『冬晴れ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
最近まで体調を崩し、ずっと家にいた2歳になる娘。
体調が良くなり、大事をとってもう1日家にいようねと言ったのに、仕切りに外へ出たがり、ぐずぐずしたので外出。
玄関を出るなり空を指差し、あお!あお!と嬉しそう。
生まれてこの方、好きな色がコロコロ変わり赤、緑、黄色と見ると喜ぶ色が変わる娘。
最近は青が好きなようで、服もタオルもみんな青色で、買ってくると喜びはするけど、久しぶりに見た冬晴れの空の青色には敵わなかったようだ。
次は何色が好きになるのか楽しみではある。
お題『冬晴れ』
伊多孝雄(いだたかお)の兄、藤雄(ふじお)が住むNZL(ニュージランド)を訪れて2日目の朝を迎えた。
孝雄は洗面所で顔を洗いリビングに行くと。藤雄がキッチンで朝食を作り、リビングテーブルに並べていた。
孝雄「おはよう」
藤雄「おう、おはよう。よく眠れたか?」
孝雄「ま、まぁまぁかな」
孝雄は数年前から不眠症に悩まされている。医者によれば精神的なストレスが原因だろうと診断され、どうしても寝付けない時は睡眠薬を服用するように処方された。ストレスの原因は解っている。しかし対処法が難しい。だから少しでもストレスを軽減させる為に日本を離れ藤雄のいるNZLへ訪れたと言っても過言ではない。
孝雄「兄さんが朝食を用意しているのかい?」
藤雄「朝食だけじゃないぞ。平日は俺が家事を担当している。フィラは忙しいからな、孝雄が起きる前に仕事へ行ったぞ」
藤雄の妻、ミクロフィラ(愛称はフィラ)は観光案内所で働くキャリアウーマンである。
藤雄が子供たちを起こしに行った。子供達は日本と違い学校に通っているようだ。
孝雄は1人で黙々と朝食を食べた。食べ終わった食器は流し台へ置くように言われている。その後孝雄は部屋に戻り、出かける準備をしながら、観光で訪れる場所の天気を携帯で調べていた。すると嬉しいことに今日の昼間は冬晴れであると表示されている。だが、NZLの天気は変わりやすい。雨具をボディバックの底に入れるのだった。
End
シャッターに貼った年末年始休暇の貼り紙をはがしたら、膝下で踏ん張りながらお店のシャッターを開ける。その奥に出てきた自動ドアも手ずから開けると、1週間こもっていた紙の匂いが私に向かって吹き抜けてくる。
「ふう」
思わず顔を背けて空を見上げると、たゆたう雲も薄い穏やかな冬晴れの陽気だった。
「今日も力仕事からスタートっスねぇ〜」
久しぶりに、いつもの独り言を漏らした。
店内に入り、雑誌の積まれたラックを外に出す。年末に入荷が止まってスカスカとはいえ、本は重たい。三つ目のラックを出して、それぞれを軒下に配置し終えると、店長がのっそりと現れた。
「おはようございます。あ、あけましておめでとうございます」
年末から会っていないことを思い出して言い直す。
「ああ、おはよう。今年もよろしくね。いつもありがとう」
足を悪くした店長は、杖をついて歩くことが多くなった。重たいものを動かせないから私が雇われていると言っても間違いではない。雑誌以外の新刊本の発注はすべて店長が行なっている。
「裏に雑誌があるから、並べておいてくれるかな」
「はい、わかりました」
バックヤードに行くと新刊雑誌が届いている。ここ数年の間に、この店に届く雑誌の部数は減っているという。廃刊で雑誌の種類も減っているし、個々の発行部数も減っている。それでも私には本は重たい。
たまに思うことがある。足の悪い店長を置いて、私がお金を持って逃げることを、店長は考えたことはないんだろうか。
「俺が面接して採った人間が、そんなことするわけねぇよ。そうだろ?」
気になったから直接聞いてみた。そしたらこの回答だ。
「でも私の居眠りには気づいてますよね?」
店長は大口を開けて笑った。
「自分から面と向かって言うかね。この子は。本屋なんてな、それぐらいぼんやりしてた方がいいんだよ。この街では」
正月明けの初日。駅前商店街もゆっくりと起き出した。まだお休みの人も多いかなと思ったけど、午前中からいつもよりお客さんは多かった。
「手帳を買い忘れてて」とか「お正月番組見てたら、今年の運勢、ちゃんと見ておかなきゃと思って」とか、色々な理由で本屋さんの開店を待ち望んでいた人たちが足を運んでくれた。
ちょっと先の栄えている駅まで行けば、手帳も処分価格になっているだろうに。この街に生きている人たちには、この本屋への信頼があるんだと感じた。
そんなことを口にしたら、店長はこんなことを言ってきた。
「立ち読みも万引きも大目に見てやってたからな」
「え?」
「いまのこの街を支えている連中は、ガキの頃にみんなここで立ち読みしてた。万引きしようとしたヤツには、ここで読んでいくなら金は取らねえ、万引きしちまったら警察に伝えるって言ってたんだ」
「それが信頼につながるんですか?」
いまは立ち読み禁止を掲げる本屋も多いけど、昔はそうでもなかったというのはよく聞く。
「金がないうちは立ち読みでも構わない。本を読まないで大人になるよりずっといい。大人になって金を払えるようになったら、その時に本を買ってくれればいいんだよ。あの子どもたちの内の何人かでもな」
「そういうもんですかねー。ずいぶんお人好しな気もしますけど」
強かな店長にしては人情じみた話だ。
「それが本屋を長く続けるコツってことだ」
そう言って店長はニヒルな笑みを浮かべた。
「だから、俺が続けなきゃならねぇんだよ」
晴れていても、空が青くても雲が薄くて真っ白でも、それでも私の髪をなびかせる風邪は冷たくて悲しい
子供たちが久しぶりに集う
お正月だった
お正月が終わっても
冬晴れの暖かい日が続く
朝からシーツを洗い
お布団を干し
部屋の掃除をする
午前中の方が日差しが良い
小さな頃から
20歳になったら一人暮らしをと
推奨してきた私たち
そのことに後悔はないけれど
子供らは いないのに
今日は おでんを
大量に作ってしまった
冬晴れ
いつも雪が降る日々とは反対に、今日は太陽が出ている。この降り注ぐ太陽の光が身体にあたっていつもより暖かい。
太陽の光が当たってきらきら光る雪はまるで宝石みたいだ。普段は散歩などしないし、家でゴロゴロしているだけなのだが、なんだか今日は晴れているので冬に誘われるように外へ出たのだ。
かといって、寒いものは寒い。いくら太陽が出てようが少し暖かろうが、風がなかろうが、寒いものは寒いのだ。
(少し暖かいものが飲みたいな)
なんて、そんなこと思いながら指先が真っ赤な自分の手を必死に温めていると、近くにおばあさんが近ずいて、
「お嬢ちゃん」
と言われた、まさか私?と言わんばかりに私がキョロキョロしてるとおばあさんが
「ふふふ、貴方だよそこのキョロキョロしているお嬢さん」
と少し笑ってそう言ったんだ、私は、ごめんなさい、と謝り、何かと聞くと
「貴方寒いのでしょう?私おしるこつくりすぎたのでおすそ分けしようと思ってね、おしるこは嫌いかい?」
私は喜んで「好きです!大好きです!貰ってもいいんですか!?」と食い気味に言うとおばあさんはまた笑ってぜひ貰って!作りたてだからあたたかいよ、と言ってくれたんだ、お礼にお金を払おうとしたんだけど
「いらないよ、私はおしるこで喜んでくれただけで十分だよ」
そう言ってくれたんだ、なんだかそんな言葉をかけられ、1口おしるこを口の中に注ぐと、つくりたてというのもあり身体の中からじんわり温まっている感じがして、心がとても暖かくなった。
あぁ、今日は外へ出てよかった。
いや、晴れいてくれて、良かった。
私はたまには外へ出るのもいいな、そう思えた日だった。
ふっ、と息が漏れる。
やけに冷たい朝を見つめ、伸びきった袖で結露で見えない窓を撫でる。窓越しに濁った空が見える。
今日は曇りかな、なんて思いながら
ぼーっとする頭をなんとかしようと玄関で靴を鳴らす。
外はまだ薄暗い。
いつもの公園にいこうとしたのがまずかった。
もうすぐ公園に着く、というところで奇妙なかたちをした看板を見かけた。「」。それには何も書いていなかった。
冬ということもあって余計に冷える。今日の昼の予報は
晴れなのだが、それが嘘なのではないかと思うほど。あ
れには意味があったのだ、今思えば。
にんげんである以上、知識欲には逆らいがたいもので、
はーっと白い息を吐き、口の前に手をあて温める。
看板をたくさんの方向から眺めてみる。やっぱり、看
板には何か書いてあるどころか傷一つない。不気味
に思ったが、なぜか逃げる気になれない。あのまま、ぼ
おだちしてどれだけたったろう。どれだけにげたくても
きもちが、きもtが。kmtggggいきさえとまりそうd。
をあうおあいえおあいまはそらのひかりがこkちいい。
ついでにいいあうええおえお、かんばんはりせいすら
けしさってしまうよう
て゛
。
冬晴れの予報の日の早朝、空が濁っていたら昼まで外にでないことを強く勧めます。
寒さを訴えてるいたときから語り手本人の潜在意識が警告していたのですから。
是非、冬ということもあって、から。まで縦読みしてみて下さい。
ね。
いま起きた。勉強しないと。理科と国語以外捨てるしかない。
やっぱり一週間やそこらで二年、いや三年?の勉強取り戻して課題全部するとか無理だよな。塾なしだもんな...
まぁツケが回ってきただけか。
今日は理科のワークの内容と社会のワークの内容、英単語を徹底的に叩き込む。
というか、理科ですら怪しいな。とりあえず理科の教科書読んでテスト範囲をノートで纏めて課題でアウトプットを繰り返すしかない。
社会のワークは30ページやそこら全部暗記!!英語はワークを進めてわからないところは姉に聞く!
今日一番しんどいのは社会かな。今から社会を一周して勉強の間にまた一周して、夜に徹底的に叩き込むか。
理科は今日のメインどころやな。姉曰く理科の先生は実力テスト、課題のワークからしか出さんらしいからな。
今からぶっ通しで6時まで勉強しても六時間...そっから夜12時まで勉強しても十二時間...時間が足りん!
昨日も8時間かそこら勉強したけど全く進まんかった!!
徹夜で行くか?でも、今日徹夜で行って明日のテスト大丈夫か?それに、テストは明日だけじゃない。明後日もテストなんやぞ。明後日は英、数、国か?数学ボロクソやろ。0点やろ。
とりあえず勉強してくる。コーヒー淹れる間にも単語帳めくらなあかんくらいやし!今も英語聞き流ししてるし!
冬晴れ
今日は確かにいい天気だ。冬の晴れた日は空気がすんでいて気持ちがいい。
ただどれだけ気持ちのいい天気でも冬は寒い。こうも寒いと外出する気は起きないな。
今日の朝もエアコンの暖房つけちゃったしまだまだ冬だね。寒くてしかたない。
話は変わるけど口内炎が治ってきた。前は治るのにもっと時間がかかった気がするんだけどな。これは薬のおかげかな?
場所が舌だったからパッチが張りにくいし唾液ですぐ剥がれるしで散々だったけど効果があるならこれからも買おうかな。
最もこれからなんてないにこしたことないけど。痛いし苦しいし口内炎はもうできないでほしいものだ。
冬晴れ
なんという冷たく清浄無垢な空気、なんという美しい青い空!こういうのを冬晴れというのだろう。
見渡す限りの白い雪だった。ウィンタースポーツ嫌いの夫に無理やり「スキーやスノボーしたいんじゃないの。雪が見たいの」と、連れてきてもらったので、スキー場ではないのが良かった。小さな温泉場から少し登ったらこの景色だ。
「来て良かったぁ、ありがとう」「俺も久しぶりに雪山に来たけど、きれいだなあ」夫もこの景色に満足そうだった。
結婚30周年の記念に、どこか旅行しようと相談して、いろいろ調べてここにした。私ももう長くないかも知れない。最後の思い出になるかも知れないと、半ば強引に持っていった。
長くないかも知れないのは事実だ。血液の病気で、貧血がどんどん進む。貧血の治療は輸血しかない。輸血をすると、身体に鉄分が溜まりすぎる。鉄分は、人間にはもちろん必要だが、多くなると腎臓に影響を与える。鉄分を排出する薬を飲む。要するに、貧血と輸血のせめぎ合い。それが崩れると今度はもっとひどい貧血になるという、ロンドみたいな病気だ。
「来年も来たいなぁ」と、思わずつぶやく。「来たばっかりなのに、来年もって欲張りだ」「来年あるかな」「何を言ってるんだ。来年も来るんだよ」私は空を見上げた。夫もつられて上を見る。なにはともあれ、冬晴れの空と雪は綺麗だった!
救急車で1時間もかかる遠くの市民病院で受け入れられた。京都大学を出た若い脳神経外科医師と脳神経外科の部長が優秀だと噂の病院だった。
病院に搬送されて、すぐ父は手術をするか否かの選択決定を母が独りでしなければならなかった。
手術をしたとしても、意識が回復する保証は無い。手術をしなかったとすれば命は無い。そのように提示された。母は手術を選んだ。私が京都市内からその日の授業を欠席し、病院へ駆けつけたときに既に手術は始まっており、終わったのは9時間後だった。
担当の脳外科医はフラフラになって手術室を出てきた。ひとまず命は取りとめたものの、意識がいつ戻るかと言うことについては、全くもってわからない。そのように告げられた。
当時は介護保険制度と言うシステムも言葉もなく、入院期限は3ヶ月と言う縛りもなく、父の病状からすると退院の目処どころか、リハビリ開始の目処すら立たなかった。意識がなく、首の座らない幼児のように目をつぶったまま、車椅子に座らせ頭部ががっくり、後部に落ちそうなほど傾いている状態であっても、
初冬の風の無いよく晴れた日の午後。川沿いの道を下流に向かって車を走らせていた時、不思議な光景を目にした。
収穫の終わった道沿いの田んぼでは、農夫が藁や枯れ草を集めて燃やしていた。
風が無いので煙は空高く昇っていくだろうと思ったら、そうではなかった。もうもうと上がった煙は、吸い寄せられるように川へと流れ、下流へ向かって川の形に遠く彼方まで厚い帯状に伸びていた。六十余年生きてきて初めて見る光景だった。
温度差によるものなのだろうか、川の上には常に気流があるのだろうか。気象に詳しい人に会う機会があったら尋ねてみたい。
確かめようが無いけれど、僕の見たちょっと不思議な光景は、この説明で読んだ方に伝わってるのかな?上手く伝えられてない気がする。
やっぱり文章で伝えるって難しい。
#冬晴れ
私が落ち込んでいる時
君の表情はいつも寒さが険しい冬のようだけど
その時は冬晴れのような笑顔で私を慰めた
それは、とても温かく、でもどこか、冷たくて
まるでコーヒーのようだった
「冬晴れ」
あぁ、こんな日でよかった。
ここのところ、厳しい寒さが続いて心も凍りそうだったけれど。
高く、淡い青の空、風は無く、やわらかく暖かい。
あなたを見送るのが、こんな日でよかった。
「幸せとは」
様々な幸せの形がある
様々な幸せの考え方がある
様々な幸せの感じ方がある
「冬晴れ」
襖・障子を張り直す晴れの籠り日
数日前に降ったであろう
こんもり積もった雪に
晴れの日差しが降り注ぎ
きらきらと世界を照らすなか
放置されている田んぼ一面に
敷きつめられたきらきらの雪の絨毯を
集団登校の列を外れて
ザックザック歩くのが好きだった
積もってすぐだと足が埋もれちゃうんだけど
1日経って
少し溶けたものがまた冷え固まった雪面は
とっても歩きやすい
昼にはまた溶けちゃうから
下校時には歩くと沈んじゃう
朝の登校時間がベストタイミング
懐かしいなぁ
もうあんな日常的に
雪が積もる時代ではないもんね
◇ふゆ晴れ◇
→短編・情報源
冬晴れの日差しを、日干しレンガに集めると雲母のような層を持つ結晶になる。印象派の絵画に登場しそうな白く焼けたレンガというとイメージしやすいだろうか。
日結晶はちょっとの衝撃でも壊れてしまうので、細心の注意を払ってレンガから剥がし取り、セルロイド製のケースに保管する。
この結晶を、ごぼうのポタージュにほんの少し加えると、冬の晴れた公園を歩くような澄んだ土の香りがするらしい。
友人のグリーンフィンガーズとノームとお茶をしたときに聞いた話なので、確かな情報だと思う。
テーマ; 冬晴れ
「やっぱり外で食べるミスドが一番だよなあ」
右手にエンゼルフレンチ、左手に黒糖ポンデリング。ミズキはそれを交互に一口ずつかじって、和と洋を楽しんでいる。なんて贅沢な。
「レイも食べなよ」
「いいよ。それより話ってなに」
「まあまあ」
まったく。急に公園に呼び出されて、来てみたらベンチでドーナツ食べてるだけじゃないか。
私は共通テスト対策の問題集にペンを走らせる。来週の試験までに、もう一周読んでおかなければいけないのに。
「ミズキだってC判定だったんでしょ、のんびりしてないで勉強したらむぐ」
甘々な糖衣と、サクホロ食感のドーナツが私の口の中でほどける。ミズキが私の口に押し込んだのである。
「やめてよ、喉乾くじゃん」
そう言いつつ、久々のドーナツの美味しさに思わず口元がゆるむ。
それを見たミズキはニヤニヤして、
「ほーれ、甘々ドーナツにおぼれるがよい」
「んふんふ……んふ」
「うまいか」
「んふふふ」
「よーしよし」
シャッターの音。ドーナツを頬張る私を、ミズキが撮っている。
「インスタあげるの?」
「ううん、これはあげない」
私の写った写真を眺めて、ミズキは満足げである。
冬晴れの日差しが、寒さで赤くなったミズキの頬を暖かく照らしている。
「これでまた頑張れるわ」
「え?」
「なんでも」
「なにー」
「レイもあんまり張り詰めすぎないようにね」
ミズキはエンゼルフレンチの最後の一口を食べ切ると、ベンチから立ち上がった。
「じゃ、私は塾行くわ」
「え、話って」
「別に。レイを餌付けしに来ただけ」
ミズキは私の肩をぽんぽん叩いた。
「色々落ち着いたらさ、またゆっくり話したいな」
「おうおう私もだよ」
私もミズキの肩をぽんぽん叩き返した。
それはなんだか温かくて優しい時間で、ミズキと別れて家に帰った後も、その温かさは胸の内に残っていた。
【お題:冬晴れ】
「さむーーい!!」
隣に立つ少女が体を縮こまらせ、首に巻いた毛糸のマフラーに顔を埋める。少女はポケットからカイロを取り出し、両手で包み込むように持つと手の甲を温めるように白い息を手に吐き出した。
今日は風が強い。おかげで雲一つない快晴ではあるが、冷たい北風はぴしぴしと肌を痛めて通り過ぎていく。そのうち鎌鼬も現れそうな日だ。早く帰るのが吉だろう。
「風止んでくれたら、ちょっとは暖かいのに。」
そうこぼした瞬間に風が吹き、少女はあ゙ー!と苛立ちを込めて叫びながら小さな体を更に小さくしていた。
「バス来るまででいいから風止んでー!!神様ーー!!」
ヤケクソのように少女は叫ぶ。時刻表によればバスが来るまであと10分だ。その間、彼女は屋根も壁もない看板のみのバス停でバスを待たなければならないらしい。この時期に年若い少女が寒さに凍えるのも見るに堪えない。
仕方がない。今回限りだ。
手を天に掲げ、風に揺られる着物の袖が止まるのを待つ。降りてきた相手に暫しの間止めてやってくれと伝えると、相手は快く頷いた。仕事が多くて疲れていたらしい。
「……あ、風止まった……あったかぁ……」
少し時間が経ち、風が吹かなくなった事に気が付いたらしい少女は、冬晴れの陽だまりの中でほうっと息を吐いた。
社から動けないまま少女に声を飛ばす。
『明日は厚着してきなさい』
「はぁい。……えっ?」
きょろきょろと少女が辺りを見渡す。
全く、足なんて出すから寒いのだ。
冬晴れ とは 太陽の光が降り注ぎ 穏やかに晴れ渡った 冬の日 を意味する季語です 冬日よりとも呼ばれ 木枯らしがあまり吹かず 昼間は少し暖かい日が特徴です 冬晴れ は ほっと一息つける 貴重な日です 1月6日 学校の始まり 仕事の始まり 今日は朝から雨が降っています 冬晴れではありません 冬晴れの日の楽しみは お散歩です 太陽の光のもとに 体に冬の日差しを浴びて すぐ散歩は本当に気持ちがいいです 太陽さんありがとうという気持ちになります