『声が枯れるまで』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
叫びなんて、馬鹿らしい。
幼い頃から何度も見てきた、父に縋りつき喚き叫ぶ母。
母に冷笑を浮かべ、父は『君も僕みたいに愛人をつくると良い。』と言う。
そんな滑稽なやり取りを何度も見てきた。
女泣かせのクズな父。婚外子は把握しているだけでも、数十人は居た。
父に固執し続けた母。実子の完璧さを求め、次第に狂っていった。
大人に成り切れない、哀れな両親を見て思った。
喉を枯らしても、届かないと。
そう、貴女に出逢うまでは……。
「声が枯れる、かすれる理由は、声の出し過ぎで喉が炎症を起こすからなのか。へぇ」
ガキの頃のぼっちカラオケくらいしか経験ねぇな。
某所在住物書きはガリガリ頭をかき、ネタ探しの前に、声枯れそのものの仕組みをネットに問うた。
登場人物に大声を出させ続ける必要があるらしいが、
ここで、物書きは己の不得意のひとつに気付いた。
キャラにシャウトさせ続けるの、俺、苦手だったわ。
「他に声が枯れる原因は?」
他のネタを探して、物書きはネット検索を続ける。
「風邪による炎症に、ポリープにガンに、加齢?
風邪が書きやすそうだけど、風邪ネタなんざ、半年以上昔の3月22日にとっくに使っちまったが……?」
――――――
不思議な夢を見た。すごくリアルな夢だ。
私は都内の地下鉄の某ホームに居て、時計の時刻を見る限り、どうやらそろそろ終電らしかった。
私から少し離れた所で、大きめのキャリートランクひとつを道連れに、職場の先輩が電車を待ってる。
『8年前もこうして、終電飛び乗って逃げたんだね』
その先輩に、高めの男声とも、低めの女声ともとれる、中性的な声をかける人がいた。
『やっと会えた。附子山さん』
それは、先輩の初恋さん。たしか加元っていう名前。
加元さんから先に先輩に惚れたくせに、
鍵もかけてないSNSの別垢で、先輩を「解釈違い」、「地雷」、「頭おかしい」ってボロクソにディスるだけならいざ知らず、
そのボロクソを見つけて先輩が縁切って逃げたら、「ヨリ戻そう」って追っかけてきた。
8月28日、私達の職場に、「話をさせて」って押しかけてきたのは強烈に覚えてる。
その後何度も何度も職場に来て、「附子山さんに取り次いで」って言うものだから、9月12日かその近辺で、出禁になっちゃった。
なんなら先輩の現住所を特定するために、後輩の私に探偵まで雇ってぶつけてきた。
わぁ。嫌な夢。
って、思ってたら、私のそばに不思議な子狐がいて、
その子狐が、なにやらドッキリみたいな、こちら最後尾みたいな、横長看板掲げてることに気付いた。
【この未来は速報値です】
くるり。横長看板が裏返る。
【今後出題されるお題の内容により、変更となる可能性があります】
なにそれ意味不明。
『私はあなたの、解釈違いなのだろう』
夢の中の、ドチャクソに解像度高い先輩は、数年一緒に仕事してる中で一度も見たことないような、
額と、鼻筋にシワを寄せて、まるでオオカミが威嚇するような、静かで強い拒絶の表情をしてる。
『今更その解釈違いと、ヨリを戻そうなどワケが分からないが、』
夢にしたって、本当に、初めて見る先輩だ。先輩は自分を「人間嫌いの捻くれ者」って言うけど、こんな徹底的に、誰かに「嫌い」を見せたことは無かった。
『そんなに欲しいなら、私など、くれてやる。その代わり今後、私の親友と後輩に、一切手を出すな』
ダメだよ先輩!
夢の中の私は叫ぶけど、夢だからなのか何なのか、先輩に全然声が届かない。
加元のところに行っちゃダメ!
結構、頑張って叫んでるつもりだった。なんなら声が枯れるまで叫び続けたつもりだった。
でも加元さんはニヤリ笑って、先輩の腕に指添えて、
『やっぱり附子山さんは、その顔でなくちゃ』
すごく、すごくイイ顔で笑った。
『やっと戻ってきた。私の解釈一致の附子山さん』
【己の職場と、何より親友と後輩を、解釈押しつけ厨加元の迷惑から守るため、本当に「附子山」は自分を加元に差し出してしまうのか?!】
終電に乗る先輩と加元さんを、見送るしかできない夢の中の私に、子狐がまた横長看板を見せてきた。
【ゆけ、後輩ちゃん!先輩を解釈押しつけ厨の魔の手から救い出し、胸くそ悪い未来を回避するのだ!】
なんか先輩、何かの物語のさらわれヒロインみたい。
多分目が点になってるだろう私に、子狐はまたくるり、看板を裏返した。
【※この先の未来予測を視聴するには別途プレミアムお餅の購入が必要です】
わぁ。なにそれ。なんでお餅。
私の口があんぐり開いたとこで、変な夢は終わった。
こんなに熱狂的にハマるなんて思ってなかった 。
ライブの雰囲気も 、 観客の声援も 、 何もかも
身体の芯から震える迫力だった 。
だから俺も 、 その熱に流されてみたくなった 。
いつもと同じ作業 。
掘って 、 運んで 、 また掘って 。
ただ嫌ではなかった 。
無駄に体力はあったから耐えられたし 、
あまり人と関わらなくて良いから気が楽だった 。
けれどそれをずっと続けているうちに 、
少し飽きてしまって 。
だから 、 業務外時間に浸れる何かが欲しくて 。
携帯で流してみた曲に 、 心を奪われた 。
ロックだけど 、 和風 。
和風だけど 、 すごくかっこいい 。
強い声とかっこいいギター 。
そこに合わさる琴もすごくいい 。
こんなにかっこいい曲を 、 バンドを 、
今まで知らなかったなんて 。
俺はすぐにハマってしまって 、
その日は夜通しそのバンドの曲を聴いた 。
おかげで次の日は寝不足だったけれど 、
心做しか作業は捗った …… 気がする 。
励まされた 、 ような 。
いつか 、 あの人たちのライブに行ってみたい 。
なんてことを考えてたら 、 職場の先輩から
一緒に行かないかと誘われた 。
人と話すのはやっぱり緊張した …… けれど 、
行きたい気持ちが強かった 。
「 い 、 いきたい …… です ……… !! 」
「 す …………… すごい ……………… 」
言葉を失った 。
たくさんの観客の先に 、 あの人たちはいた 。
やがてライブが始まって 、
観客の声が大きくなっていって 。
でもそれに負けないぐらい 、
あの人たちの声は強く響いていた 。
声が枯れてしまうのではと心配するほどに 。
携帯でよく聴いたその曲を生で聴けるなんて ……
覚えていないけれど 、 その時の俺はもしかしたら
泣いていたのかもしれない 。
こんなに熱狂的にハマるなんて思ってなかった 。
ライブの雰囲気も 、 観客の声援も 、 何もかも
身体の芯から震える迫力だった 。
だから俺も 、 その熱に流されてみたくなった 。
「 っうおおおおおおおおっ !!!!!! 」
すごく楽しかった ………… けれど 。
大声を出すのは 、 今になってすごく
恥ずかしいことに思えてきた 。
あの時 、 周りの人もびっくりしていたし 。
これからは 、 控えようかな ………
それに ……… 普段からあんまり大声を
出さないものだから 、 声が枯れてしまった 。
先輩にも笑われた 。
けれど 、 この枯れた声は思い出だ 。
ひょっとしたら大したことの無いものと
思うかもしれないけれど 、 俺にとっては
すごく大切な思い出になった 。
またライブに行きたいな 。
- 声が枯れるまで
- 黒立葵
声が枯れるまで歌ってやりたい気分だ
大声で熱唱して
朝までだって1人でだって
声が枯れるまで心が空っぽになるまで
声が枯れるまで
上を見ると空には雲一つない快晴。
今でも思い出す、あの日君と声が枯れるまで泣いた空は、僕らを隠すかのように雲に覆われた雨模様だった。
僕らが泣いたあの日、僕らが後悔して泣いたあの日、僕らが泣いて強くなったあの日。
僕らが認め合い許し合いそして将来を誓った。あの日だけは僕らは一生忘れない。
振り返れば救えたのもの救えなかったもの、今も変わらず苦しんでいるもの今は笑っているもの様々だ。
僕らは感情の繰り返しで今と未来のために生きている。
君と声が出なくなるまで泣いたあの日、あの日があったから僕は今こうして空を見あげていられる。
僕らが次枯らしていいのは後悔だけだ。
声が枯れるまで鳴いた。
痛かった、辛かった、
死ぬまで鳴いた。
幹にへばりついて、猛暑の中
約一週間、声が枯れるまで。
人間は、うるさいというだろうね。
でも、たった一週間じゃないか、
僕たちの儚い人生を許してくれ。
僕たち蝉は、声が枯れるまで、最後まで、鳴いた。
#声が枯れるまで
声が枯れるまで泣き叫び何もかもを拒絶した。誰も信じられないと独りの世界に閉じ込もった。あの脆さは今では遠くに感じるけれどきっと忘れることはないだろう。気がづくと傷跡に優しい眼差しを向けていた。
声が枯れるまで
何回も、何回も声を出した。
声を出さないといけない、部活動。
声が枯れるまで、声出し。
周りの子達は、みんな声が枯れて、カスカスな声。
当時は辛くて何度も辞めようと思ったが、辞めなかった。
今となっては、青春の思い出の一つ。
不意の怪我でしか血を見ない人たちが
「死ぬ」を軽く扱う
そして、追い詰められた人たちを
ジャンルに入れてからかう。
他人の痛みも
飾りのように扱う。
追い詰めらて
追い詰めらて、
心を守る最後の砦。
あの人たちはそんな事理解できない。
君は
叫ぶ代わりに血を流す。
よかったら教えて、
ちゃんと聞くから。
#声が枯れるまで
#「アイツってメンヘラだよね」
声が枯れるまで鳴いていたししおどし
唇ぬらすだけの水の流れ
時間のようだね
冬までに畳む旅館の庭は
不安げな寒空から吹く風で褪せる
強い寂しさを裏腹に
ぐったりとした諦念が汲まれるが
いつも通り背筋を伸ばして
テキパキとした女将の姿勢を見ては
誰も野暮をしようとしなかった
古時計のコンセントが抜かれようと
ショベルカーが苔をめくろうと
ししおどしがもう鳴らなくとも
ただ確かにそこにあった
ししおどしの声はまだ
どこかへ振動している
【声が枯れるまで】-page1-
「声が枯れるまで伝えたいこと」
それは、「愛してほしい」
ただそれだけ。
愛されてるってわかっていても、些細な言葉、行動で愛されてないと感じてしまう。
私の気持ちを全てわかってとは言わない。
ただ、そばにいてほしい。
抱きしめてほしい。
大丈夫って言ってほしい。
不安が多くかんじられる時代で、私たちにはきっと不安よりも大きな愛が必要。
私たちがどれだけ自分を、相手を、世界を愛せるか。
そこにこの問題を解決する種があると思う。
声が枯れるまで
まで、なんだね
それからはどうする
どうしたとこで伝わらないものはある
伝えたくもないものもあるね
声が枯れて満足できたなら何より
言葉や音で伝わらなくても
他の方法もあるんだよ
あなたが表現しているものは
あなたが表していて
それはあなたではない
だからあなたには伝わらない
どんなに頑張っても誰かにしか解らない
どうやったら
あなたはあなたに伝えられるのかを
知らなければいけないのかもしれない
もちろんあなたが伝えたいならだけどね
今日もイライラせずに仕事を終わる事ができた
午後はゆっくり休息する事ができた
契約書を仕上げる事ができた
声が枯れるまで
泣くなんてしない
私は
喉が破けるまで啼いて
絶頂の只中で
死んでいきたい
(声が枯れるまで)
声が枯れるまで
叫ぶ。
君に届くまで、私は叫ぶ。
喉が潰れてもいい。
いつか君に届けばいい。
届け。
僕達はずっと、親友で2人なら最強だった。
君は真面目すぎたんだよな。
真面目だからこそ、この世界の矛盾に疑問を持ったんだよな。
僕は何も思わず、考えるのも面倒で気楽に笑っていればいいやって思っていた。
だから、君がこんなに苦しんで、もがいて歪んでいくことに気づかなかった。
そんな君を止めるために、僕は君を殺さなければいけない。
親友の君を殺め、僕の目の前は真っ黒になった。
晴れだった空は気づけば黒くなり、雨が降っていた。
僕は声が枯れるまで泣き叫んだ。
でも、その声は雨の音にかき消されていった。
君の魂と共に。
【声が枯れるまで】
#89
貴方の温かな膝の上はわたしの特等席
ご主人様はいつも嬉しそうにわたしのことを優しくて撫でてくれる
特に縁側で日向ぼっこしているご主人様の膝の上でくるりと丸まるのが大好きだ
暖かな太陽にあたりながら何時もよりゆったりと過ぎて行く時間はこのまま続けばといつも思う
大好きなご主人様
わたしがにゃあと鳴けなくなるその日が来たら
最期は貴方の傍にいたいと願う
『声が枯れるまで』2023,10,21
声が枯れるまで貴方に声を届けよう。
「大好き、愛してる。」
◤喉の奥より◢
痛みと苦しみというものは、心より与えられるものであると彼の者は言った。屈強な者に拷問は効かねど、尋問は効くと。人質や仲間を使って脅せば落ちる者は落ちる。痛みで落ちるものは心が弱いからと。声が枯れるほど叫べば助けて貰えると思っている甘えであると。
慣れぬことをしております故、どうか許されよと目の前の男は言った。彼の者の言う通りであれば、俺のこの心はどうなると言うのだろうか。痛みも、仲間への心もない俺は人ではないということだろうか。それならば、この運命もあまんじて受け入れよう。味方に見捨てられ、敵地のど真ん中で拷問を受け続けるというこの状況を。
声が枯れるまで
小さい頃は、声を上げて泣くこと、たくさん。
迷子になった
姉と喧嘩した
親に怒られた
大人になって、泣くことが少なくなって。
人前で泣くことも。
感情をださないようになることが、大人になることだと、思っているのかも。
だけど、声が枯れるまで、叫んだり泣いたりしたい。
嬉しいことも、悲しいことも。
思いっきり表現できる大人も、カッコいい。
まあ