「逆光」
逆光の中で君を見る。
顔は見えないけど、光に縁取りされて、とても輝いて見えた。
ママにとっては、君は逆光以外でもいつでも輝いているよ。
いつも、笑顔でいて欲しい。
君に、幸せになって欲しい。
それがママの、たった1つの願いです。
「こんな夢を見た」
朝目覚めて、貴方と昨夜見た夢を話し合う。
楽しい夢は、笑い合いながら共有して。
悲しい夢は、現実に起きない事を2人で願い合って。
結婚って、よく言われる事だけど、嬉しい事は2倍
、辛い事は半分になるんだね。
貴方と出逢えて、初めて安らぎを知った。
いつも気を張って、意地になっていた私に、一人じゃない、甘えてもいいんだ、って気づかせてくれた。
きっと貴方に逢わなければ、誰にも心を開けないままだった。
幸せって、こんな日々の積み重ねなんだなって、しみじみ思えるよ。
こんな日が、永遠に続けばいいのにね。
……そして、又今日も、貴方の居ない朝に目覚める。
貴方の声も、姿も、温もりも、存在も。
貴方の全てを喪った。
二度と、貴方に触れる事は出来ない。
なのに、いつまでも私はこんな、楽しいのか嬉しいのか悲しいのか解らない夢を、毎日見続けている。
もう一度、貴方に逢いたいよ……
「タイムマシーン」
もし、タイムマシーンがあったら、過去に行くのだろか?未来に行くのだろうか?
過去に戻ってやり直す?
未来に行って未来の自分を見て、そうなりたいか、なりたくないかで今の自分の行動を決める?
でも、過去を変えても今を変えても、必ずしも自分の思い通りの結果に繋がるとは限らない。
もしかしたら、もっと望まない結果になるかもしれない。
自分の思考が、行動が、最終的に未来の自分を形作る。
たとえそれが自分の思い描く幸せでなかったとしても、きっと一つ一つを選び取った自分は、その時その時に一生懸命考えて、悩んで、選んで、動いた筈。
だったら、その結果は自分の責任であり、失敗だったとしてもきっと必要な失敗だと思う。
そこから、学んで、やり直せばいいし、きっとそうする必要があるのだろう。
過去に戻って、今は会えないあの人に逢いたい。
自分の余命を考えると、未来では逢えないあの子に逢いたい。
色んな望みは、欲は、確かにある。
でも、それでも。
それが出来ないからこそ、今を頑張れる自分で居られるのかもしれない。
だから、物凄く惜しいけど、私はタイムマシーンは要らないかな?
「特別な夜」
いつも通りの、何も変わらない日々。
でも、貴方と一緒なら。
それはいつも特別な夜。
「海の底」
此処は何処?
何も見えない、聞こえない。
ただひたすら、苦しくて、暗くて、寒い。
最後の記憶は、貴方との夕食だった。
楽しくご飯を食べて、ワインを飲んで。
やだ、私ったら、飲み過ぎたの?
何だかいつもより酔いが回るな、とは思ってたの。
人前でこんな、記憶を失う程酔うなんて、恥ずかしい。
まして、貴方の前だなんて、どうしよう?
……少しずつ思い出してきたよ。
飲み過ぎて、気持ち悪くなって、貴方の部屋で横になってた。
私を心配した貴方は、私の親友の彼女を呼んで、介抱してもらって、私を家まで送り届けようとしてくれたんだよね?
彼女と2人で私を抱きかかえて、私のカバンも靴もちゃんと持ってくれたね。
そして、私の家まで帰る途中で、少し気分転換に海に来たんだよね。
外の空気を吸うと楽になるかもって。
そこからが又少し記憶が曖昧なの。
彼女と、貴方と、私で、何か言い合った気もするし、楽しく笑い合った気もする。
……息苦しい。何なの?
此処は何処なの?
何でこんなに冷たいの?
そして、完全に覚醒した私は思い出した。
貴方と彼女は、お金目当てで私を殺そうとしたんだよね?
貴方は、元々それが目的で私と一緒になったんだよね?
そして、2人で私を海の底に……
そして、私は気づいた。
だから、いつも護身用に持ってたナイフで2人を……
冷たいのは、2人を海に沈めたから。
私もそれで濡れてるから。
苦しいのは、貴方も彼女も両方を一度に失ったから。
暗いのは、先行きが不安だから。
でも、大丈夫。
貴方と彼女の計画に気づいたその時から、私もちゃんと考えてた。計画してた。
上手く2人を葬れるように。
そして、それか発覚しない様に、万全の注意を払って、準備してた。
きっと見つからない。
きっと、このまま上手くいく。
きっと、大丈夫。
だってもう2人は海の底。
私を脅かす人は、もう居ないから。