『子供のように』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
今回のお題は『子供のように』
今思えば、わたし子供のように
ハチャメチャすればよかったなって
後悔が残ってる。
恋もできたら、したかったな
これからもずっと時のスピードが
早くなっちゃうと、怖いな、、、、。
頑張って、時の流行りに従って
子供のようにハチャメチャ
できるように頑張ろう。
だって
ぼくは拗ねちゃった
ぼくは
土日になるとやりたいこと集中出来ず
嫌になるのに
キミはお仕事を一生懸命に
がんばってくれてて
おれはどうすりゃいいんだ?
メイクはした。
キミからのLineも色んなことで気が散って
返せなかった。
何も出来なくて
色々しようとして
身動き止まっちゃうんだ。
唯一してるのは
BENIの音楽を聴いてること…
なんで、おれ
こうなんだ、
話す友達も気分なんかじゃない
キミのLineの気分でさえない
キミと話してたい気分なんだ。
キミと全部思ってること
言えたら…
泣いたよ
あいたくて
だんだんと
こうあるべきが外れていくと
自然体になっていく
無邪気になっていく
子供のように
目の前のことを楽しむ
この瞬間だけに生きられる
〜子供のように〜
★子供のように★
泣いたり、笑ったり、怒ったり。
喜びや幸せの感情すらも、大人になるにつれ、押し殺す術を身に付けていく。
人前で泣いたら恥ずかしいとか。
人前で激情したら大人げないとか。
人前で飛んで喜んだらはしたないとか。
もちろん、時には我慢も必要。
だけど、子どものように素直な感情を出せたならって思う時もある。
どんな大人だって、子どもの頃はあったんだ。
誰もがみんな、喜びや悲しみを素直に出せる世界だったら、世の中って今とは少し違うものになっていたのかな。
『子供のように』
子供のように笑う君が好きだった。
無垢な君なら、僕を受け入れてくれるだろうという打算で付き合った。
けれど、今の君はどうだろう。
目を伏せて、唇を閉じたまま緩く口角を上げる姿は、まるで大人のようだった。
初めて見る年齢相応の笑顔だった。
あぁ、何を知ってしまったんだろう。
僕が本当は、悪い人間だと気付いてしまったのか。
君は、“騙してたんだね”とは言わなかった。
静かに、「別れよう」とだけ、口にする。
それは一重に、君の優しさだった。
涙がこぼれる。
こんな僕でも、浅ましい打算で君と付き合った僕でも。
いつの間にか、子供のように声を上げて泣いてしまうほど、君を愛していたみたいだ。
【子供のように】
日の落ちた薄暗い生徒会室を覗き込めば、各部活からの予算申請書類をテキパキとチェックしている君の横顔が目に飛び込んできた。真剣そのものな表情は、普通の者であれば話しかけることすら憚られるほどに怜悧で鋭い。誰しもが認める文武両道の優等生さまは、家柄も良ければ顔立ちも整っていて、欠点のない完璧な生徒会長なんてクラスの子たちが噂するのもわからなくはなかった。だけど。
「ねえ、他の生徒会の子はどうしたの?」
「用事があるって言うから。僕が一人でやった方が早いし」
いかんせん付き合いの長い身だ、今さら集中モードの彼へと話しかけることに躊躇など感じない。問いかければ視線を私へと向けることもなく、君は淡々と応じた。放たれたセリフに思わず眉を顰めて、君の手の中の書類を奪い取る。
「あのね、人を上手く使うのも君の仕事でしょ。すぐ楽なほうにサボろうとするんだから」
やれやれとため息を吐きながら苦言を呈すれば、君はようやく私へと顔を上げた。その唇が不満げに尖っている。まったく、これのどこが完璧な生徒会長なのか、誰か私に教えてほしいくらいだ。
「うるさいなぁ。君は僕の指導役か何かなわけ?」
「はいはい、文句は歩きながら聞くからとっとと帰るよ」
促せば不機嫌そうな表情を隠そうともせず、君は立ち上がる。まるで子供のように拗ねてみせる君のこんな姿、きっと私しか知らないんだろう。頭をもたげた仄暗い優越感を心の奥へと封じ込めて、私は君の背を押した。
おばあちゃんが好きでした
笑顔がチャーミングでした
ソファーでボクが寝てると
布団を何枚も掛けてくれた
おばあちゃんが好きでした
夜中に眠れなくなった時は
おばあちゃんの部屋へ行き
一緒に眠ってもらいました
ボクが大人になる頃のこと
おばあちゃんは旅立ちます
見えない世界へ引越します
おばあちゃんは生きてます
ボクの心の中でいつの時も
おばあちゃんが笑ってます
大きな向日葵の花のように
美しく咲き誇ってるのです
そうしてボクも笑うのです
『子供のように』
エネルギー
周りが見えなくなる
焦りではなく没頭
選択の余地を考える必要もなく
全てのベクトルは
あの輝きに向かっている
※子どものように
【 お題:子供のように】
社会に出てみると
学校での勉強も
大事ではあったが
休み時間や放課後に
子供同士で
経験したことは
何物にも代えがたい
とつくづく思う
吉田戦車の「まんが親」で
彼の娘さんが子供同士で
遊んでいた時のこと
年上の女の子から
「そんなこと言うと、
ハブられるよっ」
と注意を受ける
その様子に
母・伊藤理佐が
「アブられるって…」(←だったか?)
と目の幅大に 涙を流し
そこに
父・吉田戦車が
「ハブられる、な。」
と妻にツッコむ話があった
子供はストレートに
自分の本音を
出すことが多いが
それはまた
自分本位な
発言や行動をしようものなら
周りの子ども達からも
まるごとの本音で糾弾される
ということでもある
コミュニティーの中の自分、
というものを 皆それぞれ
自分の体で覚えていくのだ
社会に出ると
よほどの間柄でなければ
子供のように
こちらの
行動や発言のマズさについて
誰も指摘などしてくれない
状況によっては 相手が
黙って去っていくことも
あるだろうし
支障がない程度の
浅い付き合いへと
移行されることも
あるだろう
人はいつだって
人間関係に悩むものだが
子供の頃から
現在においても
失敗して 痛い目を見て
周りとの丁度いい距離を
自分なりにつかんでいくのが
人付きあいの
一番のコツかもしれない
どうして、いつからか、上手くできなくなってしまうんだろう。
素直に楽しんだり、喜んだり、怒ったり、悲しんだりすることが。
空気を読んで、社会を円滑に回す為に、仮面を被って生きている。
本当は、子供のように、誰かに甘えてみたい。わがままを言って、困らせたりしてみたい。
全力で好きなことを楽しんで笑いたい。
理不尽には怒って、嬉しいことがあれば純粋に喜びたい。
大声を上げて、人目を気にせずに泣き出したい。
いつしかできなくなってしまったこと。また、子供のように、してみたい。ただの夢でしかないけれど。
『子供のように』
「子供のように」
今思うと、子供のころは何でもできたと思う。
有り余る体力と、未知のものへの好奇心、スポンジのような吸収力。
特に、新しいものを記憶していく能力は無限にあった。
小さいころからドラクエが好きで、攻略本をよく読んでいた。
かなり作りこんであり、表やグラフ、フロー図などを駆使してわかりやすく説明してくれている。
地図の見方の訓練になるし、説明文も充実しているため日本語の勉強にもなる。
何種類もあるアイテムや敵キャラもどんどん、記憶することができた。
もう大人になってしまったが、本から何かを学ぶときには少年に戻ったつもりで楽しみながら取り組みたい。
「大人っぽいね」
小さい頃から言われていた言葉だ。そのまま受け取れば褒め言葉だろうが,裏を返せば「子供らしくない」だ。私は小さい頃から大人しく人の言うことはよく聞くようにしていた。そうしないと怒られるからだ。なので小さい頃は自分を出さずに大人しく周りの話ばかり聞いていたため同級生からも大人からも「大人っぽいね」とよく言われていた。当時の私は褒め言葉だと思っていたが,今思えば後悔している。自分を上手く出せなくなってしまったのだ。もし,「大人っぽいね」と言ってくれていた人の中に「子供のように生きなよ」と言ってくれる人がいてくれたら,今の自分とは違う自分かもしれない
【子どものように】
先に明示しておくが、ここに記す所在地名は仮名であることをご留意願いたい。
私は先日の三連休で、人里離れた山奥の永寿(えいじゅ)峠と呼ばれる峠を訪れていた。
永寿というとなんとも縁起が良さそうなものだが、この峠には少し妙な噂があった。
夜になると、赤ん坊の声がそこかしこから湧き出すのだそうだ。
私はその類の話が大の好物だったため、それなら、とすぐさまその現場へと赴く支度を始めたのだが、泊まった民宿のおかみからひどく心配された。「ほんまに行かはるんけ」と執拗に言われたが、結局懐中電灯片手に一人その峠へ向かったのだった。
時刻は夜中の二時に差し掛かろうとしていた。さすがに十月の夜は冷え冷えとしており、もう少し厚着をしてくるんだった、と後悔した。
秋風に吹かれて木々がざわめく音が聞こえる。所々で虫達がりぃりぃと鳴いていた。峠の中腹辺りまで登ってくると、目下にぽつぽつと民家を認め、ずっと奥には町の影が見えた。
そんな中、どこからか先程まで聞こえていた秋の季節の音とは違う音が聞こえ始めた。私はそれを聞き逃さまいとするように耳を澄ます。
……おんぎゃあ、おんぎゃあ
……おんぎゃあ、おんぎゃあ
赤ん坊の声だった。声、というよりは泣き声と呼ぶのが適切だろうか。その泣き声が、四方八方、至るところから湧き出している。地中深くから這い寄るように聞こえ出したその泣き声は、地面から徐々に登ってきて私の下肢に絡み付く。あまりにも気味が悪く、怖気が全身を走った。
私は急いで峠を降ろうと足を動かす。最中にも泣き声は止むことなく聞こえるが、その中にさらに別の声が混じりだす。
……くふふ、くふふふ
……あはは、あははは
これは、幼児か、それくらいの少年少女の笑い声だろうか。幼い笑い声が、木々の陰やそこらの草むら、先程まで私がいた峠の辺りから降り注いできた。
私は全身全霊で峠を降った。もうその場にはいたくなかった。あの声を聞いているとどうにも苦しいのだ。気味の悪さももちろんだが、なぜだか悲しくなるのだ。
峠の入口まで降りてくると、もう声は聞こえなくなっていた。ふと入口に、行きの時には気にもしなかった地蔵があることに気がついた。
懐中電灯を当ててその地蔵を観察する。よくあるお地蔵様だ。灯りを顔のあたりに当てると、地蔵が子どものように、にたぁ、と笑みを浮かべたような気がした。
後に聞いた話だが、昔、永寿峠は別の名前で呼ばれていたらしい。
嬰児(えいじ)峠。嬰児とは、生まれたばかりの赤ん坊を指す言葉だ。
その昔、この峠では口減らしとして小さい子ども、とりわけ赤ん坊が捨てられていたらしい。もちろん、親としても苦渋の選択であったのだろう。捨てられた子どもたちのせめてもの供養のため、峠の入口に地蔵を立てたとのことだ。
箸が転んでもおかしい年頃でもないのだか、壊れたかのようにケラケラと笑う。
最後には渋滞を起こして咽せる始末。
翌日には笑いすぎて腹筋が筋肉痛になっている。
同じ番組を一緒に見ていて、どこがツボだったんだろうと不思議に思う。
子供のように笑う楽しげな笑顔をふと思い出す。
今更ながら、つられてクスリと笑う。
子供のように
「今だけは泣いても僕しかいない、だから思いっきり泣きな」
僕がそう言うと、彼は泣き始めた。すべてを吐き出すように、子供のように。
泣き止む迄そばにいた。
# 151
大人なので、朝早く起きて朝食の支度をし、
大人なので、満員電車に文句も言わず、
大人なので、職場に早めに着いて始業前に業務の準備をし、
大人なので、部下からの突然のヘルプに慌てず対応し、
大人なので、丁寧な口調を崩さず上司に説明をし、
大人なので、残業覚悟で今日やる仕事を全て終わらせ、
大人なので、帰宅間際にコンビニに寄って買い物をし、
大人なので、布団の上で寝そべりつつ漫画とゲーム機を枕元に置いて大型モニターでアニメを視聴しつつコンビニスイーツを堪能します。
大人なので、ね。
子供のように
私は母に愛されなかった。
愛されなかった子。
そのことは、常に私の根幹を傷つけてきた。
母にさえ 愛されなかった私が 人を
愛せるのか
愛されるのか
私を苛(さいな)む、呪文。
全ての人間関係の基本である親子関係
それに失敗したという思いが私にはある
私は、認めたくなかった。
おかあさんだって つかれているのよ
きげんがわるいだけよ
おかあさんには
おかあさんのじじょうがあるのよ
私は、そう思い込もうとした。
母に 抱きしめられなくて
母の 温もりが得られなくて
母に
拒絶されて。
わたしは さみしいのだと
わたしは かなしいのだと
わたしは あいされたいのだと
その気持ちを押し殺した。
わたしは
わたしは
わたしは
ずーっと
時間を巻き戻し私はわたしを抱きしめにゆく
子供じゃないのに、
子供のように笑うあなたに
スッと心が浄化されて
自分も年甲斐もなく、
子供のように笑う
大人になってからこんなことあったっけな…
純粋に笑うって事。
なんだか目の前で笑ってるあなたを見たら
不思議な気持ちになって
「ありがとう」の気持ちがうまれた。
#子供のように -34-
「子供のように」
もう、別れよう
そうつぶやくと
「えっ…」って言ったっきり
私のほしいのは
「NO」の意思表示
なのにあなたは
私の意志を尊重しようとする。
あなたの、心って
ほんとうにピュアで眩しい。
まるで子供のように純で無垢。
私が「大っきらい」と言えば
嫌いなんだね、と思うでしょう。
そうしてあなたはきっと
「ありがとう。さようなら」
と口にする。
でも私の欲しいのは…!
放課後あいつのお墓を尋ねる
ある夕方親友のあいつは交通事故で死んだ。あいつが死んだとき俺は今と同じように少し冷えた空気の漂う土手の上の通学路から無味無臭の夕日を眺め下校していた。あいつは死ぬとき何を考えていたんだろう。
「ゆう先輩、お久しぶりです」
後ろから肩の小さい黒髪に焼けた肌の似合う後輩の智美に呼ばれ、表情を考えながら気さくに振り返って返事をした。
「先輩、これ以上先輩が辛くなるようなことはやめてください。私は先輩の味方です。」
「トモありがとう、でも大丈夫もう立ち直ったから」
バレないように完璧に返事をできたと思ったが、感の鋭いトモには見透かされてしまっていた。だが実際俺はあれからすでに少しは立ち直ってきてはいた、あと少しなんだ。それから俺は気を遣わせないように、昔のように二人でくだらない話をしながら家の近くまでトモを送った。別れ際トモは俺に体当たりを食らわしたあと、「心配してるのに、先輩のわからず屋ー」と吐き捨てながら手を振って家に向かっていった。それを呆然と見送ったあと俺は少し笑い、あいつの墓に向かった。
(本当にいい友達を持った。思い返せば死んだあいつもいい友達だったな...本当に...。)
そう心のなかで考えながら俺は雨風で歪んでしまった白いボーダーの上を歩いていた。瞬間、耳元でもう遅いと知らせるようなけたたましい轟音が響き俺の視界は宙を舞った。
「おーい裕貴起きろ。ゆっきー駅過ぎるぞー」
「うわああああああぁぁ......は?」
田舎を通る通勤時間なのに人がそれほど多くないのどかな電車の中で、俺は隣の車両の人間まで振り返るような奇声を上げた。隣で座る性格に似合わない柔らかく長い髪に透き通るような肌で制服姿のあいつは引きつった顔を浮かべたあと笑いをこらえながらそそくさと電車を降りていった。俺は何が起こったか分からず、あいつの後を追って電車を降りた。ホームの外に出ると大爆笑のあいつとよくわかっていなさげなトモが待っていた。
「あっせんぱぁ...ええええ先輩大丈夫ですか?」
トモに驚いたように顔を指差され俺はそこでようやく目から涙が次々溢れていることに気づいた。だが俺はなぜこんなに涙が出るのかわからなかった。ただ分かるのはその涙がとても暖かいことだった。
「ギャハハ号泣だこいつー」
「美幸先輩心配してあげてください」
「なんだコレ止まらない...」
「ゆっきー結局頭大丈夫だった?さっきネジ落ちてたけどあれゆっきーのじゃない?」
「あーそれ友達の非常事態に笑うクソ野郎のこめかみだわ」
「裕貴先輩も美幸先輩も仲良くしてくださいね」
何故か久しぶりに楽しいと感じる三人でのいつも通りの下校中、もう夕日が差しているというのにあいつはまた朝の話題を振ってきた。結局あいつはその日1日中何度もその話題で笑っていた。そんなあいつに辟易しているとトモがなにやらもじもじ言いにくそうに話しだした。
「先輩、もしかして誰かに振られたとかですか」
「えぇ全然違うよ。まじでわかんないんだよ。」
そこでトモは何故か安心したような顔をした。そして一つ間をおいて「前からお二人に聞きたかったことがあるんですけど」そう前置きを言いながら話した。
「二人ってお互いのことどう思ってるんですか」
俺とあいつは少し考えてから答えた。
「私はいい友達かな」
「俺は普通の友達」
「そうですか、すいません変なこと聞いちゃって」
俺達は何か気まずい雰囲気を取り繕い、そこからはまたくだらない話をして途中あいつが別れて帰った。
なぜだか冷や汗が止まらなかった。気味の悪い紫が含まれた夕日が横でボヤボヤと沈んでいく中、俺とトモは土手の上を一緒に歩いていると、トモは突然
「先輩今日うち来ませんか。今日実は親がいなくて…」
「え」
俺は冷えた風が流れる中、垂れる汗を拭いながらなんとか返事をした。
「先輩、私…」
「ちょっとまってくれ」
何かを忘れている気がする。俺はふと太陽の方を見た。その無味無臭の夕日を見たとき、俺はあの時の後悔が蘇り恐怖した。
「智美ちゃん、悪いこれ持っててくれ」
そう言って俺はすべてをかなぐり捨てて走り出そうとした。瞬間、俺はトモにおもいっきり腕を掴まれた。見るとトモは紫の夕日に照らされ不安げな顔で俺を見つめていた。俺はそれでも「ごめん。」そう言い、力づくで腕を振り払って走った。別れ際トモは
「本当にごめんなさい...頑張って。」
掠れるようにそういった。顔はよく見えなかった。
俺はもう後ほんの数分で沈んでしまう夕日を横目に冷たく硬いアスファルトを走った。足に伝わる衝撃が、無力さを嘆いた自分やこの世の無価値さを悟った自分を思い出させた。あいつが死んだのは夕方だった。もう遅いかもしれない。しかし、通る道すべてからあいつとの思い出が泡のように溢れ出て止まることはできなかった。一緒に水鉄砲で武装し、木陰でカードゲームをした、二人乗りの自転車で最寄りのスーパーまでゲームを買いに行った、それらすべてが夕日の影に触れては弾けて消されていった。もう後数秒で日が沈む。やめてくれ。美幸のいない世界は嫌だ。
そして事故現場の数メートル手前までついたとき、
「ドン」
と虚しい大きな音がした。
俺が駆け寄ると車は逃げ去りこめかみから血を流した美幸を見つけた。俺はすぐに119に電話をし救急車を頼んだ。
「美幸、美幸、美幸起きてくれ!頼む!」
「ゆっきー?どうしたの。頭痛い」
「喋っちゃだめだ、体力を温存しないと。」
頭がパニックでうまく働かなかった。
「あーあたし事故ちゃったんだ。」
「大丈夫助かる」
「これ私の血?どうしよう。」
「大丈夫だよ」
早く来いよ救急車
「ねえゆっきー」
やめてくれ
「裕貴」
やめてくれ
「ねえ」
美幸の血は冷たいアスファルトにどくどくと流れ出し、あたりを赤く染め上げていた、夕日はもうすでに沈み、終わりを告げるような紫が空を支配し始めていた。遠くからか弱いサイレンが近づく音が聞こえ、あれが到着すればすべてが終わる、俺はそんな気がした。俺には言わなくてはならないことがある。
言わなくて本当にごめん
「…」
「美幸、好きだった。」
「あたしも」
「ありがとう、本当にありがとう」
「...」
美幸は笑いながら俺の手を握った
定期的な電子音にアルコールのにおう少し硬いベッドの上で俺は目覚めた。トモがベッドに突っ伏しながら眠ってしまっていた。俺の顔からはまた、涙が溢れてしまっていたが、もうそれをいじる声は聞こえなかった。そしてもう一度「ありがとう」そっとそう言った。