『大事にしたい』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
一日の終わりには、
頭の先から足先まで、マッサージをしたり、手を当てながらお礼を言う。
耳に触れている時は、
「耳、聞こえてくれてありがとう」
胸に触れている時は、
「心臓、動いてくれてありがとう」
という風に。
体の一つ一つに感謝をしていると、
たくさんのパーツが私を動かし、支えてくれている事に気づく。
大事に、大事にしていきたい。
お題 大事にしたい
大事にしたい_____
進路、将来。
高く厚い壁が私を押しつぶす。
やりたいこと、やってみたいこと、興味があること、今までやってきたこと。
それがあまりない。
だから今後の道をどう選んだら良いか分からない。
当たり障りのない選択をすれば、志望理由とかが薄くなるだけだし。
やりたいと直感で感じたことはやってみるようにはしているけれど、続かなかったらどうしようとか。
飽き性な自分にうんざりする感じ。
あーあ、どうしよ。
周りは決まっていく中で、ひとりになっていくんだろうね。
笑えてきちゃう。
このくらいが私にはちょうどいいんだろうけど。
< my >
あなたがくれた優しさも、笑顔も、言葉も、その声も。いつかはきっと忘れてしまうから。
それが嫌だなんて、ずっとずっと大切に抱えていたいだなんて、強欲なのかもしれない。
あなたに出逢えたこと、あなたと同じ時間を過ごしたこと、そんな奇跡に満足した方がいいのかもしれない。
でもそれじゃあさびしいから。思い出せなくなるのは、きっと思い出さないせいだから。
大事に、大事に仕舞い込んで忘れてしまわないように、上書きしてしまわないように、大事に想い出していよう。
(大事にしたい)
自分の命を投げ打ってでも、
どうしても、生きてもらわなくてはいけない。
『大事にしたい』人…いや人達がいる。
それは………。目の前に凛と座っている女性
彼岸花の花の色の様な美しい色の羽織
そして、美しく綺麗で漆黒の色の長い髪
右目には、2つの泣きぼくろ
小柄で華奢な身体
民を大事に想う優しい心は、殿譲りだ。
俺は………朝霧蔵之進の助 鬼丸は
竹田宮重春の次女 ハル様に恋心を抱いている。
(※命燃え尽きるまでに登場)
想いは……告げてはいけない。知られてはいけない
何故ならば、弱みとして握られ。殿や姫様の命が
狙われるかもしれん。この想いは俺の胸の中に閉まっていれば良い…。今日もハル様や殿が笑って
生きていれば……俺はそれだけで良いのだ。
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あの日も、先の戦が終わり疲れ切った身体を引きずるように歩いていた。あと一つ山越えをすれば国に帰れる。山越えをする前に、小休憩しよう。と小さな小料理屋に入った時だった。店の中が怒涛の声と騒ぐ男を取り押さえようとしている人達で賑わっていた。
『これは、何事か?』近くで食事をしていた客に声をかけた。客は「あの男が酒によって騒いでいるんだよ。」
と、苦い薬でも飲んだような顔をして指をさしていた。
指をさした方に顔を向けると騒いでいた男は、
赤い顔をしていた。随分長い間呑んでいたようだ。
なりふり構わず、騒いでいて周りの客は迷惑そうにしていた。止めたくても暴れている状態だ。
これは…良くないな。そう思った俺は、
その男の方に向って歩いていった。
「おっ…おい!兄さん」
突然のことに驚いて声をかけた先程の男。
もちろん後ろから、声が聞こえていたが構わず進んだ
騒いでいた男の元へたどり着くと、男は
《…なんだぁ?おめぇさんは??》
と、俺の顔をジロジロと見てきたが気にせず俺は、
騒いでいる理由を尋ねた。
すると、男は悔しそうにこう叫んだ。
《……金が無くて家族を幸せにできねぇ!そんな時に城の使いが来たんだ!沢山の金銭を持って!突然のことで動揺したさ!そうしたら、使いの者が言ったんだ!娘様と正典様との祝言を、この金銭で無かったことにしてほしいと!!正典様は、隣の国のハル様と婚儀をあげると。ワシもチヨも金銭に困っていた時に
金銭が手に入る話が来た。これには勿論喜んだ!!
そして、受け取った!ワシもチヨも初めから正典様との婚儀に反対していたんだ、そんな人とは相応しくないと…城には良い話が一つも聞かぬと…なのに…
娘は………娘は!!泣きながら言い返してきた…。
そして…家から出て行き帰ってこなかった!!》
その男の話を、その場にいた皆が静かに話を聞いていた。男は、一つ深呼吸をし話を続けた。
《しばらくして……家に知らせが来た……
娘は…シン…は…沼地で死んでたんだ…。。
沼地のその近くで遊んでいたガキ共だ…。娘とは顔見知りで、着ていた着物で…髪飾りに見覚えがあって…
すぐに家に知らせに…。帰ってきた娘に
どんなに声をかけても二度と目を覚まさなかっ…た…。
………。あの時……金銭を受け取らなかったら……。》
男は、その日を思い出しているのだろう。
今度は、ボロボロと泣き崩れた。
金銭を受け取った喜びと娘を失った後悔が、まだ
男の中に深く深く沼の底のようにズブズブと入り込み
抜け出せないでいた。
(……この男の話は、何かしらの手段で
必ず殿の耳にもハル様の耳にも届くだろう…。
民を想うお優しい方達だ。
きっと、胸を痛くするだろう…。)
俺は、ボロボロと泣いている男の肩に
そっと手をかけ、男の側を離れ何も食べずに店を出た。
※それから先の話は、「命燃え尽きる」の物語へ続く
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竹田宮家の殿が、信田家へ文の返事を書いた。
〘一人の娘の命が、この世から消えてしまったは
事実真か?。ハルにも、同じ事をするのか?
そして…民が育てた稲作を全て取り上げるのか?
もし、同じ事をするのであれば
民を苦しめるのであれば
この話は、全て無かったことにする。〙…と。
父上は、我に文の内容を確認させた。
書いては文を破り、書いては文を破りを繰り返し
ようやく納得がいったようだった。
「…変か?」
父上は、納得がいった文を書いたのだが
やはり何処か不安だったのだろう。我の顔をジッと見つめていた。
『…いいえ。』
我は、微かに微笑みながら応えた。
(この文を届けてしまったら…きっと戦になる。
そうしたら、民たちはどうなるんだろう…?
田や畑…それに城は…?みんなは…?
……やはり正典様と…)
文を見つめていると我の考えを見抜いたのだろうか?
父上は、
『ハル……。好きでもない男子(おのこ)と
祝言を挙げることはない。父上は反対だ。
それから…戦になったら朝霧と遠くへ逃げなさい。
あの男なら、お前を…』
筆を片付けながら、父上はポツリと言ったが。
そこから先は話さなかった。
「……その先は…?」
文から目を離し父上を見つめ我が尋ねても、
父上は何も答えなかった。
何も答えてはくれないなら、これ以上は
聴くこともないな…。我は、まだ日が落ちていない空をジッと見つめていた。
―同じ時に、空を見つめていた人がもう一人。―
鬼丸は、殿に呼び出された時のことを思い出していた。
その日は、武具の手入れをしていた時に殿に呼び出されたのだ。使用人と共に早足で向かっている最中に、考えていた事は、
(殿や姫様のところにも例の話が来たのだろう。
……これは、あの男の話を出すときかもしれないな。)
今まで、この話を隠していたことを打ち明ける事が出来る。話さなかったのは、今では無いと思ったからだ。
殿の元へ着くと、そこには姫様も居た。
……相変わらず美しい。
そんな事が、一瞬頭に浮かんだ。
殿は、俺が着いたら直ぐに
文の話を説明し文も確認させてもらった。
どう思う?尋ねられた時に俺は
男の話を簡単に話を短くして説明した。
二人は、驚いた顔をしていた。
そんな事があったのか…!と、言いたげな表情だった。
それから、こうも付け加えた。
城の話は、悪い話しか聞かない。その話は無かったことにした方が良い。と
この国を何よりも大切に思っているなら、全てを奪われる危険があるならば、その話は無かったことにしたら良いと考えたのだ。
殿は、ようやく返事を書く決心がついたらしく
さっそく、文の用意を頼んでいた。
殿は、俺にこういう命令もしてきた。
命が燃え尽きるその時までハルを護れと命令をした。護れなかったら殺すとも言われた。
もし……ハル様の小さな手を繋ぎ、小柄な身体を抱きしめ
遠く遠く離れたところ迄、連れ去ってしまったらどんなに良いものか…。
しかし…俺の手は、汚れている大勢の命を奪い怨まれている俺の手で汚してはいけない。
……男に抱かれたことの無いであろうその小柄な身体を抱きしめてしまったら…力が強い俺は…ハル様を壊してしまうのでは無いか?
それが、どんなものよりも
怖がらせてしまうことのほうが…俺は怖かった。
『「……だから言えぬのだ…
我には、俺には……この先も、そして何よりも
大事にしたい人だからこそ…この恋心は
知られてはならぬのだ…例え、命が燃え尽きるその時までも。」』
空を見つめている場所は、違えども
想っていることは、ちゃんと繋がっていることを
知っているのは天の神様だけかも知れない。
「大事にしたい」
授業中回って来た君の手紙
そっと引き出しにしまいこんだ
《大事にしたい》
よねさんが壁に墨書した日本国憲法第14条
大事にしたい
叶わないとしてもこの気持ちは大事にしたい
貴方を好きになったという気持ちは
他に好きな人がいたとしても私は
貴方が好きだから
「宝物、か。」
今の俺は、何が大事なのだろう。
「貴方は本当に、泣き虫ね。」
昔から母は呆れながら、俺に言った。事あるごとに泣き出す俺は、母を困らせてばかりだったと思う。今でも泣く事はある。でもそれは、家族の居ない所でだけだ。だって、家族の前で泣いてしまうと、自分の無能さを痛感してしまうから。
「君は本当に、真面目で良い子だね。」
昔から学校では、良い子を演じた。教師に歯向かわず、只静かに話を聞く。そんな都合の良い子をだ。しかし、よく考えてしまう。こんな偽りだらけの自分は、醜悪だと。それでも演じる。だって、自分の本心を曝け出して、否定されたら立ち直れなくなるから。
宝物、大事にしたいもの、大事にしないといけないもの。そんなの今の俺には、ない。でも、少しだけ思ってしまう。泣き虫な自分、弱虫な自分、嘘つきな自分。そんな人間の悪い所を集めた様な俺を、誰でもいいから大事にして欲しい。愛して欲しい。でも、そんな都合の良い話がある訳もなく。只、いつものように、大丈夫なように、見栄を張る。
きっと大事なものなんて、この世にない。それでも良い。虚像に侵っても良いだろ。それは俺が俺自身を、大事にするのに必要ならば、俺は虚像を大事にしたい。
幸せって
大事にしたいことが
できてる時かもしれない
大事にしたい
「別にここ家やと思ってねぇわ!」
「うっさいなぁ!うちの好きにさせてや!」
「うちは産んでくれなんてゆってねぇやろ!」
「黙れよ、ほっといてや!」
どれだけ酷い言葉を投げかけただろう。
どれだけ反発し続けただろう。
少し過保護なこの親に嫌気がさして、少し弟贔屓をするこの親が嫌気がさして、周りと比べるこの親に嫌気がさして....。
年齢とともに家にいる時間が少なくなるのと比例して、話の行き違いが増え、言い合いが増え、この家に居場所が無くなったように感じた。
私がこの親を嫌いな理由を挙げればキリがない。
きっとこの母親も同じだろう。
誰だろう、この人は。
私を抱きしめて泣いてるこの人は誰だろう。
なにがあったのか、私にはわからない。
私はもう疲れてるからやめて欲しい。早くバイトの用意しないと。目も冷やさないと。この手首から流れる血も止血しないと。
ぼんやりと、回らない頭で考える。
「....もういいよ、もう、バイト辞めていいから。」
耳元から聞こえた声がぼんやりと頭に入る。
「やめる。」
“やめる”って、なんだっけ。
「そう、辞めるの。こんなボロボロになったあんたを見たくないっ。」
私って、ボロボロなの?なにが?どこが?
頭が未だ霧がかかったように上手く言葉が入ってこない。
「大丈夫やから、離して。準備する。」
私はグッと腕に力込めて母親を引き離し、部屋を出ようとした。
「泣きながら準備するのも、明け方に帰ってきて朝早くから働くのも、全部おかしいの!わかってるでしょ!」
その言葉に涙腺が緩んだのがわかった。
「わかってるよ!わかってるけど、無理なの....。仕事が、終わんなくて。終わってなかったら店長に怒られるっ!ちゃんとしないと、誰かが事故起こすかもしらん!誰かが死んじゃうのはやだ!もう、これ以上知ってる人が死ぬのは見たくないっ。」
部屋を出た時、更に目が潤んだ。
「でも、私。しんどいなぁ....。」
声が震えてきて、言葉が出なくなった。
「今度、ちゃんと話聞くよ。だから、今はほっといて。」
返答は聞かず、私は用意をしてバイトへ向かった。
その後、母親と話し合い、1悶着あったがバイトを辞めた。そして病院に行けば鬱と診断された。
母親、ままとは話し合いをしてから言い合いも無くなった。
あんなに酷い言葉を言い続けてた私を何も咎めず、優しく包み込んでくれた。何年ぶりかのあたたかなこの家は、私の家に戻った。
この出来事の数年後の今、私は決めたことがある。
あたたかなこの家を大事にしたい。
最後には母親として私の苦しみを全部飲み込んで優しく包み込んでくれたこの人を大事にしたい。守りたい。恩を返したい。
まだ恥ずかしくて言えないけど、病気が治ったら絶対に、ありがとうを伝える。
(大事にしたいことって考えてたら物語というより、自分の決意表明みたいになってしまいました....。物語を楽しみにしてくださってた方には申し訳ありません。)
猫はゆったりと
毛づくろいをする
しっぽや背中や足の裏
この入念な儀式で
猫は汚れから守られる
猫を大事にしたいと思うと
私の生活も規則正しく守られる
朝ごはんに夜ごはん
そこら中に散らばる猫毛の掃除
黒Tシャツの洗濯
毛づくろいを眺めて
つかの間の休息
大事になるとは ハハハ 油汗
大事にしたい 残りの吾が歯
「大事にしたい」
わたしのもろく弱い部分 誰も好きでいてくれないけどわたしはそれを大事にしたい
大事にしたい
目に見えないけど、思いを大事にしたい。動物も人間も地球上の生物は、みんな思い、魂をもっている。
地球上の思いは、キャンディみたいなかたちの色々な宝石なんだ。生きてるうちは、地球にいて、生命が終わりをつげると、広い宇宙のどこかに帰るんだ。宇宙いっぱい思いや魂が瞬いている。
私の身体には、どんなキャンディちゃん、いるのかなぁ。
「大事にしたい」
いつもお仕事、ご苦労さま。
家の事やってくれて、ありがとう。
元気な奥さんじゃなくて、ごめんね。
長年いっしょにいて
いろいろ思う事はあるけれど...
あなたと結婚できて、本当に幸せです!!
これが、1番大事にしたい
私の本当の気持ち...
大事にしたい
大事にしたい。この何でも無い時間を。
窓から覗く小さな光と、部屋に響く穏やかな音楽。
この本が好き。この音楽が好き。この絵が好き。この景色が好き。
この時間が好き。
たとえ僕の中に残った小さな好きとこの時間が、僕の中の黒いモヤに覆い隠されても
ただただ僕はこの気持ちを大事に、大事にしたい。
【大事にしたい】
今の私は幸せだ。
大事にしたい人が居て、大事に過ごしたい日々がある。
昔の私はそうではなかった。
周囲との折り合いが良くなくて、時間が早く過ぎ去ってくれることを願っていた。
そんな私でも夢があった。
したいことがあった。
だけどそれは周囲に否定されて、いつからか口に出すのも恥だと思うようになっていた。
全力で向き合う前に折られた夢は、いつまでも燻って、棘みたいに刺さって、時折開く傷口のようにじくじくと痛んで仕方がなかった。
生き方が変わって、考えが変わって。
その夢は『どうしても叶えたいもの』ではなくなった。
けれど、そういう夢を抱いていたこと自体は。当時の気持ちは。幼いながらも足掻いていた自分の過去は。
これからも大事にしたい。
せめて、全部知っている私自身は……
「えへへ」
思わずこぼれた気持ち悪い笑み。
急いで口を塞ぐが聞かれてしまったようで案の定私の頭にはチョップが来た。いてててて
一応頭をさすってみるが本当ば全く痛くない。
「笑ってないでさっさとやれ!!」
現在私は山のように溜まった提出物をせっせと書いている。
ワークにプリント、ノートまで、、、。
はぁ、、口には出さないで心の中でため息を着く。
「おい、ため息ついてる場合じゃないぞ」
あ、やべ。言っちゃった。
多分、2年前の私ならこの状況を最悪うううと言ってるだろうし、目の前の提出物を2倍の速さで終わらせるだろう。
しかし、今の私は違う。
なぜかって?好きだからだよ。
私は叶わぬ恋をしちまったのさっ!!!恋する乙女辛いっ!
そう、叶わぬ恋と言うのはこの先生、目の前にいる担任。
別にイケメンの部類では無い、いや、私にとってはイケメンだよ??決してディスってはないです。
これから先、告白する気も恋愛的にアプローチする気もない。でも、忘れられたくないし仲良くしたいという気持ちから毎日話しかけてる。
ちょっと仲良くなれた。多分。
現在3年。2年からの担任であるこの先生とも卒業でお別れだ。卒業したくねぇー、、
そう、卒業式はあの2ヶ月。
「卒業したくないです。まじで。」
ちゃんと提出物を書きながら言った。えらいえらい、、、、
って、先生いないし。
えまじでいない、どこいった、?
席を立ちひょこっと廊下を覗いて見た。居ない。
「おい、さっさっとやれ、何してんだ」
本日二回目のチョップ。いてててて
それからキュンキュンすることは何も無いまま1時間で提出物を終わらせた。
ふぅ、やっと終わったぜ。
「ふっ、やっと終わったか。お疲れ、よく頑張ったな」
チョップが来ると思い受身を取ると、来たのは優しいものだった。
ぽんっと1度だけ頭を叩き(優しく)下駄箱まで出迎えてくれた、なんてお優しい、、
この時間が名残惜しいが帰ることにする。さよーならー
帰ったら、まず勉強、なんてしないけどまずは形から。
机の上にさっきやったワークを置く、、ん、???
貼ってある付箋にギョッとした。
『よく頑張ったな、お前はすごいぞ』
「んふふふふふふ」今日2回目の気持ち悪い笑み。
絶対大事にしよ。この付箋
あれから5年、?私は同窓会にいる。
「先生、居残りしたこと覚えてます?」
あったなーそんなこと!どうやら覚えているらしい。うれしい。
バックから付箋を取り出す。
「私、この付箋で生きてきたんです。めちゃ勇気もらってます。」
突然の衝撃事実に先生爆笑。なんで、?
「なので!!!!そのお返しに!!手紙書いてきました!!!お読みくだせぇー!!!!」
封筒を開ける、どきどき。
読み始めた先生はにやにやとしていて楽しそうだった。
「ありがとう。俺もお前みたいに大事にしたい、」
酒飲まねぇとやってらんねぇぞ、これ、しぬ。
『大事にしたい』
その人は、50歳を迎える事なく
病に倒れこの世を去った…
元々、大都会に生まれた彼女が
どんな経緯で田舎暮らしを選んだ
のかは、聞いたことがなかったが
色々なパンや焼き菓子などを
細々と作りながら生計を立てていた
彼女は、その材料と質には並々ならぬ
こだわりがあり、毎月お品書きが
ポストに入ると注文し美味しく
食べさせてもらった…が
ある時、急に実家に帰ると
告げられ離れてしまった
帰省してからも、時々LINEで
近況を知らせてくれていたが…
ある日、お母様からお手紙と
小冊子が届き亡くなった事を知った
彼女が残した文章は前向きで明るい
死と背中合わせだと言うのに
愚痴などの言葉は一切無い
苦しい事もあっただろうに
沢山の言霊を私に届けてくれた
今も壁にぶつかると時々、小冊子を
読み直し力をもらっている
彼女の生きた証をずっとずっと
「大事にしたい」と素直に思っている
「大事にしたい」
君を大事にしたい。
わたしは、そう思う。