『夏』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
夏は最も嫌いな季節だ。
常に生き物の気配がするのが嫌だ。虫の音はもちろん、あらゆる生き物が活気づいている気がする。
おそらく人間もそうだ。私がぐったりしている一方で、生き生きハツラツとする人間もいる。
私とそれらの何が違うのか。調子の悪い身体を騙し騙し誤魔化して、夏が過ぎ去るのを待つ。
ジリジリと日差しが肌を焼く。
日焼け止めを塗ったとしても毎年焼けてしまうのが不思議で悔しい。
「あっつー」
天気がいいからとテラス席にしたのは失敗だなと氷のグラスに注がれたサイダーを一口飲む。
喉でパチパチと弾ける感じが堪らないし気温も相俟ってより一層美味しく感じた。今日の休みをどう過ごすか考えていたら向かいの席に見慣れた赤髪の彼が腰掛ける。
「お疲れさん、と」
「レノ!今から任務?」
彼はウエイターに注文をすると体をこちらに向ける。
「いーや、今日はオフだぞ、と」
確かによく見ればいつものスーツではない。
私服から覗く腕や足は日焼けなどしておらず綺麗な肌だ。
「レノって日焼け止めとか塗るタイプ?」
「あ?んなの使った事ないぞ、と」
運ばれて来たカクテルを飲みがら聞く衝撃的な事実にさっきまでサイダーで気分が上がっていたのが急降下だ。
「う、そでしょ。塗らないでその色白を保ってるの…信じられない。」
ガクリと肩を落とすとそれを見たレノが私の姿を上から下まで見る。
「俺は少し小麦肌位がちょうどいいと思うぞ、と」
いうが先が行動が先か、レノは肌が少し見えてる私の腕をツツっとなぞって来た。
「ぴぇッ」
ビクッと肩が跳ねたのに気をよくしたのか口角を上げ満足そうにこちらを見つめる。
「ほー、可愛い反応するな」
「突然揶揄わないでよ!もう…恥ずかしい」
その場を誤魔化すように、私は結露したグラスを持ってサイダーを一気に飲み干した。
ジリジリ焼けるのは肌かそれとも恋心か
-夏-
知っていますか
紅葉やイチョウ達が艶やかに人の目を引き付ける中
貴方は花火の如く私の目を真っ先に奪っているんですよ
知っていますか
手先を真っ赤にさせる程の寒さが身を包んでも
熱帯夜の様な寝苦しい夜を過ごしているんですよ
知っていますか
出会いと別れの結末が耐えられないくらいに
貴方という海から顔を出せずに深く溺れているんですよ
貴方に出会ってから
四季なんて無くなっちゃいました
毎日ずっと
暑くて、熱くて、アツくて、もう堪りません
夏
電車に揺られ、ただ遠くを目指す。
誰も知らない場所へ、只管に、遠く、遠く。
終着駅はよく知らない田舎町。
昼に出た筈が、もうスッカリ夜である。
とりあえず、持参した縄を片手に森へと入った。
森は夜に塗られていて、蛍が宇宙を創っていた。
生まれた光の後を追って、産声が空に谺する。
近くで祭りでもやっているのだろう。
祭囃子と篝火の明かりが、
木々の隙間から微かに覗いている。
全く、
これから死のうってのに煩瑣いったら、
ありゃしない!
いま正に、一人分の呼吸が消えると言うのに、
世界は随分と暢気なものだな。
夏
暑さに弱い私には
苦手な季節
涼しいお部屋の中の
冷たい床で
ゴロゴロするのが好きなのです
過ごしやすい季節になれば
あなたに甘えてくっつきますが
今はどうしてもダメなのです
全身を覆うフサフサの毛が
暑くて暑くてたまらないのです
あなたは私を抱きしめて
かまいたいのかもしれません
折角ですが
全身で拒絶してしまいます
冷たい態度をとってしまう私を
どうか許して下さいね
また涼しい季節になったら
かまってください
あなたの愛猫より
夏といえば、臭いって思われないようにしないとと思ってしまう。夏だよ?こんなエネルギーに溢れた季節に他人から嫌われたくないということが第一に出てくるのはちょっと少し惨めかな。もちろんケアは大事。
でもそれよりも、、、仲の良い人たちとお化け屋敷とか行きたいなー
↑そう来なくっちゃ!
『夏』
夏の楽しみといえば
僕は
BBQ!
青空の下で
気の合う仲間と
肉塊を喰らう!
冷たいビールを
流し込む!
大いに笑う!
他に何が要る?
最高だ!
いつもこの季節になると無性にアイスを食べたくなる。近くのクーラーの効いたコンビニに入り、ショーケースを開けて、手を突っ込む。まるで氷水に手を浸したような感覚を覚え、とても気持ちが良い。バラ売りの棒アイスを2本、片手に持ってレジへと向かう。この時、自然と足取りが早くなる。なぜだろうか。
コンビニを出るとモワッとした熱気が前から風と共に襲ってくる。身体中の汗腺から水が滴り、一瞬にしてワイシャツは水浸しになる。
駐車場の車に戻ると、車の中には、額を腕で拭っていた、こんな暑い中長袖の黒シャツを腕まくりしている恋人の姿があった。
「おう、買ってきたか」
「ええ、ボス。やっぱりこんな暑い日はアイスに限りますよね」
「そうだな。それじゃ、俺に1本くれや」
夏の猛暑の中、2人で過ごす時間は、熱くもありながら、アイスで冷やされる、爽やかなものであった。
暑いなぁ
ジメジメする
ムシムシする
抱きついたときに
暑くてかなわないから
君と私の間に
ひんやり生地のだきまくら
(できればペンギンとかシロクマとかの)を
挟むことで快適なハグができる
そんな夏を
君と過ごしたい
今日は、無性に暑い。そろそろ7月になるな。夏は本当に暑いね。だけどこれがちょうど良いんよね‼️これでも今日は役にたつね!
あぁ、そうだ。
今年はどうします?
最近は半袖ですら暑くなったのか、タンクトップや和服やらで過ごしている傍らの腐れ縁の相手は言葉が足りないときがある。
主語や話の脈絡もなく放たれるそれは腐れ縁の中ではどうやら無意識のものらしく、注意や指摘をされたら一応直そうとしてくれるが未だに改善されてはいない。
今回のそれも無意識のものだったらしく、問いかけに少しだけ眉を顰めれば、キョトンとした後何かを察したのか、あー…という声とともに気まずそうに視線を逸らされた。
気づいたならいい。
「…気をつけます」
「いい。それよりさっきの話は何のことだ?」
「いや、あのですね。そろそろお盆が近いのでどうするのかなぁ、って思いまして。それに夏祭りも…」
あぁ、帰省か。
そういえばここ数年は感染症やら何やら色々あって自粛してたなぁと思い出す。
傍らの腐れ縁も同じような理由でかえっていなかったはずだ。
最近少しだけ緩和されてるようで、確かにかえるにはちょうど良いかもしれない。
「かえろうかと思うが」
「便乗します」
久々に盆踊り踊りたいです、なんていう背中に
「少しだけだが、花火もあがるそうだ」
と告げれば嬉しげな声が上がる。
「楽しみが増えましたねぇ」
「そうだな」
同意をすれば、珍しいと笑われた。
「……夏だからな」
「そうですねぇ、夏は暑いですから」
まだまだ突き抜けるような青さが広がる空に二人分の笑い声が響いた。
【一度書いたのが消えてオチ見失ったので…思い出したら追記】
夏
期末テストが終わり、落ち着いた頃。
体操服での登校が許可され、
プールの授業も始まってくる。
そんな夏が、暑い日差しが好きじゃない。
だけど、体育祭が、夏休みが、青い空が。
キラキラ輝く青春が、確かにそこにあった。
お題《夏》
陽炎《かげろう》の向こう側、夏の唄を聴く。
蝉時雨が流れる。
蒼い木の葉が儚く紡ぐ旋律。
きりりとした果実の海に、氷の花が揺れる。
空白のノートに思い出を綴って。
暑いけど
君の隣で見る花火とか海とか
汗かいちゃうけど
その汗を拭う横顔とか
いつもより何割増しかに感じちゃって青春
いつも以上にドキドキする
君と過ごす季節の中で
わたしは夏が1番すき
#夏
夏
夏の青い空を見ていると、
何だか、無性に悲しくなる。
夏の強い日射しも気に留めず、
麦藁帽子を被り、虫取り網を片手に、
甲虫を探し、蝉を追って、
朝から夕方迄、野山を駆け巡っていた、
あの日の少年は、
何処へ行ってしまったのだろう?
真っ白な入道雲の元、
太陽の激しい光を浴びて、
キラキラと輝く水面を見詰め、
海や川で、只管水浴びに興じていた、
あの日の少年は、
何処へ行ってしまったのだろう?
ここに居るのは、
本格的な夏の訪れを前に、
既に暑さに参った身体を引き摺り、
鬱々と仕事を熟す冴えない男が、
ただ、一人。
夏は嫌い
幼い頃から人より少し暑さに弱く外を歩けば気持ち悪くなったり、頭が痛くなったり悪いことばかり、
でも唯一好きなところと言えば
秋、冬、春には無い
キラキラとした目を開けているのが疲れてしまうほど眩しい夏が
1年の季節のひとつとしてとてもいいと思う。
夏。暑さに弱い私はクーラーを入れるか耐えるかを毎年悩む。近年は自分1人でもクーラーを入れることを選択しているが、10年程前は節約の為に水風呂に浸かり暑さを凌いでいた
普段より早い、6時前に起こされて
寝ぼけたままで服を着替える
バシャバシャと周りを濡らしながら顔を洗って
ボサボサの髪に櫛を通して1本に結ぶ
玄関に吊るしてある出席カードを首にぶら下げて
急いで靴を履いて手には小さな如雨露を持つ
カラカラと音の鳴る玄関の引き戸を勢いよく開け
大きな声で叫んで家を出る
2軒隣の玄関先でいつもの名前を呼ぶと
待ってましたと友達が顔を出す
並んで川沿いの道路を
宿題の進み具合を確認し合いながら進む
目的地までは歩いて10分
途中、もう1人の友達も合流し
まだ涼しい、澄んだ空気の中を姦しく歩く
黄色の大輪の花が周囲をぐるっと囲んだ公園
集まった子供達は思い思いの遊具で遊んでいる
数人の大人が公園の中央でラジオを準備し
子供たちに集まるよう声をかける
聞きなれた曲がラジオから流れ
小さい子達は真剣に
大きい子達はダラダラと
アナウンサーの掛け声に合わせて体を動かす
朝で涼しいとは言え、体を動かせば
じんわりと汗が浮いてくる
出席カードに判子を貰い
持ってきた如雨露に水を入れ
植えられている向日葵に水をあげ
朝イチのイベントは終了となる
帰り道、友達とプールに行くかどうか確認をして
頭の中で今日のスケジュールを組み立てていく
家に帰って、朝食を食べ
後片付けをしたら、宿題に手をつける
午前中の涼しい時間にやってしまうのが
1番効率が良いことを、今までの夏で学んでいた
まずは得意な算数のドリル
決めたページ数以上を進めて大満足
次は漢字の書き取り
集中力が切れて、予定の半分程で終了
できなかった分は夕方にやろう、なんて考えているけど
結局、プールで遊んで体力切れて
昼寝ならぬ夕寝をしてしまい
後日後悔する羽目になる
休みの終わりが見えてくるあたりで
友達と集まって宿題の写しっこをしたり
読書感想文に悩まされたり
充実した時間を過ごしていたのだと
今なら胸を張って言える
「懐かしいな…」
手にはコーヒーの入ったカップ
向かう先は大き目のモニターが2枚並んだ机
背もたれの高い
所謂、ゲーミングチェアに腰を下ろし
友人が送ってきた画像を見る
男の子の満面の笑みと首からぶら下げたカード……?
「ん?スマホ?」
よく見ればそれはカードではなく、スマートフォンで
その画面にはスタンプの押された日付の枠が並んでいる
「出席カードも電子化の時代かぁ」
何だか寂しさを覚えるのは
古い人間だからだろうか
少子化の波は避けられず
地区で行っていたラジオ体操は
もう、随分と前に廃止となったらしい
送られてきた画像のカードは
ラジオ体操ではなく
お手伝いスタンプだそうだ
因みに、学校のプール開放も
監視を行う親が確保できないこと
利用する子供が少ないこと
日中の日差しが強すぎることなど
諸々の理由で廃止になっているのだとか
仕方の無いことなのだろう
時代が変われば色々なものが変わる
かつて筆と墨で書かれた物語は
万年筆や鉛筆でかかれるようになり
ワープロからパソコンへと変化し
タブレットやスマホでも紡がれるようになった
「時代の流れ…かぁ…」
30年前、私が子供の頃の夏は
エアコンなど無くても過ごせた
扇風機と団扇で乗り切れる暑さだった
今では東北の海辺のあの街でも
エアコン無しでは夏を乗り切るのは厳しい
今から30年後の夏には
何が消えて、何が生まれているだろう
願わくば、あの公園には
向日葵の花が咲いていますように……
#1『私は夏が嫌い』
夏は暑くて汗はかくし虫は沢山いるし。
しかも夏休みは部活と宿題ばっか。
おまけに友達がいない私はいつもひとりぼっち。
でも今年の少し夏は違った。
いつもひとりでいる私に声をかけてくれた子がいた。
仲良くなるまでは見えなかった貴方のいいところがだんだん見えてきて貴方のことが気になってきた。
そんな貴方から「花火大会一緒に行かない?」と言われた。
今年の夏は何だか少しだけ楽しみ。
五感を癒す、夏の風物詩。
聴覚を癒す、風鈴の音。
視覚を癒す、入道雲。
触覚を癒す、水流。
嗅覚を癒す、雨上がりのアスファルト。
味覚を癒す、夏野菜。
昔の先人が残した、風物詩は耐えに絶えない。
そして、私が何時ぞ、五感を震わしたあの夏さえも。