『夜の海』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【夜の海】
夜は暗くて怖い。
だけどそれを我慢してとある場所につけば帰りの怖さなんて忘れてしまう程美しい。
そのとある場所とは夜の海だ。
夜の海を見に来た。昼の海とは違って、月明かりに照らされていて、綺麗だ。波の音を聞きながら、海の風を感じる。美しくて儚くて、ちょっと寂しくなる。
夜の海
夜の海は吸い込まれそうだ
真っ暗で月明かりに照らされ、海の音だけが響いている
俺は海は好きでは無い
生き物は死んだら海に帰る、そう言うだろ
俺の親友は海にでるた、行ったっきり帰ってこない。それから数十年経った
もうここには帰ったこないだろう
まだ生きてるのかも知れないが俺は信じない
その日の夜
俺が家に帰るとあいつが居た
あいつは、今まで連絡もよこさなかった
帰ってきてるとしても何故俺の家に、あいつは俺の家なんて、知らないはず、なのに…
「…おい、なんて顔してんだよ、まるで化物を見るような顔だな」
そして困ったかのように眉を下げて
「ただいま。長いこと待たせたなこんな変な姿で会うことになるとは思ってなかったよ」
震えが止まらない泣きそうになる、
こいつはボロボロで、おかしい、何か違うそう思うのに嬉しいんだ…
これから、またあいつと過ごせる。
そうおもったんだ。
でも
あいつは次の日になるとまた、どこかにいなくなっていた
そして俺は家ではなく昨日の砂浜で倒れていた
夜の海
音とか
匂いとか
風とか
月とか
花火とか
写真とか
全部よく感じるのは
隣に君がいて
笑ってくれるから
1人の海は
ちょっと寂しい
「おじいちゃん、見てみて!綺麗だね!」
そう言って、目をキラキラと輝かせながら海を見つめる孫のリン。彼女とこうして海を訪れたのはいつぶりだろうか。今日は8月15日。私の妻であるリリーの命日だ。夜の海を見てはしゃぐ孫の姿を見ながら、リリーも海が好きだったなと思い出す。
「リン。夜の海は危ないから気をつけなさい」
「はーい!」
本当はお盆に、しかも夜に海へ行くことは危険だと昔から言われているが...。リンが「今日はどうしても行きたい」と言っていたため連れてきたのだ。
私の妻が亡くなったのは、リンが小学生に入りたてのとき。まだまだ幼くて周りの状況が分からない年頃だった。そのため最後の別れのときは、リンだけ別室で待機させたのだ。あの子の心が壊れないように。
けれど歳を重ねるうちに理解してきたのだろう。リンは毎年、妻のお墓参りに行くと「ごめんね」と謝るのだ。きっと恐らく「お別れが言えなくてごめんね」という意味なのだと思う。そう思うと、あの時の自分たちの判断は間違っていたのかもしれないと、後悔と罪悪感が湧き上がってくる。
しかし、今回は違った。いつもなら「ごめんね」と言って「帰ろうか」となる流れなのだが、今回は「ごめんね」も言わずにずっと笑顔で、それで「海へ行きたい」と言い出したのだ。その変化に最初は戸惑ったが、彼女の中で何か折り合いがついたのかもしれない。そう思って見守ることにした。
「ねぇ、おじいちゃん」
「なんだ?」
「...おばあちゃんも海、好きだったんだよね?」
「そうだね」
「そっかぁ...」
リンはそう言ったっきり黙ってしまった。いろんな感情の整理をしているのだろう。少し一人にさせて方がいいだろうか。
「リン。少し一人になりたいか?」
「ん?全然大丈夫だよ!」
「そうか?」
「うん!...さて、そろそろ帰ろうか。このままだと身体が冷えちゃうからね!」
大丈夫だと言ったリンは、いつものように笑っていた。いや、そう見えるように笑ったと言った方がいいだろうか。この子は今、高校2年生。まだまだ脆い部分がある女の子だ。周りに心配をさせまいと気丈に振舞っているのだろう。それがなんだかとても悲しく思えた。
「...リン。帰りにアイスを買って帰ろうか」
「え、ほんと?やった!ありがとう!」
身内の死というものは、月日が経っても癒えることのない傷となる。だから今だけは、この子の心が穏やかでいられるように。そう思いながら私は夜に願った。
【#3海の夜】
『夜の海』2023.08.15
ベランダの外に出ると、夜風が頬を撫でる。
目の前には暗い海が広がっており、空に登る月がほのかな灯りを落としている。空には星が瞬き、星座も確認することができる。
東京ではこうはいかない。周りに高いビルがない沖縄だからこその光景だ。
手すりにもたれてぼんやり海を眺める。
酒も入ってることもあり、波音が眠気を誘いこのまま眠ってしまいそうだ。
「落ちるよ」
声をかけられる。声の主は隣室の彼だった。
「それはどうも。……いい夜ですね」
「こんな夜は海辺を散歩してみたいねぇ」
同じ劇団のメンバーであり、高校時代の先輩でもある彼は同意してくれる。
「せっかくだし、みんなで散歩してみない?」
「冗談。男五人で行ったって色気なさすぎです」
美女が隣にいるなら別だけど、と付け足すと彼は、
「君がいるじゃん」
とからかってくる。あいにく、自分にそんな趣味は無い。女役は芝居の時だけでじゅうぶんだ。
そんな他愛もない話も、この綺麗な景色の前ではただのバカ話にしかならない。
しばらくの間、そんな海を二人で鑑賞した。
『夜の海』 ◦No.119◦
じゃぽん
どぷん
夜の太陽
ふと浮かび
星一つ見えぬ
漆黒の闇
空と波との線 まざる
ひかり 底まで 暗いまま
青く黒く 泣いている
じゃぽん
どぷん
藍色に
悲しみ染みる
ただ 揺らめく
寂しい孤独に
泣き叫ぶ
沈んだ 小さな貝殻は
底無しの海
もう 見えない
海の夜
夜空に光る数多の星の煌めきを反射して
自らも波の力で煌めいて
誰の目にも留まることなく優雅に
そして時に大きくうねり
ひたむきに朝を待ち続ける海の夜
お題:夜の海
なぜ、夜なのか?
なぜ、海なのか?
昼の海は好きじゃない。
自己肯定感が高く、人に迷惑をかけることを何とも思ってないような奴らが集まる気がしてならないのだ。
必要以上の笑い声、自分の人生には無縁な色つきサングラス。これら2つがチケットになり、ようやく訪れることができるのだ。
無論、持っている筈がない。
夜の海はどうだろうか?
独り感傷に浸りたくて、波を眺めている人をイラストでもドラマでもたくさん見てきた。
キャラの心情からすれば海と何か関わりがあるからこそ、自然と足が海に向くのだ。
自分はというと、「独り感傷に浸る為だから」とある種の自分を守る盾を用意し、キャラの真似事をしたくて夜の海にいく。
キャラの真似事をしたいと正直に思うのが恥ずかしい自分と自然とそこに足が向かないことに情けなさを感じる自分がいる。用意した盾はこの"自分達"から守る為である。
夜の海には予想していたよりも人が独りでいる。
みんな自分から自分を守っているのだろうか。
暁の海で、一人の女が寝そべっていた。
深海魚のような、白い瞳をしていた。
長いまつ毛が、その白い目を、優しく太陽の光から、包み守っていた。
白魚のような、透明な肌が、汗ばんでいるのがわかった。
それに、私はシーツを一枚かけてやった。
そうすると女は
「ありがとう」
と、消え入るような声で言う。
海の底から上がってきた泡のような声である。
紛うことなき、人魚のようである。
「海に戻るの?」
「戻りはしません。ずっと、この浜辺に横たわっています」
ただ、それが、永遠に続く儚くないものと知って、私は嬉しくなった。
このまま、女を眺めやって、永遠に見ているのもいいか、と思った。
そうすると、女は、口をすぼめて、こう囁くのだ。
「泡沫に消えるのは、もう飽きました。あなたが人間になった、私を見た時、本当に幸いだと思ったのです」
気持ちのいい月夜
砂浜に腰を下ろし
そっと目を閉じる
潮風を感じ
波の音に耳を傾ける
そして聴こえてくる
いにしえの叡智を伝える声
くじらのうた
〜夜の海〜
素足で大地に触れたり
海や川に足を浸してみたり
植物や動物に触れ合う
自然に触れ合うことは
本来の僕達に繋がる
助けとなってくれる
僕の愛体と名の小説を手に取り夜の海辺へ
読み始まて20分後、僕はうとうとし始めた
海の亡霊となって彼女と再会する夢を見る
起きれば僕は目の前の海に逝くだろうか。
夜の海は恐ろしい
その人は浜辺に立ってそう言った
視線の先は真っ黒な空間
波の音だけが生きている証拠
せめて月が照らしてくれたら
その人の心を引き留めることが出来ただろうか
繰り返す繰り返すさざ波
消えない過去の罪
何もかも塗り込んでしまう夜の海
相合傘を描く少年
少女は微笑む
風に靡くスカートの青
二人を繋ぐのは夏
見送りに打ち寄せる白い波
覆い隠される想い出
何も残らない砂浜
水平線に陽が沈む
紺碧の世界にふたつの星
空にひとつ
海にひとつ
鷲と海蛍
後に残るは融けた碧光
私の体は大の字になってベットの奥の方に沈んでいく。重くだるーく沈んでいく。
落ちきったらどうなるんですかね
明るい港。街には、多くの明かりが灯る。多くの人々が着飾り、馬車に乗りこの街に集まる。みな、年に一度どの祭りを楽しみにしていた。
この時期は、身分関係なく、多くの人々で賑わう。
ある者が広場で、音を奏でる。すると、また、ある者は踊り出す。また、ある者は、その音に合わせ、また別の旋律を奏で出した。また、ある者は、その演奏と踊りを見て、楽しんだ。
夜が更けるにつれ、広場には多くの人々が音を奏で、多くの人が踊り、多くの人々が見て、楽しんだ。
その周囲には、人々が集い、酒や串焼きなどの露店を楽しんでいた。
この街は、かつて、無法地帯だった。
出自によっての貧富の差が大きく、生活の質が雲泥ほど開いていた。
ある貴族の青年が武功を挙げ、王から褒美として、公爵の爵位と街の統治権を与えられた。
それから、この街は大きく変わった。
貧しいの人々に職と家を与え、裕福な人々に貧しい人々を支援できる仕組みを作り、貧しい人々の施し方を教えた。
全ての街の住人に無償で、質の高い学を習えるようにするなど、無謀と云われた数々の政策を実行した。
いつしか、その青年は、年に一度、祭りを開くようになる。その祭りを通じ、青年と街の人々につながりが出来るようになった。
それをきっかけに彼は、街の住人から愛されるように成っていった。
普段の彼は、寡黙で多くは語らず、常に堅い表情だったと云う。
彼の死後に、彼の奥方様たちはこう語った。
「祭りのことだけは、街の人々との思い出を語るときだけは、いつも笑みを溢していたの。
わたしたち家族と、他愛のない話しをする時より、嬉しそうだったのよ。」と、彼女たちも嬉しそうに微笑み、口を揃えた。
「…夜の海って、もっとロマンチックなものだと思ってたんだけどなぁ」
最近カメラを新調した私は、早速写真を撮ろうと海のある街へ旅行に来た。
いわゆる「海なし県」に済んでいる私にとって、海はミステリアスで憧れの場所だった。
宿に荷物を預け、地元の食堂で取れたての魚を堪能する。初めて聞く名前の魚もたくさんあり、海の恵みをたらふく堪能した。
近くの浜辺に来たが、観光客が多くてなかなかいいスポットが見つからない。
しばらく悩んだ私は、せっかくなら夜に写真を撮りに行こうと決めた。
夜の海はどんな神秘的な光景を見せてくれるのだろうか。
私は定食屋でまた新鮮な魚に舌鼓を打ち、21時頃に同じ浜辺に出掛けた。
しかし、当たり前と言えばそうなのだが、夜の海は真っ暗だった。
浜辺と海の境界もわからない。
「はぁ……失敗したなぁ」
諦めきれずに、灯りを探して少し歩くことにする。
そういえば、柔らかい砂の感覚が気持ちいい。さわさわと鳴る音が耳をくすぐる。
夜になって人のいなくなった海の引いて寄せる波の音は、馴染みはないはずなのにどこか懐かしくて心が凪ぐ。
私はしばらく夜の浜辺の散歩を楽しんだ。
美しい景色は見られなかったけれど、美しい音に出会うことができた。
夜の海もいいものだな。
ぱしゃり、と音を立てて水面が揺れる。少し季節の外れた海は冷たく、少しずつ体温を奪っていたがそれすらも心地好く思えた。耳に届くのは波の音。一定に繰り返す落ち着いたそれは脈拍に似ている。
髪が風を孕んで広がった。前までは潮風で痛むのを酷く嫌がっていたはずなのに、今となっては気になりもしない。こんなに海という場所は居心地が良い場所だっただろうか。それとも、貴方がいるからか。
一週間前、小さく小さく骨の形もなくして海に眠った貴方。もし自分が死んだらそうしてくれと言われたときは日焼けも水着も嫌がる私へのあてつけかと拗ねて見せたが、眉を下げて頭を撫でてくれる彼に断ることはできなかった。今となってはとても後悔している。
骨になっても同じ家に居てくれたら良かったのに。子どものように水を蹴り上げて鼻をすすった。皮肉なほどに綺麗な星空にすら腹が立つのも全部、貴方のせいだ。海なんかになってしまった貴方のせい。私を残していった貴方のせい。
貴方には夜にしか逢いに来てあげないから。毎晩毎夜、病めるときも健やかなるときも喜びのときも悲しみのときも富めるときも貧しいときも。夜だけを、海に全部捧げてあげる。
『夜の海』
貴方が一人暮らししようかな。と言ったあの日から、
私はその言葉通りまがいの一人暮らし生活をしている。
それも、友達も知り合いも遮断されたままで。
そこまで、流行らせた風邪が腹立って仕方ないよ。
誰が流行らせたんだろうね。
しかも、それを、面白おかしく捉えて、
金の為に利用しているから余計に腹が立つよね。
私も遠く離れた生まれ育った街にいるけれど、
これが間違いなく悪いタチの話になっており、
衝撃的、悲壮感、遺憾的に捉えた事は今もなお、
続いている。
誰がこんなに風邪を、流行らせたたのかは、
正直わからない。
だけどね、いつかは、絶対、その人に天罰が下るから、
それは間違いないからね。
私達をバラバラにさせておきながらも、なお、
悪い事を進めている輩を私は絶対に許さないから。
これは大人げないと言われても、絶対に許してはならな
い事柄なわけであって、私は一生涯許すつもりもない
し、正直貴方に対する怒りも間違いなくある。
だけどね、それ以前に、貴方と一緒に住んでいたあの時
から、私達の私生活を流行らせて、風邪にさせた人達
を、私は絶対に許さない。
風化なんてできるわけがない!!
さあ、早く、詫びに、私の前に現れろよ!!
話し合おうぜ。
私は逃げずに待ってるから。
変な連絡してこなくて、いいから。
直接、ここへ来て、話し合おうぜ。
それとも、貴方の住所、教えてくださるのかしら?
もう、この携帯じたい把握してるんだから、
わからないこともないでしょ?
さあ、早く。
良い連絡くるの待ってるぜ。
悪党よ。
夜の海
真っ暗な海は魅入られる。
波の音がこっちにおいでと誘っているかのよう。
近づくと海の底へと引き摺り込まれそうに思う。
闇のように深くて暗くて冷たい夜の海。――それは美しく、そして怖い。