宵街

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 プラスチックの板を挟んで向かい合わせ。向こう側の君は申し訳なさそうに下を向いたまま。
 時間がないから適当に話そう。本当はこんなこと望んでなかったのにと思いながら。

 君は大きな罪を侵して、壁の向こうへ消えていった。今はこうしてしか話せない。

 君の罪を許せはしないけど、僕は君にとってただ一つの拠り所だから逃げないで向かい合う。
 
 今この時間と同じように。


40.『向かい合わせ』

8/26/2023, 9:08:16 AM