『友だちの思い出』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
《友だちの思い出》
思えば僕は、親しい友人と言える相手がいない。
親と死に別れ家を守っている齢の離れた兄姉に疎まれていた僕は、教育も乳母から個人的に受けていた。
代々皇帝に仕える家系から自然と軍人になった為か気の置けない人物も周りにはおらず、後に非人道的な作戦への参加を拒否した僕を味方してくれる者など全くいなかった。
飛ばされた牧歌的な場所での生活は肌に合い住まう人々とも和やかにやり取り出来てはいたが、自分でもどこか無意識に壁を作っていたと思う。
ある日リビングに入ると、僕に気付いていないのか彼女が窓の向こうを見ながら全く聞いた事のない言語の歌を口ずさんでいた。
メロディラインが軽快なのに気持ちが穏やかになるような旋律が心に残る。
歌詞もどんな内容なのか知りたいと思い、質問しようと彼女に呼び掛け肩に触れると、その小さな肩をびくりと大きく震わせて真っ赤にした顔を僕に向けた。
「え?な、何でしょうか?」
目を泳がせながらあわあわ慌てふためいている彼女に少しの申し訳無さを感じながら聞いてみる。
「驚かせたようですみません。素敵な歌なので、歌詞の内容を教えてほしいと思いまして。」
率直に話すと、彼女が「やっぱり聞かれてたぁ…」と小さく呟き、しばし両手で頭を抱え俯いた。
ここは刺激しないほうがよさそうだと少し待つと、復活した彼女が頬にほんのり赤みを残した顔を上げて答えてくれた。
「えっと…友だちについての歌なんです。
”あなたという友だちにこうします、こうしたいです”という内容の歌詞なんです。」
彼女はフレーズを語り始めた。
”一緒に笑顔になれれば幸せは倍になる”
”寂しさで心が埋め尽くされても分かち合えば心は軽くなる”
”秘密を話してくれたなら絶対に漏らさない”
”あなたが悩んでたら解決を手伝うよ”
”あなたが心痛めていたらそれを取り除くから”
”世界の全てが終わるまで、僕らはずっと友だちだよ”
それを聞いて浮かんだのは、かつての旅の仲間達。
初めは成り行きだった。
自国の皇帝の暴挙で心折れていた僕に「一緒に行かない?」と一人が誘いを掛けてくれたのが切っ掛けだった。
道中諍いなどもあったけれど、旅が進むにつれ確かにそこには繋がりが出来ていた。
蹲っていた僕に声を掛け、立ち上がらせてくれた人。
また術で操られたら力尽くで止めると言ってくれた人。
凝り固まっていた僕の考えを砕いてくれた人。
いつも飄々としながらもその力を発揮してくれた人。
僕とは正反対の考え方を持ちながらも、幻に攻撃されて弱っていた僕を気遣い助けてくれた人。
今も彼らとの交流は続いている。
近況を報告したり、世間話をして笑い合ったり、時には言い争いもしたり。
それでも旅の終わりから3年経った今でも、その関係は途切れていない。
そうか。気が付けば、大事なものは全て僕の手元にあったのか。
僕はしばし眼を伏せ、瞼の中に込み上げて来る物を抑えた。
眼を開けば、そこには心配そうに僕を見上げる彼女。
大事な思い出を掘り起こし、見つけ出してくれた人。
「…教えてくれてありがとうございます。」
精一杯の気持ちを込めて彼女に礼を述べ、よければもう一度歌を聴かせてほしいと何度も乞えば、音を立てそうな勢いで赤くした顔を深呼吸で落ち着かせた後に透き通るような声で友だちの歌を歌ってくれた。
【友だちの思い出】
「やっぱりソーダ味」
そう言いながら、コンビニで買った棒付きアイスにそいつはかぶりつく。夕方になる時間、まだ日差しは強く首もとが熱い。
「梨味もいいと思うけど」
同じアイスの別の味を開きながら言うと、そいつは口の中のアイスを飲み込んで、
「ソーダ味が至高っしょ」
「梨も旨いよ」
「一口くれ」
「やだ」
「けちー」
そんな、帰り道。
まだまだ暑い、夏の日。
「確かにソーダ味、悪くはないな」
一人で食べる、アイス。
あの時と同じ時期なのに、随分と寒く感じた。
やはりあの頃に戻りたい
毎日のように馬鹿みたいな話をして、バカみたいに笑った日々
別々の道に進んであまり会えなくなった
今でも昨日のことのように思い出す
友だちの思い出
子供の頃は親が厳しく
仲良くても
誰とでも遊んで良いわけではなかった
成長していくにつれ
遊びに出かけることや
友達を呼ぶこと自体を禁止された
そのうち
学校と部活だけの日々
怒鳴り声と暴力が怖く
ひたすら良い子を演じた
進学し親元を離れて
やっと自由になった
遊びに行って
ご飯食べて
お茶をして
沢山話して
そういうことが
やっとできるようになった
毎日とても楽しくて
充実してた
私には友達が少ないと思う
それなのに亡くなってしまった友達も数人いる
全員が私にはとても大切
やっとできた友達だから
【友だちの思い出七夕】
coming soon !
友だちの思い出
16歳のころ、友人たちと旅行に行った帰り道、3グループに分かれてヒッチハイクをした。
ヒッチハイクをやったところでうまくいかないだろうと思っていたが、存外成功した。
私たちのグループを含め2グループは優しい運転手の方が拾ってくれた。
だが、残りの1グループは、うまくいかずに目標の車の後ろを走っていたタクシーが止まってしまった。
今でも思い出しては心が温かくなるとても大切な記憶だ。
金曜日のぶかつのときにみんなで恋バナしたこと!!!!!
小一、小二の頃すごい楽しかった
女2人、男2人のイツメンみたいなグループで毎日楽しんでた
1人が引っ越しちゃってから、イツメングループも中々話さなくなっちゃってその子元気にしてるかな
鬼ごっこしたり、帰る時も一緒だったしすごい楽しかったなあ って今思う。
今はグループで空気読んだり、人間関係ぐちゃぐちゃ
過去に戻りたいね
友だちの思い出
友だちの思い出はたくさいんあるけど
たいていしょうもないこと
覚えてないけど、面白かったんだよね
あの頃は。
友だちの思い出
このお題は俺の心をえぐる。基本的に過去の話は嫌なんだよな。自己嫌悪で死にたくなる。
というか友だちとの思い出なんてないんだよね。どうでもいいけど。
しかし今日は眠れなかったからかなんだか体調が悪い。なにも書けてないけどこの辺で終わりにしちゃおう。今日はだめだ。
友達はいない?
自分自身も装い体裁を取り繕っていた
その糸はほどけないまま絡まり合い
いつしか自分が何者かわからなく
周りからは、どう見えていたのだろう。
友達ってなんだろう・・・
サイダーをあの娘が飲めば僕も飲み花火までには好きと言いたい
快速に南矢代から乗りし君夏には甘きシュガーブーケよ
短歌 友だちの思い出
お題『友だちの思い出』
いつも突拍子もない思いつきをする友達がいる。たとえば、小学生のくせにドローン使って教室を撮影してその時のいじめっこの悪事を明るみにしたり、
小中とバレンタインデーに屋台を作ってチョコを売り始めたり、高校の時学園祭でお化け屋敷で作為的に好き同士組ませて『吊り橋効果』でカップル成立し始めたり。
こんなすごいことばかりする友達と距離を置いたり置かなかったりしながらやってきている。
大学は別になって今は、社会人になってブラック企業でくすぶる日々だがある時そいつから連絡が来たんだ。
そういえば、あいつは就職活動せずに地元でブラブラしてたなと思い出す。
「会社たちあげようと思うけど、お前も来る?」
そんな連絡。
「なにしたいか決めてないの?」
と返信したら、「うん」とすぐ返事が返ってくる。それから続いて返事がくる。
「ていうか今『東京駅』にいる」
「住む場所は?」
「今日は野宿しようと」
思わずためいきをついてしまった。もしかしたら、こんな仕事以外なにもできない日々にピリオドを打てるのではないか、そんな気持ちはゼロではない。
その話を聞きたいと思いつつ、やはり強烈な思い出を刻みつけてきた友達が、よく知ってるやつがホームレスみたいにごろごろしてるのは耐えられなかった。
「今からそっち迎えに行く、場所は?」
「駅前のこの辺かな」
そう言って写真が送られてくる。友達が駅前のスペースでホームレスと楽しそうに缶ビールで乾杯してる写真だった。
また思い出が一つ刻まれたところで、友達を迎えに行くべく俺は部屋を出た。
思い出はたくさんあるけど
それが友だちのものと言われると
別にそうじゃない
思い出の中に
そのときの友達が一緒なだけで
友だちのものではない
私の記憶にあるなら、私のものだと思う
友だちだと思ってないとかじゃない
むしろ親友
でもそれで
友だちの思い出に
私はちゃんといるのかな
私はちゃんと
#2024.7.6.「友だちの思い出」
彼女は静かにアルバムを見ていた。何を見ているのだろうと後ろから覗き込むと、これは…幼い頃のものだろうか?
「アルバムを眺めて、一体どうしたのですか?」
「あぁ、これ?小学生くらいの頃のものだけど、あなたは覚えているかな?」
見せてもらうと、俺たちと地元の友だちが仲良く遊んでいる写真があった。彼らは俺たちの共通の友だちで、今でもビデオ通話で顔を合わせるぐらい長い付き合いがある。
「彼らは、今でも付き合いのある友だちですね!俺たちが初めて出会ったのもこの頃でしたね」
「そうそう!私たちが地元を離れて、直接会える機会も少なくなっちゃったけど、たまに通話しているから元気そうではあるんだよね」
俺たちが大人になってから、技術の進歩で遠くにいても話せるようになったが、子供の頃はそんな物もなく、学校で遊ぶ約束をして直接会うしか無かったのだ。でも、それはそれで良かったなぁと懐かしく思った。
「でもね、今度の夏休みに帰省する時に遊びに行く約束しているからまた会えるよ!」
「おぉ、それは楽しみですね!」
直接会う前に、俺たちはその友だちの思い出をたくさん話して懐かしんでいた。その会話は途切れることなく、時間を忘れてしまうくらい弾んでいた。
テーマ「友だちの思い出」
友だちの思い出(永遠の絆)
わたくしの婚姻が決まり嫁ぐ日が近くなった頃、彼女と最後に別邸でお茶会をした。
嫁ぎ先は家訓が厳しく、気軽に友人に会うどころか里帰りもできない家柄だったので、わたしはもう実質これで縁が切れてしまうのを覚悟していた。
「良い縁談に恵まれて羨ましいわ。誰よりも大切にされて幸せにならないとね」
「………確かに親同士が決めたにしては、お相手もわたくしも互いに気が合って長く良い関係を築いていけそうではあるけれど。それでも不満だわ、恋だの愛だのも知らぬまま道を決められて」
………わたくしがそれらに覚醒めぬうちに、しっかりとレールを引かれてしまった。
お相手に対して悪い印象がない以上、面目上断るのも憚られ、家の為に承諾したわたくしは馬鹿だろうか。
もっと抵抗すればよかっただろうか?
………わたくしの為だと豪語して大義名分を振り翳した親の勝ちは明白だった。
「惚れた腫れたは一時の幻とも言うから、一概に悪い選択とは言えないでしょう。見合いも恋愛も紙一重。どう転ぶかは生活してみないことには」
「………ええそうね。その中で想いを育むよう、努力するわ」
―――それが定めならば、定めの中で最上級の選択をしていくまで。
わたくしは残り少なくなった彼女のカップに、紅茶を継ぎ足した。
「もしこれ以上は無理だと判断したら、わたくしはさっさと荷物を纏めて戻るつもりよ」
「………。今から不謹慎な。貴方は幸せになるわ、きっとね」
これが貴方との最後の会話になるというのなら。
わたしが幸福にしかならない、解けない魔法をかけておく。
どこへ行こうと何をしていようと、たとえ世間が貴方を欺いたとしても。
貴方の存在をずっと、わたしは心に留めておく。
「………やっと会えたわね」
わたくしが誰かわかる?
棺に手を伸ばし、一回り小さくなった彼女の頬にそっと触れてみる。
幸せそうに綺麗に収まる彼女がどんな人生を歩んだか―――向こうで弾む話を聞ける日も、もうそう遠くはない。
………またあの日のようにお茶会をしましょう。
幸福にしかならない、解けない魔法が効いたかどうか―――
日の当たる庭で。
二人で、答え合わせをしましょう。
END.
友達といってすぐ頭に浮かぶのはあの子
あの子に出会うまでの友達というのは
うわべだけだったかもしれない
心をどう開いていいか分からなかった
向き合おうとしていてくれた子がいたとしたら
本当にごめんね。
ずっと先の未来の話まで楽しくしてしまうあの子は
きっと親友というもの
大がつくほどの
人付き合いが不器用な私との友達関係
不足部分を埋めてくれるから続けていける
本当にありがとう。
部屋で一言も交わさずに見た映画も、
半分こで飲んだフラペチーノも、
2人でこっそり出た夜の明るさも、
笑いながら歌ったカラオケの曲も、
1つの傘で帰った日の心臓の喧騒も、
教室からグラウンドを眺めていた時間も、
ケンカ中なのに玄関で待ってたことも、
触れてそのまま繋いだ手の温もりも、
好きな人との思い出として覚えてるのは私だけ
全てに付箋を貼って、覚えているのは私だけ
あなたにとって全部、「友達」としての思い出だったんだろうね。
私のと違って、ずっとキラキラしてたんでしょ
LINEで返信するの10分待とうとして、結局5分で返したことも無いんでしょ
嫉妬させたくてやった他に親友がいるアピールも気にしてなかったんでしょ
ずるい
本当に私だけだった
全部私だけのものだった
お題『友だちの思い出』
「隣のたっくん交通事故ですって」
夕飯の時母親から聞かされたのは同級生のタクヤのことだった。
タクヤとは家が隣で小学生の時はよく2人で遊んでいた。中学生になるとお互い部活やらで別の仲間ができて廊下ですれ違う時軽く挨拶する程度になり、高校は別のところへ進学して近況なんてまた聞きのまた聞きで聞くくらい疎遠になってしまった。まさか亡くなっていたとは。
『お前と俺は永遠に最強タッグだ!』
思い出すのは小学生の時に交わした誓い。
「……明日、線香あげにいこうかな」
ジリジリと暑い七月の夏の日。
僕はアイツと出会い、友達になった。
アイツは見たこともない綺麗な見た目をしていた。
そんなアイツは夏の終わりとともに消えた。
まるで夏の妖精のように。
そして七月が始まった今日もまた、僕はアイツを探している。
_友だちの思い出_