『向かい合わせ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
僕は今恋をしている。
海に行った。
僕は悲しかった。
あの子が、好きだ。いつも明るい。
寂しい。あの子が暗そうにしているから。、
海は冷たかった。あの頃のように船が、見える。僕はその中で生きていることが虚しかった。僕は冷たかったことに気づいた。
足早に向かった。山だった。僕は詫びしい。手が届かない。ことより、てがないとうぞふくことがなんて馬鹿なんだろうと、思った。
僕は山と、海の間にいます。今、
眼に見惚れて話がしたい…
誰にも渡したくない…
誰にも譲れない…
キミと向き合いたくて
ふたりになりたくて
ミーチャン……
檸檬の彼女
一目惚れだ。僕は彼女について、檸檬モチーフのピアスをしていること、梶井基次郎の本が好きなことしか知らない。いや、梶井基次郎が好きなのかはただの憶測だ。彼女とは毎日出勤のために使ってる電車で見かける程度の関係だ。電車内はスマホに目を落としている人がほとんどだというのに彼女はいつも本を読んでいた。時々彼女と向かい合わせになるとき、本の背表紙を覗くのだが、決まって梶井基次郎の本だった。僕は全然本を読まないタイプの人間だったが彼女との共通点を作りたいがために最寄り駅の近くの図書館に向かった。
放課後、図書室。
見上げる私、わざとらしく目を逸らす君。
細長いまつ毛、消えてしまいそうなほどに透明な肌。
肺に溜まる、甘い柔軟剤の匂い。
重なる視線、近づく息。
柔い唇、秘密の味。
互いに盲目な、向かい合わせの初恋。
向かい合わせ
〈苦恋〉
「芽衣、待ってよ!」
「あっ、ごめん、ごめんねっ?」
「……そんな顔されたら許すしかないじゃん。 でもそれは芽衣の悪いくせ。だからもうやめてね?」
「うん、うんっ!」
私は首を縦にふった。
あ、紹介を忘れてたね。私、松田 芽衣。それで私と一緒に話していた子が降奈(ふるな) 珠李(しゅい)っていうんだけど、私の幼なじみでクラスの学級委員長。少しクールに見えるけど凄く頼れるし優しいんだ!それで…
「芽衣!何しているの?遅れちゃうよぉ!」
えー、そっかぁ うん…ところで
「何に遅れるの?」
「エッ?知らなかったの?」
珠李があきれた声をだした。
「うん…?そうだけど…」
「数学の授業が始まちゃうよ!」
「あっ、そうだった! 忘れてた…。」
私は、ハッとする。
「まあ、とにかく急ごう。ここは2階だから4階に行かなきゃ!」
「あっ、珠李っ… ちょっと待ってよぉ!」
珠李は足が速いから追いつけない…っ っていうか廊下を走っちゃ駄目でしょ!
廊下の角を曲がろうとしたときに、私は慌てて止まった。それは先生がいたからだ。
「松田さん!廊下を走っちゃ駄目ですよ。」
「すいませんでした…。」
怒られちゃった…。
珠李は、怒られなかったかな?
私は、数学専用教室に入った。すると先生をふくめる22人が私のほうを向いた。
(うう…。私、目立つの嫌なんだよぉ…。)
「松田さん早く席に座ってくださいよ。あなたのせいで皆待っていたんだからね?」
「はい…。すいませんでした…。」
珠李がクスクス笑ってるっ……。ひどいっ!自分だって走ってたりしてたくせにっ。
プラスチックの板を挟んで向かい合わせ。向こう側の君は申し訳なさそうに下を向いたまま。
時間がないから適当に話そう。本当はこんなこと望んでなかったのにと思いながら。
君は大きな罪を侵して、壁の向こうへ消えていった。今はこうしてしか話せない。
君の罪を許せはしないけど、僕は君にとってただ一つの拠り所だから逃げないで向かい合う。
今この時間と同じように。
40.『向かい合わせ』
【向かい合わせ】
席替えなんて、学生にとっては一大イベント。それもクラスに好きな人がいるなら尚更。
席を移動する先には、好きな人がいた。
「よろしく」
前の席は、好きな人よりも後ろだったから、黒板よりも後ろ姿を眺めてた。席が隣になると、近すぎて、見れない。ドキドキする。心臓の音が聞こえてしまうんじゃないかと思うくらいに。
席替えが終わり、授業が始まる。グループ学習をするらしい。隣の机と向かい合わせになる。前を見ると、好きな人の顔が見える。つい数分前まで、後ろ姿しか見えなかったのに。
好きな人の顔が見えるということは、私の顔も相手に見える。そんな当たり前の事実に更にドキドキ。
どうか赤くなった顔があなたに気づかれませんように。
【向かい合わせ】
ホームに着いたら、ちょうど電車が来ていた。
それを無視してベンチに座り、次の電車を待つ。
アナウンスが流れて電車が出発すると遮蔽物がなくなる。
僕の目的は次の電車ではなく、正面にある駅のホーム。
電車なんて、二本後でも三本後でも学校に間に合う。
わざわざ余裕を持って家を出たのは不安からではない。
反対周りのホームには、制服のスカートをなびかせる人。
僕の心も視線も奪う、カッコいい女の子。
彼女を初めて見たのは、ひどく慌ただしい朝だった。
目が覚めて壁時計を見たら、針が示すのは十一時。
遅刻だと思い焦り、必死に走って駅に着く。
時刻表を確認しようとスマホを見ると、まだ六時。
なんだ、と気が抜けてベンチに腰を下ろす。
きっと壁時計は電池切れで昨日の夜に止まったのだろう。
深呼吸して息を整えつつ前を見ると、そこに彼女がいた。
凛と立つ姿に、僕は一瞬で惹きつけられたのだった。
部活終わり。そんな彼女がなぜか対面に座っている。
途中で乗ってきたときは目の錯覚かと疑った。
眠そうにあくびを噛み、時おり目を擦りながら本を読む。
意外な一面を知って、なんだか可愛らしく見える。
まさか同じ電車を利用するとは夢にも思わなかった。
だって、彼女のいたホームは反対周りだから。
環状線ではないので乗る区間が重なることもない。
遠くに見るだけだった彼女は、目の前で眠ってしまった。
もうすぐ最寄り駅に着くけど、彼女は起きない。
周りに人が少ないとはいえ、声をかけるのはどうだろう。
でも困るかもしれないと思い、覚悟を決めて起こす。
おもむろに目を開けた彼女は、わずかに頬を赤らめた。
向かい合わせでお互いの顔を見つめるより、
肩を並べて同じ方向を見て過ごしたい。
一番近くに居る貴方と同じ景色を見ている。
同じことを感じている。
ただそれだけで、幸せ
隣には 浴衣の君と 花火の輪 向かい合わせから卒業の日
向かい合わせで文を作るのは難しい
でも、人と向かい合わせるとも言わないかな?
向かい合わせ
私は死の顔を知っている。
常に死と向かい合わせだからだ、と言えば貴方は笑うだろうか。
私は何も無い空間でただ、目の前にいる死の顔をずぅっと見ているのだ。
死の顔を見たことはあるだろうか。
私はある。いや、厳密には無いのだが、何となくこういうものだ、という確かな考えがあるのだ。
死の顔、というのは人によっては違うものだと思う。そして、その顔というのは、自分の居なくなった大切な人だったり、ペットだったり、そして嫌な事柄だったりと様々なのだが、その全てに一貫して言えるのが、見える顔は全て『美しい』という事だ。
簡単には、手に入れられない美しさがそこにはあるのだ。
ただただこちらを見つめる眼に、そっと手を伸ばしてしまうような、気付いたら崖の1歩手前なんてことは日常茶飯事なのだ。
美しい、楽しそう、とかそういう感情っていうのは、人を引き寄せるのはとても簡単で。
私はその死の顔を常に、見つめていた。
私の見た死の顔は、貴方だった。
とても美しくそして、最期の時と何ら変わらない眼をした貴方だった。
私は、何度も貴方に手を伸ばそうとしたけれど、毎回思い直し貴方と向かい合わせに立つ。
私が貴方と行ってしまえば、もう二度とこの美しさは見られないのだから。だから、私は今日も時々変わるけれど、美しい死の顔を見つめながら息をする。
───────
死というのは、簡単に見えて簡単では無い。禁断の果実のような存在。手を伸ばしても、掴めない。そして、美しいな、と私は思います。
死は救いであり、後悔でもあるんじゃないですかね。分からないですけど。私は死ぬのは怖くないです。死ぬ時は結局決まってる事だろうし、貴方の美しい顔が笑みを浮かべるから。だからこそ、その光景をずっと見ていたいのです。
君の視界を独り占めしたくて、向かい側から姿勢を低くして、そっと君に近寄った。 というか、にじり寄った。
『にゃん(イヤン)』
君は拒否して僕の前から去っていき、相方に熱い視線を送りながら
『にゃ~ん(カマッテ)』
と子猫の頃の愛らしい声で鳴いた。
_| ̄|○
全僕が泣いた。
帰ったばかりでまだ冷房の効いてない部屋、暑い。
君の前に向かい合わせになるように座る。
たまらない熱気に襟元を緩める。
うつむき勝ちに首を横に振る君。
後頭部に手をやり、強引に動きを止めさせ
顎クイして真正面を向かせる。
顔をおもむろに近付け…
「あ゛~~~~~!」
やっぱり扇風機を前にすると、やらずにはいられない。
ひどい顔。
君はそう言って、私を抱きしめた。
頭を、背を撫でる、君の温かな手。
その労るような優しい手つきに、キツく閉じた目蓋の縁から溢れた涙が流れ落ちていく。
甘い花の香りのする君の首筋に顔を埋めて、君の背にそっと腕を回した。
テーマ「向かい合わせ」
【向かい合わせ】
話したいなぁって。
最初、向かい合わせに座ったのに、照れてこっち向いてくんないから、シャツの襟の、白い飾りステッチ数えてた。
次は、隣に座ったんだ。やっぱりこっち向いてくんなくて、でも綺麗なピンク色の耳たぶに、つい手を伸ばしちゃった。ごめん、びっくりしたよね。
教えて欲しいなぁ。好きなものとか嫌いなもの。何を見てるの?
こっち向いてくれないかなぁ。
向かい合わせ
人が好きなぶん人が怖い。私は弱くて臆病だから誰かと肩を並べて歩くより向かいあっていたい。進むのは1人でいい。
向かい合わせと聞くと、ありし日の給食風景を思い出す。コロナが猛威をふるって全員が前を向いて食べることが多くなってしまったためかあの光景は元の世界を象徴することになった。向かい合わせは強制されるような場面なら耐えられるが、そうでなければただただ恥ずかしい行為である。相手に自分のすべてを見透かされているような気がしてならない。前には私の主たる成分が浮き出ているようである。
向かい合わせに座ると前の人と目が合わないようにスマホをいじってしまう。
お昼のソーメン、食べ過ぎた。
我々モンスター姉弟の食事担当、
テイちゃん(兄)は、料理上手である。
よって、余り物代表格ソーメンは、その座をあっさり下ろされることになるのだ。
「ゴマナッツ汁…あれ、めっちゃ美味かったよ」
流しソーメンパーティを終えた広い畳部屋で、座布団を適当に拡げ、ゴロゴロしている、オレとテイちゃんと、テイちゃん(弟)の上でゴロゴロしている姉さん。
「また作ってね♡」
と言うと、テイちゃんは顔だけこっち向いて、笑顔で頷いてくれた♡
テイちゃんの上で仰向けになってる姉さんが、ゆっくりこちらを向いてきたので、こちらもゆっくり天井に顔を戻す。
そういえば…流し素麺機には、苺や葡萄、チョコボールも流れてたな…あれってウチだけかな?
「ねぇ……っ」
姉さんが直ぐにこちらを見てきたので、直ぐに天井を見る。
ん?…姉さん、うつ伏せになって、テイちゃんと向かい合わせだったぞ。見る。やっぱり。
良いなぁ…オレだって小さい時は、しょっちゅうああやってたけど~…うぅ~。
羨ましがるオレと勝ち誇る姉さん。
……あ~よく寝た…な…!?
「テイちゃんっ」
うつ伏せのオレ、仰向けのテイちゃん、向かい合わせ!ポンポン付き♡照れるオレ。
「姉さん…は?」
隣の部屋を指差すテイちゃん、そこから急にテレビの大音量が聴こえてきた、お気に入りのドロドロドラマの再放送がやっているらしい。
時計を確認。
幸せの時間は、あと32分♡