『太陽の下で』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
受験勉強に身が入らないのはきっと暑さのせいだ。
母方の祖父母が住む田舎に帰省して三日目、早くも都会の喧騒が恋しくなってしまう。そこかしこで鳴いている蝉に疎ましさすら感じる中で集中力が持つはずもなく、意識は自然と散り散りになっていく。
蝉の鳴き声や古びた扇風機の首が軋む音、風に吹かれた草木が擦れる音の中に、微かに人の声が混じった気がした。勉強を中断する言い訳としては及第点ぐらいだろう。
スマホと財布を無造作にポケットへ突っ込み、縁側にあったサンダルをひっかける。
「あんた勉強は?」
庭で作業をしていた母に見つかってしまう。
「ちょっと休憩。散歩でもしてくるよ」
「陽がまだ高いから、帽子被ったら?」
「いや、大丈夫」
いってきますと残してから玄関をくぐった。
二、三分ほど歩くと、声の主はすぐに見つかった。畑を挟んで家の裏側にある広場で、少女が泣いていたのだ。
高いネットフェンスに囲まれた広場の真ん中、麦わら帽子のつばを両手でぎゅっと握りしめたその子は、強い陽射しの下、何に構うことなく大きな声で泣きじゃくっていた。元は真っ白であっただろうワンピースが膝辺りから汚れていていたたまれない。
気づけばその子に駆け寄っていた。
「大丈夫? どうしたの?」
少女は初め戸惑っていたけれど、やがて一生懸命に説明を始めた。嗚咽混じりの説明はあちこち飛んで要領を得なかったものの、母親とはぐれたこととビー玉を失くしたことは、なんとか理解出来た。
意外に力強く少女に手を引っ張られて、広場の隅にある草むらの方へ案内される。ビー玉探検隊にどうやら抜擢されたらしい。
草をかき分け、モンシロチョウと戯れながらしばらく探したものの、お目当てのビー玉は見つからなかった。これだけの労力があるなら帽子を被るべきだった。
「喉乾いたんじゃない?」
土をほじくり返していた少女に聞く。「かわいた!」と元気の良い返事があった。
少女の手を引いて、広場に付設した公衆トイレへと連れていく。爪の間に入った土汚れを落とし、出来る限り手を綺麗にしてから近くにある古い商店へと向かった。
「麦わら帽子、被った方がいいんじゃない?」
商店への道すがら、ふと聞いてみる。少女は麦わら帽子を首にかけていた。
「帽子きらい」
「でも、被らないと熱中症になっちゃうよ」
自分の事は棚に上げた。
「おかーさんが被らなくていいって言ってた。持ってればいいって」
間延びした『お母さん』に微笑ましくなる。母親にそう言われたのなら、注意されるいわれもない。
商店は去年と変わらず、風化して読めなくなった看板が掲げられていた。無愛想な顔をしたおじいちゃん店主に迎えられる。
田舎のコミュニティは狭い。ここも例外ではなく、故に店主ならこの子について知っていると踏んでいたけれど、空振りだったようだ。諦めて飲み物を吟味する。
「これ、ビー玉のやつ!」
少女が指さしたのはラムネだった。
「じゃあ、これにしよっか」
扉を開ける時にひんやりと気持ちいい。ラムネ瓶を二本手に取って、好きな駄菓子を選ばせてカウンターへと置く。
袋の中で涼し気な音を立てるラムネたちに気を遣いながら広場へと戻ってくる。
ゲートボールを楽しむ老人達のために作られた、打ちっぱなしのコンクリートで出来たベンチへと腰掛ける。無機質な冷たさがお尻に心地よく、日陰に入れるのも有難かった。
二人であくせくしながらラムネを開ける。栓になっていたビー玉が勢いよく落下して、代わりにラムネが溢れていく。少女には少し量があったようで、駄菓子を食んではちびちびと飲んでいた。
ベタつきの残らないよう公衆トイレの方で瓶や手を洗い、中からビー玉を救出する。それらの違いは正直分からなかったけれど、せがまれたので互いのビー玉を交換した。
疲れたのだろう、少女は程なくして眠ってしまった。太腿へと預けられた重さがくすぐったかった。
何気なく、ベンチに置かれた麦わら帽子を見ると、内側に小さく何かが書かれていた。それはハイフンで三つに区切られた十一桁の数字の羅列、つまりは電話番号だった。
「なるほど」
ポケットからスマホを取り出して、あまり使わないキーパッドを起動する。二回目で繋がった。
「もしもし、突然すみません。娘さんの麦わら帽子に書かれていた番号が、もしかしたら親御さんのものではないかと思って」
一息に説明を終えてしまう。疑念から安心に変わった女性の声と、広場にいることをやり取りする。
十分とかからず、母親は広場へやってきた。
丁重すぎるほどにお礼の言葉を述べて、母親は少女を抱きかかえた。少女を起こしてお礼をさせようとしたのは、悪い気がして止めた。
祖父母の家に帰ると案の定「遅かったね」と言われた。事情を説明するのも面倒だったので軽く受け流し、さっとシャワーを浴びる。
部屋に戻ると、開きっぱなしのテキストの頁が風に煽られ進んでいた。ビー玉を筆箱へとそっと入れる。
蝉の声は、もう疎ましくなかった。
8.太陽の下で
「君は太陽の下に行くと体が焼けるように痛くなるとしたらどうする?」僕は体が弱かった。
まるで吸血鬼のように肌は白くて
太陽に当たってはいけなかった。 なぜかって?
僕は太陽の光を浴びると体が焼けるように痛くて
死んでしまうからだ。
だから僕は、ずっと部屋に引きこもっている。
孤独で真っ暗な部屋。とても寂しい。
こんな生活に耐えられなくて、
死にたいと思ったこともある。
でも最近は、窓から君を見ることが楽しみになった。
君は太陽の下で輝いている。
そんな君に一目惚れをしてしまった。
「美しいなぁ」とそんな一言を毎日呟いていた。
だが、なぜこんなに好きなのに胸が苦しんだろう…
君に触れたい…君と話したい…君と太陽の下でデートがしたい…その笑顔を僕に向けて欲しい…
そんな願いは全て叶うことが出来ない。
僕は外に出られない。夜出れたとしても君はいない。
こんな世界に生きていても仕方がないと思った。
だから僕はひとつの願いを叶えるために外へ出た。
太陽の下で死のうと思った。
死んでまた君に会おうと思った。
体が焼けるように痛い。でも仕方がない。
「君のことを思ってるよ。」
僕は君のことを思いながら死んだ。
太陽の下で
結婚して男の子が出来たら“太陽”と名付け様と思うほど太陽が好きだ!
子供の頃、夏休みには一日中プールでいたりした。秋が1番好きな季節だと言っていが、いつからか夏が1番好きな季節になっていた。
今年は記録的な暑さが続いた夏だった。映画か小説の題名に「太陽の季節」と言うのがあったが、今年の夏は秋まで、当に“太陽の季節”だった。
今年の夏、熱中症になったそれでも
ヤッパリ夏が好き 徳博😙
P.S
高校生の頃、さだ大明神の歌を暗いから好きじゃないと、言っていた女子のお友達に言ってあげた。
「さだ大明神の歌の暗さは、長野県の真夏の太陽の下の高原の大木の微風(そよかぜ)の吹く木蔭の暗さだ」と!
自分は前に夏休みの1ヶ月白樺湖畔のホテルでアルバイトした事があった。
さだ大明神はその話の後、船橋から諏訪(長野県)に引っ越した。
さだ大明神の友達で、母の数年来のパート先の上司で、自分の子供の頃の近所のお兄さんがいました。
68作目
化粧をするようになってから日焼け止めは欠かせなくなった。外出をしない日も日焼け止めを塗る。
しかも用途別で使い分けている。
長時間の外出には化粧下地の前にウォータープルーフ(できたらミルクタイプが好み)、家や室内しかいない日は洗顔料で落ちるジェルミルク(乳液みたいなもの)。
時間がなくて塗れない場合(寝坊とか)で洗濯物を干す時は長袖を着て、指の部分だけない手首までのハンドカバーをし、帽子を被り、大きめのサングラスと首まであるフェイスカバーをし、日傘を差しながら作業する。
できたらこの状態で郵便や配達の人が来ないことを祈りつつ、ビクビクしながら作業している。(今のところまだ鉢合わせていない)
紫外線を意識するようになってから夏でも薄手のシャツやパーカーなどの袖のあるものを着てる。(下は長めのパンツスタイル)
あと柑橘類、きゅうりなどは朝から日中にかけて摂取しないようにしてる。(光毒性によるシミを作りたくないため)
好き嫌いがない自分にとってはちょっと辛い。本当は朝からオレンジジュースを飲んだり、グレープフルーツを食べたりしたい。(めっちゃ大好きだからそれらは夜に摂ることにしてる)
しかし紫外線も避けすぎるとビタミンDが体内で作られなくなり、骨粗鬆症やうつ病の原因にもなるそうなので、手のひらだけ浴びたり、ビタミンDが多い食品を摂ったり、マルチビタミンのサプリも飲んだりしてる。
日焼け止め以外の化粧品(リップ、ハンドクリームなど)にもSPF値やPA値を求めてしまう。
ついでに化粧水やパック類には美白成分を求めてしまう。
ビタミンC誘導体やトラネキサム酸、ナイアシンアミドなど配合されてたらつい買ってしまう。
晴れの日そのものは好きだけど…太陽の下での生活はいろいろなことを考えすぎてしまう。
大人になったんだな…(たぶん私が過剰なだけ)
テーマ:太陽の下で
「____こんにちは。へへ、今日も来ちゃいました。」
そう言ってその日も私は、眩しいくらいに青い空を見上げた。
どうも。最近ずーっと寒いですねえ。
だからここはひとつ、暑い夏の話を貴方へ。
私は音楽家。音楽の作れない、しがない音楽家でございます。
最近本当に、ずっと寒い。
あ、でも私。暑いより寒いのほうが好きですよ。
汗っかきでしてね、外に出ただけですーぐ汗がダラダラ…
とまあ、変な話はこれくらいにしておきましょう。
今日のお話は、私が経験したひと夏の思い出。
ソレが来年も太陽を見ることが出来るように、どうか見守ってあげておくれ。
「う゛〜〜〜〜、あづい。なんでこんなに暑いんだ。」
「世界が狂ってますよほんとに。」
「そんでなんでわたし、は、っぶねぇ!………なんで私は」
墓探しなんてしてるんでしょう。この、真夏に。
ガサガサと草藪を掻き分けながら進む。
流れ出る汗と張り付く髪。オマケに自分の背よりも高く高く上に伸びやがる草たち。
途中途中には変に飛び出たツタやツルなんかが中途半端に攻撃してくるもんで、暑くても腕まくりひとつできない状況である。
なんでこんな所にいるかと言うにも訳がありまして。
それは遡ること1日。
ある知人夫婦に頼まれ事をされたのがキッカケだった。
曰く、寿命で天寿をまっとうした祖母の唯一の未練が、ある「もの」だったらしい。
どうにかその「未練」とやらを解消してあげたい一心で探したが、見つかる前に祖母は眠ってしまったのだという。
唯一のヒントは「曾祖母の墓」。
ただし、場所は分からないものとする。
「もの」であるなら、祖母と一緒の墓に入れてあげたい。
そう涙ぐみながら言った彼女は所謂「おばあちゃんっ子」だったのだろう。少し古めかしいハンカチを握りながら彼女は頭を下げてきたのだ。
そんなこと言われてしまえば、首を振るにも勇気が必要だ。
挙句涙脆い旦那まで泣き始めたらもう、振る首は縦でしかないだろう?
そこまで、私は薄情ではないからさ。
そんなわけで、私は今ガサガサとバッタのように草を掻き分けているのだ。
無限に続く緑をかき分けながら荒くなってきた息を整えた。
その瞬間、青い空が見える。
「お、……ぇ、ワ!!!」
「向日葵じゃないですか!」
たった1本が太陽にグッと背伸びして憧れる大きな花。
そしてその足元には、比例するように小さく置かれる墓。
___ここが、1日かけて探していた目的地だった。
整ってきた息をそのままに、その墓へと近づく。
名前を確認してその場に座り込んだ。
それにしても。
この1本だけ咲いている向日葵はなんなんだろうか?
まだ「祖母の未練」とやらを見つけていないのでまだ帰ることは出来ないのだが。
さて、そろそろ「未練」を探すことにしましょうか。
「ねぇよ!!!!!も゛ー!帰らせてくださいよ!!」
未練になりそうなもの、と言われても。
墓の周りには花1本もない。
いや、花はあるんだけど。
まだまだ時間はかかりそうである。
_______なあ、※※※。
儂が先に死んでも、お前が先に死んでも。
お互い寂しいのは嫌だろう?
だからさ、どっちかが死んだらさ。
お互いの好きな花でも植えようよ。
………なに?儂か?儂の好きな花?
…………………………向日葵だな。
明るくて、とても。
お前を思い出せるからね。
太陽のもとで何も無い日常を。
敬具 貴方達をおもう音楽家より。
_________
すみません着地点辺りで地面見失いました。
仕事場へはバスで行くのだが、
冬は、少しでも太陽にあたりたくて、
体を移動させる。
上手く陽の光が顔にあたると、嬉しい。
エネチャージ。
太陽さんありがとう。
今年の夏は、暑いというより痛い夏でした。
来年は、お手柔らかにお願いします。
貴方だけが、太陽の下で笑えていれば良いの。
私は良いわ。
貴方のためなら、不幸で良いもの。本心よ。
ねぇ、君はあの噂もう聞いた?
現代に吸血鬼だなんて馬鹿らしいと思うかもしれないけど、いるんだって、吸血鬼。
夜行性で、血を吸って生きて、長生きして、にんにくと十字架と太陽が弱点なんだって。
血を吸うは吸うらしいんだけど、血を吸われた側の記憶はないらしい。
じゃあ君も吸われたことあるかもね。
鍵とかどうやって開けて侵入するのかな。気にならない?
そういえばさ、吸血鬼に血を吸われると吸血鬼になるって言うじゃん?
あれって実際どうなんだろう。
でもみんな吸血鬼になってないってことは血を得るだけの吸血と仲間を増やす吸血ってちがったりするのかな。
まぁゾンビみたいにみんながみんな吸血鬼だったら吸血鬼の特別感がなくなるよね。だからそうであって欲しいな。
吸血鬼も太陽の下で歩きたいとか思うのかなあ?
私だったら太陽の下で歩いて生きて行きたいと思うな。
君は吸血鬼になるのと今の人間のままでいるの、どっちがいい?
『太陽の下で』
家に籠もると
余計なことを
考えてしまう。
面倒だけど
歯を磨いて
髪を整えて
着替えて
メイク…はいいや、
日焼け止めだけ。
ぶらぶら
家の周りを
散歩する。
考え事は
なるべく
置いておこう。
風が吹くと
気持ちよくて
日射しが
ちょっと強い。
もう
春が終わっちゃう。
うずうず
悩んでる間も
ちゃんと
世界は
前に進んでるんだ。
#太陽の下で
太陽の下でを書いて
ほらっ書いてごらん
書けた?まだ?
いつになったら書けるの?
【ちょっといい加減にして黙って】
太陰の下で真剣に
【太陽の下で】を考えてるの
だから静かにしてっ
【※ヒステリック※】
テーマ【太陽の下で、
私は生きている
太陽の光を浴びながら
【今、太陰だけどね】
お黙りっ
※本日は就寝の御時間となりました
明日も太陽の下でお過ごし下さいませ
それではおやすみなさい
2023.11.26.深夜
太陽の下
暖かくて、心地良い。
まどろみたくなる様な優しい日差し
暑くてたまらない時
寒さに震える体にひとときの安らぎ
全てのものに平等に降り注ぎ、見守ってくれる
そんな存在
当たり前のことなのに、
当たり前ではない。
いつも見ている様で、
見ていない
そんな太陽の下で、今日を生きている
【太陽の下で】
特に意味なんてないけど
いつの日からか避けてきた
あんなにも眩しくて
温かくて
濁りない光に
直接触れることなんて許されない気がした
コケまみれの私は
きっと駆逐されてしまう
だったら私は
嗅ぎなれたカビ臭さの立ち込めるこの空間で
深く息を吸いたい
一度触れたらもう最後
きっと私は次の雨には耐えられないのだから
日向によく似合う少女の無垢な笑顔を見て
いつか私も
心の底からあの光に包まれたい
なんて
過去の姿に夢を馳せる
なんて愚かな行く末
草花の匂いが立ち込める
世界がまるごと洗われて
天日干しされる感覚が
ふと、蘇る
お題︰太陽の下で
きれいな世界で生きていてほしい。
ただの押し付けただのエゴかもしれない。
けれど、それでも、光のある場所で生きていてほしい。
気持ち悪いこと知らないで、太陽のもとで。
太陽の下で生きてほしい。
ハロー、私の 。
『太陽の下で生きたかった吸血鬼の話』
僕は、太陽の下で生きることができない。なぜなら、僕は、吸血鬼だからだ。何度祈っても僕は、その光を浴びることができない。僕の世界は、夜だけだ。暗く、孤独な夜だけだ。僕は、お城に住んでいる。最近、太陽の下の世界を窓から見ることにハマっている。度々、考える。この世界に今、飛び込んだら、一瞬にして僕の身体は、灰になるのかなと。僕は、実は、今の日々に飽きて入る。そのため、正直、今、太陽の下に飛び込んでもいいと思っている。じゃあ、なぜ、生きているのか。理由は、恥ずかしいのだが......。とある、人間に恋をしてしまったのだ。最初は、気のせいだ、と思っていたのだが...。いつの間にか、その人の姿を目で追ってしまう。そして、恋に落ちてしまった。
実は、僕は、怖がっている。それは、その人とは、話したこともないし、視界に映ったこともない。それ以外にも怖がっている理由は、あるが、一番の理由は、吸血鬼と人間の恋は、叶わないということだ。前に父に言われたことがある。人間に恋をしてはいけないと。
{数日後}
ある日、僕は、覚悟を決めた。自分の生を終わらせようと。おそらく、彼女と話すことはできないし、過ごすこともできない、だったら、僕の生きる意味は、もうないと。僕は、外へ出た。初めての外の空気だった。そのとき、気づいた。世界は、僕が思っているより、広いということを...。もうすぐで、夜明けが始まり、僕の身体は、灰になる。太陽が登り始める。最初は、少しの火が出ただけだったが、どんどん、火は、僕の身体を大きく、燃やしていく。熱かったが、これしか方法がなかったのだ。僕は、強く思う。これでいい、これで、よかったんだと。
もし君が太陽に当たれない体だったとしたらどうする?僕はもともと体も弱かっただから太陽の光すら体が焼けるように痛くなる。一度でいいから太陽の下で歩けるようになりたい。ってのが僕の望みだ。先生は「なりますよ」て言ってくれた。けど無理なのは自分が一番の分かってる。出来ない、叶わない願いだってことは。だから僕は…
[太陽の下で]#4
「ねぇーお父さんはどこでお母さんに告白したの?」
そう息子に聞かれた。
「うーーーん。どうだったかなーもう十数年も前のことだし
忘れちゃったなー」
そう言って誤魔化した。本当は鮮明に記憶にこびり付いてる。太陽の下桜が舞う木の所で告白したんだっけ。
そこで告白すると99%成功するって言う、一見嘘くさい言い伝えがあったけど当時の俺はそういう言い伝えを信じてたから、ここで告白しようって決心してたな。
でも、いざ君を呼んでみたら想像以上にテンパっちゃって、噛みまくって、
「え?今なんて言った?」
そう言われた時はマジで頭が真っ白になってどうしようか迷ってしまった。でも君が、何となく俺が言いたい事を理解してくれて、俺が言い直す前に、
「私は君が好きだよ」
その言葉を聞いた時に俺は、びっくりして君の顔を見た。太陽の下、君が屈託のない笑顔をこちらに向けていて、ああ、俺は、これからこの人の為に生きようって決心したんだ。そう決心してかれこれ十数年たち、俺は今日も君と幸せな日々を送っている。
初めて書いたから結構難しかった。
【太陽の下で】
太陽の下にいる僕と月の下にいる君
僕には君の悩みなんて理解できない
だけどそばにいることは出来る
太陽が月を照らすように
僕は少しでも君が君の周りの人や物を見る事が出来るように
君を優しく照らしてあげられるような存在になりたい
「シャボンの魔人」
ショートショート ユーモアファンタジー
その家族はみんな仲が良かった。
特に子供達の姉妹とそのおじいちゃんは仲がよく、一緒に過ごすことが多かった。姉は優しく明るい性格で、甘いものに目がなく昼の3時のおやつを毎日楽しみにしていた。妹は楽観的な性格でおっちょこちょいな所もあるが姉に似て優しく、可愛いものが好きだった。特に、昼の3時を教えてくれる小さな鳩時計が可愛くて妹のお気に入りだ。姉妹は昼の3時にリビングに集まり仲良くお菓子を食べるのが日課だった。たまにおじいちゃんも来て見たことのない不思議なお菓子をくれるので姉妹は嬉しかった。ある日、姉妹は親にシャボン玉を買ってもらい、おじいちゃんと一緒に家の庭で遊んでいた。その日は天気が良く、風もよく吹いていた。シャボン玉も遠くへ、ふわりふわりと流れて行き心が躍った。姉妹はシャボン玉が楽しくて、次の日も次の日も同じように遊んでいた。けれど、姉妹がそろそろシャボン玉で遊ぶのを飽きて来ていた。他のことで遊ぼうと考えていた頃、おじいちゃんは特別なシャボン液の入った瓶を持って来た。これを使って作るシャボン玉は特別で美しいのだと言った。それだけでなく、重力の逆さになる逆さの地と呼ばれる場所で昼の3時に、この特別なシャボン液でシャボン玉を作ると不思議なことが起こると言った。姉妹は何が起こるのかとても気になったが、おじいちゃんは試してからのお楽しみだと言って逆さの地がどこにあるのか教えてくれた。姉妹は逆さの地へ向かい昼の3時を待つことにした。その地は家からはそんなに離れていないが知っている地域ではなかった。
逆さの地とは知らない普通の池だった。姉妹は少しがっかりして期待外れといったところだった。だが、不思議なことは3時に起こった。妹が持ち歩いている小さな鳩時計が3時を知らせに鳴きはじめた時、池の中央から一本の水柱が空に向かって伸び始めていた。それだけでなく姉妹は不思議と体が軽くなっていくような気持ちがした。どうやら池の中央に向かうにつれて重力が逆転していくようだ。そこで、姉はおじいちゃんの教えてくれたことを思い出した。「早くシャボン玉を吹こう」妹がシャボン玉を吹くとそのシャボン玉は池の中央へふわりふわりと向かっていった。池の中央に近づくにつれ空へとシャボン玉は落ちていく。そして、中央の水柱にシャボン玉が触れた時またもや不思議なことが起こった。今度は空へと落ちていく水柱から大きなシャボン玉が生まれ、それが姉妹のいる方へ向かってくるのだ。姉妹はその大きなシャボン玉に釘付けになった。姉妹の体よりも一回りも二回りも大きいそれはゆっくりこちらへ向かってくる。そして、少しずつ形を変えて、人の形に近くなっていく。姉妹の目の前に来た時、それはランプの魔神のような姿になり、輪郭がはっきりと見えた。人型シャボン玉はこちらを見ているようだ。妹は姉の手を握って怯えていた。姉は勇気を振り絞って、それに尋ねた。「あなたはだれ?」ようやく人型シャボン玉は口を開いた。「やぁ!僕は君たちに呼ばれて来たシャボンの魔人さ!」「君たちの行きたい場所にどこへでも連れて行ってあげるよ」そのシャボンの魔人と名乗った者は元気で丁寧な話し方で姉妹を怖がらせないよう優しく答えた。姉妹はシャボンの魔人と仲良くなりたいと思った。そしてシャボンの魔人に対する質問タイムが始まった。どうやら、昔からこの池に住むシャボン玉のような姿をした魔人らしい、姉妹のおじいちゃんとは知り合いでおじいちゃんが若かった頃からの仲だと言う。シャボンの魔人は子供が好きだそうだ。姉妹はシャボンの魔人をシャボンと呼ぶことにした。「さあ、君たちはどこへ行きたい?」姉妹は考えた。姉は特に行きたい場所は思い浮かばないらしい。そこで妹は「新しい鳩時計がほしい」と言った。「ほう!じゃあドイツがいいだろう!シュヴァルツヴァルトという森近くの街で、鳩時計を君たちのおじいちゃんと買ったことがあるんだ!今日は街でパレードも開かれていることだろうさ!愚者のパレードとか言ったかな」どうやら妹がおじいちゃんからもらった鳩時計はシャボンと一緒に昔ドイツで買ったものだったようだ。姉妹はパレードという言葉に心が躍った。さっそく姉妹はそこに行って見たいとシャボンに伝えた。「よーし、決まりだね!」シャボンは姉妹を自分のシャボン玉の体の中へと包み込んだ。そして、中央へ向かいシャボンは水柱に沿って空へと舞い上がっていく。それから、姉妹は空を飛ぶような不思議な体験をした。シャボンはとても速いスピードで空を飛ぶことができるようだった。あっという間に海の上を飛んでいて、それから4時になる頃には既にシュヴァルツヴァルトという森付近の街に到着していた。近くからパレードの催しや出店、楽しそうな音楽が聞こえてくる。姉妹は興奮してシャボンを連れて街を練り歩いた。なんとも楽しい時間だった。鳩時計のお店で妹が新しい鳩時計をシャボンに買ってもらうことになった。シャボンは店の中に入れないので、シャボンから昔おじいちゃんと来た時におじいちゃんからもらって残っていたお金をもらい。妹は言葉が伝わらないけれど、なんとか少し英語のできる姉と鳩時計を買うことができた。妹はとても嬉しそうに新しい小さな鳩時計を持ってニコニコしていた。シャボンも嬉しそうだ。姉妹とシャボンは近くの公園で休もうということになり、公園で休憩することにした。するとシャボンが「僕の体を構成するシャボン液が少なくなって来たみたいなんだ、まだシャボン液は残ってるよね。それを僕の体に浴びせてくれないかい?」と言った。姉は残ったシャボン液をシャボンに向かってかけることにした。するとシャボンの体は先ほどよりも輪郭がはっきりと見えて回復したようだ。同時にシャボンの体からたくさんのシャボン玉が生まれて、姉妹はまた楽しそうにシャボン玉を追いかけたり、シャボン玉を食べて見たりした。この特別なシャボン液で作るシャボン玉は少し甘くて美味しいようで、姉はこの甘いシャボン玉をパクパク食べていた。妹は疲れたので公園のベンチに座りながら買ってもらった鳩時計を眺めていた。しばらくすると、姉の様子がおかしくなった。どうやら、シャボン液を食べ過ぎで喉が痛くなり苦しくなったようだ。シャボン液が甘く美味しいものだったので大丈夫だと思っていたが、普通のシャボン液とおなじく洗剤に似たようなものなので口に入れすぎると喉に異変が起こってしまうようだ。妹は姉に水をたくさん飲ませたが特に変化はなく、一向に良くならなかった。病院に行くにしても妹は姉を担げないし、シャボンが担いで病院へ連れていくことも目立ってしまってできない。周囲の人に助けを求めようにも少し英語のできる姉のサポートもないので言葉が分からない。解決法がわからないまま、姉は動けないぐらい苦しそうにしているのを見て、妹はシャボンになんとかして欲しい、姉を助けて欲しいとお願いした。シャボンはどうしたら姉を救えるのか考えた。そこでシャボンは何かを覚悟した。「わかった!僕に任せてくれ、姉をある場所へ連れていく。僕が姉を担ぐから妹は僕から離れないよう付いて来てくれ!」妹は頷いた。だが、どこへ向かうのだろう、シャボンに聞いても答えてくれなかった。説明が難しいし、君はきっと反対するだろうから、とシャボンは言うだけだった。姉を担いでシャボンが向かった場所はシュヴァルツヴァルトという森だった。シャボンは森に着くと姉の口を少し開けて体を近くの大木の根っこのとこにうつ伏せにした。妹はシャボンが何をしようとしているのか分からなかった。「大丈夫!もうすぐ下から降ってくるんだ!ここは逆さの地の一つなのさ!それで君の姉は助かるよ!僕は気候を読むのが得意なんだ!」しばらくすると、地面から湧き出てくるように雨が空へ向かって降り始めた。不思議な光景で、妹はしばらくうっとりしてしまった。たしかに下から雨は降って来たがどうして姉は助かるのだろうか、妹は未だ不思議だった。だが、姉は下から降ってくる雨を口に入れると少しずつ喉の痛みが治って来たようで元気を取り戻りつつあった。妹はその様子を見て嬉しくなった。シャボンに感謝の気持ちを伝えようとシャボンを見ると、少しずつ体が小さくなっているようだった。ようやく、シャボンは説明を始めた。
「この森ではよく雨が降るんだ!ただしこの逆さの地では下から降ってくるんだけどね!そして、ただの雨じゃないんだ!この森では酸性の雨が降るんだよ。君のおじいちゃんも来たことがあったからよく知っていたのさ。そして、シャボン液は酸性のもの相殺することができるんだ!シャボン液で構成されている僕はもちろんこのことも知ってる」シャボンはみるみる姿が小さくなり消え掛かっていく。「もちろん僕の体はシャボン液で構成されているから、酸性の雨は僕を消してしまうんだ。けれど、君の姉を苦しみから救うにはこれしか無かったと思う。僕が消えてしまうことを言ったら君は反対しただろ?だから言わなかったのさ!大丈夫、この国では昼の3時はあと1時間後ぐらいだから、ここの大木を中心とする逆さの地で3時にそのシャボン液で、また僕を呼び出すと良い。それで家に帰れるさ!けれど、きっと、、それはもう僕じゃ、、、」最後に何かを言いかけてシャボンは消えてしまった。妹は悲しくなった、同時にシャボンに対する感謝の気持ちがこみあげてくる。姉は元気を取り戻し、泣きそうになる妹を抱きしめた。空へと落ちていく雨に打たれながら、姉妹はお互いを抱きしめた。
そして、1時間後の昼の3時、残っていた特別なシャボン液で姉はシャボン玉を作った。ここの逆さの地は重力が逆になる中心はシャボンが言っていた通り大木にあるようだった。シャボン玉は空へ向かって落ちつつ大木へとふわりふわり近づいていき、大木に触れた。その時大木から大きなシャボン玉が生まれ姉妹へとふわふわ近づいてきた。姉妹はドキドキしていた。また、シャボンに会える!そう期待していた。そのシャボン玉が人型になり輪郭がはっきりすると、姉妹はそのシャボンの魔人に抱きついた。シャボンの魔人は言った。「僕を呼び出してくれてありがとう!初めましてだね!僕は昔からここの逆さの地に住んでいるシャボンの魔人さ!行きたい場所へ連れていくよ!さあ、どこに行きたい?」
姉妹は、もうシャボンに会えないことを悟った。けれど、シャボンとの思い出を大切にしようとそう思った。
姉は新たに出会ったシャボンの魔人に言った。
「家に帰りたいの」
「早くこの鳩時計をおじいちゃんに見せたいな」
と、妹。
「わかった!すぐ送り届けるさ!」
シャボンの魔人が言った。
言葉を考える時は無音のままで、苦くなったチョコレートを食べながら。また、絵を描く時は言葉を聞いて私は考えた。
小さな友達がずっと横で寝ているような気がしてとてもあたたかいです、私たちは目を瞑って 。
ぼやけた山がそこにあるでしょう
繋がっている車両と共に感じることが出来るのでしょう。また移り変わる稲が、あしたはどれだけ大きくなっているのかな、少し前の朝 風を伝えるように揺れてたもの どこにいって、だれが触れていったのか、と考えていたりします。電子機器を眺めるだけの生活では、少しだけ温度が下がってしまうと思うのです。例え世界が変わっていくのだとしても、オーバーヒートしてあたたかくなって、小さな友達はぱっと居なくなったりするかもしれないけれど
鉛筆をにぎって、紙を撫でて、また何かを作ったりしてもみんな知らないままで、隣にいる人がずっと笑っていたりして、ただ手のぬくもりが増えるだけですよ。
もしも街を見下ろしているあなたがいるとするならば、その時私は見つからないように必死に隠れていますね
雨の日は多分、花のように。または宇宙のような景色が見えて そのうち空を見上げて
たまにはお手紙をください、そして全てを忘れて欲しい。 間違えた言葉は知らないフリをして。
もし、太陽の下
あなたが横を見て、前を見て、後ろを振り返っていたとしてら、また はなしてもいいですか
また鉛筆を握って、一緒に横を暗くなった街を
歩いて、泣いて。
そして忘れていってください、雲が流れて行くように
【太陽の下で】
私は1000年生きている吸血鬼。
もちろん夜型で人の血も吸って吸って吸いまくる。
ニンニクは嫌いで十字架も苦手。
いたって普通の吸血鬼だ。
いつも黒いカラスが住む大きなお城に独りぼっち。
でも退屈だと思ったことはない。
ここに度胸試しに来るやからを揶揄う事ができるから。
街の人間の間では吸血鬼の噂はもちろん、城に住んでる私を討伐しようと兵士をよこされた時もあった。
まあ、全員血を吸って栄養にしたけど。
紹介しているうちに度胸試しに何人か武装した人間が来た。
『ね、、ねえ僕帰りたい、、』
『うるせえ!置いて行くぞミョーセル。』
『さっさと来いよ。』
1人は少し伸びてる髪を後ろに縛って丸メガネをかけている。
1人は短髪でいかにも戦士っぽい。
もう1人は髪を真ん中でわけてチャラチャラした印象だ。
城を汚される前に気絶させて血をもらおうかな。
私はコウモリの様に天井のシャンデリアに足をかけて逆さまになり、3人固まって進んでいく団子を見つめる。
『シキャー、、シキャー、、』
1・UMAの様な奇声をあげて驚かす。
『ぎゃああ!カラス?コウモリ?!怪物?!?!』
2・窓ガラスをわざと割り、コウモリを驚かし操って暴れさせる。
『コウモリだ!!逃げろ!!』
『ま、まま待って!置いていかないで、、』
3・玄関の扉を閉めて閉じ込め、逃げ場をなくす。
『なっんで閉まってんだよ!!』
『早くぶっ壊してでも逃げよう!』
『うわああぁん、、怖いよぉ、、。』
スタッ
3人固まっている前に降り立ち、私は姿を見せる。
『だ、、?!』
『ヒッ、、』
『あばばばば』
3人とも震えて喋れない様だ。
『さぁて、、誰から吸われたい?』
『ギャアアアアアアアアア』
答えをやるはずもなく、1番筋肉質なやつを拘束し血を吸う。
『ん〜、、普通。』
2人目もさっさと血をいただき、3人目。
『こ、殺さないぇ、、』
相手は後退り、私は近づく。
腰が抜けているので逃げられず、捕まえやすい。
ガリッ
『ぎゃうぅっ!!』
ジュルッ
チュル
、、格段に美味い。
私好みの血の味だ。
うーん、、死なせるのは勿体無いし、、
首から口を離し、男を見る。
細い体躯に潤んだ瞳。
ふるふると震え、息が上がっている体。
1000年生きてても体験したことのない感情が湧き上がってきた。
コイツを側に置きたい。
直感でそう思った。
『、、、お前、名は?』
『み、、ミョーセル、、』
2つの牙の跡から血が出ている。
そこを指で押さえながら男の頬に手を滑らせる。
『ヒッ、』
『大丈夫。痛い様にはしない。ただ、、お前を側に置きたい。お前の血を永遠に飲んでいたい。』
そう言うと、目を見開き固まった。
『返事は?』
そう言うと、コクコクと首が千切れるくらい頷いた。
そこから、ミョーセルと私の生活が始まった。
『ミョーセル、太陽ってどんなものだ?』
『大きくて、あったかくて、神様みたいです。』
『、、、そうか、、。私も太陽を見てみたいな。』
吸血鬼は太陽に当たると死んでしまうから、いつか太陽を見たいという夢は叶いそうもないな。
2人の生活は意外にも楽しいものだった。
ミョーセルは毎晩私に血を飲ませ、外の話をし、私はミョーセルの衣食住を保証する。
まさにgive &takeの関係だ。
ーーー
今日は私の1027歳の誕生日。
ミョーセルは買い物に出かけており、腕を奮って料理すると意気込んでいたから楽しみだ。
鼻唄を歌いながら暗い部屋でミョーセルを待つ。
今日は特別な日だった。
別の意味でも。
ーーー
僕が帰ってくると、妙に城が騒がしく、何故か胸騒ぎがした。
慌てて城の中に入れば、聖女様と騎士達が化け物だと言って何かを取り囲んでいた。
何か、、それは1つしかない。
『ユーリさん!』
その輪の中にむりやり入り、中心に横たわっていたユーリさんを抱き起こす。
あちこち切り傷があって、聖女様の浄化能力なのか少しだけ弱っていた。
『おい吸血鬼。この者は仲間か?』
殺気を含んだ視線を感じ、体が強張るけど、逃げたい衝動に駆られるけど、優しくて聡明で僕の話し相手になってくれたユーリさん、、僕を認めてくれた唯一の光を見捨てられない。見捨てたくない。
『そ』
『違う。コイツは私が飼っていた人間だ。コイツは、、ゴホッ、血が美味いからな。』
そうだと肯定しようとしたら声をかぶせられた。
『だからコイツは関係ない。』
ユーリさんは僕の手を払ってよろよろと立ち上がった。
『、、、そうか。サリー様、トドメを。』
『はい。』
聖女様の手が光り、ユーリさんに当てられる。
『待って、、待ってください、、』
『ミョーセル。ーーーーーー』
僕はその場に崩れ落ちた。
聖女様と騎士は動物を駆除したみたいにさっさと引き上げていった。
『ぅっ、、うぅ、、ユーリさん、、』
床に涙のシミができては消える。
"好きだ。"
ユーリが口パクで伝えた言葉は、これだった。
『、、、次は、太陽の下で。貴方が、綺麗な太陽を見れる様に。』
ミョーセルはユーリの輪廻転生を願い、今もこの城に住み続けている。
50年後。
『おじいちゃん、このお城にずっと住んでるの?私のなのに?』
お城の前で掃き掃除をしている老人のもとに、幼女がかけより声をかける。
『え、、?』
老人は手を止め、まさかと振り返る。
『ふふふ、、ミョーセル。ずーーっと会いたかった。』
幼女はイタズラっぽい笑みと、慈愛の目で老人を見つめる。
『っ、、、ユーリさん、、僕もです、。』
老人も愛おしそうに幼女の頭を撫でた。
2人は太陽の下で、再会を果たした。