『君と最後に会った日』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
君と最後に会った日のことを
私は1日たりとも忘れられずにいる
君が私の前に現れたことによって
私はじめて屈辱というものを味わった
君が現れるまで私はつねに1番だった
テストの点数でも足の速さでも
私に勝てる子なんて一人も居なかった
なのに君は私を易々と追い抜いていった
私のことなんて眼中にないみたいに
私じゃ君の背中を捉えることすらできなかった
私は自分がいかにちっぽけな存在であるのか思い知った
けれど君はある日突然居なくなった
周りに何も言わずに遠くへ引っ越してしまったらしい
まるで君なんてはなから存在しなかったかのように
私の非日常は終わりを迎えた
君はきっと私のことを覚えてないのだろう
それでも私は最後に会った君の姿をずっと
忘れることなんてできないのだろう
この胸に空いた穴は一生塞がらない
好きなあの人に想いを伝えられないまま別れを告げてドアを開けた。廊下を重い足取りで進む。
もう会えない、話すことは無い。そう実感たとたん
目から涙が溢れて止まらなくなった。
引き返したい気持ちを抑えながら脚を引きずるように動かした。
窓から取り込まれる外気が頬を撫でた。
ああ、「あなたの事がずっと好きでした」
思わずぽつりと漏らした。
その声は誰にも届かないまま風に乗っていった。
去年のクリスマスから、きみと顔を見合わせていない。
電話をしたりゲームをしたりと、決して連絡が途絶えているわけではないのだけれど、ぼくたちは離れたところに住んでいるのもあって、なかなか機会が無い。
一思いにご飯にでも誘ってみようかと思ったけれど、そんな勇気がぼくにあるわけもなく、ただただ時間が過ぎゆく。
恋仲であるわけでもないのに、ぼくときみは毎年クリスマスの日だけは必ず会っている。ぼくはケーキとプレゼントを持って、きみはあたたかいご飯を用意して。傍から見れば本当に恋人同士なのだけれど、きみはそういう風に冷やかされるとすごく嫌がる。
結局ぼくたちはただの友達で、クリスマスに一緒に遊んでいるだけなのだ。
そんな関係はぼくにとっては少し嫌でもあるけど、きみが楽しいなら、それでいい。
君と最後に会った日
ー 君と最後に会った日 ー
僕は 彼女と初めてあった日のことを まるで昨日のようにありありと思い出すことが出来る。
それは 暑い夏の日。
セミの鳴き声と どこからか聞こえる子供の声と 太陽の悲鳴と。
それに満ちた日であったことを 僕は脳の隅から隅まで しわ一つ一つまでに記憶している。
僕は 子供の声を浴びながら 公園のベンチに座っていた。
高校生だった僕は かつて自分も通った時代である 小学生 という姿にある種の憧れを抱いていた。
今どき 高校生が こんな時間に鬼ごっこをしていたら きっと頭を疑われてしまうだろう。
彼女はそんな時に現れた。
僕が そろそろ。と腰を上げようとした時だ。
「きみは 鬼ごっこが好きなの? それとも 小学生が好きなの?」
いつの間にか目の前に立っていた少女は僕に聞いた。
「変なレッテルを貼らないで欲しいな。ただ ぼーっとしていただけだよ。」
ふーん。とつまんなさそうな声を上げ 彼女は隣に座った。
「ねぇ。今ひま?暇ならわたしと遊ぼうよ。」
「暇じゃない。」
そっか。と落胆の声を上げ 彼女は席を立つ。
「多目的トイレ。そこを開いてみて。これはわたしの お願い。」
もちろん。そのまま帰ってもいいよ。
僕は 変な少女の言葉を無視し その場を離れた。
ふと。何となく ただ 本当になんとなく。
後ろをふりかえった。
先程までいた彼女の姿はもうなく そこには子供の声のみが響いていた。
僕はどことなく溢れる違和感を胸に 家に帰った。
夕食時 テレビをつける。
ニュースです。と喋るニュースキャスターと その隣の少女の写真。
僕は 違和感の正体と 彼女の願いの意味を理解した。
あんな暑い日に 目の前に立たれたら 影で分かるものだ。
君と最後に会った日の記憶はいまでも克明に思い出せる。
60年前と比べた街の風景はかすかな面影だけ残して、ほとんど変わってしまった。
高架下で絞めた首の感触は今でもぬるい。
全て壊れてしまいそうなんだ。この世界も、心も存在も。この世界には僕ときみの2人だけなんだ。
僕のことを知っているのはきみだけだった。僕に戸籍はなかった。だから、きみが僕を知っている事だけが僕がこの世に存在した証拠だった。でもきみはいなくなった。
つまり僕は死んだ。この世に存在しないのだから。生きているのに存在しない。不思議だけどそれが今の僕。
きみはどこに行ってしまったんだろう。最後に会ったのはいつだったかな。どれだけ時間が経ってしまったんだろう。僕が覚えているのは、きみの誕生日と、名前だけ。
名前を呼んだら、きてくれるかな。でも、存在しないのにどうやって会いに来てくれるんだろう。もう会えないのなら、僕がきみを探しに旅に出るよ
『別』
君と最後に会ったのは、爽やかに風が吹く涼しい夏だった。
笑顔が素敵で、いつも頑張っている君はとても眩しかった。
君は今、どこで何をしているんだろう。
笑ってるかな。ちゃんと食べてるのかな。
そもそも生きてるのかな。
連絡先も分からない。
もう会うこともないだろうその人は、
私だけが、大切な人だった。
お題:《君と最後に会った日》
#君と最後に会った日
最後の言葉は
「さよなら」じゃなくて「またね」
帰り道を歩きながら考えた…。
きっともう、会うことは無いんだろうな。
学生服を着てたあの頃にも戻れない。
容疑者■■とその友人青木の会話記録
2027年 6月26日 居酒屋らいだーにて
■■「元気?」
青木「…へっ、お前■■?!うわ久しぶりだなー!中学以来…だから6年ぶりとか?まじで懐かしー」
■■「はは、はしゃぎ過ぎでしょ。ていうかさ、俺お前にずっと聞きたいことあったんだよ」
青木「なんだよいきなり。あっ…もしかして、校長カツラ事件お前が犯人だったとか…」
■■「最近、強姦事件があったの、知ってる?」
青木「……なにそれ。知らないけど。ここら辺そんな物騒なの?いやー怖いねー」
■■「被害者の子の名前、■■唯っていうんだよ」
青木「……お前と同じ苗字だな。偶然すぎw」
■■「俺の妹だ」
青木「……」
■■「なあ青木。俺、分かってるんだよ」
青木「分かってるって何が」
■■「お前が首謀者なんだろ?大学の後輩使って襲わせて、お前はただ眺めて楽しむ」
青木「何言ってんだよ!俺がそんなことしたとか……。言い掛かりにも程がある!し、証拠とかあんのかよ。無いだろ?」
■■「……しらばっくれるんだな」
青木「しらばっくれるもなにも!俺はやってないって!」
■■「まあまあ落ち着けって!確かに証拠なんてない。ただの俺の推測だ」
青木「なんなんだよさっきから。人を犯人扱いしにきたのかよ?!気分わりぃ。帰る」
■■「でも、証拠なんていらないんだよ。そんな遠回しにじゃなくて、俺は、俺の思うようにやる」
青木「何言って」
(何か刺すような音)
■■「うわこいつ酔ってんなぁ……。仕方ないか。女将さーん、こいつの分も一緒に勘定お願いしていい?」
その後、店内を出た二人は以降目撃情報なし。
監視カメラの映像にも映っておらず、いまだ捜索が続けられている。
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『報告書404』
『君と最後に会った日』
繊細な硝子細工が音も立てず割れた
ずっとずっと、ありがとう。
明日から僕は一人きり
これで本当の一人きり
一人きり
君と最後に会った日
高校の授業が終わると、さっさと教室を出て、自転車に乗って学校をあとに。そして母校の中学校に向かい、オンボロ図書館に通った…勿論、先生達には、いい顔をされない…でも、唯一の居場所だったから…そして、2つ下の後輩が気になっていたから…でも、些細な行き違いで、もう、言葉を交わすことも無く…それでも、ただ君の姿を見るだけで満足だったから…だけど、ある日から君を見かけなくなって、それから、二度と会えなくて…
-君と最後にあった日-
いつも通りの道
いつも通りの会話
いつも通りの時間
いつも通りの人
いつも通りの場所
いつも通りに過ごしていただけなのに
最後に見た君の背中は遠くへと行くような背中で
誰ひとりにも告げずに去っていった君は____。
#46「君と最後に会った日」
君はもう瞼も固定しないと開けられず
体は枝のようにやせ細ってた
俺の姿を見た時
動かない筋肉を頑張って動かして笑ってた
その顔を見た日が最後になるとは思ってなかった
元気になってまた、遊べると思ってた
もうすぐ一周忌だね…
君にはもっともっと生きていて欲しかった
死ぬにはあまりにも早すぎだ…
昨日は誕生日だったんです
皆さん慰めにお祝いしてくれませんか
1番お祝いしてほしかった人にはとうとう一言も何も言われずに終わってしまいました
最後に会ったのが本当に最後になるなんて思ってなかったな
その日は、快晴だった。ただ、その分湿気も凄くて。夏真っ盛りって感じだった。
電車に乗った時にあいつはいた。夢かと思って頬を抓るが、どうやら現実らしい。
どうも気まずくて、俺はそそくさと電車を降りた。くっそ、運賃が無駄になった。
イライラしながら家に帰ると、少し冷静になれた。
さすがに、あの態度は良くなかったな。うん。
そう思っていたら、ピンポーンとチャイムが鳴った。何の警戒もせず開けると、そこにはあいつがいた。息切れしてる様子から察するにあいつは走ってきたらしい。興奮を隠しきれないようで勢いのままに、あいつは言った。
「俺死んじゃったみたい!」
「は?」
何を言っているんだこいつは。
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冗談だと思った。だけど、真実だった。あいつの体は少し透けていたし、触れられない。でも、意志疎通は出来るし無機物なら触れる事が出来るという奇妙な状況だった。
「で、何で来た。」
「宙に浮いてたらお前がいたから。」
なんともバカらしい理由だ。普通はパニックになりそうなものだが。どうやら、あいつの能天気さは変わっていないらしい。
題:君と最後に会った日
[君と最後にあった日]
君と最後にあった日はいつだったかなー、、、
そうそう、確か今だ。
双子はいつも一緒にいるもんね!
世界が平和である限り最後なんて来るはずがない。
お題「君と最後に会った日」
親戚の顔合わせだったかな
まだまだ幼い顔の君は
不安の色を隠さずもせず
母親の傍を離れなかった
大人ばかりの中できっと
所在無い気持ちだったのだろう
「来年中学生になるのよ」
叔母からの電話で思わぬ近況を知った
人の子の成長はなぜこうにも早いのか
あの最後の日から私は
何ひとつ変わっていないのに
いつかまた会う日が来た時
大人ばかりの中でもきっと
不安の翳りもなく堂々と
そこに立っているんだろうな
「君と最後に会った日」
みんなと飲みに行って、駅まで送ってもらって
何気ない話をした
他愛もない、よくある話
今でもずっと覚えてる
もう、何年も前のことなのに
「当たり前の話だが、お題の後ろに言葉を少し足せば、『最後に会った日』の当日、以外の日も書けるな。最後に会った日『の、前日』とか。最後に会った日『から数日後』とか」
あとはなんだ、後ろじゃなく前に言葉を付けて、「学校卒業前の君」と、最後に会った日とか?
某所在住物書きはスマホの通知画面を凝視して、ガリガリ頭をかきながらため息を吐いた。固い頭と、かたより過ぎた知識の引き出しのせいで、ともかくエモい題目が不得意なのである。
物書きの所持するセンサーでは、今回のお題はその「エモい題目」に少々抵触していた。
「まぁエモを狙い過ぎて、『最期』に会った日とか、最後に『逢った』日とかの漢字セレクトになってないだけ、比較的書きやすいっちゃ書きやすい……?」
なワケねぇよな、そうだよな。物書きは再度ため息を、深く、長く吐く。
――――――
雪国の田舎出身っていう職場の先輩が、珍しく、スマホの画面見て笑ってた。
あんまり穏やかに笑ってるから、何だろうって後ろからニョキリ覗き見たら、真っ暗な中に白い点が4、5個表示されてる程度。
「実家の母が送ってきた画像だ」
先輩が私のチラ見に気付いて、説明してくれた。
「今年の、私の故郷のホタルだとさ。ギリギリ白い点がホタルだとは分かるが、何が何だかサッパリだ」
それが、妙におかしくてな。先輩はまた笑って、少し照れくさそうに、スマホをポケットに戻した。
「先輩の故郷、今頃ホタル飛ぶんだ」
「らしいな。いつの間に復活したやら」
「『復活』?」
「よくあることだと思うぞ。農薬の影響や河川の汚れ等で、昔いた筈のホタルが消える。いい具合の自然が残る片田舎なのに、そういう経緯でホタルがいない」
「先輩の田舎も、そうだったの?」
「虫は詳しくないから、何とも、断言できない。ただ、そうだな、コイツと最後に会ったのは、ガキもガキの、年齢一桁の頃だったか」
「ふーん」
見たいな。もう一度。
遠くを見ながら、寂しそうに呟く先輩。
きっとその、「最後に会った日」のことを、覚えてるんだと思う。それを思い出してるんだと思う。
私も先輩の故郷のことは知らないけど、その風景はきっと、日が沈んで月が子供の先輩を照らしてて、
河原か、田んぼか知らないけど、水の音流れる中、たくさんの小さな小さなホタルが飛び交う光景なんだと思う。多分そうだと思う。
「行こうよ」
突発的に、私がポツリ提案すると、先輩は私の方を見て、ハテナマークを頭に浮かべながら頭を傾けた。
「今年は、もう無理かもしれないけど、東京でだってホタルは見れるよ。一緒に見ようよ。ホタル」
来年でも。上手く行けば、今年の滑り込みセーフ狙いでも。付け加えて言う私に、先輩の角度は更に傾いたけど、最終的に酷く寂しそうな、心のどこかが痛いのを一生懸命隠してるような笑顔をして、
「遠慮させて頂く。……蚊に刺されたくない」
何か含みのありそうな理由で、首を小さく、優しく、横に振った。
「大丈夫だよ。ムヒー塗ったら治るよ」
「それでも、かゆいものはかゆいだろう」
「ウーナ派?」
「そういう話ではない、と思うが?」
「最近じゃ『かゆみ止めペン』なんて有るらしいよ」
「待てなんだそれ。知らないぞ」
「恋人がなくなったんだ」
目の前の男性が私にそう告げた。
見慣れない場所で初対面の人にそんな重たい話をされた困惑から何を話したのかさえ覚えていない
ここは病院らしい。私は数ヶ月前事故に遭って、一部の記憶を失ってしまったと聞いた。
人が記憶喪失になって無くす記憶は大体嫌な過去ではなく、寧ろ幸せな思い出らしい。
「早く気付いてよ、」
彼の口から発せられたそんな言葉は、周りの雑音にかき消されてしまって、私の鼓膜に届く事は無かった。
うっすらと脳裏に浮かんだ記憶の中のあの人に、目の前の貴方を重ねることが出来なかった。
"君と最後に会った日"
それは知らず知らずのうちに塗り変わっているのに。