『刹那』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
お題:刹那
刹那なんて言葉、ほとんど使ったことがなかったので、検索してみた。
もともとはお釈迦様が使った言葉らしい。
今の瞬間瞬間を精一杯生きるというような意味のことが書かれていて、なんていい言葉なんだろうと思った。
今の状況が後悔しないのか、というと後悔ばかり。
とう生きれば精一杯生きたと思うことが出来るんたろう。
呼吸のひとつが、瞬きの一瞬さえももどかしい。圧縮された時間の中で、意識が交錯する。人間の持ちうる集中力を根こそぎかき集めて、ようやくその扉に人は手をかけることが叶う。
そこは、そういう次元の世界だった。選ばれし者、ひと握りの人間だけが足を踏み入れることが叶う。しかし、心して踏み入れよ。資格を失えば、その一瞬はあっという間に今を置き去りにしていくだろう。
思考を、感覚を、命を研ぎ澄ませ。出し惜しみなど以ての外だ。全力こそが、その刹那を生きるための最低条件である。
忘れるな。
忘れるな。
忘れるな。
眩い閃光が微笑みながら隣を駆け抜けていった。
今日は、忙しく内容を書くことが
できませんでした。
他の作品は沢山ありますので
目を通してくれるととても嬉しいです。
いつも楽しみにしてくれている皆さま
大変申し訳ございません。
明日からは普段通り書いていくので
楽しみに待っていてください。
刹那
えっ…なんだろう…この感覚は…
それは、ある日突然に…
初めて、あなたとすれ違った時…
何か判らないけれど、何とも云えない感覚が…
すっと吸い寄せられる様な、でも、もっと前から探していた様な、失った何かに出逢えた様な…
其れから、無意識に、あなたの姿を探して…あの、初めて出逢えた瞬間、あなたから溢れる全てが、私が知らずに求めていたものだったと思う…
どうして頑張らなきゃいけないの
真面目に頑張る意味について考えてるけど
サボる理由を探してるだけな気がする
刹那って言葉、使い方わからない
もっと語彙力つけたいな
自分の頭の中を言語化するためにも、語彙は必要だ
明日は図書館で本を借りたい
「1週間ぶりー! あれ、そのお腹どうしたの?」
「ああ、食い過ぎた」
『刹那』
作品No.28【2024/04/28 テーマ:刹那】
※半角丸括弧内はルビです。
同窓会で再会した李理恵(りりえ)が、「生まれてくる子に、〝刹那(せつな)〟って付けるんだ」と、膨らんだお腹を撫でながら嬉しそうに言っているのを聞いた。そんな李理恵に、当時も今も彼女の取り巻きなのが変わらない同期達が、賛同ばかりしている。
〝刹那〟——確かに、響きはかわいい。そして、その言葉のもつ意味だって、かっこいいと思う。
でも、それをこれから生まれてくる子に付けるなんて——どういう願いを込めた名であれ、ちょっと縁起が悪いんじゃないだろうか。
「まぁ、わたしには関係ないけど」
誰にともなく呟いて、わたしは一人会場を出る。それは、その場に居続ければ、まだ生まれていない、何の罪もないだろう子に、呪いをかけてしまいそうだったからだ。
だから、それを覆い隠すために、わたしはさらに呟いた。
「〝刹那〟の命が、永く続くといいね」
刹那的な恋とはどんなだろう。
一瞬のひらめきで
恋に落ちるのかな~
そんな素敵な恋を
してみたい。
"刹那"
十数メートル先に見覚えのある──いや、幾度も見ている、糊のきいたスーツをかっちりと着こなす青年が正面からこちらに向かって歩いてくる。
こちらに気付き、片手を上げた。
それに倣って片手を上げ、声をかける。
「おう」
近付いて立ち止まると、俺が背負っている物を見て「あぁ」と声を漏らした。
「そういえば、今日取りに来ると言っていたな」
「これから行くとこ。お前は?」
「近くの図書館に、借りていた本を返しに」
へぇー、と相槌を打つと、不思議そうな顔をして「ところで」と聞いてきた。
「『これから行く』と言っていたな」
「あ?あぁ」
何故そんな事を聞くのか。不思議に思いながら頷く。
「リュックが少々膨らんでいるから、これから帰るところなのかと思ったんだが……」
「は?」
驚いて、間抜けな掠れ声が出る。
──何か入れてたっけ?
不思議に思って背のリュックの底に触れてみる。
少し重みを感じた。感触も柔らかいような固いような、不思議な感触だった。
また驚いて、今度は肩が跳ねる。
リュックを地面に下ろし、恐る恐るファスナーを開けてリュックの口を広げる。
すると、尖った耳がピョコンと動いて、のそり、と身体を動かし、リュックの中にいたものがこちらを向いて声を上げた。
「みゃあん」
身体を伸ばしてこちらを見上げる。「はぁ……?」と先程よりも間抜けで掠れた声を漏らした。
俺の声を聞き「大丈夫か?」と声をかけながら、俺の肩越しに中を覗き込むと、俺の心の中を代弁するような言葉を発した。
「何故ハナがリュックの中に……?」
その疑問に、答えにならない答えを返す。
「俺だって知らねぇよ……」
「なら、目を離した隙に入り込んだのか?」
「はぁ?いや、目ぇ離してた時ちゃんと閉め──」
不自然に言葉を切る。
そういえば一回だけ。今回受け取る物資の確認でチャットを見る為に目を離してた。確か開きっぱなしだったはず。
だがその時間はほぼ一瞬だったはずだ。
けれど猫は俊敏だから、どんなに一瞬でも全く別の場所にいたりする。
不自然に言葉を切って考え込み始めたので、心配そうに「開業医?」と外での呼び名で呼ばれた。我に返って「んっ……あぁ、悪い」と答え、続けて推測を文章にして述べる。
俺の推測に頷いて「なるほど」と漏らした。
「それで、どうする?このまま連れて行く訳にもいかないだろ」
「あぁ……」
情けない大きなため息を吐く。ハナを連れて病院に入るなど無理。かと言って、またリュックの中に入れて行くなど罪悪感が勝って出来ない。
「悪いけど……代わりに、持ってきてくれねぇか……?」
おずおずと口を開き、バツが悪そうに言葉を紡ぎながらリュックを差し出す。
「本当は、ハーネスで病院の傍に繋いで行くのがいいんだろうけど、ハーネスねぇし……。かと言って、ハナは好奇心旺盛で人懐っこいし、一人にして行く訳にもいかねぇし……だから……」
「なら俺が面倒を見ながら外で待って」
「駄目だ。緊急で呼び出しくらったら大変だし。そもそもお前スーツだし、毛が付いたら目立つ」
そう言うと納得したのか頷いて、差し出したリュックに手を伸ばした。掴んだのを見て手を離す。
「じゃあ、悪ぃけど頼む。近くの公園で待ってっから。呼び出されたら他の奴に頼んでもいい」
「分かった」
そう答えると俺のリュックを背負い、身を翻して病院へと向かった。
その背中を見送り、病院近くの公園へと向かい、公園内のベンチに座るとハナを顔の前に持ち上げる。
キョトンとした顔で俺の顔を見るハナの目に、不機嫌な顔をした俺が映る。
「本当困った奴だな、お前」
不機嫌な声色でそう言うと、いつもと変わらぬ声で「みゃあん」と鳴いた。がくり、と肩を落として「このヤロー……」と呟く。
──今度からはこいつをストールでくるんでからリュック出そう……。
【刹那】
幸せだと感じる時は短いと思う
ずっと幸せだなぁって感じることって
そうそうないんじゃないかな
小さな幸せがいくつも積み重なって
振り返った時に幸せだったなってなる
そんなもんじゃない?
人生のうち幸せって感じることは
きっと思っているより少ないかも
いや、気づけないだけかな
とりあえず
1秒も無駄にしないように
頑張っていきましょ
「刹那」
君の声が霞に消えてしまうような気がして、
でも、それでも君の声はしっかり聞こえて。
だが時は残酷だ。
君の声なんて、、
"刹那"に消えていくのだから。
これ以上無いほど退屈な夜には、刹那の楽しみのために何もかも投げ出せる気がした。
"全部くだらないよ。だから二人で逃げ出そうよ"
そんな戯言を言って笑って手を取ってくれる誰かを待ち続けていた。永遠に忘れたくないと思う夜の到来を待って待って待ち続けた。夢ばかり見ていた。夢だけを見ていた。
そうして、気づいた。
そんな夜は来ないこと。
待っていても誰も来ないこと。
そう、待っている必要なんて無かったの。
掴みに行こう。一人でも、楽しいところはきっと楽しい。行きたい場所に行くことに、欲しいものを手に入れることに、何の躊躇も諦めも必要なかった。
そんな当たり前のことに気づいた私は、まだ19で、この世界のどこにでも手を伸ばせる場所にいて、まだ死ぬにも逃げ出すにも足りないほど傷ついていなかった。
刹那でもいい。後悔なんてしない私は。
軽やかに踏み出した右足が、カツンと気持ちの良い音を鳴らした。
75分の1秒のあいだに
明滅する細胞
(刹那)
詩『刹那』
それはキリリと痛みがあって
ぎゅっと心臓、絞めつけて
まるで悠久ようにも感じ
ぱっとこの手をはらいのけ
それはせつないお別れであり
キンと冷たく拒絶して
ぽろり涙のながれる時間
それでもふたたびつかみたい
あなたへの思い
それに名前をつけたなら
きっと「刹那」が合うでしょう
病院のベッド
そこであの世にあらがって
私の愛が生きている
それは夜中に電話があって
ドキッとしてから記憶がない
月は夜空でのんびりしてて
体の震えが止まらない
あなたへの思い
いつも最後を意識して
会えば「刹那」がそこにいた
病院のベッド
だけどあの世はまだ早い
私の愛を抱きしめる
(今夜、家族の急変の電話があり…)
創作 「刹那」
俺と彼女。 睨み合う二人の視線の間に火花が散る。机の上にはヘルメットとピコピコハンマーが並べて置いてある。その隣の机には三種類の賞品が鎮座していた。
「最初はグー、じゃんけんぽん!」
勝ったのは彼女。俺は瞬時にヘルメットに手を伸ばした。だが、被るよりも速くピコピコハンマーが俺の頭に当たる。
「あ」
「やったぁ、あたしの勝ちー」
彼女は弾む声で、戦利品である青いうさぎのぬいぐるみを抱き上げた。彼女があまりにうれしそうにはしゃぐから負けた俺まで笑顔になる。
「向こうにかわいい雑貨屋があるの。行こう!」
そう元気よく言い彼女は腕を引っ張ってぐんぐん歩いて行く。とある商店街のイベントでの話であった。
(終)
実家に
2024/04/28㈰日記
朝、ターミナル駅で降りて
百貨店で母に「なにかいる?」と
電話をしたら広告にある限定の
お弁当が食べたいと。
店員さんに聞くと広告を確認していないから、わからないって。
どういうこと?と思いつつ
再び母に電話して詳しく聞き商品を
見たら販売されていたので購入。
どうやら本当は限定ではなかった
模様。
こういうこと、あるんだね。
両親が〇〇さんから貰ったという
苗木の名前が思い出せず、2人で
考え込んでいる。
「〇〇さんに聞けば?」と話したら
無視された。
2人だけの世界?
それとも思い出したい脳トレ?
苺ラッシーとエクレアがおやつに出てきた。
子供の時はなかったけどね。
離れて暮らすとサービスが
良くなったねえ、と帰省するたびに
思うよ。
エアコンの調子が悪いというので
見てみたら、原因はリモコン。
でも製造から10年経っているので
「替え時だよ」と教えると
2人で「今年はお金がかかる」って
今年既に買ったもの、これから買う
予定のものをずらずらと宣う。
仲が良いね。
(お金の催促ではないと思うけど)
帰りに大量のネギを渡された。
花が咲いてしまうから、持って帰りなさい。
ネギ焼きにしなさいって。
大量だからネギ焼きね?
今日は歯が痛くない。
どういうこと?
おやすみ。
「刹那」
幼なじみへの恋心を口にした刹那。
僕は君の側にいる権利を失った。
極めて短い時間のことを刹那。
自分の今の行動、口にした言葉、一瞬の気の緩急、その小さな一つ一つの刹那の積み重ねで成功、挫折を生み、自分を変えていくと思う。
「『刹那主義』って知ってる?」
僕がピアノの前に座って何を演奏しようか考えていたら、そんな声がかかった。
ニコニコとした顔で権力者がピアノから一メートルほど離れたところに立っている。
「⋯⋯⋯⋯『その瞬間を生きることに注力をかける人たちの考え方』だよ」
「なーんだ、知ってるのか⋯⋯⋯⋯」
幸いにも前に聞いたことがある言葉だったからと普通に答えたら酷く落胆した顔をされた。
「⋯⋯⋯⋯まぁ、一応」
ここの世界にいれば一生思い浮かばなそうなことだけれど。
永遠という言葉がひどく似合うこの世界は、誰も年老いたりしない。そもそもずっと昼で『時間』や『日』という概念すら存在しない、そんな世界では『刹那主義』などという言葉は生まれないだろう。
「⋯⋯⋯⋯ボクね、その瞬間を生きるっていいと思って。だからさ、ちょっと付き合ってくれない?」
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯何をするんだい」
「いつもしないこと」
きみと僕が二人で意図して何かするのはもう既にいつもしないことじゃないか、などという疑問は口から出る前に弾けて消えた。
「楽しそうだからいいよ。今日は迷い子も来なさそうだし」
「いいの!? やった〜!!」
無邪気に権力者は笑った。
いつもの僕に向けるいたずらっ子のような笑顔とも、迷い子に向ける優しい笑顔とも違う、まるで本心のような笑顔。
キラキラと輝いて見えて、きみは僕が黙ったままなのを気にして辞めてしまって。
それは刹那のキラメキとなった。
魂は、あの大きな廻り続けるものから分化して始まり、生を営むうちに磨耗し、あの大きな廻り続けるものに回収されて終わります。
すぐに磨耗して早々と回収される魂もあれば、貴女のように何十回と生を得る魂もあります。
俺が貴女を見守り始めてから五百年ほど経ちますが、それは全く、刹那と言っても過言でないほどに短い時だったように思えます。貴女が生まれ落ち、すくすくと育ち、人に愛され、人を愛し、穏やかに老いて、静かに逝く。その繰り返しを見守っていられることが、俺にとっての至福だからなのでしょう。
貴女はあと何回転生するでしょうか。あと何回、貴女が上げる産声を聞き、貴女の吐く最期の一息を見届けられるでしょうか。
貴女の魂と共に在ることのできるこの幸福な時間を、俺は大切に大切に、慈しんでいます。