ひつじ

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子供のように

初めて会ったのは、確か君が五歳の時だった。
隣に越してきた十年下の女の子。

その頃の僕は、毎日、不貞腐れた表情で何となく時間を消費するような、しょうもない奴でさ。
君の全力の笑顔が、眩しくて仕方なかった。

それからかな。ちょっとはましな男になれるように努力したけど。
君の笑顔を守れる様な男になれたかな。




……ハハ、そうだね。続きは、また明日にしよう。
君によく似た顔の子が、もう眠そうに瞼を擦ってる。

明日起きたら、みんなで朝ごはんを食べて、どこかに行こうか。

あの子と一緒になって、子供のようにはしゃぐ君が可愛くて仕方ないから、カメラでも持っていくことにするよ。

10/13/2023, 2:00:30 PM