—不良の改心—
「連絡先、交換してくれないか」
俺は、一目惚れした。
単車で友人の高校に乗り込んだ時に、近くを歩いていた女子高生に心を奪われた。
すぐそばにある、お嬢様学校の生徒らしい。
「あなたみたいに、バイク乗り回して遊び呆けているようなバカとは、一緒にいたくもないわ」
長い黒髪をなびかせ、そのまま歩いていってしまった。何かひどいことを言われたような気がするが、全く気にならない。
それくらい、既に惚れていた。
「リク、俺、勉強する」
「アニキ、本気っすか?」
後ろに乗っている陸は怪訝な表情を見せた。
「走り屋やめて、頭良くなれば、あの子は一緒にいてくれると言ったんだ」
「そんなことは言ってないと思うっす……」
「今まで世話になったな」
その夜、これから勉強を頑張り、大学に行きたいということを両親に相談した。
「やっと気づいてくれたか……!」
「お金はいくらでも出すから、勉強、頑張りなさい!」
父は何度も頷き、母は赤飯の話をし始めた。
今まで両親の気持ちを考えていなかったせいで、初めてそれを知ることができた。
とりあえず、押し入れにあった小学校の教科書を引っ張り出した。
「頭良くなってやる。待ってろよ」
昼間に会った、名前も知らないあの女子を頭に浮かべる。
『目指せ、東大!』と書かれた鉢巻を頭に巻き、机に向かった。
お題:君に会いたくて
1/20/2026, 3:16:11 AM