『声が枯れるまで』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
声が枯れるまで歌い続けてでも、伝えたい気持ちがあったはずなんだ。
直接言葉にするのは恥ずかしいから、想いを載せた歌を歌ったはずだった。
互いに励まし合って笑い合って、夢に向かって歌い続けたはずだった。
でも結局、私の声が貴方の心に響くことは無かったね。
貴方の心を捕えたのは、隣に立っていた私の歌じゃ無かった。
こんなことなら最初から想いを言葉にすれば良かった、なんて。
嗄れた喉の掠れた声じゃ、もう何も伝えられないけど。
私は、声を無くした人魚。
そんな私が思うこと。
声がかれるまで歌いたい
声がかれるまで言葉を発したい
声が無ければ、言葉を通い合わす事は出来ないのか?
声は一つの個性。でも、声が出したくても出せないこともある
声が無くとも想いある心は、通じ合う
でも、1番は、声を出して想いを届けたい。
声に出して、話を語りたい。
声を出せない私は、また夢の夢の話な事は、秘密にしておこう。
小説
迅嵐※過去捏造
そこら中から煙とむせ返るような血の香りがした。
「だめだ最上さん!!行かないで!!!」
仲間に支えられないと立ち上がることも難しくなったこの体を、一生懸命にあの人の元へと伸ばす。
「最上さん、最上さん…!!」
だめだよ、ねぇ、最上さん
「いかないで!!」
どんなに泣いても、声が枯れるまで叫んでも、最上さんがこちらを向くことは無かった。
「…おれを一人にしないでよ…」
…
「……ん…じ……ん…!……迅!!!」
「…っ!!」
目を覚ますと、そこは見慣れた自室だった。
浅い呼吸を繰り返し、肺に酸素を送り込む。けれども混乱しているせいか、中々上手く息を吸い込むことが出来ない。
「迅、落ち着け。まずは息を吐くんだ。そうしないと吸えるものも吸えなくなる」
おれは嵐山の言う通りに息を吐く。そして息を吸う。それを繰り返すと、やっと呼吸が楽になった。
「…嵐山…おれ…」
「…凄くうなされていたぞ。それに酷い汗だ。待っててくれ、今タオルを…」
そう言うと嵐山はベッドからするりと抜け出す。
「…っ、まって、」
今さっき見た夢のせいか戻ってこない気がして、おれは反射的に嵐山の腕を掴んでしまった。
「お願い、ひとりにしないで」
腕を引かれた本人は驚いたように目を見開く。
しかしそれは直ぐに、聞き分けのない子供に対しての困ったような、それでいて優しさを隠しきれていないような笑みに変わった。
「…大丈夫、今はタオルを取りに行くだけだ。きっと寝汗で服が濡れて気持ちが悪いだろう?…必ず戻るから」
嵐山の笑顔は、どんな状況下でも安心できるらしい。
不安が残る中、おれは渋々嵐山の腕を離した。
汗を拭き服を着替えると、既に嵐山はベッドに入っており、こちらに向かって手招きをしていた。
素直に嵐山の元へ向かうと手を引かれ、横になると布団をかけられた。
そしておれの頭を抱えると、ぽつりと小さな声で言葉を零す。
「きっと大丈夫さ」
嵐山のとくとくと規則正しい心音がおれの心を落ち着かせる。
「……嵐山は、おれを一人にしない?」
「うーん、…それは分からないな」
「…はは、嵐山らしいな」
まさに三門市のヒーロー、ボーダーの顔、家族を第一に考える嵐山らしい言葉。それが今のおれには重すぎず丁度良かった。
「ほら寝よう、…そうだ、明日の朝ごはんは鮭を焼こうか」
「ん…いいね、楽しみ」
きっと明日はお前が笑っていられるような未来にするから。
優しい音とあたたかな腕に安心しきったおれは、ゆっくりと眠りに落ちていった。
「おつかれ」と言う君の声は潰れてた 最後の夏までホントありがとう
題-声が枯れるまで
声が枯れるまで
何度も
喘がせて
忘れないよう
身体に覚えさせて
あなたを愛してる
声が枯れるまで
♪見えない線 越えて 白い雲が泳いでく
そんなこと 誰も止めない
なら宿命 お前も超えてゆけ
♫争いの糸 手繰って 日が沈む
ずっと遠い日から 繰り返し
お互いの笑顔が見えても……
🎶すれ違いの声が枯れるまで 戦う
嵐が心の涙 奪っていく
許し合う声 枯れてもいいの?
♪別れはつらいって たぶん皆が知っているの
に
それだけで いいはずなのに
なら勇気 お前が立ち上がれ
♫黒の炎 纏って 夜が来る
悲しみは灰にならない
夢は燃え尽きてしまうのに……
🎶ミサイルの声が枯れるまで 戦う
隠れていた 時代の罠 見つけ出して
違う明日が 呼んでいたとしても
🎶すれ違いの声が枯れるまで 戦う
嵐が心の涙 奪っていく
許し合う声 枯れてもいいの?
声が枯れるまで
私が声が枯れるまで叫ぶのはたいてい夢の中。
そしていつも必死に母を呼んでいる。
だけどなかなか声にならなくて胸が苦しい。
そしてハッと部屋の白い天井が見える。
台所から「とんとん」とリズムの良い音がする。
あぁ。戻ってこれた。
胸を撫で下ろすと、私はいつものようにリビングのドアを開けて言う。
「今日の夕飯何?」
せっかちな母は短く「色々」と言う。
幼い頃から変わらない応えに思わず口元が緩んだ。
ずっと幸せでいられますように。
戻らないあなたに声を枯らして泣く日がまだまだ先でありますように。
「親」なんていない
「友達」もいない
今日もひとり「私」を生きる
―声が枯れるまで―
1か月前は夜になると色んな虫がずっと鳴いてた気がしたけれど、いつの間にか聞こえなくなった。きっと声が枯れてしまったのだろう。
この声が枯れるまで
感謝の言葉を届けよう
いつも助けてくれてありがとう
一緒にいてくれてありがとう
出会ってくれてありがとう
良い言葉は巡り巡って
きっと
誰かを救う言葉となる
だから──
心に沸き起こる
温かい言葉が枯れないように
言葉を届け続けよう
そうすれば──
言葉は
途切れることなく続き
温かさは優しさへ
優しさは救いへと代わり
絶えず巡っていくのだから
────────────────────────
声が枯れるまで
予熱があれば
温かいものは長時間
温かいままでいられる
だから──
どうか──
温かい心や言葉を
無くさないで
少しでも良いから
持っていて
そして──
誰かと分かち合える時がきたら
惜しまず渡して
そうすればきっと
人も自分自身すらも救われる
温かい∞が出来るはずだから
声が枯れるまで
私は君へ愛を叫ぶ
声が枯れるまで
私は君の名を呼び続ける
声が出なくなっても
私は君への愛を伝える
声が出なくなっても
私は君の名を書き続ける
私は死ぬまで君と会話をしたい
少しでも長く…
私の声が君に届きますように
「声が枯れるまで」
声が枯れるまで叫ばずにはいられない
そんな状況に置かれた時、自分はどうなるのだろうか。声が枯れるまで叫ぶなんてことがありえるだろうか、と考えてみる。
そうまでして叫ぶ自分は想像ができない。
周りとなんとなく折り合いをつけて、それなりに上手くやれている自信がある。合わせることが上手くなり、相手の言わんとしていることが分かった時、心が通じた気がして嬉しくなる。
でも、そうしている裏側では何か大事なものが置いてけぼりになってはいないだろうか。どんどんと溶けて無くなっていくそれは、後から取り戻せるものなのだろうか。
歳を重ねるたびに、当たり前になっていった今の生き方を、未来の自分は何と表現するのだろうか。
ああ、あの頃は声が枯れるまで、叫んでいたのになあ。
本気になりたい。
置いてけぼりになっていった何かを取り戻したい。
この声が枯れるくらいに叫んでもあの流星も君も帰らぬ
「声が枯れるまで」
声が枯れるまで
歌を歌う。
音痴だけど関係ない。
ただ歌う。
♪スペードダイーヤ
(ヘイヘイヘヘーイ)
ハートにクラーブ
(ヘイヘイヘヘーイ)
声が枯れるまで
中学校時代にあった体育祭は、三学年が色別に別れて対抗する形式で、同じクラスでもバラバラになります。
普段いじめてくる輩たちからも離れられて、助かったと思いましたがそうもいかず。
私が分けられたのは紫組。
教室に集まって出場種目を決めたりし、応援の練習をしたりもしました。
全員立って練習し合格すると座って休憩でき、声が小さいと立たされたままずっと声を出し続けます。
声が小さい私はずっと立ったまま。
声が枯れて喉が痛くなると余計に声も出ません。
毎回最後まで立たされてひとり応援をし、終了時間になりようやく解放。
もう喉がヒリついてつらいのなんの。
運動神経もなく足も遅いので、玉入れをやりましたがお役に立てず。
結果当日は喉ボロボロで役にも立たず、最後の片付けぐらいはと思うものの、痛みがつらくて途中リタイア。
保健室で寝ていると、外から聞こえてきたのは私への叱責。
あいつがいたから勝てなかったと。
片付けもしないでサボってやがると。
ほんと申し訳ない。
来年は出るのやめよう。
そう決意し、次の年は不登校で欠席。
さらに次の年は仮病で見学扱い。
今にして思えば、迷惑かけずに済んで安心したとホッとしています。
苦痛でしか無かった体育祭は無事に過ぎ行き、声を届けることも無く過ごしているので、声が枯れるのは風邪をひいた時くらいですが、まああちこち枯れる年齢ですしね笑
声が枯れるまで、あれこれ訴えていた頃が懐かしい。
物理的のも精神的にも声が小さくて届かない虚しさは、大人になっても困ることばかり。
声が枯れるまで泣くようなことなど
なくていい 誰の人生にも
大切な人がいなくなってしまわぬように
ただ祈る 月に向かって
♯声が枯れるまで
─── 声が枯れるまで ───
叫んだり、歌ったり、泣いたり
忙しいね
海の中に落ちている感覚に襲われる。こぽこぽと唇や鼻から泡が上がっていく。身体も重くて動かせない。
ただただ、暗い水の中に沈んでいく。
「……さん!!」
強い衝撃と声で、俺は急に現実に引き戻された。涙を目の端にためている恋人が目の前にいて、俺を見るなり力強く抱きついた。
俺も全身から汗が吹き出ていた。息も上がって肩が上下する。
「うなされていました。凄く苦しそうで見ていられなくて……」
その言葉は少しずつ涙声に変化していた。肩越しに彼女の涙が伝わって胸が熱くなる。
俺も彼女を力強く抱きしめた。
最近、精神的に疲弊しているのが分かっていた。身体が重い感覚はあるけれど、目を閉じると深いところで心がざわつく感情が拭えない。
ひとりの時間も嫌だった。不安が背中から襲ってくる感覚に瞳を強く閉じた。自分の身体を抱きしめても収まらない不安にどうしたらいいのか分からなかったのに……。
彼女の涙と体温は俺の心を軽くしてくれる。
眠る前に入っていたボディソープの香りだけじゃない、優しく、柔らかくも甘さのある彼女の香りが鼻をくすぐる。それは心を落ち着かせつつも、身体を熱くする彼女だけの香り。
俺だけにしか効かない官能的なアロマ。
俺は彼女の身体をシーツの海に沈めて、彼女をもう一度強く抱きしめると彼女も俺を抱きしめ返してくれた。
「……ごめん。多分、優しくできない」
「いいです。私もそうして欲しい……」
「声が枯れるまでしちゃうかも」
「それは手加減してください」
自然と口元がほころんだ。彼女も同じように微笑んでくれた。こういう時の彼女の瞳は慈しみの色が強くて……触れていいのか不安を覚える。
それでも、俺は手加減なんてできなかった。
おわり
一五八、声が枯れるまで
声が枯れるまで
前を歩く
あなたの名を呼び
手を取り
並んで歩いて
声が枯れるまで
くだらないこと話して笑って
そんな日々
二度と戻らないから
大事にしまっておこう
ありがとう
end
ふっと
目が覚める
あまりの
寝付きの悪さに
ため息が出る
煙草に
火を付けて
煙を吐いて
アイツが言った
言葉想い出す
アイツが
僕に投げ付けて
来た言葉
お前はあの娘
には合わない
思い出しただけで
腹が立って仕方ない
何故
あんな事言うんだ
アイツも
あの娘の事
好きなのか
いきなり無気に
なりやがって
訳が分からないよ
窓を開ければ
冷たい冬の風
闇の中に入る風
もう僕には
望みは叶わない
のか