ジリジリと日差しが肌を焼く。
日焼け止めを塗ったとしても毎年焼けてしまうのが不思議で悔しい。
「あっつー」
天気がいいからとテラス席にしたのは失敗だなと氷のグラスに注がれたサイダーを一口飲む。
喉でパチパチと弾ける感じが堪らないし気温も相俟ってより一層美味しく感じた。今日の休みをどう過ごすか考えていたら向かいの席に見慣れた赤髪の彼が腰掛ける。
「お疲れさん、と」
「レノ!今から任務?」
彼はウエイターに注文をすると体をこちらに向ける。
「いーや、今日はオフだぞ、と」
確かによく見ればいつものスーツではない。
私服から覗く腕や足は日焼けなどしておらず綺麗な肌だ。
「レノって日焼け止めとか塗るタイプ?」
「あ?んなの使った事ないぞ、と」
運ばれて来たカクテルを飲みがら聞く衝撃的な事実にさっきまでサイダーで気分が上がっていたのが急降下だ。
「う、そでしょ。塗らないでその色白を保ってるの…信じられない。」
ガクリと肩を落とすとそれを見たレノが私の姿を上から下まで見る。
「俺は少し小麦肌位がちょうどいいと思うぞ、と」
いうが先が行動が先か、レノは肌が少し見えてる私の腕をツツっとなぞって来た。
「ぴぇッ」
ビクッと肩が跳ねたのに気をよくしたのか口角を上げ満足そうにこちらを見つめる。
「ほー、可愛い反応するな」
「突然揶揄わないでよ!もう…恥ずかしい」
その場を誤魔化すように、私は結露したグラスを持ってサイダーを一気に飲み干した。
ジリジリ焼けるのは肌かそれとも恋心か
-夏-
6/28/2024, 5:16:49 PM