「別れの際に」
⚠️ヤンデレ表現あり。苦手な方は自衛をお願いいたします。
別れの時には、君は何ていうんだろう?
「ねぇ、何か考え事?」
そう聞くと、ビクッと体を震わせる彼女。最近は何だか僕に怯えてるみたいだ。そーいうのあんま好きじゃないんだけどな。
『なんでも、ない』
ほら、また僕に嘘をつく。君はいつも嘘ばっかつく。君は気づいていないみたいだけど、君は嘘をつく時必ず唇を触る。
全部知ってるんだよ?
「別にだんまりでもいいけど。なんかしちゃったなら早く言った方がいいと思うけどなー。」
そう言って、彼女を少し見つめた。
うるうると目を潤ませて、でも僕にバレないように下を向く彼女が可愛くてたまらない。ちょーっと意地悪したくなっちゃう。
「ほら、僕の目見て」
ぶんぶんと首を振る彼女。そういうとことも可愛いけど、あんまり甘やかすのも良くはない。
「可愛いけど、それはちょっと良くないかな。」
手で君の顔を持ち上げると、ぐしゃぐしゃの顔。涙で一杯の君の目に、僕がニコッと笑う顔が写る。そうだよ、君はずっと僕だけを見てればいい。
『ねぇ、綴』
「なぁに?」
『綴はさ、お別れの時になんて言うの?』
お別れの時?誰との?
『綴、』
「僕、それ聞きたくないかも。」
君が僕のことを名前で呼ぶ時は、大体、
『別れよ』
こう言う時だ。
「それはないかな。」
彼女が何か言おうとしたが、気にせず言い放つ。申し訳ないけど、もう離してあげる気はないんだよね。
可愛い君は、僕だけを見て生きていけばいい。
そうでしょ?
『綴、ちゃんと話を』
「どーせさ、」
別れの時なんて来ないんだから。別れの際に何をするかなんて君はこの先一生知らなくて良いよ。
「さ、この話はもうおしまい。ご飯にしよっか。」
彼女の唇に手を添えると、彼女は悲しそうな目をして、口を結んだ。
それでいいんだよ。ずっと一緒にいようね。
9/28/2024, 3:34:39 PM