夏といえば、帰省や夏休みのイメージがある。
私の帰省先は、田舎というには栄えていて、都会というには何か足りないような場所だ。虫は程々に多く、虫嫌いの私は辛いけれど、電車内で涼しい空気を浴びながら、流れていく景色を見るのは好きだった。
あるリズムゲームの書き下ろし曲である『街』という曲を聴いていると、友達と話しながら歩いた片道40分近くの通学路や、学校近くの梨園、家の近くや電車に乗っているとよく見える田んぼも、数年後にはなくなっているかもしれないと思って寂しくなる時がある。
懐かしい道を歩くと、数年前の自分たちの笑い声が聞こえてくるような気がする。随分変わってしまった自分に複雑な感情を抱き、けれど、つい微笑んでしまう。
開発が進んで便利になる、それは嬉しい。
けれど、失われていく昔ながらの風景に悲しくなる。
ほとんど夏にしか来られない帰省先の景色は、来年はどうなっているだろうか。変わって欲しくないわけではないけれど、懐かしい景色がほとんど消えるのは見たくない。
夏の風に吹かれながら見上げた空は、きっとあの頃と同じ色をしている。全てが変わっても、空だけは変わらずにそこにあってくれるのかもしれない。
そう思うと、寂しさが少しだけ薄れた気がした。
6/28/2024, 2:53:06 PM