人が。私のことを振った元カレは、浮気した分の制裁が下され、私とよりを戻そうとしたけど、振られた時と同じようにして断った。
今、幸せなのは、あの黒い子猫のおかげだ。そのお礼の気持ちをこめて、暁月神社に週に一回お参りしている。黒猫だとか、白猫だろうが、みんな同じ生き物だ。黒猫だから不幸になるとは限らない。私はそれを胸を張って言える。
なぜなら、私が黒猫に幸せにしてもらったからだ。
子猫
傷を晒すほど
あなたは誉めてくれました
絶やせない炎を
燃やすように生きてきました
子猫のように
傷を舐めて
もっと
骨の髄まで
生きていることを忘れさせるくらいに
跪いて
ずっと
私がいなくなっても
すぐ思い出せるように
思い出せるように
子猫
道端で見かけた子猫、お母さんと一緒なんだね。暖かくしてるかな、ご飯は食べられてるのかな。幸せになってほしいんだ。ほんとうに。しっぽが、草むらへとふわりと去った。
にゃあにゃあ、と。
か弱く儚く、にゃあにゃあ、と。
雨が降れば声は消えるだろうか、太陽が燦々であれば、元気に嬉しく話すだろうか。
にゃあにゃあ、にゃあにゃあ。
きっと、この声は子猫であろう。
気がつきゃにゃあにゃあ言っている、彼か彼女を私はまだ見たことはない。
にゃあ、にゃあ、にゃあ。
子猫のように不自然に泰然と
大切なプレゼントがどうせ腐るなら
心の隅の見えないところに
怯えて膝を抱えたままの自分も入れたら
角が二つ埋まってる現状
窓を覗くと秋空にこころ押されて
抜けた空気で少し浮き出す
「また、あの龍が見たいな」
首の歯形が明滅する
思い出した さっき
絵本の夕方を、拾ったじゃないか
走り出したら大丈夫
運命に轢かれないように
首の鈴を鳴らして翔ぼう
正直者が僕を見る。
哲学者が僕を見る。
ミステリアスが僕を見る。
美的感性が僕を見る。
精霊が僕を見る。
慰めが僕を見る。
最高傑作が僕を見る。
「子猫」より
小さな前足で 私の顔を踏みつける
フニフニ フニフニ
あぁ なんて気持ちがいいのだ
おやすみなさい
私は気持ちよさから
また眠りにつく
どこへ行ったのだろう
黄色く光る大きな目玉をぱちくりさせてこっちを見ていたのに
まだら模様の小さな身体はガラスの向こう側から姿を消していた
あまりにも大きな音だったから驚かせてしまったのかもしれない
まだ子猫だったからこちら側の出来事を理解出来ていなかったとは思うけど
「出てきてネコちゃん。あなたには何もしないわ」
もし咽せ返る血の臭いに辟易しているのなら
シャワーを浴びてから探さないとね
136/10
小さくて、あったかい。そして、小さくて細い声で「ニャーッ」となく。
子猫は人間の赤ちゃんと似ているお腹空くと泣いてそばにいてほしいときも泣く。本当に可愛くて…尊い。
子猫は私にとって癒しだ。
私の可愛い猫
公園にダンボールに
入れられて 捨てられてた子
まだ やっと 目が開いたばかり
の 小さな子 にゃーにゃーと
必死で 助けを求めて泣いて
可哀想で仕方がなく 家に
連れて帰った 家には 中型犬が
一匹 いた 子猫は この犬のベットに 入り 我がもの顔で 寝てしまった 困ったのは 犬 自分のベットに
得体の知れないものが 勝手に寝てるのだから しかし 相手が赤ちゃんだとは 認識しているのだろう
犬の方が 我がベットなのに 端の
方に 遠慮して 寝てる 次の日も
また 次の日も そうして 彼らは
一緒に 寝るのが習慣となった
子猫は 犬を 自分の 親と 思って
いるのだろう 何処に行くのも一緒
居ないと 探し まわる 可愛い 子猫
付き合い始めの頃
わたしはあなたよりお姉さんだから
あなたを甘やかすことが多かったね
まあ、あなたも猫かぶってたっぽいし
わたしも気の利くお姉さんのフリしてたし?
今ではあんな甘い時間 あんまりないよね
てれちゃうよね
膝枕して あなたの髪を ゆびで梳かしてる
なーんてねぇ
◇子猫◇
タイムリーなんだけども
昨夜ガレージから
仔猫の鳴き声と
其れに共鳴するかの如く
うちの猫さん達の
大合唱が
兎に角気になるわ
眠れないわで
今日の仕事は散々だった
今日はもう居なかったが
親猫と無事に合流出来たか
居着いたら
うちの猫仲間に
加わってもらおうと思ってたのに
残念
僕には兄弟がいた、みんなで雨の日も風の日も小さい段ボールの中でぎゅうぎゅう詰めだ
ある日兄妹の一匹が小さい女の子に抱かれてうちで飼っていい?と聞いて何処かに行ってしまった、一匹分隙間が空いたけどまだ僕たちはぎゅうぎゅう詰めだ
ある日兄妹の一匹がネズミを捕まえたら、それを見た魚屋さんがその兄妹を連れて何処かに行ってしまった、段ボールの中は僕たち四匹でぴったりの広さになった
ある日兄妹の二匹が腰の曲がったお爺ちゃんとお婆ちゃんのそれぞれに抱かれて何処かに行ってしまった、二人は孫が見たら喜ぶねと言っていた、段ボールの中は急に伽藍として、兄妹二匹でくっついて寝始めた
ある日最後の兄弟が、お兄さんとお姉さんの二人に抱かれて何処かに行ってしまった、ペットを飼えるアパートに引っ越して良かったねと言っていた、段ボールの中は僕だけになった、段ボールの中ってこんなに広かったんだ
次の日も、その次の日も、僕は段ボールの中で丸くなっていた、くっつく兄妹がいないとこんなに広くて、こんなに寒くて、こんなに寂しいんだと思った
ある日雪が降ってきて、僕はいつも以上に寒くて震えて動けなかった、身体に雪が積もってきて、案外これも温かいかもしれないと思った、そしたら雪が唐突に止んだ、うっすら目を開けると傘を差した女の人がしゃがんでいた
「私ね、雪っていう名前なの、あなたも真っ白い毛で私みたいね」
そういうと雪は僕を抱いて歩き出し独り言を呟く
「雪が二人じゃややこしいよね、あなたはスノー、これからよろしくね」
僕は雪に抱かれ、その暖かさに兄妹のことを思い出した、みんなこんな気持ちだったのかな、みんな幸せにしてるかな、そんな事を思ってると雪は僕のことをぎゅっと抱きしめた、あぁ、ぎゅってするのは幸せだな、僕は雪に頭を押し付けてもっとぎゅってして貰おうと丸くなった
【子猫】
声すら出せないまま、毛布の中でふるえている時。
なぜだろう、かれこれ1週間、子猫があとをつけてくる。ぶち柄の子猫だ。他の野良猫とは違って、眼光はまろやかで、優しささえ感じる。
最初は特段気にもとめていなかったが、否が応でも目に入るものだから興味が湧いてくる。
少し近づいてみるとあいつは少し離れ、走って行くと走って追いかける。黒くない影がまた1つ出来たようだった。
いつの間にか現れて、学校の校門で別れる、そんなあいつをいつしか「ぶち」なんて呼ぶようになった。
ぶち猫だからぶち。我ながらネーミングセンスのかけらもないと思うし、ぶちも面倒くさそうに顔を上げるばかり。ふてぶてしく風と戯れていた。
そんなあるとき、ぶちと出会って初めて、雨降りの日がやって来た。心配しながら学校へ向かう。その日は風も強く、普段の静寂が嘘のように通学路は慌てふためく草花で賑やかだった。
いつもより多く後ろを振り返る。おかしい。普段なら後ろについてきているはずの場所をいくつ過ぎてもぶちが現れない。大変そうに下っていたあの坂を過ぎても、おばあちゃんに声をかけられたたばこ屋の前を過ぎても、川を見ようと時々立ち止まっていたあの橋を過ぎても現れない。
ついに足が止まってしまった。待つより他はないと意識してしまった。すると、橋のそばのコンビニに、ぶちを見つけた。毛は濡れて固まり、ひどく震えている。風は強く吹いていた。
私は、呼びかける。
「ぶち!おいで!僕の傘に入っておいで!」
すると、ぶちはニィニィと弱々しく鳴きながら私の傘に入ってきた。足に必死に体を擦り付けていく。
制服が濡れるじゃないか、と思いつつも可愛いと思ってしまった。
じゃあ、ぶち、学校行こうか!
あぁ、彼は子猫だ
凶暴で、従わず、欲深い。誰にだって愛されているのに、誰も愛していないし、何も知らない
寂しがり屋でいたいけで、嫉妬深くて落ち着かない
彼は子猫だ
私たちは地図だ
子猫
もしも私が子猫だったら
あんな事やこんな事を経験してみたい
存在だけで飼い主にものすごく可愛がられる
あざとく可愛いところを見せて喜ばせてみる
液体のようになって色んなところに潜り込む
猫じゃらしで一心不乱に遊ぶ
遊び疲れて寝たい時はその場で寝る
私だけの美味しいご飯を取り揃えてもらう
ツンデレな態度をとってみる
自分の機嫌最優先で行動する
かる~くキャットタワーに登ってみる
猫パンチを繰り出す
時々逃亡して、飼い主に心配されてみる
見つけたときにぎゅっと抱きしめてもらう
飼い主の膝の上でナデナデしてもらい、喉をゴロゴロ鳴らす
飼い主に全幅の信頼を寄せてみる
どんだけなん…わたし
猫も子猫も猫好きも子猫好きも苦手
そんな私はやたらと猫に好かれる
こういう所が、苦手
(嫌いとは言っていない)
(子猫)