『君に会いたくて』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「ところで」
「ところで?」
「結果的に呼び出してしまったわけだが
わけだが?」
「わけだが?」
「まあ、つまりそういうことだよ」
「イミフ」
お題『君に会いたくて』
全身に穴を開けるような大雨の中、タオルを頭巾のように被り、顎の下で力を入れて抓む。大した雨よけにはならないだろうけど、野ざらしで走るより幾分かはマシだ。
一歩を踏み出す度、ランニングシューズの隙間から泥水が染み渡る。汚れきった液体を飲み干した靴下が、膿んだ傷口のようにじゅくじゅくと不快な感触を生み出していた。
汗と汚水が混ざり合いながら全身の皮膚に纏わりついていく。張り付いたワイシャツを空いた手で引き剥がしながら少しでも体に風を当てて、湿気から逃れようとした。
長い通学路を走りきった頃には、服を着たまま海に飛び込んだような姿になっていた。
被っていたタオルを絞り、少しでもアパート内を濡らさぬように全身の水分を拭き取ると、足早にエレベータに向かい、上に向いた矢印を押す。目の前まで下降してくるのを待ちながら、タオルの編み目を逃れた水滴がスカートから滴り落ち、乾いた廊下を暗い灰色に染めるのを眺めていた。
アパートの階数を表示している、1から5までの数字がゆっくりと一つずつ数えられていく。全てを数えきると満足したように扉が静かに開いた。
狭い空間から踏み出すと、先ほどまで自分が描いていたものと同じ跡が床に染み出していた。
何となしにその後を視線で追いながら、自室のドアに向かうが、忽ち強烈な違和感が胸の奥をわしづかむ。
自身が持っている鍵が開くことができる扉より先は、何も描かれていなかったのだ。
内側から剣山を押し当てられたように全身の皮膚がぶつぶつと盛り上がる。
チャリッと音を鳴らして左手に持っていた鍵を差し込みゆっくりと回す。そこには毎日あるはずの硬い抵抗感が無かった。
脳の隅に追いやられていた「自分が忘れただけかもしれない」という可能性に縋りつきながらノブを回す。
激しい雨音に掻き消される程静かに慎重に扉を開く。
中を覗き込もうとした途端、影のような手が漏れ出し部屋の中に引きずり込まれた。
巨木のような影がその存在を押し付けるように私を抱え込んだ。
「な、なんでいるの…?」震える声を必死に押さえながら聞く。
「会いたかったんだよ」
耳鳴りが響くほどの静寂の中、答えのようで違う言葉の意味を教えるように、背中に回された腕から鍵の音によく似たチャリッという音が耳を貫いた。
お題:君に会いたくて
君に会いたくて
久しぶりの実家、変わらない空気。
といっても、三カ月に一回は帰るんだけど、やっぱり落ち着く。
「学校はちゃんと行けてる?」
「うん、」
「よかった、あなたマイペースだから」
しずかに笑う母に、自分もしずかに笑って返した
久しぶりに食べた母の手料理。変わらないなぁ。けど、ちょっと今日は豪華な気がする。
「そうだ、おじいちゃんから野菜が届いたのよ」
「じいちゃん家、この間行ったばかりだよ」
「じゃあお向かいさん家に持っていってちょうだい」
「⋯自分で行けばいいじゃん。おばさんと仲良しでしょ」
「いいから、お母さんは忙しいのよ」
はぁとため息を吐く。野菜でいっぱいの段ボールを持って玄関を出た。
斜め向かいの家のインターホンを肩で押すと、聞き慣れたいつもの声が聞こえる。
「わ、どうしたの」
「母さんが、野菜届けろってさ」
「この間、お祖父様の家に行ったばかりなのに、またすごい量だね」
「入ってもいい?」
「いいよ、あ、野菜は玄関に置いておいて!」
「うん」
段ボールを、広い玄関の一角に置いた。
リビングのソファに腰をかける。
「今母さん、父さんと買い物中なんだ!これ、父さんがお土産でくれたお菓子!一緒に食べよ!」
丁寧にお皿にお菓子を並べて食べる君の姿を見てふと気づく。
ああ、もう君に会いたくてしょうがないこと、母さんは気づいていたんだなぁ。
君に会いたくて、 はぁ、 なんて変な気持ちなんだ、 これってもしかして。
声を差し出してでも、人間になってあの場所へ
"君に会いたくて"
『 』
それはただの『おもい』の集合体
降った雨が
ひとつの湖に集まるような
ただそれだけのものだった
ただどんなに水のように
全てが混ざり合うものだとしても
その一つひとつは
「1つの湖」の中に「全て」が詰まってる
その一つひとつは
間違いなく存在している
それはきっととても大変な作業だと思う
「1つの湖」に混ざったものを
全て改めて
ひとつずつ容器に分けるようなもの
誰に言われた訳でもなく
ただとにかく「自分らしさ」を見つけ
「自分らしく」生きたいがために―――
――――――あなたは
きっとそんな作業を
たった一人でこなし、
ここまで生きてきたのでしょうね
〜星の図書館〜
ではどうぞ(パチンッ)
ふむふむちょっと面白いですね
アクエリアスが好きというのは
ここにはまだあまり居ませんので
他にもどんなものが好きな人が増えるのかと
楽しみがひとつ増えました
ふむ、
まずはここまでの人生(たび)、
お互いお疲れ様です
あなたはどうやら、
この本に無意識に引き寄せられて
ここまで来たようですね
先程 説明したように
ここは夢の世界
おそらく現実のあなたは
ぐっすり眠っていることでしょう
……安眠かどうかは分かりませんが
さて、
「探し物」は見つかりましたか?
―――そうですか、
それは、なかなか大変ですね
――――――?
自分らしさとはなにか?ですか?
これはこれは……
まさに個人的な回答を求められる
たった一つの疑問に
無限の答えがある
そうですねぇ〜
私の答えは……ひとつ
新しい答えができました
それで良ければお答えしましょう
私にとっての「自分らしさ」は
―――それを今 作ってるところ です
っふふ
ええ、私もまだ
未完成すぎるぐらい未完成なんですよ
好きな物も苦手なもの変わる
行きたい場所や大切なものま変わる
自分の慰め方なんかも特別決まってない
私はまだ特に決まってないものが多いんです
もっと時間をかけて
ついつい選んでしまうものや
どうしてもこだわりたいものというのを
今探しているんです
なので私は
「自分らしさを作ってるところ」
という答えを提出しましょう
―――あなたの、
「探し物」を探すヒントになりましたか?
……そうですね、
まだあなたとは出会ったばかりですが
もしかしたら……
その捜し物は、
実はまだ存在してないのかもしれませんね
無いものは探せませんからね
でももし新たに作り出すことができた時
あなたの「探し物」は
意外な形……いや、嬉しい形で
見つかっていくかもしれませんね
――――――っふふ
少しあなたの表情が和らいだのが
私にとってとても嬉しいものです
さてさて、
時間はまだありますが
私はこの辺で自分の持ち場に戻りますね
あなたも時間の許す限り
この星の図書館を
ご自由に利用なさってくださいな
っとと、
忘れるところでした
説明をするだけで渡してませんでしたね
どうぞ、『星の栞』です
また気になることがありましたら
ぜひこちらに来てください
欲しい答えはないかもですが
心の整理やひとつのヒントぐらいなら
お手伝いができるかもしれませんので
では、
気をつけて帰ってくださいね
また来てくれるのを
――――――私は待ってますね
〜シロツメ ナナシ〜
海に来れば
海の向こうに恋人がいるように
みな海をみている
君に 会いたくて
ずっと 歩いてきたんだ
逃げたくなった こともあるし
やめたくなった こともあるよ
やっと ここまで来たんだよ
もうすぐ 君に逢える
未来の 君(僕)に
年賀状をやめてしまったら
友達と疎遠になってしまった
本当は繋がっていたい人もいたのに
でも、本当に会えなくなる前に
連絡をとりたいなぁ
君には会うために、また同じ道を歩いてる。君の影が見えた、僕はそっと物陰に隠れる。君は僕に気付かない振りをして通り過ぎた。君は友達に大きく手を振って駆け寄ると、後ろを振り返り、僕を哀しそうな目で見た。
前々回掲載分から3ヶ月くらい経過した頃の、世界線管理局、特殊即応部門のオフィスです。
まだまだ昔々、十何年、何十年前のおはなし。
滅びかけた自分の世界を救ってもらう見返りに、1匹のドラゴンが特殊即応部門に身を売りまして、
最近ようやく、人間に変身する魔法を、完璧に使いこなせるようになりました。
これにギャン泣きしたのが管理局の子どもたち。
「ドラゴンさん、いなくなっちゃった」
「あたしたちのドラゴン、かえせぇ!」
「ドラちゃん、ドラちゃん!どこぉー!!」
そりゃそうです。せっかくのカッコよくて、大きくて、背中に乗せて遊んでくれるドラゴンが、
突然、居なくなってしまったのです。
ドラゴン、ドラゴン!
君に会いたくて、オフィスに来たのに!
君に会いたくて、お花も取ってきたのに!
子供たちは大きな声で、ギャンギャン!
ドラゴンの代わりに現れたのが、強そうで怖そうで見覚えのない男の人。
そうです。人間形態のドラゴンです。
ドラゴンはこのたび、「ツバメ」というビジネスネームを貸与されました。
で、この3ヶ月の間に、ドラゴンもとい「ツバメ」が才能を発揮したものがありました。
作戦の立案と、リーダーシップ。それから戦闘です。
さすが悠久を生きるドラゴン。
ただ時折、つまり誰かの危険と作戦の成功を天秤にかけるような状況になると、
ツバメ、考えることがドチャクソ極端になりました。
たとえば、戦闘に慣れてない局員10人が、大量の兵器で武装した多様性機構の職員に捕まったそうです。
「俺が敵を全員潰せば良いんじゃないか?」
たとえば、機構とは別の過激な多様性信者の団体が、たくさんの武器を持って管理局のエントランスになだれ込んできたそうです。
「再度襲撃されても困る。今のうちに連中を根絶すれば良いんじゃないか?」
極端、極端。最短距離。
チカラのあるツバメは、
チカラを持っているがゆえに、
結果として自分が怪我しようと、瀕死になろうと、
自分1匹で全部片付くことを知っておるのでした。
「ツバメ。根を詰め過ぎるな」
当時の部長、当時のルリビタキは、
ツバメの性質をよく理解していました。
「お前が根を詰め過ぎると、だいたい、極端な思考と作戦立案に偏っていく。
任務に最速を求めるな。最善を求めるんだ」
ほら、お食べ。
ルリビタキがツバメに渡したマグカップには、唐辛子をきかせた赤味噌の味噌汁が入っていました。
「息抜きを覚えろ。ツバメ」
ちゃぴ、ちゃぴ。
ツバメがマグカップに口をつけると、
ピリッ!! とした刺激が、ガチャガチャしたツバメの心を打ち据えました。
「ん、んん??」
ツバメの本能がこれを摂取すべきだと命じました。
「これは、なんだ」
本能に従ったツバメは、このピリッとする飲み物を、すぐ飲み干してしまいました。
飲み物が舌に触れると、
刺激で、心がリセットされます。
飲み物が胃袋におさまると、
味覚で、心の曇りが晴れます。
「味噌汁だ」
ルリビタキが、その飲み物の名前を言いました。
「ミソシル。みそしる」
ツバメは、みそしるの四文字を、すぐ覚えました。
「その、みそしる、もう1杯くれないか」
こうしてツバメは「唐辛子」を覚えたのでした……
…——で、
そんなこんなの味噌汁エピソードから時が流れて、
ツバメに昇給のときが来ました。
「そろそろウチの部署にも、
副部長、置こうと思ったんだ」
ほら、お前の新しい名刺と辞令だよ。
にっこり笑うルリビタキ部長が、ツバメにとつぜん、A4の紙っぺらを渡します。
そこには今日の日付と、「辞令」の2文字と、
「上のものを本日付けで副部長に任命する」の文言。
上のものとは、ツバメです。
ツバメ、主任をさし置いて、一気に副部長に昇格してしまったようです。
なおツバメ、ぶっちゃけドラゴンなので、シモジモの者たちの役職だの昇給には興味がありません。
とはいえルリビタキは、ツバメの世界を救ってくれた恩人ですので、
ルリビタキが「やれ」と言うなら、ツバメ、主任でも副部長でも、一日署長でもやるのです。
「大丈夫か?主任から、不満は出ないのか?」
「ちゃんと相談したさ。今の主任は、ハシボソガラスってやつがやってるんだが、『査問官としての仕事の方が忙しいから、勝手にやっといて〜』だとさ」
「ハシボソガラス?」
「最近入ってきて、尋問のスキル一本で、主任のビジネスネーム、『カラス』を継いだ若い男だ。
スゴいんだぞ、表情見ただけ、仕草を見ただけで、僕の隠し冷蔵庫の場所がバレるんだ」
「かくしれいぞうこ」
「あっ」
ともかく!これからもヨロシク、ツバメ副部長。
握手を求めるルリビタキでしたが、
ツバメはツバメで、「隠し冷蔵庫」の単語が気になり、ジト目でルリビタキを見ておりました。
先代ルリビタキと先代ツバメのおはなしも、あと2〜4回ほどで完結。
「あの夜」、「特別な夜」のハナシは、
すぐ近くに、迫っておったのでした。
—不良の改心—
「連絡先、交換してくれないか」
俺は、一目惚れした。
単車で友人の高校に乗り込んだ時に、近くを歩いていた女子高生に心を奪われた。
すぐそばにある、お嬢様学校の生徒らしい。
「あなたみたいに、バイク乗り回して遊び呆けているようなバカとは、一緒にいたくもないわ」
長い黒髪をなびかせ、そのまま歩いていってしまった。何かひどいことを言われたような気がするが、全く気にならない。
それくらい、既に惚れていた。
「リク、俺、勉強する」
「アニキ、本気っすか?」
後ろに乗っている陸は怪訝な表情を見せた。
「走り屋やめて、頭良くなれば、あの子は一緒にいてくれると言ったんだ」
「そんなことは言ってないと思うっす……」
「今まで世話になったな」
その夜、これから勉強を頑張り、大学に行きたいということを両親に相談した。
「やっと気づいてくれたか……!」
「お金はいくらでも出すから、勉強、頑張りなさい!」
父は何度も頷き、母は赤飯の話をし始めた。
今まで両親の気持ちを考えていなかったせいで、初めてそれを知ることができた。
とりあえず、押し入れにあった小学校の教科書を引っ張り出した。
「頭良くなってやる。待ってろよ」
昼間に会った、名前も知らないあの女子を頭に浮かべる。
『目指せ、東大!』と書かれた鉢巻を頭に巻き、机に向かった。
お題:君に会いたくて
いつもとは違う道を通る
いつもより遠回りで、
いつもより急な坂で、
いつもより車が多い
君の家を横目で見つつ通り過ぎて
君に会いたくて
「うむ、即興でやると思うようにまとまらんな、まぁ、面白い展開が見れれば御の字か」
事の始まりは2ヶ月前、部下の抜き打ちでもしようかと、露店の近くのカフェで暇を潰していると、
露店の前で1時間ぐらいウロウロとしている女が居て、面白そうで声を掛けると、最近好きになった人に御礼としてプレゼントを買いたいけど、どんなものが良いのか迷っているとのことだった。
それならば、部下を貸して面白いのが見れたらと思いオススメの店を紹介した。後日、そのお嬢さんを任せた部下に話を聞くと、どうやら先輩部下の彼女だったらしく、素行調査のダブりと私に接触したことにより別派閥がお嬢さんを私の彼女と勘違いしてストーカーしているという、面白展開になっていた。
大当たりだ。部下の色恋沙汰ほど面白いものはない、彼の忠実心や器の大きさ、行動力の見れるのはいい機会だと部下たちに色々やらせていると、とある部下が場所を貸して欲しいと志願してきた。上がる口角を手で隠しながら承諾して、新人の部下にごみ袋とお嬢さんが発注していたプレゼントを持たせて、朝方に工場に向かうように指示した。
どんな結果になろうとも、お嬢さんに感謝だ。できるなら、もう一度君に会いたくてしかたないよ、私の部下を狂わせたお嬢さん…
君に会いたくて(1/20)
いつもの通りの朝。
朝食を食べて、支度をして、満員電車へと乗り込むはずだった。だけど、駅で乗ったのはいつもと反対方向の電車。
きっとそれは君に会いたくて。
たどり着いた先に君がいるかは分からないけど。
でも、まぁ、いてくれたら良いよね、と自分に言い聞かせた。
タイトル:君に会いたくて
君のLINEのなまえは
本名の漢字3文字
「よろしく!」「ありがとう!」「おやすみ」
小さな吹き出しをくれる君は
文字より通話なの
通話より「いまどこ?」なの
あたしがプレゼントした
へんなうさぎのスタンプしか使わないの
あたしはフリック入力で送る
「会いたいなあ」
秒で送信取り消しする
君の「どうしたの」待ち!
どれだけLINEしようと通話しようと一緒にいようと
ぜんぜんぜんぜんもっともっともっと会いたいよ
君に会いたくて
今日、LINE見るためにお皿洗い4回中断した
君に会いたくて、1人部屋に閉じこもります。
インターネットで?いいえ。違います。
死んでいった歴史の人物へ。
書物を通じて触れ合うのです。
だけど、僕は気づかない。知らない。
本にはならない事。秘密の手紙。
彼を含めた大きなものが僕を除いて、刻んだものを。
「君に会いたくて」
名前を呼んでみる。
連絡してみる。
メール?チャット?電話?
色んな方法が溢れていて、悩ましい。
そもそも、いつの話なのさ。
今日?明日?明後日?都合が着く最短日?
今すぐって、結構難しいし、困らせちゃうかも。
《君に会いたいんだ。》
その一言が、とても近くて遠い。
【君に会いたくて】
「会いたい」と素直に言えたあの頃は口実なんて必要無かった
#君に会いたくて
会いたいけど、今は会えない。なぜ?
情けない、生活をしてるから会えない、ごめんね