あの夏の日、
とある街の、とあるバス停で
もう二度と会えないと思っていた君に出会った。
うっすらと雨の匂いの染みた二車線道路に
いつかの淡い想いが、しまったはずの記憶が、
ちらつくように喉の奥を刺す。
どうしようもない、あの夏の日の思い出。
だけれど、どうしてだろう、君の、君だけの
けはいが、せなかが、もうどこにもいない。
あの街と、あのバス停と、あの二車線道路と、
いっしょに押し流されてしまった君の輪郭を、
ただ、ただ、ただ、ただ、
いつまでも、いつまでも、追っている
。
(奇跡をもう一度)
10/2/2024, 1:56:43 PM