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好きなあの人に想いを伝えられないまま別れを告げてドアを開けた。廊下を重い足取りで進む。
もう会えない、話すことは無い。そう実感たとたん
目から涙が溢れて止まらなくなった。
引き返したい気持ちを抑えながら脚を引きずるように動かした。
窓から取り込まれる外気が頬を撫でた。
ああ、「あなたの事がずっと好きでした」
思わずぽつりと漏らした。
その声は誰にも届かないまま風に乗っていった。

6/26/2023, 3:39:21 PM