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〈苦恋〉

「芽衣、待ってよ!」

「あっ、ごめん、ごめんねっ?」

「……そんな顔されたら許すしかないじゃん。 でもそれは芽衣の悪いくせ。だからもうやめてね?」
「うん、うんっ!」
私は首を縦にふった。
あ、紹介を忘れてたね。私、松田 芽衣。それで私と一緒に話していた子が降奈(ふるな) 珠李(しゅい)っていうんだけど、私の幼なじみでクラスの学級委員長。少しクールに見えるけど凄く頼れるし優しいんだ!それで…
「芽衣!何しているの?遅れちゃうよぉ!」
えー、そっかぁ  うん…ところで
「何に遅れるの?」
「エッ?知らなかったの?」
珠李があきれた声をだした。
「うん…?そうだけど…」
「数学の授業が始まちゃうよ!」
「あっ、そうだった! 忘れてた…。」
私は、ハッとする。
「まあ、とにかく急ごう。ここは2階だから4階に行かなきゃ!」
「あっ、珠李っ… ちょっと待ってよぉ!」
珠李は足が速いから追いつけない…っ  っていうか廊下を走っちゃ駄目でしょ!
廊下の角を曲がろうとしたときに、私は慌てて止まった。それは先生がいたからだ。
「松田さん!廊下を走っちゃ駄目ですよ。」
「すいませんでした…。」
怒られちゃった…。
珠李は、怒られなかったかな?
私は、数学専用教室に入った。すると先生をふくめる22人が私のほうを向いた。
(うう…。私、目立つの嫌なんだよぉ…。) 
「松田さん早く席に座ってくださいよ。あなたのせいで皆待っていたんだからね?」
「はい…。すいませんでした…。」
珠李がクスクス笑ってるっ……。ひどいっ!自分だって走ってたりしてたくせにっ。

8/26/2023, 9:10:53 AM