『喪失感』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
過ぎていった日々に、想いを馳せていた。
無くした物を数えるように、残された時間を数えていた。
旅立ちまでのカウンドダウンは、とっくに始まっている。
私は、楽しかった日々に、別れを告げられるだろうか?
喪失感
子供たちが大学を卒業した。
小さい頃はお兄ちゃんも妹の花菜も私の後ろを付いて回っていたのに、反抗期には話しかけてもろくに返事もしなくて本当に手がかかった。
毎日お弁当を作り、朝は子供たちを起こして朝ごはんを食べさせ、お弁当を持たせて送り出す。そのあと自分も仕事に向かい、帰ってきたら夕食を作り、片付け、明日の準備をしてからやっと休む。そんな生活を20 年以上続けて来た。今までは本当に子供中心の生活だった。
そんな生活がやっと終わった。
これからは夫婦2人の時間が持てる。夫婦で食事や旅行に行ったり、私は趣味のパッチワーク出大作を作りたい。
ワクワクして楽しみだ。そんなふうにに思っていた。
それなのに妹の花菜が家を出て一人暮らしの生活を始めて1週間が経った頃から、なんだか落ち付かず、家に1人でいると喪失感で押しつぶされそうだった。
自分の時間、夫婦の時間ができると思っていたのに、子供たちの存在がかけがえのないものであったと思い知らされた。
でも、子供たちには子供たちの人生がある。母親である私がそれを歪めてしまう訳にはいかない。ずっと子供たちのための生きてきたのだから、これからも子供たちの応援団でいたい。
そして、子供たちが私を必要とした時に全力で手助けが出来るように心構えと体力は作っておかなければならない。
まだ喪失感からは抜け出せないが少しずつ
埋めて行きたいと思っている。
私は今日自分の性格について改めて理解した。私は好きな人に対して嫌いな感情を抱いていると勘違いしてしまうらしく、好きな人のことをめちゃくちゃ嫌いと周りに言いふらしてしまう節がある。そうなると好きな人にも耳に入ってしまい。私の恋というのは自分でぶち壊す形で失恋してしまうのだ。それに気づいた今日、私はとても心がぽっかりと空いてしまったように感じた。
喪失感、私には円の無いものだと思っていた。
だが、やはり、私の元にやって来た。
私には大切な友達が居る。
その人に、押し倒された挙げ句の果てに
私の初めてを奪われてしまった。
目はギラギラしていて、何処か悲しそうな顔を
しながら私の隅々まで食べられたのだ。
まぁ、初めてをその友人にあげられたことが
唯一の利点だったかしら。
その人に散々された後、
私は気絶するように眠っちゃったらしいわ。
その後は、起きて机を見るなり
普段はしないような朝食や手紙まで置いてあった
友人ならではの償いかしら?
手紙を読むなり、その友人の元に行ったわ。
コンコン。
"どうぞ。"
そんな事を言ってたので遠慮なく入った。
そして、気持ちを伝えた。
"あー、あのね、昨日の事を怒ってはないわ。
逆に嬉しかったもあるかしら…。
漸く、貴女に手を出してもらえたんだから。
だから、その責任取ってよね…。"
赤らめながら告白をした。
すると、驚いたように顔を隠していたが
真っ赤になった耳を見て確信した。
やっぱり、両思いじゃない。
良かった。
告白をされた。
ヤってしまったことを、嬉しいとまで言われて
そして、両思いだなんて、思っても無かった。
嬉しすぎて何処かへと飛んでいきたい。
なんて幸せな恋だろう。
だけど、順番間違えたな。
別の世界線ではこうはならないことを祈ろう…。
喪失感
心にぽっかり穴が空いた感じ
悲しいでもなく
悔しでもなく
何かが足りない感じ
君が離れていってしまった感じ
側にいないだけでなく
心の距離が遠くなった感じ
【喪失感】
⚠ネタバレ注意 進撃の巨人
視点:リヴァイ・アッカーマン
壁外調査に行くたびに仲間が減る。
こちらの事情もあり、死人を行方不明者として処理するくらい朝飯前だ。
だが、それほど親しくなくとも知人が死ねば悲しくなる
思い出しては度々
あいつらの家族はどんな人だったか。
帰りを今も待っているのか。
どんな気持ちで我が子を手放し戦場へ行かせたのか……
こんなことを考えることがある。
「リヴァイ兵士長!娘が世話になってます!
ペトラの父です!娘に見つかる前に話したいことが――――」
耳が痛くなるほど聞いたか。
名前や内容は違ったが…
どんな面して聞けと言っている。
そんなことはもう慣れたものだった……
「それで、巨人の生態を探っていると次の発見が――」
「おい、クソメガネ。もうモブリットと俺以外聞いてねぇ…。おまけに内容も先が見えねぇ」
「あぁ、そうだねごめん。まとめるよ。とりあえずここから言えることは巨人の―――」
毎月のように行われるこの巨人の実態調査の報告会は地獄と化す。
耐えられるものがなかなかいないもんだから、毎度真新しい顔がある。
5年も付き合えばこの長話も慣れたもんだが、
新兵上がりの中等は椅子に座っているのもままならないだろう
揃いも揃って死人の顔をしていやがる
こんな18時間以上も話すような異常な面を持ったやつがいたりするが、5年の信頼感は高い。
一番死に急いでいる気がするが
お前はまだだと言わんばかりに
毎度いきて返ってくる。
そんなやつでも、どうしてかもういなくなってしまうらしい
「今、最高にかっこつけたい気分なんだよ
………このまま行かせてくれ」
なんと声をかけるべきだったのか、
分からなかった
「心臓を……捧げよ」
「………
ハハッ、君が言ってるの初めて聞いたよ」
目の前でいなくなるやつにかける声なんて、
用意したくない
エルヴィンには申し訳ねぇことをしちまった
そして、これがこいつの顔を見る最期なのか
どこか寂しく思うのは
あの長話がもう聞けないからだろうか
追記作品【楽しみ】
こんな世界に生まれても、
人間は楽しむことをやめることはできなかった――――――
「ほら行くぞー!!!オ゙ラっ!!」
ぼふっ!!
白い雪玉が誰かの顔面に当たる
「あたり~!次鬼はエルヴィンねー!!」ヒャフーーーー!
ハンジの軽快な声が響く
「全く、こんなことをしていて良いのか。エルヴィン」
リヴァイが眉を潜めながら話す
「今、我々はこれしかできない状況にある。
時が経つまで待とう」
エルヴィン・スミス
目も眉も鼻も口も、雪に埋もれて全く何も見えないが
何処か強い声を響かせながら一人佇んでいた。
「おい…あれはどうなってんだ……
エルヴィン団長の顔面が真っ白に…」
「ジャン、隣にいるリヴァイ兵士長の方がもっとやべぇぞ…」
2人で話していると真後ろからハンジの声がした
「二人とも何棒立ちになってるだい、
このままじゃやられ――――」
言葉が終わる前に、ジャンとコニーは雪だるまになっていた。
「リヴァイ…、いつ鬼になったんだい…」
「あぁ?お前らがそこでのんびり会話してる間だ」
「いや、私さっきエルヴィンを鬼にしたよね?つい数十秒前」
「エルヴィンはそこで紅茶をすすって進まねぇから俺が鬼になった」
「で、次の鬼がコニーとジャン…?」
もはや雪景色に同化している2人が攻撃する様子はない
「こいつらが動かなきゃまた俺が鬼になる」
そう話すリヴァイの手には雪には見えない白い物体が握られていた。
47日目
何かを得るたび元々持っていた何かを失う
生きやすくなるたび正しさを喪っていく
志向と現実の乖離が大きい今はまだ喪失感がある
でもきっといつかはこの思考すら飲み込まれてしまう
正しさを喪失したことすら気づかなくなる
そんな未来を今は1番恐れている
無くなっても大丈夫だと思ってた、でもそれは当たり前すぎて気づかなかったけど自分にとって大切で必要不可欠だった。
この喪失感をどうにも埋められない
静かな雨
2024/09/10㈫日記
いっときだけ。
静かな雨は好き。
高気圧、早く消えて欲しい。
口は卑しいけれど
物欲は少ない方だと思う。
それでも昨日、ロルバーンの
ダイアリーを手に入れて今日も
テンションが上がっている。
欲しいものがなく2店、お店を
回った。
人気の商品だから欲しいものは
早く買わないと無くなるって
改めて思った。
買ったのは海と朝日の表紙の。
青と黄と橙のグラデーションが
爽やかで海が輝いている。
母にはこの2年、干支のロルバーンをプレゼントしていて、来年はヘビ年。
僕はヘビが嫌いで、母に電話をして
聞いたら、母は平気みたいで
購入した。
毎年、ちゃんと使ってくれているみたい。
ロルバーンが何なのか、母は全く
知らないけれど。
気分を表すシールと月別のインデックスシールも買った。
面倒くさくなって貼るのを
止めてしまうかも知れないけれど。
睡眠時間を表す時計の円グラフは
続いている。
良いことを教えてもらった。
睡眠時間の短さが一目でわかるから。
この状況はよろしくない。
寝る。
とにかく寝る。
それしかない。
おやすみ。
【喪失感】
いつも仕事帰りに寄る、行きつけのバーカウンターに先客がいた。
先客は日本人離れした顔立ちで、薄い金色の少しウェーブのかかった男だった。歳は三十歳以上であるだろう雰囲気で、雑誌から飛び出して来たのではないかという程、端正な見た目をしている。ラフに着ているシャツも、彼が着ると、どこかのブランドかと思わせる。世の中見た目が全てをこれほどまでに憎んだことはない。
私はスーツの襟を緩めながら男の一つ隣に座った。一人掛け分の距離越しに男が、貴方も常連かい?と私に話しかける。
「雰囲気が慣れてそうだから、つい決めつけてしまったけど」
男の言うように、私もこのバーには何度も通っているのでそう、と肯定する。ここ落ち着くよね、カクテルも良いもの作ってくれるし、と男は自分の持っているグラスを少し傾ける。紺とピンクのグラデーションが綺麗なカクテルである。綺麗だな、と思わず私が呟くと、でしょう、と男は微笑む。薄く口先をあげるだけでも絵になるのは狡い。私はいつも頼むカクテルをカウンターへ注文をし、男に話しかけた。
「君のことを、どこかで見たことがある気がするんだが……気のせいだろうか」
「それ、ここのバーに来る人大体に言われる。雑誌モデルをやってるんだ」
「へぇ。どうりで」
顔が整っている訳だ。とは言わなかったが、内心で呟いておく。ここのバーに置ける「それ」は口説くも同然だからだ。波長やタイミングなどがあるのでおいそれと言うことは私の理に反する。
俺、もう暫くここには来ないつもりで来たんだ、と男はカクテルを眺めながら、うっとりと呟く。
「自分の身近に射止めたい人、見つけたから。だからここは今日で最後」
貴方も素敵な出会いがありますように、と男は私に向かって柔らかい微笑みを向けた。
生で見るそれは、ファンにとっては天に昇る程の幸福だろうが、今の私にとってはいきなり後ろから突き落とされるような心地だった。これは推測だが、男の手にしているカクテルは「射止めたい人」のイメージなのだろう。愛おしそうに見つめる視線が熱っぽいのは、決して気のせいではない。
私はありがとう、と、実る前に終わった一目惚れと決別し、カウンターにうんとアルコールの効いたカクテルを追加注文した。
喪失感
「この気持ちってなんだろう
今までこんなんになったことないのに」
その時は急に来た。
あいつとの縁が切れたんだ
俺はあいつことが正直苦手だった
自分勝手だし、考えてる意味わからんし
急に自分がいい方に変えるし
何度もいろんなことを受けたんだ
それで悩み、泣いて、立ち直れなかったこともあった
けど、俺はあいつに感謝もしてる
友達なんていなかった俺と絡んでくれて
認めてくれて遊びでもいつも話してくれた
こんな日常のような情景がいつまでも続くと思ってた
なんやかんや互いに嫌でもなんやかんな認め合い
お互いを尊重しなくても、お互いを認めなくても
いていいと思えるような関係だと思ってた
俺はあの日あいつによくない態度をとった
喧嘩別れみたいな離れ方だった
あいつからしたらなんやこいつだろう
もうあいつと会いたくないと思うくらい
その時の俺は感情に身を任せて動いていた
けど、これは間違えだったんだ
今でこそそう言える
またあいつと喋ろうと思った時
もうあいつと喋れなかった
何を打っても返信なんて来なかった
なんでなんで…こんな別れ方するんだよ
ごめんなんて俺は言わないしお前も言わないと思う
だけど、また喋ろうよ
なんでそうなるんだよ
俺は返信のこないチャット欄を眺めていた
俺と喋らんくなったらあいつはおかしくなったらしい
あいつにとって俺は心の支えであり
ストッパーだったのだろう
あいつから何日経ってもなんも帰ってこないと
呑気に思ってた
ただ次第はそれ以上に重かった
友人づてに聞いたのは
あいつは家から出なくなったらしい
俺には関係ないが誰とも一切口を聞かなかったらしい
そして孤独に逝ったらしい
お前と酒が飲みたいっていただろ
一緒にいつまでもいるって…
まだなんもできてないのに…
そんな顔しないでくれよ
これは俺が初めて俺が終わらせた物語だ
いずれ忘れ去られるだろう
だからこそお前には感謝してるよ
お前はいい奴ではなかったし変な奴だった
だけどいなくなっていいわけないやろ
帰ってこいよクソ野郎
そん時はどついて美味いもん食わせてやるから
なぁ帰ってきてくれよ
友達でも親友でも他人でもない
唯一の存在だった君
この心の穴をどうしてくれるんだよ
どうなっちまったんだよ…
「喪失感」
ずっと母とは上手くいってなかった、
早くに父を亡くして、女手一つで一生懸命私を育ててくれたのに。
性格が合わないって、価値観が違うって、だから一緒にいると息苦しいって、思ってた。
学生時代は反抗期も重なって、母を避けていた。
大人になったら変わるのかな、って思ってたけど、変わらないままだった。
きっと、このまま一生こうなんだろうな、って思ってた。
でも、母が余命宣告されて、介護をするようになって。
初めて距離が縮まった。
自然と、愛しいな、大事だな、大好きだな、って思えた。
多分お互いに残り時間が少ないから、どこかで時間を惜しんでいて、だから喧嘩したりとかそんなくだらない事に使う時間が勿体なかったんだと思う。
母が亡くなるまでの短い期間だったけど、本当に濃い時間を過ごせて、人生で一番仲良くいられた。
その分、亡くなった後の喪失感は自分で想像した以上で。
今まで経験した事がない程の喪失感で。
「ああ、これで無条件に私を受け入れてくれる人はこの世にいないんだな」って思った。
何だか拠り所がなくなった気がした。
そう思う自分は、本当に母に甘えてたんだな、大事にされてたんだな、愛されてたんだな、って思った。
まだ母を亡くした傷は癒えてないけど、でも母から教えて貰った事。母を見て学んだ事。
全てを大事にしていきたいと思う。
喪失感
人にいじめられると喪失感を感じる
他人とはいえ人同士なのに
どうして意地悪をするのですか?
あなたはいじめをして喪失感は感じないのですか?
いじめられてる方は喪失感を感じます。
もっと平和に平等をみんながみんな求めていく
そんな世の中になって欲しいです
『喪失感』
喪失感ってなんだ?
損失?ソンシツ?
ふむふむ
なくすという事か
ーーーーーー
そーいえば
少し前
大切な人をなくした友達が
立ち直っていく姿を見て
なんなんだろう
なんか嬉しくて
いいなーって思った。
多分
人は
立ち直るとスッキリして
それを見るのも、スッキリするらしい。
終
友の挙式帰りにいつも笑いあう君がいないな 結婚おめでとう
題-喪失感
喪失感
私の彼氏はタバコを吸う人
帰ってくるといつも煙たい匂いがお出迎え。
正直最悪。
「ねえ、部屋で吸うのやめてくんない?」
「んー、気を付ける」
「いつもそういうよね、で、次の日これ」
「ごめんね~?」
ため息をついてソファにどかっと腰をおろす
反省していないかのように、
…いや、訂正
反省していないので、
またタバコに火を点ける
それでも大好きだから許しちゃう。
結構ハマってたワケだ
そんなあいつと別れた。
理由はタバコ。
自分の部屋が火事になって私の所に居候するなんて言ったから
もっとロマンチックな言い方がよかったのに!
そんなこと言って、出ていっても追いかけてもくれない。
帰ってきたら誰もいない。
堪忍袋の緒が切れて、私からサヨナラを悟らせた。
そういえば
あいつは、いつも私のベッドに
私よりも早く潜り込んで私を手招きしてた。
そして、寝るまで背中をとんとん触れてくれてた。
一人で温もりを感じない広すぎるベッドで雨の音を聞きながら朝まで過ごした。
寂しかった。
少しして、
新しい彼氏が出来た。
私の彼氏はタバコを吸わない人
帰ってくるといつも子犬みたいな彼がお出迎え。
正直最高。
…でもそれは他の人からしたらの評価でしかない
彼は完璧だと思う。
それはもう私とは釣り合わないくらいに。
家事も手伝ってくれる。
体調が悪いときは側に居て、
落ち込んだら慰めてくれる。
飲み会だって出来るだけ行かない。
行ってもすぐ帰ってくる。
でも、私が求めているのとは違った
家事は全部私に頼る
体調が悪いときはそっとしておいてくれて、
落ち込んだら笑い話にしてくれる。
飲み会は程よく楽しんで、
嬉しそうな顔で帰ってくる。
あと、タバコの匂い
あの時は煙たかった匂いも
今は懐かしく愛おしい
火を点ける横顔とか
目を細めて笑うところとか
普段はお前って呼ぶのに、
友達の前だと名前で呼んだり
絶対、浮気しなかった
帰ったら必ずあいつが居た
合革がボロボロになったソファに家主のように大股開いて
「おかえりー」
と、笑ってた。
結果。
完璧彼氏とも別れた。
私からさよならを告げた
彼は泣いた。
私も泣いた。
けど、次の日からはあいつを探した
どこにいるのかも分からないあいつを。
いつも吸ってたあのタバコの匂いを感じると振り向いてしまうんだ。
結局ハマってたワケだ
「あ、もう日の出…」
『喪失感』
私の左腕には大きな火傷がある。
これは父に熱湯をかけられて出来たものだ。
父は暴力を振るう人だった。
何も言わず殴られ続ける母。
泣いてるだけの妹。
私がどうにかするしかないと思って
間に入って
私も殴られて。
これで2人を守れてると思ってた。
自分のことなどどうでもよかった。
ある日
怒りが頂点に達したのか
父が声を荒らげ、
パスタを作ろうと
コンロで沸かしていた熱湯を
私にかけた。
その夜、
母は部屋で首を吊っていた。
次の日の朝、
私が起きる前に
父が酒を飲んで暴れたようで、
妹の胸に持ち手のギリギリまで刺さったナイフを見た。
その時の喪失感は言い表せないものだった。
くだっとしている妹の手を握る。
当然だが、氷のように冷たい。
何も守れてなかった。
守ってるつもりだっただけで
私のしたことは
全て無意味だったのだ。
家を飛び出し、
嬉しそうにしている通行人の
持っていたものをひったくった。
もうどうでもいい。
中身は漫画だった。
内容は覚えていないが
最初のページの一言が印象的だった。
どんな意味か知らないままなのは
少しもったいないような気もするが
まあいい。
私は廃墟の屋上にいた。
今頃父は家に帰って私がいないことに気づくだろう。
でも関係ない。
フェンスを越え、
肌寒い風を感じる。
遅れてごめん。
今から行くね。
飛び降りようとした時、
あの一言はこういう時に言うんじゃないのかと思い、
踏みとどまる。
深呼吸をして
"Good Midnight!"
と、大声で叫ぶ。
来世は家族で幸せに暮らせますように。
きみは今、どこにいるの?
きみがいなくなってから、ぼくの中に湧いてきた感情に、戸惑っているんだ。
すごく苦しいんだ。
すごく寂しいんだ。
この感情に、押しつぶされそうなんだ。
きみは今、どこにいるの?
問わずにはいられないんだ。もうぼくの所に戻って来ないとしても。
「喪失感」
最近は何も感じない
好きなことをしても
友達と遊んでいても
何も感じない
一体どうしたら戻るのかな
私はなぜか君を探しているのだ
ただただ会いたくて
毎日会えるはずなのに
バイバイしちゃうと喪失感
いつだって君のことを考えてる自分がいる
とても贅沢な感情
いつかこの感情とのサヨナラの日が来るまで