「喪失感」
ずっと母とは上手くいってなかった、
早くに父を亡くして、女手一つで一生懸命私を育ててくれたのに。
性格が合わないって、価値観が違うって、だから一緒にいると息苦しいって、思ってた。
学生時代は反抗期も重なって、母を避けていた。
大人になったら変わるのかな、って思ってたけど、変わらないままだった。
きっと、このまま一生こうなんだろうな、って思ってた。
でも、母が余命宣告されて、介護をするようになって。
初めて距離が縮まった。
自然と、愛しいな、大事だな、大好きだな、って思えた。
多分お互いに残り時間が少ないから、どこかで時間を惜しんでいて、だから喧嘩したりとかそんなくだらない事に使う時間が勿体なかったんだと思う。
母が亡くなるまでの短い期間だったけど、本当に濃い時間を過ごせて、人生で一番仲良くいられた。
その分、亡くなった後の喪失感は自分で想像した以上で。
今まで経験した事がない程の喪失感で。
「ああ、これで無条件に私を受け入れてくれる人はこの世にいないんだな」って思った。
何だか拠り所がなくなった気がした。
そう思う自分は、本当に母に甘えてたんだな、大事にされてたんだな、愛されてたんだな、って思った。
まだ母を亡くした傷は癒えてないけど、でも母から教えて貰った事。母を見て学んだ事。
全てを大事にしていきたいと思う。
9/10/2024, 12:17:07 PM