kiliu yoa

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 明るい港。街には、多くの明かりが灯る。多くの人々が着飾り、馬車に乗りこの街に集まる。みな、年に一度どの祭りを楽しみにしていた。

 この時期は、身分関係なく、多くの人々で賑わう。

 ある者が広場で、音を奏でる。すると、また、ある者は踊り出す。また、ある者は、その音に合わせ、また別の旋律を奏で出した。また、ある者は、その演奏と踊りを見て、楽しんだ。

 夜が更けるにつれ、広場には多くの人々が音を奏で、多くの人が踊り、多くの人々が見て、楽しんだ。

 その周囲には、人々が集い、酒や串焼きなどの露店を楽しんでいた。

     この街は、かつて、無法地帯だった。

出自によっての貧富の差が大きく、生活の質が雲泥ほど開いていた。

 ある貴族の青年が武功を挙げ、王から褒美として、公爵の爵位と街の統治権を与えられた。

 それから、この街は大きく変わった。

 貧しいの人々に職と家を与え、裕福な人々に貧しい人々を支援できる仕組みを作り、貧しい人々の施し方を教えた。

 全ての街の住人に無償で、質の高い学を習えるようにするなど、無謀と云われた数々の政策を実行した。

 いつしか、その青年は、年に一度、祭りを開くようになる。その祭りを通じ、青年と街の人々につながりが出来るようになった。

 それをきっかけに彼は、街の住人から愛されるように成っていった。

普段の彼は、寡黙で多くは語らず、常に堅い表情だったと云う。

彼の死後に、彼の奥方様たちはこう語った。
「祭りのことだけは、街の人々との思い出を語るときだけは、いつも笑みを溢していたの。
 わたしたち家族と、他愛のない話しをする時より、嬉しそうだったのよ。」と、彼女たちも嬉しそうに微笑み、口を揃えた。
 

8/15/2023, 12:30:47 PM