『奇跡をもう一度』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【書く練習】
明日は打ち合わせがある
誰も仕切らない打ち合わせはただただ時間の浪費だ
私は、仕切ることはとても苦手で怖い
自分の発言で物事が左右されるのが怖い
しかし誰もかれも発言を控えている
このままでは間に合わない
大勢の人が関わるための決め事だ
皆この状況で打ち合わせを進める気はないのだろうか
たんに危機感がないだけ?
当事者意識がないだけ?
結末が見えていないのか…
ああ、考えがぐるぐるして、怖くて、胸がムカムカする
ああ、打ち合わせで自制が効かなくてキレてしまったらどうしよう
そうなったらおしまいだ
私は自分の出来ることをやるだけだ
しかしそれでは成功しない
人と協力して進めるのが怖い
失敗が怖い
怖い
明日が、怖い
奇跡をもう一度
奇跡をもう一度願ってはや半年。半年前、大好きなアイドルグループが9周年で活動休止。10周年で奇跡をもう一度起こして欲しい。
祈りでパンは殖えるのか。
灰と煤に埋もれたバイブルの、革張りの表紙に刻まれた金の刺繍糸を眺めて、ふと、そんな疑問が湧いた。
ステンドグラスの破片が、薄高く積もった煤の山のあちらこちらで、ちかちかと光っている。
灰に塗れた地面のところどころで、火がしつこく、ちろちろと燃えていた。
教会の裏は小麦畑だったのだ。
さそがし火も広がりやすかったに違いない。
真鍮の壁掛け十字架だけが、正常な形を保ったまま、灰に埋もれかけていた。
主には祈りを。
主に心を捧げれば、奇跡が我らを救い賜う。
そんな話をしていたのは、司教様であっただろうか。
銀の十字のペンダントが、首元で鈍く光っている。
人生で初めて貰った贈り物。
司教様が、私がここに住まう時に贈ってくれたもの。
灰が薄高く積み上がり、風に吹かれてぱらぱらと空気の中を舞っていた。
人の気配はしない。
司教様の細長い痩身も、毎日熱心に祈り続ける目の悪い婆様も、子犬のような瞳でなんでも手伝いたがるあの小さな女の子も。
気配を感じない。
足がききい、と軋んだ。
あの逃げていった奴らはなんと言っていただろうか。
奇跡だ、と言っていなかったか。
異教徒じみた厄介なアイツらの拠点を見つけられたのは、神の起こした奇跡だ、と。
ああ、主よ。
私たちは祈りを欠かさなかったではないですか。
主は、バイブルと司教様のお言葉によれば、敬虔な信者を救うため、様々な奇跡を起こしたのではないのですか。
私をこの教会に辿り着かせるという奇跡を、あの女の子と司教様を出会わせるという奇跡を、あの婆様に希望を再び持たせるという奇跡を起こしてくださったのではないですか。
そして、奴らのために、ここを見つけさせるという奇跡を起こしたではないですか。
ですから、奇跡をもう一度。
奇跡をもう一度、起こしてくださっても良いではないですか。私のために。あの教会のために。
奇跡を…。
銀の十字架を握りしめながら、胸の内で呟く。
司教様は、主を恨んではならない、主の施しに、奇跡に期待してはならない、と教えていたのを聞いた覚えがあったが、そんなことはもうどうでも良かった。
私は司教様を信じられないほど悲惨な人生は送ってこなかったが、司教様のお言葉を無条件に信じられるほど幸せな生活もまた、送ってきていなかった。
主よ。
奇跡を起こしてください、主よ。
薄灰色の風が舞っている。
遠くでちろちろと火が燃えている。
人の気配は、しない。
握りしめた手が、痛かった。
空は変わらずに青い。
乾いた空気が、灰と煤と火を増やし続けている。
張り付いた灰で、喉がヒリヒリと痛んだ。
どこにも宛はなかったが、どこかに行かなければいけない気がした。
教会は変わらず、無惨な死に様を太陽の下に晒していた。
作品No.185【2024/10/02 テーマ:奇跡をもう一度】
奇跡 なんて
そうそう起きるものじゃない
たまたま上手く弾けただけ
たまたま指が滑らかに動けただけ
だから
「もう一回」なんて言わないで
あの奇跡はもう一度
起きるものではないのだから
「奇跡をもう一度」
奇跡というものに、お目にかかったことはない。
後から考えるほど、それは必然だったから。
もしも奇跡 があるのなら、もう一度はないだろう。
私自身が引き起こせず、目に見えない何かが決めるのだろう。
奇跡をもう一度
貴方と出会った奇跡をもう一度
貴方と話始めた頃に戻りたい
楽しく話してた頃に戻りたい
もっと自分から話しかけてたら良かったな
後悔もあるけど楽しかった思い出なんだよね
遠い昔の記憶。あんまり面白くない学校に行って、唯一の楽しみな趣味の話を友人として、感情を共有して。
クラスが同じだった頃、毎日集まって話していた。気がつくと、とても遠い所に行ってしまった。もう話すことは無いかもな。グループを開いてすぐに表示される、数年前のやり取りを眺める。
メッセージを送る手段はいくらでもあるが、なんだか声をかけられない。思い出はキラキラと輝いているけれど、今はどうだろう。皆変わっていく。土地も、人間も。昔の光景は全部。地元に帰ってきたら連絡するね、と送られたメッセージから下には、何も文章がない。
思い出は思い出のままでもいいかもな、と最近は思っている。けれど、もしも、と思うことはなくもない。身長も肩書きもすっかり変わった、制服じゃない6人で、もう一度どうでもいい話で笑い合う。きっと机上の空論とは、こんなことをいうのだろう。ほろ苦い唾を飲み込んで、アルバムを閉じた。
【奇跡をもう一度】
もしあの瞬間をもう一度、
一回だけでも体験できるのなら
あわよくばあの瞬間からやり直せるのなら
そんなことになったら僕は全てを捨てて
きみのためだけに僕の全てを使うだろう
絶えず鳴り響く心音もきみへ捧ぐ音楽に変えて
流れる血液も一滴も残さずに
それくらい衝撃的な経験だった
思い出さない日は無いほどに
そうだ、今からでもその事を書き起こせば良い
誰に見られるでもなく僕ときみだけの
稚拙で不恰好な形にして
あの時が確かに存在していたと知らしめるように
ああ、でも毎夜あの日の夢でも良いほど
あの奇跡をもう一度この目で見たいのだ
2024-10-02
詩(お題)
『奇跡をもう一度』
奇跡をもう一度?
奇跡をもう一度?
二度も言いたくなった
そんな、きせき
一度も無い、ヤツもいるんだ
コンチクショー!
【奇跡をもう一度】
常識では思いがけない不思議なできごと。
別にそんなものを求めているわけじゃ無いけど。
まぁそんな奇跡は何かしらの行動をしなければ作り得ない
だから俺は今日、手始めに外に出た。
久しぶりに浴びる日差しに目が眩んだ。
壮大な広い視野と、家の中とは全くどこか違う空気に足がすくみながらも、一歩ずつぽそりと歩いた。
目の前から来る人に不意にビクついた。
空を見上げて深呼吸した
まっすぐ堂々と歩いた
通りかかった人が見えなくなった時、腰が抜けた。
「まあ、車通りは少ないから…大丈夫だな」
あたりが暗くなった
「な、んだ…!?」
月明かりがほんのりと俺の顔を染めた
まるで突如として太陽と月がひっくり返ったみたいだ。
ん、なんだ?
俺は、真っ赤な紅色に染まった金縁の、やけに肌触りがいい羽織りを羽織っていた。
「こんなんいつ…」
「にゃぉおーん」
「猫!?」
鳴き声が聞こえて振り向くと、
終わりが見えないほどの数の猫の行列がこちらへ向かってきていた。
それぞれ繊細でたおやかでありつつ謙虚な着物を身に纏っていて、節々に敬意が伝わってくるような作動や挙動をする。
「まるで家臣や仕人のようだな…」
「さあ若様、今夜は冷えますので早く屋敷にお戻りください。」
先頭に居た、大半の猫らが着ている着物とはまた別物の格好をし、提灯を持っている黒猫が俺の目をまっすぐ見てそう言った。
その眼は繊細で大きいビー玉みたいな、正真正銘の猫の眼だ。
なんだか…この、心臓がひっくり返りそうな気分はなんだろう
気分が悪い。
こんな変な光景を目の当たりにしてるからか?
「若様?」
「嫌だ。屋敷には帰りたくなど無い。」
!?
なんだ、勝手に言葉が…
「はし…おい!倉橋!!」
「はいぃい!?」
「授業中に居眠りをするな!」
「え…?」
嘘だろ?どういうことだ?だって俺は不登校で、引きこもりで、ついさっき外に久しぶりに出て…
「ちょっと倉橋くん、居眠りなんて珍しいじゃん。疲れてるの?」
「え、っと」
誰だ?なんだ?
…
あ、この子は…俺の好きな人だ
ここは教室で…
この人、先生は社会科の先生で、俺は今授業中だ。
「倉橋くん?」
「あはは…そうかも。疲れてるのかな」
「そっか…あんまり無理しすぎないようにね。」
「うん。ありがとう。」
なんだ、すごい怖いな
夢の錯覚で現実との感覚が曖昧になってる。
あれ…本当に夢なのか?
この感覚はなんなんだ?
忘れていたような
消えていたような
やがて放課後になり家に帰ってからもそんな不思議な気持ちで過ごした。
「散歩でもするかな」
夢で見た、外に出てみて歩いた道は、俺の家の目の前のこの道だ。
普通に歩いてみた。
なんともなかった。
「なんだ、つまんないの」
「若様?」
力強く振り向いた。
すぐ横で話しかけられたようだ
耳をおさえた。
その耳は熱くなっていた。
「なんなんだよぉ…」
「嘘だろ……、ほんとかよ」
唖然として、彼は高層マンションがある方を見上げた。
「どうしたの?」
「いや、ーーいま、あのベランダに干してた布団が吹っ飛んだ」
空っ風に煽られて、と答える。
彼女は彼の視線を追った。
でも、そこには青空が広がるばかり。目に眩しい秋晴れ。
「何それ、冗談? 大真面目な顔して」
笑顔になってそう言うと、
「いや、まじだって。ほんとに今布団が飛んだの、ふわぁって」
身振り手振りを加えて、あっちでこうぶわって魔法の絨毯みたいに、と食ってかかる。
「はいはい、面白い面白い」
いなす彼女にムキになった。
「信じてないだろ、俺が嘘ついてると思ってる?」
「だって、どこにも布団なんかないじゃん」
「ううう」
「君がそんな冗談、真顔で言うタイプだとは知らなかっよ、ささ、行こ行こ」
「うー。ホントなのに〜」
彼は、話を信じてもらえない悔しさに地団駄を踏む。
二人はちょうど信号待ちに差し掛かった。
すると、「ああああっ」と彼が声を上げて前方を指差した。信号の向こう。植え込みの辺りを。
「うっわ、びっくりしたア、……今度は何?」
彼女が身をすくませる。
彼は目を見開き、指をブルブルと震わせて言った。
「いま、犬が犬が、歩いてて、棒に当たった!」
#奇跡をもう一度
奇跡をもう一度
(本稿を下書きとして保管)
2024.10.2 藍
題 : 奇跡をもう一度
いま、大学生の私にとって、
学生生活はとても貴重であり、青春でもある。
特に、高校時代は青春を送っており、週5しか無いことが残念あった。それくらい楽しかったのだ。
リボンを長くし、生徒指導の先生に怒られ、
授業中や休み時間はふざけ合い、
体育では思いっきり走って笑っていた日々。
本当に幸せだった。
もちろん、嫌なこともあったけどね。
高校では、地元の友達も知り合いもいない高校に進学した。新しい友達を作りたかったからだ。
誰も知らない土地で。その結果、
かなり多くの友達を作ることができた。奇跡だと思う。なぜなら、周りは地元民で固まることも多く、初日は孤立してしまっていたからだ。
しかし、恥ずかしく思っていることを隠し、勇気を出した結果、
一生の友達ができたのだ。自分の勇気を讃えたい^_^
あの頃に戻れたら、、
そう思って3年経つ。
まだ、3年だが、これから歳をとるごとにこの数字は増えてゆく。懐かしく、一番青春を感じるあの時代に戻りたい。しかし、時間を戻すことはできない。
だからこそ、これから先も高校時代とまでは行かないが、目一杯楽しんで死にたい。
知らない職場、知らない土地で知らない人と出会い、
奇跡をもう一度起こし、一生の友達ができるように、
勇気を出して声をかけ続けて行こうと思う。
最終的には恋人が欲しいものだ笑
運命の人に出会うという奇跡が起きますように。
ps.なんか、よくわからなくなってきて変な文章になりました^_^
滅多に起こらないことだから奇跡というのだろう。
勝てないと思われた相手に一矢報いてみせたことも奇跡と言うなら、通じ合うわけがないと思われた相手と心が通じ合ったことも奇跡と言っていい気がする。
奪われて、取り上げられて、全て手をすり抜けていった。諦めて、飲み込んで、「何一つ自分の物にはならないのだ」と無理矢理自分を納得させた。
そうではない現実が、いま目の前にある――。
こんな現実、二度と無い。
これが奇跡で無かったら、何を奇跡と言うのだろう。
「××××××」
向けられる笑顔、名を呼ぶ声。
自分だけのものが、ようやく出来た。
この奇跡を守る為なら、何を敵に回しても構わない。
「·····いま行く」
そんな決意を胸に秘め、男は歩き出した。
END
「奇跡をもう一度」
貴方は遠くの手の届かない場所に消えていってしまった。
いつかどこがでまた会えたら、、
会えたなら。
来世でも一緒に。
あの奇跡をもう一度。
【奇跡をもう一度】
奇跡なんていうものは一度で十分。
『あの奇跡をもう一度』なんて願うからろくでもないことになるんだ。
─────────────────
何かもう少しこの続きを、と思ったのですが、上手く書けないのでまた今度。
門を出たあとまっすぐな道で君と目が合った
頭が真っ白になった
けど、その瞬間
君に駆け寄っていた
なぜだろう?
こんなにも帰り道が明るいのは…
電車のテールライトが遠ざかるのをずっと見ていた
帰ってからもずっと気持ちが高ぶっていた
こんなありふれた学校帰り
人は奇跡と呼んでくれるだろうか…
結局、数週間何もなかった
今日もまた
奇跡をもう一度
そう願いながら、門をくぐっている…
奇跡って同じ経験は二度とおこらないと思えるから奇跡なんじゃないかな。再現性のないもの。でも望んでしまうのは分かる。
貴方とまた会いたい
でも、もう会えない
なぜなら、貴方と出会った時に
もう使ってしまったから
奇跡はいつも起こらないから、奇跡と呼べるの
あの夏の日、
とある街の、とあるバス停で
もう二度と会えないと思っていた君に出会った。
うっすらと雨の匂いの染みた二車線道路に
いつかの淡い想いが、しまったはずの記憶が、
ちらつくように喉の奥を刺す。
どうしようもない、あの夏の日の思い出。
だけれど、どうしてだろう、君の、君だけの
けはいが、せなかが、もうどこにもいない。
あの街と、あのバス停と、あの二車線道路と、
いっしょに押し流されてしまった君の輪郭を、
ただ、ただ、ただ、ただ、
いつまでも、いつまでも、追っている
。
(奇跡をもう一度)