『初恋の日』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
本日のお題『初恋の日』
あなたの姿を初めて見たとき
世界が輝いて見えました
あなたの声を初めて聞いたとき
世界が輝いて見えました
これが初恋というのでしょうか
私は恋しているのでしょうか
それから
あなたの姿を見るたびに
私の身体はおかしくなって
あなたの声を聞くたびに
私の心はおかしくなって
あなたのことばかり考えて
あなたの好みばかり考えて
これが初恋というのでしょうか
私は恋しているのでしょうか
21初恋の日
初恋の電車が引退するので、その姿を一目見に来た。
比喩じゃない。私は電車に恋をしていた。
柔らかさと鋭さを兼ね備えた流線型のボディ、晴れた日の海みたいな深い青。ちょっと甘えん坊にも見える丸い窓。
見た目だけじゃなく乗り心地もだ。シートピッチも角度も、揺られているときの幸福感も。何もかも最高だった。
引退セレモニーは粛々と進んでいく。
私の初恋の相手は、大きな湾をぐるりとすすんで、そのままもう戻らない。
今日は快晴だ。晴れてよかったな。鼻をすすると、駅のすすけた匂いと、微かな潮の香りがした。
初恋の日。
それはどれだけ年月が経っても
どれだけ新しい恋が目覚めたとしても
一生に1回の初恋だから。
忘れることなんてきっとない。
初恋の日
ある夏
君と僕は海で出会った
太陽が水面に反射して
よく見えなかった
でも、これだけはわかった
とても綺麗
海が似合う
一目惚れをした
いままで恋に興味がなかった僕
これが恋
とっても嬉しかった
君が僕の初恋の人でよかった
それから僕は
毎日海に通った
今日は
今日こそは
話しかけてみようかな
大好きだよ
そう叫んだら、空へと飛び立ってしまった
〈解説〉
主人公が恋をしたのは、真っ白な白鳥
初恋要素すくないな…
〈初恋の日〉
「初恋の日らしいよ」
差し出された花束には雫がついていた
ー
男の視線は落ち着きなく
手に持った花束と私の顔を行き来する
「今日の朝、ニュースで聞いてさ。
花屋の前、通っても書いてあって……
俺、花束とか買うの初めてでさ。
よく分かんなくってオススメで頼んじゃったんだけど、こういうの好きだった?」
ピンクのガーベラの後、
男に視線を移すと
その耳はガーベラよりも染まっていた
熱っぽく潤んだ瞳と目が合う
安っぽい漆黒は
らんらんと輝いていて、
私の言葉を期待しているのが透けて見える
私はこういうのが大嫌いだ
初恋とか、愛情とか、
夢みたいに綺麗なものが
本当にこの世に存在していて
かつ、自分がそれを与えたり、
享受できると信じてやまない愚かさが
私はできる限り綺麗な表情作って感謝を述べた
すると男は嬉しそうに頷き
あろうことか、
望んでもいない
私に対する自分の気持ちを吐露し始めた
その声を聞き流しながら、
私はじぃっとピンクのガーベラを見つめていた
ガーベラの中心、
黒目からほろりと
露がこぼれるのを私は見逃さなかった
テーマ『初恋の日』
彼女と一緒に居ることは僕にとって『あたりまえ』だった。
家族ぐるみの付き合いで、赤ちゃんの頃から遊んでいた僕らは小学生になってもずっと一緒で。
だけど小学生高学年にもなれば自然と異性である僕らは離れて行き、中学生になった頃には殆ど疎遠になった。
進学先の高校は別。同じ学校であるという縁さえも完全に途切れ、今ではただのお隣さん。学校が違えば登校時間も違って顔も合わせることも無くなった。
そうして高校も大学もどこか空虚な学生生活を過ごした後、僕は社会人となり社畜のように働き始める。
そんなある日、友人が開催した合コンで偶然にも彼女の再び出会う。
大人になった彼女は昔より何倍も綺麗で、何倍も賢くて。それでも昔と変わらない所もある。そんな彼女と過ごす時間は、子供の頃の『あたりまえ』を取り戻したようで。
いつの間にか『あたりまえ』の様に一緒になった僕達は、『あたりまえ』の様に結婚し、『あたりまえ』のように子供を成し、『あたりまえ』の様に数十年の時を旅した。
そして遂に訪れる、寿命という名の最後のお別れ。男より女の方が寿命が長いと聞くが、僕達の場合は逆のようで。
僕は沢山の家族に見守られながら永遠の安らぎに着こうとする彼女の手を握る。
その手は僕と同じように昔からは想像出来ないほど萎れていて、だけど僕や子供達の面倒を見続けた立派な母の手で。
今更ながらに僕は気がつく。彼女は僕にとって『幸せ』であり、『強さ』であり、『自分自身』であり、何よりも『あたりまえ』だった事に。
生まれてから何十年の『あたりまえ』が『あたりまえ』では無かったことに。
僕は命の音がどんどんと小さくなっていく彼女に最後の言葉を渡す。
───ありがとう。愛してる。
初恋の日
それはたったの3週間前の入学式。
席が隣で。
私の机からシャープペンが落ちた。
拾おうととした瞬間、彼の手と私の手が重なった。
その瞬間、
好き
そう思った。
【初恋した日】
君に初恋した日は、友達に知らされたとき_。
次の日から、普通の自分じゃなくなるの。
今まで、どうやって接してきたっけ。
昨日までの自分が居なくなってしまった。
こんな恋、初めてです。
君に出会えて良かったのか良くなかったのか。
未だに、よく解ってない。
君がいるからここにいたい。
君が言ったから同意した。
君のためにできるこどは、
何でもしたい。
そこに幸せがあるから。
そこに未来があるから。
初恋は甘酸っぱいなんて言うけど、私にはそれが分からない。
恋愛なんて夢見てる方が幸せなのに。
人間は強欲だから相手を自分のものにしたくなる。
それで理想と違ったらすぐに捨てる。
初恋は実らない?いいじゃん、それで。
実る恋ほど悲しいものはない。
実ったらあとは腐るだけ。
あなたの初恋の日はいつ?
ねぇ、思い出せる?
●指先の嘘●
学校の休み時間に、
友達の恋バナを聞いていた。
私はまだ、恋愛の事なんてよく分からないし、
今の所、近所に出来た
クレープ屋さんの方が気になるので、
友達の恋バナは半分聞いて、
半分はクレープの事を考えていた。
『…君の、素敵な所はね…』
もう一人の友達は、うんうんと、
目を輝かせながら話しを聞いている。
…この時期はイチゴのトッピングは
外せないな。
『そしてね、その時に教科書を貸してくれてね…』
「それは優しい人だね~」
〈それ、私も思った!〉
『そうなの!さりげない優しい所も好きで…』
私は、クレープの事も考えながらも、
友達の思い人の印象を、相づちがわりに言って、
ホイップクリームたっぷりの
イチゴのクレープの事を思い浮かべていた。
『これって、やっぱり初恋なのかな?』
初恋…。という言葉に私は反応した。
以前、興味本位でお母さんに、
そんな事を聞いたのを思い出した。
「あのさ、お母さんの初恋の人って、誰?」
『…あら、突然どうしたの?あなたが、
そんな話しをしてくるなんて珍しいわね。
もしかして、好きな人でも出来たとか?』
「ちーがーう!さっきやってたアニメで、
初恋は実ら無いだのなんだのって言ってたから、
気になっただけ!
お母さんは、どうだったのかなって」
『お母さん、一瞬期待したのに!』
がく然とするお母さん。
「何で期待するの?」
『母という者は、
娘の恋バナを聞きたがる生き物なんです』
…母というものは分からない。
「ふーん、で、誰?誰?」
『残念ながら、お母さんの初恋の人は~……
お父さんでしたー!』
「嘘だー!」
ずいぶんためて出た答えが、お父さん。
初恋って実るものなのか。
と、その時は思った。
そして、お母さんは
よいしょっと立ち上がると、
表紙に“希望”と大きく書かれた、
一冊の卒業アルバムを持ってきた。
ん?その表紙、見た事があるような無いような。
『お父さんと、お母さんね、
学校が同じでね…ほら、これ、お父さん』
クラス別のページで、個人がズラッと載ってる
一枠に、若き日のお父さんが居た。
「お父さん、かっこいいじゃん」
『でしょー』
「今は何か劣化してるけど」
『こらこら』
お母さんは、たしなめながらも
笑って、次々とページをめくっていった。
「あ!お母さんだ。若ーい」
『こら、今も若いでしょ!』
冗談を交えつつ、お母さんの当時の
思い出話や、お父さんとのエピソード
色んな話しをした。
しばらくして、
お母さんは私に見せた事の無い、
切ない顔をした。
それはたった一瞬の事だったけど、
私は見逃さなかった。
お母さんの指先には、
お父さんと友達等が映った写真があった。
けど、お母さんの視線の先には、
違う男子の姿があった。
お母さんの一瞬の表情に、
私は少し嫌悪を感じた。
何か嫌だ。知らない女の人みたい。
そして、悟った
お母さんの初恋は実らなかったのだと。
友達は好きな人の話をする時、
お母さんが一瞬見せた
切ないような嬉しいような、
あの時のお母さんと似た表情をしていた。
『ねーねー、放課後どうする?』
ぼーっとしていたら、
いつの間にか恋バナは終わっていて、
友達二人は放課後の話しをしていた。
「クレープが食べたいな」
そう、
恋バナとかはいいから、クレープが食べたい。
『新しく出来たところ?』
「うん。酸っぱくてビターな気分」
『じゃー、クレープ食べに行こう。
で、その後、テスト勉強ね』
「…テスト…忘れてたー」
『ふふふ』
友達二人は私に“らしい”ね、
と言って笑っていた。
別に悪い気はしない。
今の私には、クレープと、
目先のテストをどう乗り越えるか精一杯で、
恋とかそういうのは、まだいいのだ。
一つ思い出した事だけれど、
たまに卒業アルバムを出しては、
こっそり見ていた、お母さんの事は、
お父さんには、一生内緒にしておこう。
fin.
#今回のテーマは
【初恋の日】でした。
私の幼なじみに彼女が出来た
それからずっとモヤモヤしていた
ある日の放課後
遅くなってしまっていたので走って校門まで行くと
キスをしていた
その時にわかった
初めて恋したのはあなたで
初めて失恋したのもあなただったことに
fin
theme 初恋の日_hatukoinohi
⚠︎初恋の日だったのにはつこいのひとみたいになっちゃって
ごめんなさい🙏
初恋の日にデートしたのは何となく付き合った彼氏だった。
付き合って3カ月になる。
彼氏に嫌いな所はない。
( 初恋って覚えてる? )
覚えてるが彼氏が嫌がるだろうから覚えてない事にした。
( 彼氏くんは? )
私だと言っていた。
年齢的にあり得ないがありがとうと言った。
初恋とは程遠いこの関係。
彼氏に嫌いな所はない。
でも最初に好きな所が出ない人。
初恋の日!!!!
つい3年前ですww
ほんとですよ!!!
こんだけでごめんなさい!!
ってなるんで雑談でもしましょうか?
じゃあせっかくなんで恋の話!
恋っていうのはですね、
感情が狂ってしまうものです。
最初は私もそうでした。
例えば、○○君(私の好きな人)が少しでも違う女の子、□□ちゃんと話していたら、
少しいやなきもちになりませんか?
○○君が本当に好きで、○○君が誰かと触れるだけでも嫌!(つまりメンヘラ)
って人なんか、殺したくなりません?w
だから、普段とてもやさいい人が恋してしまい、異常な恋wになってしまったら、
狂ってしまうんですよ、優しい人でも、、、。
だから。
本当に優しい人なんて、この世には、、、
ごめんなさい、少しやな話になってしまいました。
後、ご注意ください、
あくまでわたしの考えですから。
はつこいにするなら今日がいい
秘密を共有する旧知に胸が高まると気づいた昼下がり
柔らかなそよ風を感じてる閉じられた瞼がゆっくりこちらをとらえる
今、私の頬は言い表せないほど赤いのでしょう
苦しいのはきっと息を忘れているから
目が離せないのはきっと君が陽の光で輝いているから
私はあなたを友とみれなくなった
だから、今日を『初恋の日』にするの。
#初恋の日
【初恋の日】
「ウガァッー!」
牙を剥き出して襲いかかってきた凶暴な半魚人、マーマンの首を一刀のもとに断ち切る。予想よりもはるかに柔らかなその手応えに、勢い余ってたたらを踏んだ。と思ったら、船が横波を被ったのか甲板が大きく揺れ、私はバランスを崩して転がってしまった。
「勇者様、お怪我は!?」
後列にいた彼が慌てたように駆け寄り、手を差し伸べてくる。
私を見つめる真剣な眼差しと、白魚のような頼りない手のギャップに、私は胸の高鳴りを抑えることができなかった。
彼は私のパーティに半年前に加入したという賢者だ。ローブをすっぽり頭まで被った、やや陰気な雰囲気の青年。フードの陰では、理知的な金色の瞳が鋭く光っている。その瞳が私を見つけてにっこりと柔らかく笑うたびに、心臓がどきりと跳ねてしまう。武器代わりの魔術書を抱えこんだときにローブの袖からチラリと見える、折れそうなくらい細い手首。光を透かしそうなほどに、白く滑らかな肌。なにもかもが私と正反対で、だからこそ、気になってしまう存在――っていうか、これはもう、完全に恋だ。初恋だ。
私は生い立ちゆえに、二十になるこの歳まで、色恋沙汰とは無縁だった。それでいいと思っていた。勇者である以上、魔王打倒の使命を果たすまでは、色恋にかまけている暇はない。そもそも、勇者は博愛であるべきだ。特定の誰かを好きになるつもりはなかった。
なのに、どうして彼への気持ちを抑えることができないんだろう。
「君が好きだ! どうしょうもなく好きだ!」
彼の手に助け起こされたついでに、いてもたってもいられずにそう告げると、フードの下の目が大きくみひらかれた。そして――
「僕もですよ。ずっと、あなたが好きだったんです」
甘く囁く声。はにかみで目を細めた、夕陽よりも眩しい笑顔――これ以上やめて、せっかく立ち上がったのに、また甲板に転がっちゃいそう。
でも、どうしてだろう、何度もこの言葉を聞き、何度もこの笑顔を見たことがあるような気がする。
「もしかして、私は、その……昨日も、君を好きだった?」
「ええ。今日の告白で百八十回めです」
彼はとても嬉しそうに告げる。私は赤面した。なんということだ、私は何度も何度も彼に惚れ、そのたびに告白していたということか。
「君はよっぽど私のタイプなんだな……」
「光栄です。日々そうありたいと願っているので」
彼は嬉しさがこらえきれないというように私を強く抱きしめると、頬に小さなキスをくれた。明日の私が彼のことを忘れても、きっと私の肌だけは、このキスの感触を覚えている。
※ ※ ※
「まーたやってるよ、あのラブラブバカップル」
暮れなずむ甲板の端で、聖騎士の青年が鎧を鳴らして肩をすくめた。
「毎日見せつけられる俺らの身にもなれっての」
「賢者くん、いい趣味してるよね。あんな筋骨隆々で汗臭い女のどこが好きなのかしら。今はあたしみたいに、ぴちぴちの細い子がトレンドでしょ」
聖騎士の隣で長い杖を抱えこんでいる魔術師の少女は、みごとにぶんむくれている。
「おっと、毎日賢者くんに失恋してるからって、勇者様のことを悪く言うなよ。あのかたは一途だし、なにごとも全力でぶつかっていく、見ていて気持ちのいいかただ。賢者くんが惚れるのもわかるぜ。あーあ、世界が平和になったら、俺が婿入りするつもりだったのにな。ぽっと出のやつに横から掻っ攫われちまったな」
「まったく、うちのパーティ、あたし以外みーんな勇者様に夢中なんだから」
魔術師の少女はまたむくれる。
「毎日毎日呪いの説明から始まって、賢者くんの紹介をして、今日の予定を説明して、敵の呪文でうっかり眠らないようごてごてに護符つけてもらって……同じことの繰り返しで、エルフのあたしでもいい加減飽きるわよ」
「その繰り返しの日々ももうすぐ終わるさ。さっきのマーマンでようやく解呪の薬の材料が揃ったんだ。あとは賢者くんに調合を任せればいい」
「あー、やっとだよねー。五つの材料集めの旅、大変だったなー。ああ、これで、やっと……やっと安心して、パパの仇の魔王を倒しに行ける……」
魔術師の少女は船の縁にもたれかかり、そのままへなへなとへたりこんだ。
※ ※ ※
僕の恋人は、呪われている。
記憶を弄ぶ力を持った魔王の幹部、あいつを倒したときに呪われた。あいつはきっと彼女の記憶を全て消し去りたかったのだろうが、術を完成させる前に絶命したもんだから、呪いは中途半端に発動した。以降、彼女はたった一日しか記憶を保てなくなった。夜眠ると、その日にあった出来事を全て忘れてしまうのだ。
僕はどんな呪いでも解けるという触れこみで、賢者として彼女のパーティに加入した。実際、僕にはあらゆる呪いを解く万能薬の知識があった。足りないものは、薬の材料だけ。勇者のためならと、パーティの仲間は材料集めに快く協力してくれた。
万能薬の調合に必要な材料は、彼らに告げた〝五つ〟だけじゃない。本当は、七つある。
まず一つめ、〈エルフの聖なる王族が集めた精霊花の蜜〉。これは簡単だった。パーティ内にエルフの王女がいて、彼女の里帰りついでに集めてもらった。
二つめ、〈闇魔女の涙〉。これも案外なんとかなった。闇魔女のもとへ至る道のりは茨やら峡谷やら毒沼やらで面倒だったが、魔女の家に辿り着いた僕たちが事情を話すと、すぐに「可哀想にねぇ」とぼろぼろ泣いてくれた。辺鄙な場所にずっと一人で住んでいるから、話し相手に飢えていたらしい。熱烈な歓迎ぶりだった。一晩泊めてもらった翌日、監禁されかけたのを振り切って逃げ出すほうが、行きの道より大変だった。このときに飛空挺を入手できたおかげで、その後の材料集めが捗った。
三つめ、〈サラマンダーの逆鱗×九〉。サラマンダーは業火を噴く巨大ドラゴンで、火山に棲みついている。飛空挺のおかげで、各地の有名な火山を九箇所、楽に回ることができた。もはや世界一周観光旅行だった。サラマンダー自体は、もちろん勇者パーティの敵じゃない。僕たちのせいでサラマンダーが絶滅しないか、エルフの魔術師が心配していた。たぶんもう手遅れだ。
四つめ、〈神の住まう天空城の庭に生えている黄金のリンゴ〉。火山巡りで空を飛んでいた最中、たまたま天空城を見つけることができた。城はすでに廃墟で、リンゴはかろうじて実ってたけど、手入れされてないから虫がついていた。味も以前よりは落ちていそうだ。
五つめ、〈マーマンの目の裏の栄養たっぷりなところ〉。あそこおいしいよね。ちょっと生臭いけど。マーマンは船で魔王城近くの沖に出ればだいたい襲ってくるから、それを撃退するだけで入手できた。それが今日のできごと。
そして、誰にも告げていない六つめ。〈不死鳥の血〉。不死鳥は僕が別次元に閉じこめちゃったから、もうこの世界にはいない。でも、血は魔王城の宝箱に瓶詰めで入れておいたから、夕食後、パーティの目を盗んでこっそり宝物庫に転移するだけで入手できた。
最後、秘密の七つめ、〈魔王の角〉。これはもうすでにとってあるから、問題ない。
僕の手元には今、全ての材料が揃っている。
自分の角を削って粉にしたものを、他の材料とともに混ぜる。これで、完成。あらゆる呪いを跳ね除ける解呪の万能薬、一人前の出来上がり。
小さな薬瓶に詰めた万能薬を、彼女の船室に持っていく。彼女はベッドに腰掛け、僕を待っていた。周囲にはすでに他のメンバーも揃っていて、期待に満ち満ちた眼差しで僕を見つめてくる。
「これで、本当に呪いが解ける?」
彼女に薬瓶を手渡すと、潤んだ黒い瞳が僕を見上げてきた。僕は頷いた。
「そのために、僕はここにいるんです」
彼女は僕の目を見て力強く頷くと、ためらいなく、瓶の中身を一気に飲み干した。
「げ、なんか血生臭いリンゴみたいな味」
瓶から口を離した途端に、鼻をつまんで咳きこむ。ごめん、マーマンの臭み取り忘れてた。リンゴもちょっと腐ってたかも。
「あれ、すごく眠くなって……。待って、やだ、まだ寝たくない」
傷だらけの手が、僕の袖にすがりつく。
彼女はいつも、眠りを怖がる。眠ると、その日の僕たちの思い出が、交わした愛の囁きが、全て消えてしまうと知っているから。
普段は魔物相手に容赦なく剣を振るう彼女が、眠りに落ちる直前は、せつなげな瞳で僕にすがる。そのギャップに、心臓の奥をぎゅっと掴まれる。愛おしいけれど、苦しい。彼女にはできるだけ、安らかに眠ってほしい。
「この薬は、眠っている間に、その体にかかった全ての呪いを解いてくれます。だから、今日はもうおやすみなさい。新しく始まる明日のために」
僕は彼女の額にそっとキスを落とした。いつもの眠りの呪いをこめて。
やれやれ、まただぜ、と聖騎士が肩をすくめる気配。やってられない、とばかりに魔術師が部屋を出ていく。他の仲間もそれに続き、船室には僕と勇者だけが残された。
ベッドでころんと眠りに落ちた彼女に、毛布をかける。
僕の大切な恋人を苦しめている不完全な呪いは、不出来な部下のやらかしだ。でも、今となっては、よくやった、とあいつを褒めずにはいられない。せめてもの褒美にと、豪勢な墓に弔っておいた。墓の効果で、そのうちまた元気に転生してくるだろう。
僕はあの日、幹部と彼女の戦いを千里眼で見ていた。どんなに傷だらけになっても真っ直ぐに立ち向かっていく彼女の強さに、その瞳の光に、たちまち恋に落ちた。生まれて十八年、魔王になってたった三年、まだ妃のことすら考えたこともなかったのに、あっという間の初恋だった。
部下の不始末を利用し、賢者のふりをして勇者パーティに潜りこんだ。魔王城でなにするともなく退屈な日々を過ごしていた僕にとって、彼女やその仲間たちと一緒に世界中を旅して回る冒険の日々は、あまりにも刺激的だった。そのうえ、惚れた相手からの、毎日の告白。彼女はどんなに照れたとしても、その気性と同じぐらい真っ直ぐに、強く、恋を告げてくれる。そのときの彼女の表情を思い返すたび、口元がだらしなく緩んでしまう。
でも、こんなに楽しい恋人ごっこも、今日限りだ。万能薬を飲んだ彼女には、今後どんな呪いも効かなくなるだろう。僕が彼女の告白を毎日聞きたいがためにかけていた、ささやかな魅了の呪いも。
勇者の初恋の日々は、これでおしまい。
明日目覚めたとき、初対面の僕を見て、彼女はなにを思うだろう。陰気な僕の姿は、彼女の目に、どんなふうに映るだろう。
すやすやと寝息をたてる彼女の頬に、最後のキスを落とした。
願わくば、もう一度、彼女の唇から恋の告白が聞けますように。まだ君が魅了の呪いにかかっていなかった、本当の初対面の、あの日のように。
私の初恋奪ったんだから責任取ってよ??
私の初恋は高校二年生の時。
彼に一目惚れ♡♡彼イケメンだったんだもん。。。
でも、彼の心の中は実はくっそ汚かった。
性格悪いしすぐ暴力ふるし。そしたらめっちゃ
真面目くんみたいな人がいた。その人の名前は
穂高ゆうきという人だった。穂高は静かだけどめっちゃ良い人やった。私はそんな穂高のことがちょっぴり気になりだした。その日の放課後のこと。
委員会がたまたま穂高と一緒で、代表委員会だった。今穂高と2人で大量の生徒のノートを運んでいる。半分以上穂高持ってるけど、、、
「手、震えてるよ?やっぱ私ももうちょっと持つよ」
「大丈夫だから!!!」
「えー」
なんか優しかった。優しすぎるんだよねー、穂高は。他の女に穂高のいいとこ気づかれちゃうじゃん。
そう思いながらも私の楽しすぎる初恋が続くことを願っていた。
初恋の日。恋というものをしたことないな。もしかしたら子どもの頃に恋したことあるけど忘れている、そんな可能性もなくはないかもしれないけど。
異性にせよ同性にせよ人を性的に好きになるというのがよくわからん。そりゃこの人話しやすくて一緒にいて楽だとかこの人は頼れるなとか思うことはある。
ただそれは仕事での話であってプライベートだとそもそも他人とは関わりたくない。それがどれだけ好意を抱いている人であろうとも。
他人ってのは基本的に不快だ。会話をするのは疲れる。会話のレパートリーってやつが全然ないからな。
恋か。一緒にいたい人、将来家族になりたい人。そういう人を想うことが恋なのかな。
でも俺は他人と一緒にいたくないし家族というものは俺には疎ましいものでしかないからな。
向いてないな。人間に。生まれてこなければよかったのにね。
好きな人の好きな人に
なりたかった
今まで隠してきた思いが
決壊したダムのように
溢れ出した
好きの二文字が口からこぼれたとき
あなたが瞳を揺らしながら
俺もって伝えてくれたこと
きっとずっと忘れない
#初恋の日
日曜日にも手紙書いたけど今度こそあやの気持ちをちゃんと言葉にしたし遥登に伝わったらいいなぁーって思って書いた。
時間を作ってあやの書いた手紙を読んでくれてあんがと。
あやは今遥登に対しての思ってることを言うね。あやは今遥登に対しては好きって言う気持ちがある。3月とか4月までは遥登に対しての気持ちが恋愛の好きだった。でも今月になってから遥登に対しては友達としての好きになれたの!だからあんまり電話もしなくなったって言うか我慢できるようになった。