めじろ

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遠い昔の記憶。あんまり面白くない学校に行って、唯一の楽しみな趣味の話を友人として、感情を共有して。
クラスが同じだった頃、毎日集まって話していた。気がつくと、とても遠い所に行ってしまった。もう話すことは無いかもな。グループを開いてすぐに表示される、数年前のやり取りを眺める。
メッセージを送る手段はいくらでもあるが、なんだか声をかけられない。思い出はキラキラと輝いているけれど、今はどうだろう。皆変わっていく。土地も、人間も。昔の光景は全部。地元に帰ってきたら連絡するね、と送られたメッセージから下には、何も文章がない。
思い出は思い出のままでもいいかもな、と最近は思っている。けれど、もしも、と思うことはなくもない。身長も肩書きもすっかり変わった、制服じゃない6人で、もう一度どうでもいい話で笑い合う。きっと机上の空論とは、こんなことをいうのだろう。ほろ苦い唾を飲み込んで、アルバムを閉じた。

10/2/2024, 2:17:20 PM