『天国と地獄』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
せっかく生きてるんだから
自分のまわりを花々で埋め尽くして
優しい風をふかせて
清々しい高原に立っているような生き方をしたい
人にいじわるしたり
陰口たたいたり
暗くていやあなところを自分から作ることなんてない
天国とか地獄とかあるかわからないけれど
あの世に持っていけるものが記憶だけだとしたら
自分から地獄をもっていくこともない
みんないろいろ事情があって
ひどい目にあうときもあるけれども
できれば手のひらの中にあるだけでも小さな天国を
あの世にもってかえりたい
(天国と地獄)
天国と地獄があるかは
分からないけど。
ふと、思い出すのは
祖父のことだ。
もう、末期癌だった。
夏休みいっぱい滞在して
中学1年の私は慣れない電車で
病院まで通った。
大きな病院の静かな個室で
祖父は、眠っている事が多かった。
ゆっくりと、傍の椅子に腰掛け
祖父が息をしているか…ジッと眺めた。
車椅子を、押して病院内を少し
散歩することもあった。
『天にも昇る気持ちやなぁ、嬉しいなぁ』
と、祖父は物凄く喜んでいた。
その言葉が、何故だか離れなかった。
身体の痛みや息苦しさは
どれほどの地獄だったろうか。
ただあの夏…
私と祖父は同じ時間の中で
ほんの束の間…車椅子を押しながら
天国を歩いたのかもしれない。
【お題:天国と地獄】
天国と地獄は存在するのか、
まず天国と地獄とはなんなんだろうか、
天国は幸せ、地獄は苦しみ、単純に考えたらそうなるだろう、けれど死後にも天国と地獄があると小さい頃から聞かされてきた。
どうしてそう思う人がいるのだろうか、死んだ後にも希望はあるよという人もいるだろうし何も無い、ただ無の時間が流れるのだよという人もいる。
実に不思議、、そういう天国という世界が死後に存在するのだと信じて命を絶った人いそうですよね。日本ですもの
天国と地獄
天国は誰もが夢見る場所
地獄は皆揃って嫌う場所
本当にそうなのだろうか
誰か見たことがある人はいるのだろうか
いるというなら、ぜひ、話を聞きたい
屁理屈のようだが有り得ない話ではない
地獄なんて思ったよりいいところかもしれないし
天国なんて思ったより酷いところかもしれないし
真実はわからない
そもそも天国も地獄もないかもしれないし
名前も違うかもしれないし
天国が地獄で地獄が天国なのかもしれない
知りたくはない
でも、みんな頑張ってるんだから
どこに行っても少しは良くしてあげたい
―あなたは、天国と地獄どっちにいるの?
あなたと何度もこんな会話をした。
「死んだら天国のおばあちゃんに会えるかな」
「今頃じいちゃんはばあちゃんとか友達とかと酒飲んでるんじゃないかなぁー」
「こいつは地獄行きだな」
「死んでもまた生まれ変わって一緒になろうね」
罪を犯して死んだあなたは周りから悪人だと言われているね。あなたが罪を犯したなら天国に行くことを許さないって思う。でも私はあなたが地獄に行くような人だと思えない、天国にいるって思ってる。おじいちゃんとおばあちゃんも一緒にいるでしょう?
ねえ...どっちにいるの?どこからが地獄なの?私は今地獄のようなところで生きているの。あなたに会いたい。でも死んでもあなたがいないのならどこへ行っても地獄。あなたが地獄にいるなら私は罪を犯してからあなたのもとへいくのに。
2023/5/27 テーマ「天国と地獄」
天国と地獄ってあるのかな?
地獄は知ってるけど
天国ってくるのかな?
ん?地獄を何故知ってるかって?
そんなにこの世界自体が地獄だからだよ
思わない?君は
そう、まあどちっでもいいと思うよ
人それぞれの感情だ
じゃあ、僕は昼寝でもしようかな
おやすみ
『天国と地獄』
徒競走はお好きですか?
もしくは、走るの早いですか?
『天国と地獄』って聞くと、どうしても運動会または体育大会でかかっていた、あのせわしない曲を思い出すんですよね。
偉大なクラッシックを、せわしないなんて失礼だけど。
今はどうなんだろ?
相変わらずかかっていますか『天国と地獄』
私が幼い頃は、春の小運動会と秋の大運動会があって、もうホント勘弁してくれよ、って感じでした。
更に冬は校庭や学校の外を走らされた挙げ句、武庫川河川敷でのマラソン大会。
そうそう、小学校の時は毎年、甲山登山なんていうのもありましたね。
この甲山、見た目はなだらかな低い山なんですけど、ロックなんちゃらなんていう、絶壁があって登っていたら上から前のヤツが踏んだ石が落ちてくるという、なかなかにムカつく場所もあったりして。
しかも低学年は電車で麓まで行けるのですが、学年が上がるにつれ、段々と遠い所から降りて、最終的には学校から往復歩かされるという。
なんて地獄。
天国無いじゃん。
というのは、運動嫌いの言うことで。
勉強嫌いの運動は得意って子には、手厚いフォローだったんじゃないかな。
私は、運動するぐらいなら勉強してるほうがマシって派閥に属していたので、本当に迷惑でしたけど。
だって、逆上がりなんて、大人になって何の役に立つんだよ?
よく、サイン・コサイン・タンジェントが大人になって何の役に立つって言うけど、考え方の基礎が役に立ったりするんですよ、知らんけど。
いやいや、土地の売買とかね。
ちょっとした型紙なんかもそうだし。
化学なんかも、考え方は料理とかに自然に織り込まれていて、おお!なんて思うし。
まあ、別にどうでもいい話にズレてますね。
ああ、そうだ。
運動嫌いなんですけど、何故かリレーの選手とかは良くやらされていて、高校の時に別のクラスの女の子。
前の年には同じクラスで、結構仲が良かったんですよ。
走り終わって、両手を広げて近づいてきたから、コッチもハグかなと手を広げたら、無視して横を素通り。
後ろに彼女と同じクラスの女子がいて、抱き合うシーンが。
いや、私の両手は。
メッチャ心に残っているシーンです。
クソ恥ずい。
あと、ひとつ。
せっかく『天国と地獄』というタイトルなので、アマゾンプライムオリジナルで『グッド・オーメンズ』というのがあります。
地球で暮らす天使と悪魔のお話です。
とっちもいい感じにオッサンです。
天使は悪魔を嫌っているけど、悪魔はそうでも無くて、なんだかんだ最終的には仲良いじゃん、っていう海外のTVドラマです。
私、最後まで見れてないんですよね。
宜しかったら、あなたもご一緒にいかがですか?
『天国と地獄』
俺は悪夢にうなされていた。
殺されたのだ。友人に切羽詰まった様子で20万円貸してくれと言われたが、俺は本当はそのくらいの金はあったが「悪いな、俺もないんだ」と残念そうに言ったんだ。
するとあいつは突然、「ふざけるな!お前の給料日が今日だったのを俺は知ってるんだぞ!」と急に人が変わったみたいに怒鳴った。
何があったのかは知らないが、こんなふうにいきなり友達を怒鳴るような奴じゃないのに。金に困ると人は変わるというが、本当なんだな。
するとあいつはなんとズボンのポケットから折りたたみナイフを取り出したんだ。開くとかなりの大きさだった。
あいつの目が血走って「くそっ、どいつもこいつも、俺を馬鹿にしやがって」とうわ言のように呟いた。
俺はさすがに恐怖を感じた。いつもはおとなし過ぎるくらいおとなしい奴なのに。
そういう奴ほど、怒ると怖いというが本当だ。
「ま、待てよ。そうだ、あったよ、あったんだ、金が。だからそれをやるからそんな物騒な物はしまってくれ」と俺は言ったが、もう奴の耳には届いてないようだった。
奴の目に力が入ったのがわかった。
俺は慌てて、今日会社の帰りに下ろした20万円をカバンから出して奴に渡そうとした。
鋭い痛みが走った、と思ったら、奴が金をつかみ「ざまあみろ」と言って笑っている。「やっぱり、持ってたのに、なんで貸してくれなかったんだ。お前が悪いんだからな、友達だと思っていたのに」と、奴が虫けらを見るような目で俺を見下ろしている。
何が起こったのか、瞬間わからなかったが、腹がひどく痛むので手を当てると手が真っ赤になっていた。
血だった。あいつに刺されたんだ。
「ちくしょう」と言いながら俺はケータイに手を伸ばそうとした。が、何故か力が入らず、取れない。
俺は死ぬのか?たかが20万円の為に。
すぐに渡せば良かったんだ。こんな事になるなら。
腹を抑えてる手の間からどんどん熱い血が流れでているのがわかる。
それと同時に体の力も抜けていく。もう痛みはなかった。かすむ目にあいつが笑っているのが見えたのが最期だった。
そこで、俺は目が覚めた。部屋は暗くてわからないが、腹に手を当てても濡れないし痛くない。
なんて恐ろしい夢だったんだ。額は汗びっしょりだ。
夢だった!俺は生きている!やった!!小躍りしたい気分だった。
その時、左手に何かを掴んでいるのに気づく。金だった。は?どういう事だ?!
起き上がろうとすると、体に力が入らなかった。それでもなんとか立ち上がると、俺は死ぬほど驚いた。
友人が腹を抑え、血を大量に流して死んでいる。
そうだ、思い出した!俺はどうしても金が足りなくて店の金を20万円、使い込んだのだった。今日中にレジに戻しておけば気づかれない。
友人という友人を訪ねて金を貸してくれと頼んだが、誰も貸してくれなかった。もう時間がない。俺は飲まず食わずで走り回っていたのだった。
そして、最後に浮かんだのが、今倒れている友人だった。たしか俺と給料日が同じだったはずだ。もう時間がない。俺はものすごく焦っていた。
今まで真面目に勤めていたのに、昔の悪い同級生が偶然店に買い物に来て、俺を見るとニヤニヤして、ちょっとつき合えよ、と言った。
店の店長や同僚も見ている。店長に頭を下げて、少し時間をもらう。
店の外に出ると急にそいつは「お前、この店で働いていたのか、いい事を知ったよ」と言った。嫌な予感がした。
「なあ、20万円貸してくれよ、いいだろ?断れば毎日来るぜ」と言われ、仕方なく俺はもらったばかりの給料を渡したのだった。
店に戻って店長に謝ってから普通に仕事しながら、これからひと月、どうやって暮らそうか考えていた。貯金なんてなかった。家賃が明日口座から落ちる予定だった。どうしよう、払えなければ住んでいられない。万事休すだった。
追い詰められた俺は、店長や同僚が先に上がり、俺ひとり残った店でどうしようか考えていた。だが、いくら考えてもどうにもならなかった。
そして、レジの金を20万円出して、店のATMから俺の口座に入金した。
これでとりあえず家賃は払えた。あとは今日中にレジに金を戻せばいいんだ。俺は友人に頼もうと、次のシフトの奴に、親が倒れたので悪いが今から仕事に来て欲しい、様子を見たら戻るから、と電話すると、そいつは気がいい奴で、それは大変だ、店は俺がすぐ行くからお前は病院にいく用意をしろ、と言ってくれた。
そいつが店に来るのを待って、俺は飛び出し、それからひたすら友人のところを回って頼んでいたのだった。
誰も相手にしなかった。腹は減るし喉は干上がったように乾いていたが、構ってられなかった。そして最後の頼みの綱にあいつの事を思い出したのだった。あいつはいい奴だから頼めば貸してくれそうな気がした。
俺はヘトヘトだったが、あいつのところを訪ねたのだ。
そして、あいつすら断ったんだ。それで俺はもう絶望的になって。
右手を見ると血まみれのナイフを掴んでいた。家から持っていったものだった。
ど、どうしよう。着ているTシャツは血まみれだった。
俺は殺した友人のタンスを開けて、入っていたそいつのTシャツに着替えた。
急いで店に戻らないと。すると、ドンドン!とドアを叩く音がする。
俺は飛び上がりそうになった。
「おーい、俺だよ、なんだよチャイムも鳴らなかったぜ。お前の所にあいつが来なかったか?20万円貸せって、えらい切羽詰まった顔してたぞ」
万事休すだった。これでなんとかなると思ったのに。
俺は疲れ果てていた。もう体が重くて立っているのがやっとだった。
最悪だ。悪夢を見て目が覚めて、良かったと喜んだのに。
もう、おしまいだ。なんて事だ。あいつさえ、あいつさえ店に来なければ。俺は地獄に落ちるんだろうな、とぼんやり考えていると、ガチャリ、と音がしてドアノブが開けられた。
見えてない部分は天国。
見えてしまったら地獄。
知らなくていいこと
わざわざ知ろうとしないでね。
–天国と地獄–
お題:天国と地獄
泥の中でもがく
綺麗な蓮の生えている
泥の中で必死に。
しかし足掻いても沈んでいく
仏は微笑んでいる
ああ、俺はそれだけの人間なのか
海で苦しむ
白い砂と澄んだ水の
美しい海で溺れている
肺の中に海水が入って
段々手足が動かなくなり
目の前が白から黒になったら
後はもう沈みゆくだけ
高い崖から落ちてゆく
頭から落ちてゆく
とても速い。
かなり高い崖だからか
まだ地に着かない
しかしこんなに長いと
全身が痛み、苦しむだろうと
想像して怖くなってしまう。
俺はそれだけの人間なのさ
最推しバンドの、初めて買ったアルバム
そのリード曲が真っ先に浮かんだ
一般発売でもぎ取ったチケット
後ろから数えた方が早い整理番号で
初めてのライブハウスに行った
地元で公演してくれたのが心から嬉しかった
ステージがよく見えたとは決して言えないけれど
CD音源を越えてくるクオリティの演奏を
全身に浴びて、すっかり虜になった
あれからもう9年になる、時の流れは恐ろしい
来月の地元公演も楽しみだな
―天国と地獄―
私の昔の友達に、双子の男の子がいた。
その双子のうち、1人は、
すごく賢くて、優しくて、
皆に好かれるような人で、
天使の象徴だなんて言われていた。
でも反対に、もう1人は、
成績も性格も悪く、
問題ばかり起こして皆を困らせる人で、
悪魔の象徴だなんて噂されていた。
そう、2人は双子とは思えないほど、
まるで真反対なのだ。
昔の友達、と表現するのは、
5年ほど前、その2人が家族旅行の車で
交通事故に合い、
2人仲良く○んでしまったからだ。
そして、今驚いているのは、
朝起きて家のポストを覗いてみると、
その2人からの手紙が届いていたからだ。
封筒を見てみると、天界からの手紙だと
書いてある。なにかの悪戯だろうかと
思いながらも、恐る恐る
2人の手紙を読んでみて、また驚いた。
天使の象徴と呼ばれていた子は、
今天国で荒ぶれているらしい。
どうやら、生前良いことを重ねた人たちが
集まる天国では、あまりにも平和すぎて、
その環境に感化され、悪人と化していく人が
絶えず、しかも天国には法なんてものもなく、
閻魔様の元で再度裁かれるということも
ないので、読んで字のごとく“無法地帯”
なのだという。そしてその子は
悪人と化した人たちの内の1人になったそうだ。
ずっと、悪魔の象徴の近くで過ごしていたことで
溜まっていたストレスが天使をそうさせたようだ。
反対に、悪魔の象徴と噂されていた子は、
今地獄で罪を償い、浄化されたらしい。
地獄では、愛らしいいたずらっ子から世界中から
追い回されるくらいの極悪人まで様々な
悪人がいるらしいが、悪魔の象徴は地獄では
罪の軽い方らしく、極悪人たちが荒れ狂う姿を
目の当たりにしたその子の内に秘めた良心が
目を覚まし、閻魔様に感心されるほどには
生まれ変わったらしい。
私は関心した。
これを表現するなら、化学変化という言葉が
ピッタリだろうと思った。
善人はいつまでも善人ではないし、
悪人の悪行にも終わりはあるのだなと感じた。
「お前ならできるよ」
「お前にしか頼めない」
「頼りにしてる」
「頑張って」
そんな言葉に掻き立て踊らされ
成果が出ないと罵倒を浴び
それでも尚、必要とされてる自分が好きで
「私にしかできない」
「私ならできる」
自分を奮い立たせ、唇噛み締め笑顔で過ごす
徐々に求められる事も増えていき
私のコップは溢れ出す
「つらい」
「悲しい」
負の感情押し殺し、今日も必要とされる自分を愛してる
誰かの役に立つ私はどんなものより素敵
お題「天国と地獄」
【天国と地獄】
俺は、職場の名称を聞かれるのが嫌いだ。相当珍しい上に、聞いた相手のリアクションが容易に想像つくからだ。
それでも、何らかの理由でどうしても答えなければならないときがある。つい先日も、ある届出の手続きで職場について聞かれた。俺は、できるだけ早口でその名称を伝えた。
「あまのくにしやくしょじごくだにししょ」
「は? 今何て… 」
「だから、「あまのくにしやくしょじごくだにししょ」!」
「ええっと〜、それって漢字ではどう…」
ほ〜ら、こうなるから嫌なんだ。今度は紙と鉛筆を用意してほぼ殴り書き状態のものを相手の目の前に突きつける。
天国市役所地獄谷支所
まるで、天国とも地獄ともつかないようなこの名称が我が職場である。実は「天国(あまのくに)」と「地獄谷」はそれぞれ別の地名だったが、大規模な市町村合併の煽りを受けて「天国市地獄谷」という世にも恐ろしい地名が爆誕したのである。
俺が市役所に入ったのは合併前だったから、当初はただの「天国市役所」勤めでよかった。ところが数年前、合併後に新設された「地獄谷支所」への異動が決まった。
で、そこの同僚に「桃野太郎」と「鬼嶋(通称オニガシマ)」というのがいるのだが、それはまた別のお話で。
「君たちは何か勘違いをしてないか?」
横一列に並んで床に正座をする俺達の前を、その男はゆっくりと歩きながら呟く。男は人好きのする穏やかな笑みを口元に湛え、俺達それぞれの様子を観察するかのように、順番に眺め遣っていた。
「天国と地獄はね、いつだって隣り合わせなんだよ」
控えめな声音なのに、男の声はこの四方を厚い壁に囲まれた薄暗い室内によく通る。
「たったひとつの選択肢の違いで、ほんの僅かな心持ちの違いで、同じはずだった状況が、人によっては天国にもなるし、地獄にもなる」
歩いていた男の足がピタリと止まる。
「さて・・・・・・」
男は一息つくように、肩の力を抜いた。俺達は俯いたまま動けない。誰も手足の自由を奪われてさえいなければ、人数だってこちらのほうが勝っているはずなのに、何故かその男の視界に捉えられると、誰もが萎縮し抵抗を諦める。
「これから君たちにいくつか質問することになる」
男が上着の内ポケットへ手を差し入れた。カチャリという不穏な音が耳に届く。
「答えによっては天国に昇れるか、地獄に堕ちるかの分かれめだ」
俺は勇気を出してチラリと視線だけを上へとあげた。
「みな心して発言するように」
ニヤリと口角を上げた男は、至極楽しそうだった。その手に握られた黒光りする銃口に、一気に冷や汗が背筋を伝う。
天国だろうが地獄だろうが、その狭間で生きる人間の世界ほど、愉楽と絶望に塗れた世界はないのだと、俺は改めて自覚した。
【天国と地獄】
「天国と地獄」
何をもって天国か地獄か
今のあなたはどちら?
お題:天国と地獄
日が入る学食の窓際の席で、今日は天気がいいなぁなんて思いながら外を眺める。
日光があたって暖かいはずなのに、何故か隣でブリザードが吹き荒れているのではないかと思うほど寒い気がするのは気の所為だ。
気の所為だと思いたい。
いや、実際ブリザードなど吹いていないが、そう見紛うほどに雰囲気が悪い。
ちらりとそちらに視線をやると、2学年上の先輩が2人、向かい合って座っている。
数分前、俺の真横に座る先輩の唐揚げ定食の最後の唐揚げを、俺の斜め向かいに座る先輩がかっさらったのだ。
普段であれば苦言を呈するものの、代わりの品を贈呈することで丸く納まるのだが、今日は駄目だった。
何が原因かは知らないが、とてつもなく期限が悪かったのだ。
誰がどう見てもそうだと、分かるのに空気が読めないというか読もうとしない先輩がやらかした。
雰囲気はすこぶる悪いが、ここで口論をしないあたり、育ちの良さが垣間見える。
本人たちには絶対に言わないが。
真向かいに座る同期に視線をやると、肩を竦めていた。
先輩達がほぼ同時に立ち上がった。
空になった食器を返却口に持っていく。
そこで視線があった学食のマダムに微笑みとともに礼を言うのを忘れない。
そして並んで学食を出ていく。
学食から一歩出たと同時に走り出す。
運動会のリレーのド定番であるBGMが脳内再生される。
なので、思わず口ずさんでしまった。
「なんでその曲なんだ」
「いや、なんとなく」
「気持ちは分からんでもないが」
なんて言いながら、2人が走り去った方向を眺める。
「さて、始まりました追いかけっこ。どちらに軍配があがるでしょうか」
「元陸部短距離走選手と万年帰宅部では結果は火を見るよりも明らかでしょう」
「火事場のバカ力、というのもありますが」
「それでも厳しいでしょうね」
なんて、誰に対してなのか分からない実況をしてみる。
「確か、あの人午後から同じ授業受けるはずだから、どうなってるか教えてもらうかな」
「わざわざ聞くのか」
「気になるだろ。勝敗というか、その後の顛末が」
「まぁ、そらそうだけど」
なんてくだらない話をしながら席を立った。
天国と地獄
それは僕を見つめる神と悪魔
人生の境目と走馬灯の数々
神は見せてくれる
三途の川や労働作業を押し付けてくる
その名も悪魔
僕らの人生は操られている
しかし
どう生きるか決めるのは自分なのだ
Byカゲロウ
『天国と地獄』
ハルは病院の最上階の病室にいた。ハルのいる病院では、死期が近い患者は天国に一番近いとされている、病院の最上階である110階の病室へと移される。ハルも生まれつき持っていた病気が最近ひどく悪化し、もう助かる見込みがなくなったため最上階の病室にきた。ハルは病室のベットの上から病院の周りに広がる広大な美しい海を眺めていた。
ハルは最上階の病室に来るずっと前から自分が死ぬことを悟っていた。病院に始めてきた日、ハルには美しい翼が背中にはえた幼い見た目の天使が見えた。ハルを病院に連れてきた人や、病院で働く看護師さんなんかは見えていないようだった。その天使はハルに、アセビという綺麗な花をプレゼントした。ハルは入院して以来、ずっとその花を自分の病室の花瓶に紫のアネモネと一緒に飾っている。他の人には天使がくれたアセビが見えないらしく、いつもアネモネの方だけをほめられるので、少し寂しかった。しかし、天使がよく遊びにきたので寂しさはすぐに無くなった。
天使はほとんど喋らず無口だったが、ハルの話をよく聞いてくれた。ハルは植物や自然の話が好きだったが、天使に出会うまでハルの話をよく聞いてくれるものはいなかったので、天使と話している時間が好きだった。少し不思議だったのは、天使が帰っていく時毎回窓が開けられないことだった。天使に聞くと、『天国に帰る姿を見せたくない』ということらしかった。
ハルの病状が悪化し、85階の病室に移され、ハルの周りに2つの変化が現れた。ひとつは、天使が遊びに来る頻度が少しだけ減り、かわりに悪魔も遊びにくるようになったこと。天使が遊びに来ない日は決まって悪魔が遊びにきた。悪魔はおしゃべりだった。
ある時、ハルに赤いアネモネと白いエゾギクをプレゼントした。ハルは悪魔に「ごめんなさい」という言葉とともにカエデの葉をあげた。悪魔は少し悲しそうにしたが、すぐに笑顔になっていつものように話をした。その日帰るとき悪魔はアンモビウムをハルの部屋の花瓶にさし、[また来るね]と言って帰っていった。今も悪魔は遊びに来る。
もうひとつは、同室となった12歳くらいの少女とよく話すようになったこと。 少女はモモという名前だった。モモは穏やかだけどおしゃべりで、誰でも楽しく喋ることができるような話し方をする。ハルはモモの話を聞くのが好きだった。ある時モモは〔あくまで私の考えだけれど〕と前置きして、天国は地より下に、地獄は空より上にあるのではないかということを話してくれた。
〔だって花は地面から咲くし、死んだ人は地面に埋めるでしょ。それで少しでも天国に行きやすくしてるんじゃないかって。それに、空に近づいていったりしたら苦しくて息ができないじゃない。〕
確かに、とハルは思った。〔だから私、あまり上に行きたくないの。〕モモはそう言うと、検査に呼ばれて行ってしまった。
そしてハルは110階にきた。天使は変わらず遊びにきてくれたが、下の階にいた頃より来るのが大変そうだった。悪魔は前よりたくさんきた。モモはまだ93階にいる。
最上階の病室の窓は大きい。天使が来やすくするためらしい。天使や悪魔から貰った花はいまだに枯れず、花瓶に入れられ美しく咲き誇っている。
ある日、悪魔が遊びにきた。悪魔は悲しそうな目をしていた。悪魔は帰る前にハルに窓の前に来てほしいと言った。ハルが言われた通りにすると、悪魔はまるで写真のように綺麗な青空を背景にしたハルを見て[綺麗。]と呟いた。そして
[これからのハルが幸せでありますように]
そう言ってハルを窓から突き落とした。ハルの視界にめいっぱいの空色が広がる。
海に落ちる。
そう思った瞬間、天使がハルを受け止めた。ハル達はそのまま海へ落ちた。天使はハルの手をしっかりと握ると、もう片方の手を海底にかざし、海底に向かってハルと進んでいった。ハル達は天国についた。海の底の天国でハル達は楽しく話をした。
数時間後ハルは海に浮かんで死んでいるところを発見された。ハルの病室の窓辺には雨なんか降っていないのに、水滴のついた赤いアネモネが置いてあった。
長くてごめんなさい…!
花言葉
アセビ…犠牲、献身、"あなたと二人で旅をしましょう"
紫のアネモネ…"あなたを信じて待つ"
白いエゾギク…"私を信じてください"
赤いアネモネ…"君を愛す"
カエデ…"大切な思い出"、美しい変化、"遠慮"
アンモビウム…"不変の誓い、永遠の悲しみ"
悪魔はハルが好きだったので、地獄に連れていくため、花を送って気持ちを伝えた。しかし、ハルがカエデをくれたので、アンモビウムで悲しいけど、あなたへの思いは変わらないということを表した。悪魔はハルが幸せになれるように尽くすこと、天国へハルを送ることを誓い、天国のある海の底に突き落とした。
天使は海の底から病室まで飛んでいたため、最上階に近づくたびに来るのが大変になった。悪魔は空から来るので最上階に近づくたびに来やすくなって遊びに行く頻度が増えた。
最後の赤いアネモネに水滴がついていたのは悪魔が泣いたため。
天国と地獄。そろそろ夏本番、暑さで脳がとける日々がやってくる。エアコンの効いた室内と外とでは正に天国と地獄。灼熱の夏がやってくる。
そんなわけで日本の夏は暑すぎる。エアコンがないと脳が動かないわ。昔はエアコンなんてなくても平気だったんだけどな。
昔より平均気温だかが高くなったと聞くからな。日本全体が暑くなっているのを実感する。もうエアコンは生命維持装置だからつけないという選択肢はない。
だけどやはり気になるのは電気代。昨今の値上げでなにもかもが高くなっているこのご時世でもうエアコンつけちゃってる俺がいるんだよね。
エアコンの届かない場所に行くと割りと涼しいんだけど部屋のエアコン消すと耐えられないくらい暑いんだよね。日射しとかの関係だろうけど耐えられないわ。
だから今の季節が一番嫌だね。エアコンなしでもいけそうな暑さ。でもないとまじでなにもできないくらいの暑さ。そんなのエアコンつけちゃうじゃん。
部屋は涼しくて天国なのに電気代はうなぎ登りで家計は地獄。これが天国と地獄かぁ~!?