『別れ際に』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
あの日、別れた人と寄りを戻す。ふとそんな妄想に浸る夜がある。私を呼ぶ優しい声、柔らかな笑顔。そんなことばかり脳裏に浮かんでは消えていく。また一緒になれたとして、滑りやすくなってしまったあの人の手は私をしっかりと抱きしめてくれるのでしょうか。あの人は、なんと言っていたか。私が聞いたあの人の最後の声は、涙の音でぼやけて消えてしまった。最後、本当に最後の別れ際、あの人の笑顔はまるで泣いているようで笑っているようで。最後の笑顔が頭に焼きついて、離れない。
#別れ際
手を離した、その呆気なさに愕然とする
一人になった途端、独りにされた途端
夕焼けに追い立てられるように
走る、はしる、
夕日に焼き尽くされた街はまるで戦場のようで
机上でしか生きられない
いつかの時代のどこかの誰か
悲痛な叫びが、脳裏を過ぎる
戦争にロマンスを見いだせるなんて滑稽だ
それでも、命は散り際こそ美しいと
消耗品に成り下がった、尊かったものたち
誰かが生きるために駆けたかもしれない
怒号と悲鳴と泣き声と、痙攣する心臓を叱咤して
向かう道
先をゆくのは先人の影
暗闇に溶ける
やがて辿り着く
その向こう側へ
【別れ際に】
「別れ際に」
別れ際私はいつも下を向く。
前を向きたいのにもっとちゃんとできるのにって
いつも私を信じて私に裏切られる。
みんなの顔も見ないのに、自分の気持ちを言えないのに、裏切られたくないのにそれでも私は
私を信じる。
:別れ際に
別れ際に、「またね」と言われると嬉しい。
相手の中で自分との〝また〟があることが嬉しい。
お題を見て、卒業したVtuberの最後の言葉を思い出した。一つの物語としても好きだったけれど、何よりその在り方が好きだった。配信終わりは毎回必ず「またね」で締めていたのに、卒業配信の終わりの言葉は「じゃあね」で。喪失感が一気に押し寄せてきて、だめだった。
別れ際に
束の間の逢瀬だった。実に半年ぶりなのだけど。
互いに時間が無く、実入りのある会話はほとんど出来なかった。
たとえそんな時でも、それが特別なイベントならば、必ず写真を撮るようにしている。
ふわりと消えていきそうな泡沫の記憶が、手のひら程の大きさにしっかりと焼き付くように。
それはきっと、明日を生きぬく希望になる。
3年間遠距離だった私たち
1ヶ月に一度、片道4時間半かけて
新幹線と電車を乗り継いで
あなたは会いに来てくれたよね
アルバイトで貯めたお小遣いで
年下で学生のあなたが一生懸命会いに来てくれるから
何か買ってあげたくて、何かしてあげたくて
社会人になりたての私は
別れ際に「好きなもの選んで!買ってあげる!」と
駅で新幹線で食べる用のお弁当を買ってあげていた
今でもあなたは
「〇〇はよくカツ丼買ってくれたもんなぁ〜」と
ニコニコしながら言う
今思えば、もっといいものを買ってあげたらいいのに
なんならお弁当作ってあげたらいいのにと考えちゃうけど
結婚した今となっては
そんなささやかな想い出が懐かしい
#別れ際に
「なあなあ、」
『小説同好会』と記された部屋で、二人の人間が向かい合って座っている。
片方の男はスマートフォンを弄りながら、
もう片方の女は作文用紙で顔を仰ぎながら。
男は、今尚自分の書いた小説をぞんざいに扱う女へ口を開いた。
「別れ際に相手を引き止める一言ってわかる?」
女は男の方に視線を向けて言った。
「急に何よ。別れ際にねぇ?素直に「行かないで〜」とか「もうちょっとだけ一緒に居たい」とかじゃないの?」
女は言葉を捻り出すような声で答えた。男はそれには「ふーん」とだけ返し、その後得意気にアンサーを発表した。
「俺はお前が1番喜ぶ引き止め方を知ってる」
「え?何よ?」
「これから俺の奢りで高級焼肉店行かない?」
「優勝」
私の人生はこの板に奪わている。
誰とでも繋がれる時代になった。
ひとりで寂しいときも誰かと話せるようになった。
でもひとりでいられなくなった。私の人生を奪っているモノ。安心をもらえるけど私が生きるはずだった時間。返信を待ってソワソワする心。
いいようで何もいいことなんてない。
これがなければ、好きな人とは繋がれないのか。
私は満たされないのか。
誰かと話すことを望んでこの板とにらめっこするより、自分をいきよう。
時間を取り戻そう。
今までの人生はもう捨ててこれからを。
別れ際にくれた笑顔を大切に胸にしまいながら。
別れ際に
あの文庫本
どこへなおしてあるんだろ
道を聞かれて案内が てら
ぽつりぽつりと喋りながら
二月堂まで行ったっけ
お水取りの日だったような
端正な顔した穩やかそうな学生さん
金沢だって言ってたな
別れ際にお礼にと手渡された文庫本
たしか「大和古寺風物誌」
もう何十年もたつんだな
弟みたいにみえたけど
どんな人生だった かな
「バイバイ」とか「さよなら」なんて仲の良い友達には逆に言わない。気恥しさというか、なんというか、そもそも別れるという意識がない気がする。
「じゃ」とか「また」なんて必要最低限の言葉で別れる。それで通じ合える。
あらためて思い返せば、それって凄いことなんだなと思う。縁が続くというある種の確信を持っているといってもいい。
言葉がなくても伝わる。それは本当に素晴らしいことだと、心から思う。
別れ際に、「愛してる」と彼は言った。でも私はそれを聞いて、本当に愛してくれてるのかと思った。
家に着いて彼に本当に愛してるのか聞いたらこう帰ってきた、「愛してるよ」とでも私は、彼と付き合う前から彼に好きな人が居ると知らずに付き合って、付き合って5ヶ月目にして好きな人が居るから別れて欲しいと告げられた。私は正直ショックで泣き腫らした。
私の隣を歩く彼は自転車を押している。
彼の顔は楽しそうだがどこか寂しげだった。
1か月前。急に
「俺、転校するんだよね」
と打ち明けられた。別に彼と付き合っている訳では無いが、とても悲しかった。小学校からの仲で、隠し事も無かった。彼の前だと自然体でいることが出来た。
「そっか。」
そう一言彼に言った。あまりにも悲しくて、これ以上話を続けることが出来なかった。
自転車を押す彼の顔には陽があたり、すこし頬が火照っている。この街にいる最後の日だというのに、話している内容は思い出話でもなんでもなく、「昨日のテレビがどう」とかそういった話だった。
しばらく歩いていると分かれ道に着いた。彼と私の家は別方向にある。
「じゃあここで。」
「うん。」
「あのさ。」
「何?」
「…ありがとな。俺と仲良くしてくれて。」
彼から発せられた言葉は、彼の口から初めて聞く言葉だった。
「お前と仲良く出来て良かった。」
私は涙がこぼれそうなのを必死にこらえた。最後ぐらいは笑って送ってあげたかった。
「お前なんで泣きそうになってんの」
ふふっ、と笑いながら言った。
私は彼のその言葉で涙が溢れた。
「泣くに決まってるでしょ!だって私たち友達だもん!」
「俺死ぬわけじゃないんだからさ」
彼は笑ってそう言った。
「じゃ、またいつか会おうな」
「うん。元気でね。時々はこの街に来てね」
そう言って彼は自転車を押していった。
分かれ際、彼は後ろを振り返って満面の笑みで私に向かって手を振った。
悲しくて寂しいけれど、この世界からいなくなるわけじゃない。いつかまた会える、そう思って私は帰路についた。
「別れの際に」
⚠️ヤンデレ表現あり。苦手な方は自衛をお願いいたします。
別れの時には、君は何ていうんだろう?
「ねぇ、何か考え事?」
そう聞くと、ビクッと体を震わせる彼女。最近は何だか僕に怯えてるみたいだ。そーいうのあんま好きじゃないんだけどな。
『なんでも、ない』
ほら、また僕に嘘をつく。君はいつも嘘ばっかつく。君は気づいていないみたいだけど、君は嘘をつく時必ず唇を触る。
全部知ってるんだよ?
「別にだんまりでもいいけど。なんかしちゃったなら早く言った方がいいと思うけどなー。」
そう言って、彼女を少し見つめた。
うるうると目を潤ませて、でも僕にバレないように下を向く彼女が可愛くてたまらない。ちょーっと意地悪したくなっちゃう。
「ほら、僕の目見て」
ぶんぶんと首を振る彼女。そういうとことも可愛いけど、あんまり甘やかすのも良くはない。
「可愛いけど、それはちょっと良くないかな。」
手で君の顔を持ち上げると、ぐしゃぐしゃの顔。涙で一杯の君の目に、僕がニコッと笑う顔が写る。そうだよ、君はずっと僕だけを見てればいい。
『ねぇ、綴』
「なぁに?」
『綴はさ、お別れの時になんて言うの?』
お別れの時?誰との?
『綴、』
「僕、それ聞きたくないかも。」
君が僕のことを名前で呼ぶ時は、大体、
『別れよ』
こう言う時だ。
「それはないかな。」
彼女が何か言おうとしたが、気にせず言い放つ。申し訳ないけど、もう離してあげる気はないんだよね。
可愛い君は、僕だけを見て生きていけばいい。
そうでしょ?
『綴、ちゃんと話を』
「どーせさ、」
別れの時なんて来ないんだから。別れの際に何をするかなんて君はこの先一生知らなくて良いよ。
「さ、この話はもうおしまい。ご飯にしよっか。」
彼女の唇に手を添えると、彼女は悲しそうな目をして、口を結んだ。
それでいいんだよ。ずっと一緒にいようね。
数週間前?一ヶ月前?くらいから自虐をやめてみた。
自虐しそうな時私ってそういうことかわいいよね〜♡
って言葉にして言ってみることにしている。
自己肯定感爆低人間だったけど、
ちょっとだけ抜け出せたような気がする!
これはとってもいいことだと思うので今後も続けていきたい。
✦別れ際に✦
別れ際に声を掛けてしまった。
特に深い理由は無かったが
ただまだ一緒に居たいという一心だった。
それでも君は別れようとする。
そのたびに僕は
まだ一緒に居たいことを精一杯伝えた。
それでも君に僕の言葉や行動はどれも伝わらなかった。
そしてとうとう君は僕の前から消えた。
いや、正確にはこの世から消えた。
僕が一生懸命止めても駄目だった。
僕のせいだ。僕が君を救えなかったから。
ごめんなさい、ごめんなさい。
あぁ、死にたい。
【 別れ際に 】
「 ばいばい 」 じゃなくて 「またね」
2024 09.29 #02
私のためにわたしを殺したわたしと、あなたのためにわたしを殺したあなた
どちらも死んだのはわたし 生き残ったのは、あなたと私
罪深いのはどっち?正しいのはどっち?救われたのは、どっち?
鏡よ鏡、この世でいちばんうつくしいのはだあれ
あなたの苦悩はいかほどだろう
醜悪はそれだけで罪である 醜悪はそれだけで罰である
劣悪な記憶は、攻撃的な旋律は、きっと一生、鳴り止まないでしょう
あいなんかに、この悶々は、きっと理解できないでしょう
最期を知るのは、かじられた林檎だけ
別れ際に 心が嬉しくなる言葉を
言える人って素敵だなと思います
君のいない世界など 夏休みのない八月のよう
君のいない世界など 笑うことないサンタのよう
君のいない世界など
#別れ際に
別れ際に
(本稿を下書きとして保管)
2024.9.28 藍