『子供のように』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
子供のように
初めて会ったのは、確か君が五歳の時だった。
隣に越してきた十年下の女の子。
その頃の僕は、毎日、不貞腐れた表情で何となく時間を消費するような、しょうもない奴でさ。
君の全力の笑顔が、眩しくて仕方なかった。
それからかな。ちょっとはましな男になれるように努力したけど。
君の笑顔を守れる様な男になれたかな。
……ハハ、そうだね。続きは、また明日にしよう。
君によく似た顔の子が、もう眠そうに瞼を擦ってる。
明日起きたら、みんなで朝ごはんを食べて、どこかに行こうか。
あの子と一緒になって、子供のようにはしゃぐ君が可愛くて仕方ないから、カメラでも持っていくことにするよ。
子供のように、
には「無邪気」や「素直」など、良いことばが繋がる気がするけれど、
子供みたい、
だと「我慢できない」や「騒ぐ」といった悪いことばに繋がるのでは?
勝手に色んなイメージをつけられて、それって「男らしい」「女らしい」などと同じいやらしさを含んでいるようで、なんだかすこし反省した。
お題 子供のように
いつからだろう。
子供の頃どうやって笑っていたのか、分からなくなったのは。
形のいい石だとか、流行りのキャラクターの筆箱だとか。
取るに足らない事で、どうしてあんなに無邪気に笑えていたのだろう。
大きくなるにつれ、私を取り巻く世界は私を置き去りに大きく変わっていく。
気に入らない先生がいる、点数が全然伸びない、あの子の態度が気に食わない。
澱んだ話題は静かに、そして確実に私の心を犯していく。
うんざりした気持ちを奥底に隠して、私は今日も笑顔を作る。
子供みたいな笑顔で、心底楽しそうな笑顔で笑わなきゃ。
頬に力を入れ、最大限の笑顔を見せる。
ああ、しんど。
子供のように
子供のように笑うキミの笑顔が好きだ。
その笑顔のおかげで頑張れるから。
汗がはじける。
どれだけ走ったか思い出せない。
目的地なんてない。でも目的は明確にある。
ただひたすらに高みを目指して。
敵に、自分に負けないように、もっと強くなるために。
自分の限界を認めないために。
毎日朝から晩までグラウンドを駆けずり回ることができたあの頃の自分とは違う。お金を払って勉強する毎日ではなく、お金をもらいながら社会を回すそんな歯車のような自分。そんな自分が嫌いではないが、絶対に譲れない芯が自分には残っていた。
ジムでは何か違う、マラソンを走っても何か違う。
求めているものは負荷ではない、距離でもない、ただ自分の目的に向けた血肉のみ。
より速い球を投げられるように、相手をねじ伏せられるように、ただ相方のミットに白球を届けられるように。
太陽はとっくに眠り、若い月が薄ぼんやりと照らす公園の中を隅から隅まで全力で駆け抜ける。
ジョギングしている男性に、1日の終わりに至福の時間を送っている高校生たちに奇異な目を向けられるが気にしない。
今この時だけは子供のように、がむしゃらに駆け抜ける。
自分が誇れる自分であるために。
子供のようにはしゃぎ笑いあったあの頃はどこにいっ
てしまったのだろう
今は、お互いがひとりぼっちになってしまった
話しかけようとしても目を逸らされてしまう
いつからこんなことになったんだろうか
なぜ私達は別れたのか
それだけが気掛かりだった
でもこんなこと気にしたって彼は話してくれない
だったら新しい人と出会えばいい
きっと出会えたらあいつのことだって忘れて子供のよ
うにまた、笑えるよね
大丈夫、だよね
「子供のように」
いつから子供じゃなくなった?
いつから大人になった?
社会人になった
準備不足の心を置き去りにして
今までより早く歳をとる。
大人になりきれない愚かな自分。
子供の純粋さを忘れた冷たい自分。
どっちも嫌い
全部嫌い
人間なんてそんなもん
大人っぽさも子供っぽさも
ぐちゃぐちゃで当然
みんな完璧じゃない
分かってるよ
でもね…。
#子供のように
子供のように
誰彼にはいえませんが、わたしも子供っぽいと家族にいわれます。特に連れあいには。末っ子で甘やかされたからだそうです。
やっぱりそうかなぁ。
亡くなった舅も、子供みたいなところあったと姑曰く。
社会人としては、とても立派な舅でしたが‥。
言い訳になるかも知れないけど、子供のように振る舞って、自分を保ってると思えるの。ぜーんぶ大人でやってたら、たまらない。辛くなっちゃう。
都合の良い解釈かな。
子供のように大声で痛いって泣けたら
スッキリするのかな
大人になるとそれが出来なくなる
ずっと心の傷が痛くてしょうがない
子供のように
大人ってつまんないよな…あの頃は、大人が羨ましく思えた。自由で、好き勝手で、何でもできる…と思っていた…だけど、意外と窮屈で、面倒くさいと知った…鏡に写る疲れた顔に、苦笑いしてみる…何でもできる気がしたあの時間に戻れたなら…
『子供のように』
お母さん!見てみて!
これがお母さんでこっちがお父さん
これがお兄ちゃん!
...。
お母さん、実はね学校で...
忙しいよね
ごめんね
なんでもない
大丈夫だよ
遠くを見つめる、真っ黒な目。
光を一つたりとも受け入れない深淵。
人の行き交う駅前で、君一人が異質だった。
夜の羽虫が電灯に引かれるように、私は君の魅力に逆らえない。
掠れた声で名前を呼べば、首だけがこちらを向いてくれる。
美しい口もとが、緩く弧を描いて。
君はそのまま、くしゃりと顔を歪ませて笑った。
子供のように無邪気に、悪魔のように美しく。
気高き美が年相応に揺れるとき。
それは、禁断の果実を喰らう、背徳の味。
【子供のように】
何か、そうだな……例えば創作とか。行き詰まったりしたなら子供のように作ってみなさい。どういう事かって?なに、簡単なことさ。周りの目を気にせず、規則性を気にせず、時間を気にせずに、体の動く通りに作ればいいだけさ。直しなんて、後で良い。深く考えず、絵なら好きな色をのせ、音楽なら好きな音を奏で、文なら好きな言葉を書けば良い。そうすれば、きっと少しは楽になるさ。
子供のように
無垢で、無知で、無邪気で。でも決して、愚かではない。
素直で、何にでも染まる君は、子どものように笑った。
でも、きっと君はわかっているんだ。
大人なんかにはわからない色で、大人では気づかないようなもので、世界を見ているんだ。
その澄んだ瞳に映る世界は、決して美しいだけではない。
きっと君は誰よりも、この世界のことをよく知っている。
だから、今日も君は知らない振りをするんだね。知らない振りをして、一緒に笑ってくれるんだね。
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はじめまして、H₂Oです。
こうして中の人として書くのは初めてですが、どうしても感謝が伝えたくて、書いています。
私の作品を読んでくださった皆様へ、本当にありがとうございます。
私事ですが、本日でこの『書く習慣』で書き続けて一年になります。今思えば、この一年はあっという間でした。でも、書き始めた日は一年後がとても遠いものだと思っていました。
元々は文章を書くリハビリとして書き始めました。毎日少しでもいいから書き続けると決めて、今日まで続けてきました。
どれだけ忙しくても、どれだけ辛くても、どれだけ思い浮かばなくても、書き続けました。一年間書き続けると決めた過去の自分のことを裏切りたくはなかったのです。
それに、書くことは自分をすくうと知っていたから。運がいいと他の誰かをすくうこともあります。
だから、書き続けたかったのです。いつかの自分をすくうため。どこかの誰かに届けるため。作品を生み出し続けたかったのです。
こうして出来上がったたくさんの作品たちは私の宝物です。
きっともうこの『書く習慣』で書くことはないと思います。今は自分が書きたい物語を書きたい。
書くことが大好きでよかった。大好きなままでいられて、本当によかった。
ただまっさらな気持ちで書きたくて、生まれ変わる意味も込めて、H₂Oという名前にしましたが、ただの水だったH₂Oは、やっと海月に戻ることができます。
一年間、皆様のおかげで頑張り続けることができました。本当に、本当にありがとうございます!
とても素敵な一年間になりました。
長々となりましたが、最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。
これからはH₂Oではなく、ななり海月としてまた活動していきます。
本当にありがとうございました。
それではさようなら、H₂Oでした。
『子供のように』
うちのリーダーは基本感情を表に出さない。
淡々と仕事をこなす人だ。
丁寧だし早いし、教えるのも上手い。
ただ教え方が少し怖いのが少し難点ではある。
リーダーが少し表情を出すとするなら困った顔だろう。
仕事が行き詰まってたり、私たち部下のミスの処理等…
仕事の多さに頭を抱えてる時は少し困った顔をしている。
それくらいで楽しそうな表情はあまり見た記憶が無い。
だから私は少し楽しませようと手紙を書類の間に挟めたり、
小さな造花をリーダーの机に置いたりしていた。
全て空回りだった…
そんなある時急にリーダーから呼び出された。
怒られるかなと思いながら入室した。
「本題に入りますが、書類に手紙が挟まっていたり、私の机に花を置いたりしたのは貴女ですよね?」
「あ、私ですねぇ…」
「どういう意図でやったのか分かりませんが、集中してください。」
「いや、リーダーに笑って欲しいなと…」
「わ、私にですか?」
その瞬間、リーダーの顔が少し赤くなったのがわかった。
「リーダーっていつも仕事一筋って感じで楽しいのかなって思ってたので、つい出来心で楽しんで欲しいなと…すみません」
「い、いやそれなら…良くないですけど、ありがとうございます。」
「え?怒らないんですか?」
「貴女がわざわざ私の為にしてくれた行為を怒るなんてしませんよ。むしろ嬉しいですよ」
その言葉と共に見せた笑顔はまるで子供のように明るい笑顔だった。
『子供のように』2023.10.13
「よし、炙りカルビゲームをしましょう」
稽古の休憩中、おもむろにメンバー最年少の彼が言い出した。
「炙りカルビゲーム?」
「炙りカルビを一回ずつ増やしていくゲームです」
「それいいなぁ! やろうやろう!」
すぐに他のメンバーも同意する。
スタートは最年少の彼からだ。そこから最年長の彼、一番身長が高い彼、金髪の彼、そして僕と順繰り順繰り回っていく。
きわめて単純なゲームだが、炙りカルビという似た語感と同じ言葉を繰り返すことでこんがらがってしまい、わけが分からなくなってしまうという、実は少し難しいゲームなのだ。
十回を超えたあたりで、最年少の彼が噛んでしまう。それだけで、僕たちは大盛り上がりだ。
普段、稽古となるとピリピリギスギスしてしまうが、誰かがこうして遊びを提案すると、それに乗っかるというのが僕たちのルールである。
王様ゲームやしりとり、ババ抜きとこれまでいろいろやってきた。
周りの人は子供っぽいと笑うが、そんな子供っぽいのが僕たちが今の距離感を保つ手段なのである。
そんな子供のようにみんなで遊んでいるのが好きです、とファンの方に言われることがある。
二十代の頃は嫌だったが、三十歳を超えると嬉しくなってしまう。
照れ隠しに「そんなことない」と否定するが、それすらもファンのみんなは喜んでくれるのである。
僕たちが六十歳を超えるまで、ずっと子供のようにはしゃいでいようとそう決めているのだ。
「子供のように」
子供の頃は、何かあればすぐ泣いて、嫌なことは嫌だって言えて、わがままばかり言ってなー。
今は、空気を読んで静かにしたり、泣くのを我慢したり、嫌なことも多少は我慢したり、わがままもいつしか言えなくなってた。
子供のようにワガママ言って、泣いて助け求めてれば楽なのかな
子供のように本音を言って弱音を吐いて、誰かにすがりながら思いっきり泣いてみたい
そんなこと、今はもう絶対にできないよね(笑)
細身の体に反して君は、頬を何杯目か分からないご飯で膨らませながら幸せそうな顔をしている。あまりにも幸せそうだから、ついご飯を作りすぎてしまうのもしょうがないよね。空になったお椀を差し出し、おかわりを要求する君の目は無邪気に輝いている。いっぱい食べる君が大好きだ!
[子供のように]