『子供のように』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「子供のように」
もう、別れよう
そうつぶやくと
「えっ…」って言ったっきり
私のほしいのは
「NO」の意思表示
なのにあなたは
私の意志を尊重しようとする。
あなたの、心って
ほんとうにピュアで眩しい。
まるで子供のように純で無垢。
私が「大っきらい」と言えば
嫌いなんだね、と思うでしょう。
そうしてあなたはきっと
「ありがとう。さようなら」
と口にする。
でも私の欲しいのは…!
放課後あいつのお墓を尋ねる
ある夕方親友のあいつは交通事故で死んだ。あいつが死んだとき俺は今と同じように少し冷えた空気の漂う土手の上の通学路から無味無臭の夕日を眺め下校していた。あいつは死ぬとき何を考えていたんだろう。
「ゆう先輩、お久しぶりです」
後ろから肩の小さい黒髪に焼けた肌の似合う後輩の智美に呼ばれ、表情を考えながら気さくに振り返って返事をした。
「先輩、これ以上先輩が辛くなるようなことはやめてください。私は先輩の味方です。」
「トモありがとう、でも大丈夫もう立ち直ったから」
バレないように完璧に返事をできたと思ったが、感の鋭いトモには見透かされてしまっていた。だが実際俺はあれからすでに少しは立ち直ってきてはいた、あと少しなんだ。それから俺は気を遣わせないように、昔のように二人でくだらない話をしながら家の近くまでトモを送った。別れ際トモは俺に体当たりを食らわしたあと、「心配してるのに、先輩のわからず屋ー」と吐き捨てながら手を振って家に向かっていった。それを呆然と見送ったあと俺は少し笑い、あいつの墓に向かった。
(本当にいい友達を持った。思い返せば死んだあいつもいい友達だったな...本当に...。)
そう心のなかで考えながら俺は雨風で歪んでしまった白いボーダーの上を歩いていた。瞬間、耳元でもう遅いと知らせるようなけたたましい轟音が響き俺の視界は宙を舞った。
「おーい裕貴起きろ。ゆっきー駅過ぎるぞー」
「うわああああああぁぁ......は?」
田舎を通る通勤時間なのに人がそれほど多くないのどかな電車の中で、俺は隣の車両の人間まで振り返るような奇声を上げた。隣で座る性格に似合わない柔らかく長い髪に透き通るような肌で制服姿のあいつは引きつった顔を浮かべたあと笑いをこらえながらそそくさと電車を降りていった。俺は何が起こったか分からず、あいつの後を追って電車を降りた。ホームの外に出ると大爆笑のあいつとよくわかっていなさげなトモが待っていた。
「あっせんぱぁ...ええええ先輩大丈夫ですか?」
トモに驚いたように顔を指差され俺はそこでようやく目から涙が次々溢れていることに気づいた。だが俺はなぜこんなに涙が出るのかわからなかった。ただ分かるのはその涙がとても暖かいことだった。
「ギャハハ号泣だこいつー」
「美幸先輩心配してあげてください」
「なんだコレ止まらない...」
「ゆっきー結局頭大丈夫だった?さっきネジ落ちてたけどあれゆっきーのじゃない?」
「あーそれ友達の非常事態に笑うクソ野郎のこめかみだわ」
「裕貴先輩も美幸先輩も仲良くしてくださいね」
何故か久しぶりに楽しいと感じる三人でのいつも通りの下校中、もう夕日が差しているというのにあいつはまた朝の話題を振ってきた。結局あいつはその日1日中何度もその話題で笑っていた。そんなあいつに辟易しているとトモがなにやらもじもじ言いにくそうに話しだした。
「先輩、もしかして誰かに振られたとかですか」
「えぇ全然違うよ。まじでわかんないんだよ。」
そこでトモは何故か安心したような顔をした。そして一つ間をおいて「前からお二人に聞きたかったことがあるんですけど」そう前置きを言いながら話した。
「二人ってお互いのことどう思ってるんですか」
俺とあいつは少し考えてから答えた。
「私はいい友達かな」
「俺は普通の友達」
「そうですか、すいません変なこと聞いちゃって」
俺達は何か気まずい雰囲気を取り繕い、そこからはまたくだらない話をして途中あいつが別れて帰った。
なぜだか冷や汗が止まらなかった。気味の悪い紫が含まれた夕日が横でボヤボヤと沈んでいく中、俺とトモは土手の上を一緒に歩いていると、トモは突然
「先輩今日うち来ませんか。今日実は親がいなくて…」
「え」
俺は冷えた風が流れる中、垂れる汗を拭いながらなんとか返事をした。
「先輩、私…」
「ちょっとまってくれ」
何かを忘れている気がする。俺はふと太陽の方を見た。その無味無臭の夕日を見たとき、俺はあの時の後悔が蘇り恐怖した。
「智美ちゃん、悪いこれ持っててくれ」
そう言って俺はすべてをかなぐり捨てて走り出そうとした。瞬間、俺はトモにおもいっきり腕を掴まれた。見るとトモは紫の夕日に照らされ不安げな顔で俺を見つめていた。俺はそれでも「ごめん。」そう言い、力づくで腕を振り払って走った。別れ際トモは
「本当にごめんなさい...頑張って。」
掠れるようにそういった。顔はよく見えなかった。
俺はもう後ほんの数分で沈んでしまう夕日を横目に冷たく硬いアスファルトを走った。足に伝わる衝撃が、無力さを嘆いた自分やこの世の無価値さを悟った自分を思い出させた。あいつが死んだのは夕方だった。もう遅いかもしれない。しかし、通る道すべてからあいつとの思い出が泡のように溢れ出て止まることはできなかった。一緒に水鉄砲で武装し、木陰でカードゲームをした、二人乗りの自転車で最寄りのスーパーまでゲームを買いに行った、それらすべてが夕日の影に触れては弾けて消されていった。もう後数秒で日が沈む。やめてくれ。美幸のいない世界は嫌だ。
そして事故現場の数メートル手前までついたとき、
「ドン」
と虚しい大きな音がした。
俺が駆け寄ると車は逃げ去りこめかみから血を流した美幸を見つけた。俺はすぐに119に電話をし救急車を頼んだ。
「美幸、美幸、美幸起きてくれ!頼む!」
「ゆっきー?どうしたの。頭痛い」
「喋っちゃだめだ、体力を温存しないと。」
頭がパニックでうまく働かなかった。
「あーあたし事故ちゃったんだ。」
「大丈夫助かる」
「これ私の血?どうしよう。」
「大丈夫だよ」
早く来いよ救急車
「ねえゆっきー」
やめてくれ
「裕貴」
やめてくれ
「ねえ」
美幸の血は冷たいアスファルトにどくどくと流れ出し、あたりを赤く染め上げていた、夕日はもうすでに沈み、終わりを告げるような紫が空を支配し始めていた。遠くからか弱いサイレンが近づく音が聞こえ、あれが到着すればすべてが終わる、俺はそんな気がした。俺には言わなくてはならないことがある。
言わなくて本当にごめん
「…」
「美幸、好きだった。」
「あたしも」
「ありがとう、本当にありがとう」
「...」
美幸は笑いながら俺の手を握った
定期的な電子音にアルコールのにおう少し硬いベッドの上で俺は目覚めた。トモがベッドに突っ伏しながら眠ってしまっていた。俺の顔からはまた、涙が溢れてしまっていたが、もうそれをいじる声は聞こえなかった。そしてもう一度「ありがとう」そっとそう言った。
子供のように
子供のようにと
懐かしみ羨むなら現在を生きましょう
大人も子供ようなもの
子供には子供の制限がある
大人には大人の都合がある
大人だからこそ
子供のようになんだろうけど
子供にはなりたくないでしょう
子供になれたら大人のようにになるのか
現在に対する不満なら
未来に向けてやれるようにやりなよ
子供には戻れなくても
大人だからこそ出来ることは多い
これからがあるんだから
なれないものを目指しても仕方ない
いまからできる事をするしかないと思う
子供のように
まいったなあ。
皆は帰ってしまって夜のフロアに二人きり、私のちょっとした冗談に、あまり表情を変えないあなたがまるで子供のように笑い出す。
そんな笑顔を見るたびに息が詰まって、胸がいっぱいになって、触れたくて伸ばしそうになる手をぎゅっと握りしめている。
今朝だって隣り合わせたエレベーターで、あなたは目を細めて笑いかけてくれたよね。
その笑顔は私だからって思ってもいい?
自惚れちゃってもいいの?
#56
『幼年期』
冷めていくクローゼットの中 記憶は忘却線で遊んでる 紙飛行機はしわくちゃで 私の夢も欠航便
叱られたからそこにいたわけじゃない おやつに黒飴もう飽きた もっと純粋に楽しいことを見つけたい
子供のように
好奇心とやらで、私を覆い尽くして。君だけは分かってくれるかな。どこからとなく出てくるんだ。今の気持ちはどこかへの期待。
子供のように
あの時のように、無邪気に、
自分に素直に、
そんな風に出来たら楽なのにな。
あの時も別に出来てなかったか。
子供のようにはしゃげなくなり、日々の仕事に忙殺されていた。そんな私が出会ったのが"推し“だ。出会いはあまりに突然だった。荒んでいた心にストンっとハマった。インドアだった私が彼に会うため各地へ飛び、イベントやライブに参加した。すごく幸せな時間だった。しかし、そんな時間はすぐに終わりを迎えた。仕事が多忙を極め、推し活に割く時間が失われたのだ。起きて仕事して帰って寝る。休みも寝ているだけで気付いたら終わる。何のために生きているのだろう。推し活が、推しがどんなに私に力をくれていたのか。あの楽しかった日々は戻る日が来るのだろうか。もう一度、子供のようにはしゃぎ、推しと生きていたあの日に私は戻りたい。
子供のように 。
子供のように 、 幸せを願った 。
子供のように 、 ひたすらに 。
夢中になって 。
「 今日は何をお話に来たんだい ? 」
柔らかい笑顔をその顔に称え 、
今日も仲間の …… " 家族 " の話を聞く 。
家族の心を支えるのが私の幸せだから 。
子供のように 、 笑う 。
しかしその笑顔は子供のようではない 。
何処か 、 寂しそうな 。
純粋な笑顔ではない 。
それでも 、 ひたすらに 、 子供よりも
子供のように 、 1つの事を願い続ける 。
皆の幸せを 。
望まれていないかもしれないなんて 、
考えたこともない 。 だから 、 ただの自己満足
だなんてことも考えない 。
皆の幸せが私の幸せだから 。
" 子供 " を経験しなかった彼女が大人になった今
その姿は 、 性格は 。
家族の誰よりも " 子供 " なのかもしれない 。
それでも彼女は今日も聞く 。
「 いらっしゃい 。 今日はどうしたの ? 」
- 子供のように
- 水縹天
#子供のように
あの子に構って欲しくって
毎度毎度逢いに逝く
まるで
本当の子供みたい
子供のように笑って、
子供のようにはしゃぎ回る
あの時間が好きだった。
子供のように。
子供のように、なんて言うけど、一体いつから子供じゃなくなったんだろう。
じゃあ、大人かって聞かれると、返答にも困るけど。子供って言い張れるほど、素直でも一直線でもなく、わがままで偏屈でもないと思う。
君はまだ、若いね。えっ、まだ19歳だったの?どちらが嬉しいとか、悔しいとかは無くて、ただただそれが関係あるのねって飽和した気持ちになる。どうでもいい。あなたからの、その、感嘆。
だけど私は、私の中で、必ず子供のような心を忘れちゃダメだと決めている。何かを間違った時に思い直せる素直さも、挫けたことにすら気づかない鈍感さも、抵抗なく踏み出せる一歩も、無駄にすら感じない日々の時間の流れも、ふと寂しくなる事なんか無い無知な自分を途切れさせないように。縋るって言葉が一番正しいのかもしれない。
ボクは今日も一日を過ごす。それは明日よりは手前で、昨日よりは半歩進んだどこかの時間。
子供のように。ただ、ありのままに、歳をとる。
子供のように
「ねえ、お母さん。今日、実家帰ってもいい?」
一人暮らしのアパートで、スマホを耳に当ててベッドにダイブする。どすん、とベッドが鳴る音が聞こえたらしく、お母さんはくすくす笑った。
「帰ってくるのは構わないけど、あなた、かなり疲れてるのね。こっちまで一人で来れる?」
「電車には乗れると思うけど…。駅から歩くのやだなぁ」
大学生にもなってみっともない。そんなことを言われそうな態度だが、お母さんは全く気にせずに続ける。
「なぁに、そんなに疲れるようなことしたの?」
「…昨日、遅くまでバイトして、今日は講義受けてからずっとレポート書いてた」
大きめのため息をつくと、またスマホからお母さんのくすくす笑う声が聞こえた。
「あーらまぁ。しょうがないわね。駅まで車で迎えに行ってあげましょう」
「ありがとう、お母さぁん」
「はいはい。電車乗ったら、連絡ちょうだいね」
また、くすくすという笑い声を残して電話は切られた。
重い体に鞭打ってベッドからのそりと起き上がる。スマホと家の鍵だけパーカーのポケットにしまって、家を出た。
まるで小学生が近所に遊びに行くような感覚で、大人が実家に帰る。まったく、いつまでも子供のままだ。
でも、それでいい。大学生だろうが、成人済みだろうが、子供のように振る舞えるところがあってもいいじゃないか。
親友から、こんなメールが届いた。
「死のうと思う。どういう死に方がいいか決めてくんない?俺、家にいるから。」
死ぬ?ふざけているのだろうか。死に方を決めてほしい?これ以上に阿呆らしいお願いはこの世に存在するのだろうか。きっとふざけているんだろう。心配した俺の顔を見たいだけだろう。
……もし、本気だったら?
そんな考えが頭をよぎって、気がつくと自分の家を飛び出していた。俺は、無我夢中で走った。もし、お前の悪ふざけで、俺が恥をかいてもいい。それより、お前がいなくなるのが怖い。怖くて怖くてたまらない。そんな思いのせいで、走る速さは徐々に速くなっていった。
そして親友の家に着いた。無意識にインターホンのボタンを連打していた。
ガチャリ。
「あぁ、本当に来てくれたんだ。」
出てきたのは暗い雰囲気の親友だった。
「お、お前、本当に死ぬつもりなのか?」
無言の時間が続いた。この無言の時間の長さから、本気だということがひしひしと伝わってきた。
「……うん。そうだよ。」
「……理由は?」
「そんなに深い理由は無いよ。ただ、ガキの頃に戻りたくなったんだ。」
意味がわからなかった。
「やる事も無視して遊んで、馬鹿みたいに笑ってた時が俺の人生の最高潮だった。今ではもう、子供みたいに笑うことさえも出来ない。」
そうだ、こいつ馬鹿だったんだ。
「そんなこと言って、馬鹿じゃないの!?もう一度、やり直せばいい事でしょうが!」
「……やり直すことなんて出来るわけないだろう。」
こいつは、どこまでも世話が焼けるやつだなぁ。
「昔みたいに嫌なことは見ないようにして、楽しいことだけすればいいんじゃないの?協力してやるよ。」
「そんなこと、できるの?」
「できるさ。だって俺ら、最強の相棒だろう?」
子供の頃のごっこ遊びでよく使っていた言葉を言ってみた。
「お前、まだそんなセリフ覚えてたのかよww」
笑いが止まらなくなって、何分か二人で笑っていた。こんな時間が続いたら幸せだなぁ。
「俺、さっきのお前が話してた事、やってみたい!」
笑いがおさまってきて、親友がそう言った。
お前はまだ気づいていないのか。
「もうできてるじゃん。」
「ほんとだ!」
そう言った彼は子供のように笑っていた。
『子供のように』
子供のようになにかに集中するための体力が1番欲しい。時間はどうにかすれば当てられるぐらいには無の時間があるが1番体力欲しい…あと10年前には出来たちょっと無理しても追いかけられる当たって砕けろ精神も最近は安牌求めてるからな
お題:子供のように
所謂「子供らしい子供」ではなかった僕が「子供のようになりたい」と言うのは変な話だと思うんです。子供を知らない人が子供のようになんて言えるはずありませんでしょう。僕が思い描く「子供」はあまりにも純粋すぎている気がしますし、では自分に置き換えてみようと思うとあまりにも歪ですし、では他の例を上げるとただのクソガキになります。子供って思ってるよりきれいじゃないでしょ。「汚れを知らない純粋無垢」なんて嘘っぱちで夢物語ですよ。大人は子供にそうあってほしいらしいですが。「大人」のほうが夢見がちかもしれませんね。そういうのを「子供のよう」と言うのですかね。
兄は寡黙だった
兄は味方だった
兄は綺麗だった
だから
兄は連れ去られた
兄はいなくなった
兄は異星人になった
兄は私の知らないところで
兄は私の知らないひとに
子供のように歯を見せて笑い、泣いている
私はひとり招待状を握り潰し、怯えている
ひょんな運命から、また君の隣に居るようになって気がついたこと
キラキラと目を輝かせる姿は今も変わらないのな
若い頃ならまだしも
いまでは寡黙な雰囲気を醸しているのに、本当はイタズラ好きだったり、意外と多趣味なこと
そして、それを隠すわけでもなく目を輝かせ楽しむ姿は大人になったいま、羨ましく思う
いつしか、大人げなくはしゃぐことが恥ずかしいとか思ってしまうようになってしまったから
彼には、大人だとか、子供だとか関係ない
好きなものは、好きだと揺るがない自信を持っているのだ
けれど別に子供っぽいというわけでもなく
大人になっても少年のときの心を忘れていないのだ
そんな君を、また隣という特等席から眺め、一緒に歩けることを僕は嬉しく思うよ
『子供のように』2023,10,13
子供のように
大人になることに焦って、憧れて、そんな時に戻りたくなります。振り返れば、楽しさも、悲しさも、全身に受け止めながら生きてきたと思います。感情の全てが私のものでいました。そんな世界は息苦しいものです。けれど、それは自分として生きることへの抗いだったと、半端諦めたような私は思います。
#111【子供のように】
軽やかに生きられるはずなのに
経験を重ねた今は
あの頃のように上手く弾めない。
怖いものなんてなくて
自分がそこそこ上位だと勘違いしてて
ちょっとくらいの失敗は
それでも笑っていられた。
戻りたいな。
気持ちだけでいいから。
何も考えずに、子供のように、
走るだけで笑えた
あの感覚に戻りたい。