あぁ、そうだ。
今年はどうします?
最近は半袖ですら暑くなったのか、タンクトップや和服やらで過ごしている傍らの腐れ縁の相手は言葉が足りないときがある。
主語や話の脈絡もなく放たれるそれは腐れ縁の中ではどうやら無意識のものらしく、注意や指摘をされたら一応直そうとしてくれるが未だに改善されてはいない。
今回のそれも無意識のものだったらしく、問いかけに少しだけ眉を顰めれば、キョトンとした後何かを察したのか、あー…という声とともに気まずそうに視線を逸らされた。
気づいたならいい。
「…気をつけます」
「いい。それよりさっきの話は何のことだ?」
「いや、あのですね。そろそろお盆が近いのでどうするのかなぁ、って思いまして。それに夏祭りも…」
あぁ、帰省か。
そういえばここ数年は感染症やら何やら色々あって自粛してたなぁと思い出す。
傍らの腐れ縁も同じような理由でかえっていなかったはずだ。
最近少しだけ緩和されてるようで、確かにかえるにはちょうど良いかもしれない。
「かえろうかと思うが」
「便乗します」
久々に盆踊り踊りたいです、なんていう背中に
「少しだけだが、花火もあがるそうだ」
と告げれば嬉しげな声が上がる。
「楽しみが増えましたねぇ」
「そうだな」
同意をすれば、珍しいと笑われた。
「……夏だからな」
「そうですねぇ、夏は暑いですから」
まだまだ突き抜けるような青さが広がる空に二人分の笑い声が響いた。
【一度書いたのが消えてオチ見失ったので…思い出したら追記】
6/28/2024, 4:19:58 PM