『夏』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
夏
夏といえば…花火、水泳、スイカ🍉、とうもろこし🌽、メロン🍈、もも🍑…などを連想する。バーベキューも、いいなぁ
今年の夏は、友達のお家にお泊りする予定だ。
夏祭りなんかも、楽しそうだ。
なつきちゃん、君は夏に生まれたのかい?
ーもうそれ聞かれるの、532回目だよ。
数えてたんだ、そっか。
“夏”
私は夏が嫌いだ
最近の夏は暑くて仕方がない
なんてね!
実は夏になると思い出す事があるから
あれは私がまだ20代
蝉の鳴き声がうるさいぐらいだった
私は社会人2年目
土曜日の夜
ほとんど家にいない時間に
たまたま家にいた
部屋でくつろいでいると
家の電話が鳴った
相手は幼馴染の一人
すると彼女は唐突に言った
『◯◯が自殺した』と。
私はその言葉を理解するまでに
暫く時間がかかった
そう、夏の暑い日に
私のもう一人の幼馴染が
自ら命を終わらせてしまった
助けられなかった悔しさ
大事な人を失った悲しさ
もう会えない寂しさ
そして、気付いてあげられなかった
自分に対する怒り
20年以上経っても
毎年命日になると思い出す
だから、私は毎年命日に
花と一緒に楽しかった頃の
写真を持って会いにいっている
なぜか私達の写真のほとんどが
楽しそうな笑顔で
夏の日差しに包まれていた
じりじりと肌を焼く暑さにバテる夏。
水泳の授業を数回でリタイアして、傍観者に成り変わる夏。
制汗剤と日焼け止めのにおいが教室内に充満する夏。
外と中の寒暖差で毎年誰かが風邪を引く夏。
毎日のようにコンビニで買ったアイスをかじりながら帰る夏。
イベントでカップルが成立して周りが無駄に盛り上がる夏。
早々に課題を放棄してスイカを食べて涼む夏。
どこを探しても、もう君はいなかった。
【夏】
かき氷を食べた。冷たくて甘い。じゃりっともシャクっともとれる手回し特有の荒い氷の食感と、昔から変わらないどういう意味かも分からない作り物の青い南国の味。さっきまでじっとりと体を濡らしていた汗はひき、お腹から足先に向けて冷えていく。少し寒いくらいだ。
控えめなシロップの色を含んだ氷は粒が大きいからか光を乱反射させ水晶のようにキラキラと輝く。なぜか、今まで見たかき氷の中で1番綺麗だと思った。ノスタルジックな要素は何ひとつとしてこの場にはないのに。愛するひとも、汗水を垂らした青春も、線香の匂いがする縁側でもない。仕事終わりの夕方。生ぬるい空気がまわる台所のダイニングテーブルの上だ。そんなはずはないだろう。もっと楽しくて素敵な思い出付きのかき氷があったはずだ。家族と行った花火大会、夏休みに遊びに行ったおばあちゃん家、喫茶店の期間限定メニュー……
じわりと暑さの残る思い出の中にあるかき氷はどれもシロップがかかりすぎて濁って氷が沈んでいる。だいぶ溶けて諦めて付属のストロー型のスプーンですすったり、全部の色が混ざってほうじ茶のような色になっていたり……そう思うと私はかき氷の"氷"側を楽しめていなかったのかもしれない。氷は体を冷やすためのオマケで甘いシロップやトッピングにのみ心を踊らせる幼稚で可愛い感性の持ち主だったのだろう。
小さい頃の方が空は青く感じた。ショッピングモールは賑やかでワクワクした。歳をとる度視界に入るそういうもの達が色褪せて感じるとなんだか切なく苦しい。今のうちに焼き付けておくべきかと学生の頃は覚えられるはずもない広大な空を無意味に眺めていた。
そんな不安とは裏腹に社会人になって初めてかき氷の輝きに気づけた。不思議で仕方なかったが、長い時間生きたから、色んなものを見て感じて見方や意味を知ることができたから、感じ方がやっと大人になったんだ。そう思えてちょっと、まだ生きてて良かったなと。溶けきらないうちに食べ終えられた最後の透明なひと口をすくった。
『夏』
夏といえば何だろう。
海、向日葵、西瓜、蝉、かき氷。
たくさんある。
でも、私が思い浮かべるのは”肝試し”。
そう、これはある夏の夜に”肝試し”をした話。
肝試しをしたのは、薄暗い森の中だった。
周りには明かりも少なく、静かだ。
蝉などの虫の鳴く声と風、風に揺れて木の葉が擦れる音だけが辺りに静かに響いている。
この肝試しは”森の中の大岩にタッチしたら入口まで戻ってきて終了”というものだった。
私は楽しんでいたが、同時に怖かった。
この森にはある噂があるからだ。
”妖が出る”という噂や”妖は白蛇で、たまに白い着物を見に纏った銀髪の美しい男に化けて出てくる”という噂、”妖に見つかれば神隠しに合う”という噂があった。
そう、怖いと思いながら色々と考え事をしていると、道が分からなくなってしまった。
私は途方に暮れた。
だが、そんな時のことだ。
足に違和感があると思い、ふと下を向いてみると深紅の瞳をした白くて美しい蛇が一匹、私の足に巻きついて、チロチロと薄紅色の細い舌を口から覗かせていた。
私は噂を思い出して一瞬怖くなったが、白蛇を見ているうちに何故か落ち着いた。
白蛇を腕に巻き付けると、頬擦りをしてきた。
”可愛い”
白蛇と見つめ合って数分。
白蛇がスルスルと私の腕を離れていく。
そして、白蛇が白く光り出す。
”えっ?”
白蛇の光が収まったかと思い、白蛇の方を見る。
”・・・誰?”
そこには、白い着物を身に纏った、銀髪で色白の美しい男が佇んでいた。
”私は先程の白蛇だよ”
”・・・えっと”
”この森で迷ってしまったんだろう”
”えっ、あっ、はい”
”着いてきなさい”
白蛇の化身は私の頭をそっと撫でる。
とても安心する。
私は白蛇の化身に手を取られ、手を繋いで歩く。
そして、着いたのは霧のかかった集落。
そこで、私の頭の中に何かの映像が流れる。
”思い出したかい?”
”少しだけ”
”君はここの姫だったんだ”
”思い出しました”
”この集落は人が居なくなってから数百年経つ”
”そうですね。元から人では無いものが集まってできた集落で、迫害から逃れてきたものも多く居た”
”今や、ここへの未練があって死んでも霊としてこの世に留まり、妖となったものたちの集う場所だ”
”嬉しいです。帰って来れて”
”私も寂しかったんだ。君に会えなくて”
”そういえば、婚約者でしたね。私たち”
”そうだよ。今からでも結婚するかい?”
”いいのなら、喜んで”
”今のこの村には昔の住人たちのほとんどが妖や霊となって集っている。昔みたいに静かに暮らそう”
”はい”
”人の世はあまりに生きずらすぎるだろう”
”えぇ、そうですね。私はずっと違和感を感じていた。人の中で生活することに。人の輪に入れずにいたから”
”君を人の中から救い出せてよかった”
そして、私は村へと足を踏み入れた。
”姫様だ!”
”姫様が帰ってきてくださったぞ!”
”ただいま”
”姫様もお亡くなりに?”
”えぇ、生まれ変わったわ”
”そうですか”
”人として生まれ変わったけれど、やはり人の輪には入れないし、馴染めない。私はたまたまこの近くまで来ていて、この村を見て、昔を思い出したの”
”思い出してくださっただけで良かったです”
そうして、私はかつて一緒にいた人たちとの数百年越しの再会を喜んだ。
それからは、昔のような、とても穏やかで、ささやかな幸せを感じることの出来る生活を送った。
今度こそ、離れ離れにならないために。
今度こそ、忘れない為に。
END
わたしの『夏』は
終わったさ
もう初秋かな
でも、またほんのり暑さが
残ってる…
まー
『また会いに来な。』
彼女は笑顔で言った。私の目には涙が浮かんだ。
「来週、花火大会があるんだって。」
今は夏休み期間。私は昔住んでいたこの町を訪れていた。
『昔はよく二人で行ったよね。』
私の横で話す彼女は、幼馴染で親友。私の引っ越しをきっかけに疎遠になってしまい、ついさっき再会したのだ。
『また一緒に行く?』
「行こ!浴衣あるかな?」
他愛のない会話。そんな会話でも懐かしさを感じるのは、夏のせいかな?
「楽しかったね。花火綺麗だった!」
彼女からの返事はない。私達の間には沈黙が流れた。それでも気まずさはなく、心地よかった。
『暫くは君とは会えなくなるのか。寂しいね。』
「今度は君が私に会いに来てよ。」
彼女は首を横に振った。私が聞く前に、彼女は言った。
『目を覚ませ。君の居場所はここじゃないだろ。』
この言葉を聞いた途端、頭に鋭い頭痛が走る。そして、私の意識が遠のいてくるのが分かった。
『また会いに来な。私はここで待っているよ。』
笑顔の彼女は、なんだか泣いているように見えた。
目を開けると、白い天井があった。段々と記憶が戻る。
「そっか私、事故に遭ったんだ。」
夏休み初日、私は駅に行こうとしていた。横断歩道を歩いた時、車が横から来て。
「何しに、駅に行こうとしたんだっけ?」
そうだ。私は町に帰ろうとしたんだ。彼女の墓参りのために。じゃあ今までのは、全部夢だったのか?夢だとしても、彼女と過ごした記憶は本物だ。
「君は夏の精になってまで、会いに来てくれたんだね。」
目から一筋の涙が流れる。また会いに行く。そう誓いながら、私は夏の音に耳を澄ました。
夏の夜空で
私とあなたが
詩を歌う。
住む世界が違う
妖精と龍
確かなことは
いつまでも一緒。
風羅羽
夏といえば、帰省や夏休みのイメージがある。
私の帰省先は、田舎というには栄えていて、都会というには何か足りないような場所だ。虫は程々に多く、虫嫌いの私は辛いけれど、電車内で涼しい空気を浴びながら、流れていく景色を見るのは好きだった。
あるリズムゲームの書き下ろし曲である『街』という曲を聴いていると、友達と話しながら歩いた片道40分近くの通学路や、学校近くの梨園、家の近くや電車に乗っているとよく見える田んぼも、数年後にはなくなっているかもしれないと思って寂しくなる時がある。
懐かしい道を歩くと、数年前の自分たちの笑い声が聞こえてくるような気がする。随分変わってしまった自分に複雑な感情を抱き、けれど、つい微笑んでしまう。
開発が進んで便利になる、それは嬉しい。
けれど、失われていく昔ながらの風景に悲しくなる。
ほとんど夏にしか来られない帰省先の景色は、来年はどうなっているだろうか。変わって欲しくないわけではないけれど、懐かしい景色がほとんど消えるのは見たくない。
夏の風に吹かれながら見上げた空は、きっとあの頃と同じ色をしている。全てが変わっても、空だけは変わらずにそこにあってくれるのかもしれない。
そう思うと、寂しさが少しだけ薄れた気がした。
揺れる景色に目が回る
黒い髪にセーラー服
学生時代最後の夏
君の笑い声で
五月蝿い蝉の声が僕に届かなくなる
教科書をパタパタさせて涼しんでいる君の目は
どこか悲しそうに見えた。
夏
溶けそうな暑さとか
子供がプールではしゃいでる音とか
濃い青い空に浮かぶ入道雲とか
風鈴の音とか
鼻をくすぐる蚊取り線香の匂いとか
うるさいくらいの蝉の鳴き声とか
小さくぱちぱちいう線香花火とか
カランとなるラムネの音とか
海のさざ波の音とか(?)
そういったものが
夏を感じさせてくれる。
「素麺とめんつゆを買い物カゴに入れながら」
夏が待ち遠しかったのも、楽しかったのも、子供の頃だけだ。
長く怠惰な夏休み。
宿題はあるが、毎日毎日学校に通わなくてもいい日々。
今から思えば、あの有り余る時間を何故あんなにも堕落した生活で無駄にしていたのだろうと思う。もっと勉強していれば。その後悔があるから、大人は子供に余計なアドバイスをしてしまうのかもしれない。
大人になった今、夏はただ暑いだけの日常。
しかも、私にはお盆休みもないのだ。
いや、もとより主婦業は年中無休であるが。
あぁ、今年もまた、昼食のメニューに悩まされる日々がやってくるのね……
「ええ〜そうめん飽きたぁ」
「暑いからラーメンやだー」
「ジュース飲みたいぃー!」
ひたすら過ぎ去るのを待つしかない季節が、来ようとしている。来なくていいです。帰ってください。
────夏
はじめて会った日のことを思い出しています。先に聴いた声の印象がそのままで僕はうれしく恥ずかしくなりました。今あなたの声がとても聴きたいのは聴けないことをわかっているからで、ないのものを欲しくなるのは僕が苦しくなりたいからなのでしょう。
夏を前にするといつもあなたの苦しさを分けてほしくなります。離れ際にやわらかく触れてくれた僕の右腕は誰にも触れられていないままでいます。
夏は嫌いじゃないと思ったとき、
その理由をなんとなく考えてはいけない気がした。
「夏」
夏の匂いがした。
どんな匂い、と言われても夏の匂いは夏の匂い。
照りつける太陽にバテそうだけど、なぜかドキドキして浮き足立ってしまう、そんな匂い。
海に行きたい。アイスが食べたい。お祭りにも行って、花火も見たい。
そして隣に居るのは君がいい。暑さなんて吹っ飛んじゃうくらい爽やかで、でも太陽よりも明るい笑顔で、笑いかけていて欲しい。
そんな君の手を握って、結局熱くなってしまったとしても…。
→夏、来訪
つい今しがた、夏から電話がかかってきた。
電話の向こう、ハキハキ話すその声に、原色の青色に浮かぶ入道雲を思う。
大きな旅行鞄を手に入れたと嬉しそうに笑っている。
「これで長期滞在もお土産もバッチリ!」
しばらく他愛のない話をして、私たちは受話器を置いた。
あっ! しまった! お土産って熱気パウダーだった! 少しでいいよって伝えようと思ってたのに忘れてた!
熱気パウダーは太陽専用のお化粧品。地元の名産だからと夏は必ずお土産に持ってくる。太陽は大喜びして厚化粧になる。暑いのが苦手な私はバテバテ。夏来訪の風物詩。
窓から生ぬるい風が吹き込んできた。
「仕方がない。なんとか乗り切ろう」
今年も、暑くなる。
テーマ; 夏
“夏”
生ぬるい風に乗って、吹奏楽部の楽器の音とグラウンドを走る運動部の掛け声が聴こえてくる。完全に集中力を欠いた俺は指でシャーペンを回しながら、解答を悩んでいるふりをしてそっと向かいに座る男の顔を眺めることにした。
透き通る様な白い肌、スッと通った外人みたいに高い鼻、長いまつげに縁取られた切れ長の目、さらりと流れる少しだけ伸びた髪。見ているだけで涼しくなる様な見た目の彼はその実ありえないほどに沸点が低い激情家だが、今は課題に集中しているせいか静かにしている。
静かにしてればなあ、なんて彼をよく知る人間なら誰しもが一度は口にしてしまう言葉が頭の隅を過ぎった。
静かにしていれば、確かに彼はとても綺麗な男だった。クラスメイトの女子たちがグラウンドにいる彼を見ながらヒソヒソと話していたとおり、目の保養というやつなのだろう。激情家な一面ばかりを目撃してきたからか静かな彼は少し物足りなさもあったが、目の保養と思えばもう少しだけみていたいという欲も出てくる。なんだか急に喉が乾いてきて、ゴクリと喉を鳴らしたと同時に、彼が顔を上げた。
「さっきからジロジロと人を見やがって、なんのつもりだよ」
目一杯に怒ってますという顔をして睨みあげてくる彼はもう完全に激情家の顔になっていて、良くわからないけれど酷くホッとした。
「なんでもないよ、良くこの暑い中集中が続くなって見てただけさ」
「お前の集中力がないだけだろ」
フンッとバカにした様に鼻を鳴らした彼はそのまま机に置きっぱなしにしていたペットボトルを手に取った。ペットボトルについた水滴が彼の白い腕を伝って落ちていく。流れる水滴を目で追っていた時にチラッと見えたYシャツの下の二の腕の白さがやけに目について、また喉がゴクリと鳴った。その意味を考えたくなくて目を逸した先には夏の抜けるような青空が見えた。
夏だから、暑いから。ただ、喉が乾いただけだから。
ちょっと飲み物買ってくるわと教室を出る俺の背中に向かって俺のも頼むわと言う彼の声が聞こえた。
夏が来る!!ってか、もう来てる気がする。それぐらい、今年は夏前から暑い。
私は夏が嫌い!もっと言うと暑いのが苦手。虫も苦手。
そう!セミが苦手。あの色がとくに。
今日は猛暑だ。扇風機に身を寄せながらテレビをつける。今日は海に行っている人が多いらしいとニュースキャスターが言う。
そっか、やっぱり暑いもんね。皆、行きたくなるよね。海。
私は海にいい思い出が無いと言う訳では無いが海が嫌いだ。何処までも冷たく、広い海。青空を吸い、煌びやかに見せている。
何が言いたいのかと言うと、私はその広くて何処までも果てしない海が怖くてたまらないのだ。何処までも、果てしなくとは無限にという意味に聞こえてしまう。あの、深く、深く、けっして浅くない海が嫌だ。私を呑み込んでしまわないか不安になるのだ。
テレビは次に日焼け対策や熱中症予防についてやっている。
日焼け止め、あったかな。
私は立ち上がり、棚の上を見た。日焼け止めクリームがそこにあった。手を伸ばし、手に取った。蓋を外し、クリームを腕や足に塗りたくる。絶対に日焼けはしたくない。
私はこれから海に行こうと思う。怖いと言ってしまったが、私は毎年この時期になると海に出かけに行く。何処までも果てしなく続く海を克服するために。