太陽の下で』の作文集

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太陽の下で』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

11/25/2023, 12:15:50 PM

テーマ:太陽の下で #375

太陽の下で生きているはずなのに。
太陽が出ている時には起きられない少年がいました。
そういう病でした。
少年は雨や曇りの時しか起きられない。
途中で日の光が出てくると
日が出てくる前に眠気が来たり、
日が雲の合間からチラチラと顔をのぞかせるだけでも、
気絶してしまう、厄介な病でした。
少年は太陽が見てみたかった。
日の光を浴びたかった。
少年が主に活動できるのは太陽の沈んだ夜だ。
そのため、
少年は周りから『吸血鬼』と呼ばれていました。
確かに日の光に焼けることのない少年の肌は真っ白で
その白さは青白いと言っても良いくらいだった。
学校にいかなければ『不登校』だと言われ、
一歩外に出れば『吸血鬼』だと噂される。
少年は苦しかった。
太陽の下で生活している普通の人間なのに。
どうして人外扱いされるのか。
少年は悲しかった。
そしてその悲しさは少年の小さな胸を抉った。
少年は絵を描くのが好きだった。
太陽の下で少年が笑って手を広げている絵だ。
少年は追い詰められ、鬱病になった。
病院で調べたところ、
鬱病以外の病気も見つかってしまった。
それは太陽の下で生きられない
彼の病の進行が引き起こした最悪の結末だった。

彼は笑っていた。
最後の日やっと太陽を見られたから。
それもこんなにも近くで。
それは温かく、眩しかった。
温かな光りに包まれ、彼は目を閉じる。
「これが僕の欲しかったものだ」と。


※♡4500ありがとうございます

11/25/2023, 12:15:36 PM

「…他の子が目に入らないくらいに断トツで可愛いな。」

「奇遇だね。私も同じこと思った。」


親馬鹿たちの会話には一切興味を持たず遊具に一直線な君。

太陽の下で今日も元気に遊びまわる。





231125 太陽の下で

11/25/2023, 12:15:19 PM

お題 太陽の下で

ひまわりのような貴女
雲のような私
太陽の光で輝く貴女
それを遮る私
輝く貴女に近づけば
私は貴女から輝きを奪ってしまう
触れたくても
触れられない
届きそうで
届かない手
青空の下でうたう貴女を
せめて死ぬまで知りたくなかった

11/25/2023, 12:14:55 PM

太陽の下で

 夏はギンギラの太陽の下で暑さに耐え、寒さにも耐え、このあとに来る季節を想像できない。
 夏、夏、夏、冬、夏、冬という不思議な間隔で来る季節を経験してきた。
 そのあとは?
 太陽の下で、暑すぎた夏の次、春が来ないかもしれないという恐怖の次。
 極寒が来る気がしている。

11/25/2023, 12:10:31 PM

太陽の下でさんさんと咲く花畑が私の居場所だ。学校という名の洞窟の中で鬱屈としていた私の心は地と一体となって咲き誇る。
川の音が聞こえるいつもの居場所で寝そべりながら、草の香りと共にゆったりとした時間を過ごす。「私が遅いんじゃなくて、世界が早すぎるんだよ」高校生の真澄は、ため息をつきながらほんのり毒づく。
世界に追いつくように、必死に生きてきた。なるべく有意義な時間を過ごせるように、無駄は一切ないように、"普通"になれるように...
(みんなは、こんなに努力して追いついてること、知らないだろうな)
と、ぼんやり考える。
「真澄ちゃんは毎日楽しそうでいいよね!」
同級生や友達から幾度となく聞かされてきた無責任な認識。
楽しそうに過ごすように努力してるんだよ、普通から逸脱しないように、作り笑顔をこさえて、毎日、毎日、追いつくように走る。皆は良かったな、普通に生きることが出来て。異端で変わり者であることを知っている私は、あたかも自分が普通に生きているかのように偽って生きる。そうじゃないと容赦なく置いてけぼりにされるから。
「社会なんて冷えきってるんだよな」
心地の良い時間は夕暮れの訪れとともに過ぎていき、やがて空気が冷えてきた。

「寒っ」
次の日の朝、真澄は家のドアを開けた直後思わず言葉が突いて出た。
外は明るいが、まだ太陽は本調子ではないらしい。制服では秋ですら肌寒い。
いつものように用意をしたが、学校に行きたくなさすぎて、出発時刻をすぎてもスマホをいじりすぎてしまっていた。
(毎回のようにギリギリになっちゃうな...)
満員電車に揺られ学校の最寄り駅に着き、全力ダッシュで遅刻ギリギリに到着する。
(1時間目は、数学か)
数学は得意ではない。授業に集中できず、かといって内職をするようなやるべきこともないためぼんやりと外を観る。いつの間にか紅葉も終わり、葉が散り始めている。
(私の人生も、早く散ればいいのに)
こんな私の人生が早く終了することを願った。

「―――すみ、ますみ!」
ハッ。
「えっと、ダウト。」
「えー、嘘をついてるって言うの?ていうかダウトってトランプじゃん、何の話?」
周囲が笑う。
いつの間にか昼休みになっていたようだ。真澄はうとうととしながら話を聞いていたが、意識を持っていかれていたみたいだ。
「だから、西畑先生、意味わからんってなったじゃん。体育のダンスの曲が古臭すぎてダサいって。それ最悪だよねって。」
女子高生の話題といえば、だいたい授業や先生、他生徒の愚痴である。
体育の授業は選択制で、ダンスと柔道、剣道から選べる。真澄はダンスを選択していたため話しかけてきたという訳だ。
「ああー。そうね。もうちょい馴染み深い曲が踊りやすいよね。」
無難な返事を返す。
(本当は、全然昔の曲も好きだし、昔の曲だからこそテンポが遅くて踊りやすいんだけどな)
極端な言動をしがちなのは、女子高生あるあるなのかもしれない。あまり角が立たないように、曖昧な回答で誤魔化すのは私の特技だ。
胸に込み上げる違和感を知らんぷりし、時間を過ごす。

放課後、なんとなくそのまま帰りたくなくて、一駅分歩いて帰った。夕暮れ時は私の存在すら曖昧にしてくれて、非常に心地がいい。どうにかしたらこのまま消え去れるのかもしれないという淡い期待を胸に、薄暗い道を歩く。街灯がポツポツと光り出してきた。このまま何処までも行ってしまいたい気持ちを抑え、帰路に着く。帰りの京浜東北線は、人身事故の影響で、数分の遅れが出ていた。
(羨ましいな、その人はこの世から解放されたのかな...?)
ほどほどの人数を載せた列車は私を家へと運ぶ。列車の席は空いていないため、つり革に捕まり、動画を見てやり過ごす。

帰宅したら、いつものように母が姉と小競り合いをしていた。
平和ではない世界がきらいだったため、真澄はそのままお風呂に入り、夕ご飯も食べずに眠った。

(前にもここに来たことがあった気がする...)
花畑の中で、寝る。寝ているか起きているか分からないくらいの塩梅がちょうど良い。
大地に沈み込み、息をしていることを忘れた時、目が醒めた。
(まだ1時じゃないか、あと5時間は寝れる)
そう思い再度眠りについた。
花畑と一体になっている。もはや、私は人じゃなかったのかとさえ思う。そのまま穏やかな気持ちで過ごす。

起きた時には、12時手前だった。学校を休んではいけないと思い込む私は飛び起き、パニックになりながら用意をする。
ふと、
(今更行ったって、半分も授業出れないな)
と考えて、一旦手を止める。
でも、1日休むともう友達が離れるんじゃないかと不安が募る。移動教室で私が休むと1人になる子が出る。かわいそう。お母さんも、私がなぜ休んだか責めるだろう。
(でも、ずっと行きたかった場所があるし、そこ行きたいな)
自転車で5キロほど。少し遠いが子供の頃に訪れたことのある小さい湖に、なぜか猛烈に行きたい自分がいた。
理由は分からないが、勢いに任せて、自転車を走らせた。後は怒られればいいや と気楽に考える自分に驚いた。

湖のほとりで、しばし休憩をとる。辺りを見回すと、コスモスの花が咲いていた。散っているものもあるが、そこそこ綺麗だった。子供の頃、訪れた時のことを思い出した。そうだ。その頃は、ちゃんと自分を生きてきてた気がする...
今は、どうだ。周りの顔色をうかがって、自分を見失って、他人に合わせて、楽しそうなフリをして。誰のための人生だ。自分の気持ち、見えない、分からないようになってまで。
置いてきぼりにしてきたの、自分だった。自分のためにならない世界になんて、迎合しなくていい。少しだけのんびり生きよう。
結局、寒くなるまで湖にいた。帰った後、問い詰める母に満足そうに笑って、自分を見つけて来たと語った。

11/25/2023, 12:07:31 PM

太陽の下で


雲ひとつ無い晴れた日
太陽の下で日焼けなんて気にせずに
お陽さまのあったかさにすべてを委ねて
全身お陽さまの香り包まれてみたくなる

私の中にちょっとずつ澱のようにためこんだ
ジメジメした感情やモヤモヤしたものたちを
カラッと空に放ってしまえたら
心も体もかる~くなりそう

想像するだけで気持ちよさそうな私の虫干し!

11/25/2023, 12:02:37 PM

昨日の延長 間違い探しみたいな今日
太陽の下 お馴染みの言葉で生存確認

11/25/2023, 12:02:07 PM

太陽の下

影がないから

隠れても意味がないね

11/25/2023, 12:01:10 PM

300字小説

冬晴れの奇跡

 冬晴れの太陽の下、小学校の校庭に子供の影だけが現れる。
 一人、二人、三人……。飛び跳ねる、たくさんの影は大きさも服装も様々で、何からの事情で学校を卒業出来なかった子供達の影だという。
 からっ風の中、聞こえない歓声が上がった。

 昼下がりの住宅街を焼き芋屋のトラックが走る。一つ買い求め、焼き芋を影に向かって差し出す。たくさんの影の手が伸び、それぞれが影の芋を持って、好きな場所に散らばり仲良く食べ始める。
 そのうちの一つ、見覚えのある帽子を被った男の子が俺の影に並んだ。俺が四年生のとき、都会の病院に入院して帰って来なかったアイツの影か。
「良い天気だな」
 鉄棒に寄り掛かる。俺達はあの頃のように焼き芋を頬張った。

お題「太陽の下で」

11/25/2023, 11:59:58 AM

君は今日も
太陽の下で笑ってるのかな?

私は今日も太陽の光が届かない場所で
泣いてるよ

11/25/2023, 11:56:40 AM

太陽の下でハヤる気持ちをダンスに込めて。

 猫娘のニャンテが踊ります。太陽の踊りを!

 ずんちゃかちゃ、ずんちゃかちゃ。

 小麦色に焼けた猫耳娘。ニャンテが鉄のかぎ爪を振るいながら踊る。これは戦士の踊りだ。

 ダイキは構える。両手の拳に力を入れながらスキルコインバニッシュで鉄腕になった両手を交差しながら。

 ニャンテの胸が揺れる。巨乳でありながら凄腕の戦士だ。

 熱風の吹き荒ぶ大地。赤く焼けた土と砂埃が舞う。豹の毛皮を一部纏っただけの露出度高めのニャンテはダイキに飛びかかる。かぎ爪で喉元を狙う。

 ずんちゃかちゃ、ずんちゃかちゃ。

 ダイキは息を吸うと右手で一撃前に出した。するとそこにニャンテが吸い込まれるかのようにぶつかって吹っ飛ばされる。ダイキはニャンテの行動を読んでいた。

「リズミカルだけど単調なんだよ、お前。」

「それじゃあこれはどうだ!」

 ニャンテは豹の毛皮を剥ぐ。胸だけ素っ裸になったニャンテはダイキに殴りかかる。ダイキはニャンテに足をかけ転ばす。そして抱きしめる。

「うん。女って良いな!」

「お前! 強すぎ! むきーー!」

 殴りかかろうとするが、ダイキはスルーした。俺って大人気ないなあ。ハハハ。

 こうして俺達はニャンテと仲良くなった。

11/25/2023, 11:55:36 AM

〚太陽の下で〛

君はいつも太陽の下でキラキラ輝いている
常に明るくて、みんなの人気者だ
でも、完璧な君を嫉妬し、嫌う人もいる
僕も君のことを嫌うとまではいかなくとも、嫉妬に近い感情を抱いている
君のような、努力だけではどうにもできない圧倒的天才を前にしたとき、完膚なきまでに打ちのめされる

ある日、君は太陽を避けるようになった
以前のような眩しさがなくなった君から、続々とみんなが離れていく
でも、君は今までよりも幸せで楽しそうなオーラをまとっている
僕はキラキラしすぎていない君に親近感が湧き、思い切って話しかけてみた
最初は太陽を避ける君の行動を理解できなかったけど、仲良くなってから分かったことがある
君は太陽の下でキラキラしていた時、ずっと辛かったんだなって
周りから尊敬や期待の目を向けられて、そのプレッシャーからありのままの姿でいられなかったんだよね
だから君は沢山の人から失望されるのを覚悟した上で、太陽を避ける道を選んだ
そんな勇敢でたくましい君を僕は尊敬しているよ

11/25/2023, 11:55:01 AM

太陽の下で

下ね
常に空から見たら下
太陽から見たら下かは不明
空の下でだから太陽が上
空は上しか見えないから上が空になる
何処から見ているかの問題ですね

空の上
上の空
意味はだいぶん変わるな

11/25/2023, 11:50:02 AM

太陽の下で

太陽の下で、あなたと永遠に笑っていたい。
地球上で、あなたの隣で幸せを噛み締めながら。
何も心配はない。地球が破滅するまで、僕達は一緒。
破滅しても、宇宙のどこかで笑っていたいな。
今のままで一緒にたくさんの思い出を作りたい。
「あなたは私の太陽だよ。」

11/25/2023, 11:48:35 AM

私は、愚か者です。
...だって、自分で輝くことが出来ないんだから。
周りの皆は、自分の力で綺麗な光を生み出すことが出来るのに。

...でも、貴方が居るから。

貴方のお陰で、私は暗闇に光を灯すことができます。

だから私は、自ら輝けない愚かな私は、

ずっと貴女の下で、永遠に暗闇に光を灯しましょう。

---二作目---

太陽の下で笑っていたお前は

いつしか、本当に太陽となってしまったな。

...本当は。

太陽のように笑うお前の姿を、もっと見ていたかったのに。

そんなに上へ逝ってしまったら、君の姿を見られないじゃないか。

#太陽の下で
129作目

(意味不明な二作を作ってしまった...)

11/25/2023, 11:47:49 AM

貴方と来年も再来年も一緒に笑っていたい。

国語の時も理科の時も数学の時も英語の時もずっとずっと笑っていたい。

貴方を好きになれて良かった。

学校が楽しくなった。

貴方の力は偉大です。

ありがとう。

いつか太陽の下で貴方に思いを伝えたい。

11/25/2023, 11:41:50 AM

太陽の下で街は優しさに包まれて
穏やかな風は喜びを運ぶ予感
眩しいあなたに会える

こんな日が続けばいいなと思うけど
そう上手くいかないよとあなたは言う

心のモヤモヤは隠さなくていい
思いのすべて吐き出して

この空のように
気持ちを晴らそうよ

そしてまた明るい笑顔で
歩こうよ

「太陽の下で」

11/25/2023, 11:41:01 AM

日の当たるところを歩いていたいけれど、私は日傘を差すし、帽子を被るし、あなたを直接見ようとは思わない。あなたに振り向いてほしいけれど、あなたが見える場所でしか私は息ができないけれど、あなたの隣に行きたいとは思わない。私はただ、自分の影の濃さを見て、水に映るきらめきを見て、あなたの存在を遠くで感じていたいのだ。


/お題「太陽の下で」より

11/25/2023, 11:39:53 AM

太陽の下で生きられないのは吸血鬼だったか。

確か奴らは、太陽に当たると灰になってしまう。

夜は粋がっても朝には弱い。

ははは、酒飲みの俺への当てつけか。

昨夜は後輩とはしご酒をしていた。
駅前の大衆居酒屋、ダーツバー、スナック、後何処か行ったような気もするが、どこ行ったっけな。

後輩とはいつ別れたんだっけ。
スナックまでは居たような気がするが…。
アイツいつ帰りやがった。

アニキなんて慕っておきながら置いてけぼり食らわすとは。やってくれるじゃねぇか、あの野郎。

つーか、頭が痛ぇ。ズキズキと脈打ってやがる。
昨日は何杯酒をかっくらったんだっけか。

記憶にない。

いい大人なんだから、記憶を無くす程飲むなんざダセェ事なのに、今のこの状況も最高にダセェ。

目が覚めたら知らない公園のベンチの上。
尻ポケットに突っ込んでいたはずの財布は、姿を消していた。

ダセェ。
太陽の下で砂になっちまう吸血鬼よりも最高にダセェ。

吸血鬼は太陽の下で灰になっちまうんだから火葬代いらずじゃねぇか。
金がなけりゃあこちとら、墓も建てられねぇし、火葬すらもしてもらえねぇんだよ。人間様は。

タバコでも吸おうと胸元を探ると四角いもんに触れた。タバコより薄くて大きい。

スマホだ。

胸ポケットにしまっていたスマホは幸いにも盗まれていなかった。
犯人の野朗は、寝ている男の胸元を探るほど肝は座っていなかったようだ。

不幸中の幸いってか。

手元のスマホを弄ぶ。
スナップを効かせてスマホを手元でクルクル回す。
考え事をしている時ついやってしまう俺の癖だ。

さて、どうしてやろうか。

クルクルと回るシルバーのスマホに太陽光があたって乱反射する。
キャバレーのミラーボールも乙なもんだが、これもなかなかなもんだ。
まぁ、キャバレーのミラーボールは夜に光るから良いんだけどよ。

夜のもんは夜に、朝のもんは朝に。
そこの境界線が守られているから乙になるってもんだ。
そうだろう?

さて、人様の財布に手ぇ出す不届きもんには、身の程でも知ってもらおうか。

善良な市民様に手ぇ出すのはご法度だがよ。
俺の財布に手ぇ出した奴はどうやら違うようだから。

夜のもんは夜に。

穏やかな太陽の下、男は不敵に嗤った。

────────────────────────
「おう、俺だ。テメェ何、勝手に帰ってやがんだ」
「は?俺が帰れって命令した?」
「記憶にねぇ。うるせぇ。」
「いいか、今から指示するところに来い。おめぇの後輩も連れて」
「何って、仕事だよ」
「ははは。仏さんになるかは俺の気分次第だ」
「どんな化け物より怖えのはいつでも人間なんだよ」

スマホを切ってから数十分後、後輩の運転する車が到着した。
何時ものように助手席に乗り込む。
後輩には、運転席の後ろに座ってくれと注意されるが、助手席が好きなんだ俺は。
乗り込んだ車の中には後輩しかいなかった。
「おい、おめぇの後輩は」
「後輩たちは今、別の現場にいるんで、この後拾っていきますよ。ところで、ご用向きは?」
「ちと、財布をやられてな」
そう言った俺に後輩は目を点にした。
「アニキ、覚えてないんっすか?」
「あ゛ぁっ」
こめかみに青筋を浮かべ恫喝しても、後輩は飄々とした態度を崩さない。
「姐さんとこに寄った時のことっすよ。姐さんが今月の実入りが少ねぇって言うのを聞いて、アニキったら財布をポンッて姐さんにあげちまったじゃないっすか」
覚えていないんで?と聞いてくる後輩に、昨夜の記憶が朧気ではあるが蘇ってきた。

困った彼女の顔が見ていられなくて、俺は尻ポケットから財布を…出したな。

「突然財布なんて貰っちまったから、姐さんビックリしてましたよ。それなのにアニキったら、俺は寄って行くとこあるからって。俺に姐さんを家に送り届けるように命令して、どっか行っちまったじゃないっすか」

あぁ、確か、ただですら大きい目を皿のようにした彼女を見たような…。

「姐さんから預かりもんですよ」

そう言って後輩は、後部座席に置かれていた鞄から見覚えのある物を取り出した。昨夜彼女に渡した…。

「お気持ちだけ頂いておきます。だそうですよ」

黒いシンプルな長財布。
手に持つとしっくりと来る。
紛うことなき俺の財布だ。

あぁ、本当。こんなダセェ話があるかよ。

いつまでも出発しない車のサイドミラーに太陽がイタズラをして、乱反射の光が車内に差し込む。
キラキラとした輝きは、キャッキャッと子供のように笑っている。

あぁ、お天道さんにも笑われちまってらぁ。

「で、どうします?」
後輩の言葉に飛んでいた思考をもとに戻す。

「おめぇはこれから会う後輩に、これで奢ってやれ」
受け取った財布から数枚札を出すと、後輩は芝居がかった仕草で恭しく受け取った。
「代わりに、アイツんとこまで」
「仰せのままに」
芝居がかった口調を崩さず、後輩はアクセルを吹かした。
僅かな振動と共に、野郎二人を乗せた車が動き出す。

顔をチラチラと照らしていたあの鬱陶しい乱反射からもこれでオサラバだ。
財布も手元にある。
残す問題はあと一つ。

今朝からダセェ事この上ねぇ事ばっかだったけどよ、
好いた女のことまで、ダセェまんまで引き下がる気はねぇんだ。俺は。

ムッツリと黙りこくった俺の隣で、後輩は下手くそな鼻歌を歌っていた。

11/25/2023, 11:35:41 AM

七色のあなたと共に 生きていく
今日この時間を 明日への標に


【太陽の下で】

-SUNSHINE-

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