かたつむり

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君に会いたくて


久しぶりの実家、変わらない空気。
といっても、三カ月に一回は帰るんだけど、やっぱり落ち着く。

「学校はちゃんと行けてる?」
「うん、」
「よかった、あなたマイペースだから」

しずかに笑う母に、自分もしずかに笑って返した

久しぶりに食べた母の手料理。変わらないなぁ。けど、ちょっと今日は豪華な気がする。

「そうだ、おじいちゃんから野菜が届いたのよ」
「じいちゃん家、この間行ったばかりだよ」
「じゃあお向かいさん家に持っていってちょうだい」
「⋯自分で行けばいいじゃん。おばさんと仲良しでしょ」
「いいから、お母さんは忙しいのよ」

はぁとため息を吐く。野菜でいっぱいの段ボールを持って玄関を出た。
斜め向かいの家のインターホンを肩で押すと、聞き慣れたいつもの声が聞こえる。

「わ、どうしたの」
「母さんが、野菜届けろってさ」
「この間、お祖父様の家に行ったばかりなのに、またすごい量だね」
「入ってもいい?」
「いいよ、あ、野菜は玄関に置いておいて!」
「うん」

段ボールを、広い玄関の一角に置いた。
リビングのソファに腰をかける。

「今母さん、父さんと買い物中なんだ!これ、父さんがお土産でくれたお菓子!一緒に食べよ!」

丁寧にお皿にお菓子を並べて食べる君の姿を見てふと気づく。

ああ、もう君に会いたくてしょうがないこと、母さんは気づいていたんだなぁ。

1/20/2026, 4:56:51 AM