『冬晴れ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
初冬の風の無いよく晴れた日の午後。川沿いの道を下流に向かって車を走らせていた時、不思議な光景を目にした。
収穫の終わった道沿いの田んぼでは、農夫が藁や枯れ草を集めて燃やしていた。
風が無いので煙は空高く昇っていくだろうと思ったら、そうではなかった。もうもうと上がった煙は、吸い寄せられるように川へと流れ、下流へ向かって川の形に遠く彼方まで厚い帯状に伸びていた。六十余年生きてきて初めて見る光景だった。
温度差によるものなのだろうか、川の上には常に気流があるのだろうか。気象に詳しい人に会う機会があったら尋ねてみたい。
#冬晴れ
私が落ち込んでいる時
君の表情はいつも寒さが険しい冬のようだけど
その時は冬晴れのような笑顔で私を慰めた
それは、とても温かく、でもどこか、冷たくて
まるでコーヒーのようだった
「冬晴れ」
あぁ、こんな日でよかった。
ここのところ、厳しい寒さが続いて心も凍りそうだったけれど。
高く、淡い青の空、風は無く、やわらかく暖かい。
あなたを見送るのが、こんな日でよかった。
「幸せとは」
様々な幸せの形がある
様々な幸せの考え方がある
様々な幸せの感じ方がある
「冬晴れ」
襖・障子を張り直す晴れの籠り日
数日前に降ったであろう
こんもり積もった雪に
晴れの日差しが降り注ぎ
きらきらと世界を照らすなか
放置されている田んぼ一面に
敷きつめられたきらきらの雪の絨毯を
集団登校の列を外れて
ザックザック歩くのが好きだった
積もってすぐだと足が埋もれちゃうんだけど
1日経って
少し溶けたものがまた冷え固まった雪面は
とっても歩きやすい
昼にはまた溶けちゃうから
下校時には歩くと沈んじゃう
朝の登校時間がベストタイミング
懐かしいなぁ
もうあんな日常的に
雪が積もる時代ではないもんね
◇ふゆ晴れ◇
→短編・情報源
冬晴れの日差しを、日干しレンガに集めると雲母のような層を持つ結晶になる。印象派の絵画に登場しそうな白く焼けたレンガというとイメージしやすいだろうか。
日結晶はちょっとの衝撃でも壊れてしまうので、細心の注意を払ってレンガから剥がし取り、セルロイド製のケースに保管する。
この結晶を、ごぼうのポタージュにほんの少し加えると、冬の晴れた公園を歩くような澄んだ土の香りがするらしい。
友人のグリーンフィンガーズとノームとお茶をしたときに聞いた話なので、確かな情報だと思う。
テーマ; 冬晴れ
「やっぱり外で食べるミスドが一番だよなあ」
右手にエンゼルフレンチ、左手に黒糖ポンデリング。ミズキはそれを交互に一口ずつかじって、和と洋を楽しんでいる。なんて贅沢な。
「レイも食べなよ」
「いいよ。それより話ってなに」
「まあまあ」
まったく。急に公園に呼び出されて、来てみたらベンチでドーナツ食べてるだけじゃないか。
私は共通テスト対策の問題集にペンを走らせる。来週の試験までに、もう一周読んでおかなければいけないのに。
「ミズキだってC判定だったんでしょ、のんびりしてないで勉強したらむぐ」
甘々な糖衣と、サクホロ食感のドーナツが私の口の中でほどける。ミズキが私の口に押し込んだのである。
「やめてよ、喉乾くじゃん」
そう言いつつ、久々のドーナツの美味しさに思わず口元がゆるむ。
それを見たミズキはニヤニヤして、
「ほーれ、甘々ドーナツにおぼれるがよい」
「んふんふ……んふ」
「うまいか」
「んふふふ」
「よーしよし」
シャッターの音。ドーナツを頬張る私を、ミズキが撮っている。
「インスタあげるの?」
「ううん、これはあげない」
私の写った写真を眺めて、ミズキは満足げである。
冬晴れの日差しが、寒さで赤くなったミズキの頬を暖かく照らしている。
「これでまた頑張れるわ」
「え?」
「なんでも」
「なにー」
「レイもあんまり張り詰めすぎないようにね」
ミズキはエンゼルフレンチの最後の一口を食べ切ると、ベンチから立ち上がった。
「じゃ、私は塾行くわ」
「え、話って」
「別に。レイを餌付けしに来ただけ」
ミズキは私の肩をぽんぽん叩いた。
「色々落ち着いたらさ、またゆっくり話したいな」
「おうおう私もだよ」
私もミズキの肩をぽんぽん叩き返した。
それはなんだか温かくて優しい時間で、ミズキと別れて家に帰った後も、その温かさは胸の内に残っていた。
【お題:冬晴れ】
「さむーーい!!」
隣に立つ少女が体を縮こまらせ、首に巻いた毛糸のマフラーに顔を埋める。少女はポケットからカイロを取り出し、両手で包み込むように持つと手の甲を温めるように白い息を手に吐き出した。
今日は風が強い。おかげで雲一つない快晴ではあるが、冷たい北風はぴしぴしと肌を痛めて通り過ぎていく。そのうち鎌鼬も現れそうな日だ。早く帰るのが吉だろう。
「風止んでくれたら、ちょっとは暖かいのに。」
そうこぼした瞬間に風が吹き、少女はあ゙ー!と苛立ちを込めて叫びながら小さな体を更に小さくしていた。
「バス来るまででいいから風止んでー!!神様ーー!!」
ヤケクソのように少女は叫ぶ。時刻表によればバスが来るまであと10分だ。その間、彼女は屋根も壁もない看板のみのバス停でバスを待たなければならないらしい。この時期に年若い少女が寒さに凍えるのも見るに堪えない。
仕方がない。今回限りだ。
手を天に掲げ、風に揺られる着物の袖が止まるのを待つ。降りてきた相手に暫しの間止めてやってくれと伝えると、相手は快く頷いた。仕事が多くて疲れていたらしい。
「……あ、風止まった……あったかぁ……」
少し時間が経ち、風が吹かなくなった事に気が付いたらしい少女は、冬晴れの陽だまりの中でほうっと息を吐いた。
社から動けないまま少女に声を飛ばす。
『明日は厚着してきなさい』
「はぁい。……えっ?」
きょろきょろと少女が辺りを見渡す。
全く、足なんて出すから寒いのだ。
冬晴れ とは 太陽の光が降り注ぎ 穏やかに晴れ渡った 冬の日 を意味する季語です 冬日よりとも呼ばれ 木枯らしがあまり吹かず 昼間は少し暖かい日が特徴です 冬晴れ は ほっと一息つける 貴重な日です 1月6日 学校の始まり 仕事の始まり 今日は朝から雨が降っています 冬晴れではありません 冬晴れの日の楽しみは お散歩です 太陽の光のもとに 体に冬の日差しを浴びて すぐ散歩は本当に気持ちがいいです 太陽さんありがとうという気持ちになります
冬晴れ~
冬でも 晴れると 暖かいですよね~
そのときの 気持ち良さ 心地よい
ですね~
今年は13年ぶりの 寒さ 頑張り
ましょうね
寒いけど それはそれとし 楽しもう
寒いけど 美味しものが 食べられる
空気が張り詰めているような朝。冷気が肌を刺す。足元には霜柱。ザクザクと音を立てながら進む。
ふ、と空を見上げると、雲一つない青い空が広がっていた。空色が少し薄い。冬晴れである。
「コラ、そこ、何をよそ見している!」
すかさず怒鳴り声が上がる。よろよろと前を向いて進む。足に着けられた重りが重い。
捕らえられてここにきて、もう何ヶ月にもなる。あのころは台風がよくきていたのに、今は冬空になってしまった。
「鉄道を作るんだと」
同じく囚人の仲間が教えてくれた。針葉樹の広がる森を、ひたすら開拓している。太い木を斬り倒し、岩がゴロゴロと混じる土を慣らす日々。
「なあ、逃げないか?」
囚人同士の会話は禁止されている。だが、監視の目が届かない場所では別だ。藪の中に入った一人一人を常に監視することはできない。
「逃げるって、どうやって」
宿舎では監視の目が鋭いし、周りは原生林が広がるし、だいたい足に繋がれているこの鎖は外せない。
「藪の中では目が届かないだろ。この隙にそっと抜け出すのさ。足は、ほら、これで」
缶の切れ端。支給されたものを密かに隠していたという。
「ここ5日ほど同じところで作業してただろ。その間に、見張りの位置を確かめて、経路を見つけたんだ。お前もどうだ」
もちろん、こんな所からは一刻も早くおさらばしたい。だが、見つかったら半殺しにされてしまう。そうなると、解放される日まで生き残れるか不安だ。
だが。
「やる。俺も交ぜてくれ」
そうときまれば、と男は缶の切れ端を鎖に宛てがい、支給されている斧の刃の付け根を打ち付ける。二度、三度、五度ほど打ち付けて鎖が千切れた。
「味噌汁とかスープとか、支給されたものを少しずつ鎖に付けてたのさ。錆びないかって」
次は俺の番。今度は九度ほど打ち付けてようやく切れた。
藪に身を潜めて進む。森の中、開発しているルートと直角に進む。
「お前ら!」
見つかった!監視が声を上げると、男は俺を突き飛ばして転ばせた。そうして、自分は走った。
俺を誘ったのはこれが目的か。囮だ。
くそ、思い通りになるものかよ。
必死に立ち上がり、男を追う。凍った地面が滑る。
ようやく落ち着いた襟を掴み、思い切り引く。後頭部を打ち付けてのたうつ男を尻目に、走る。走る。
そうして辿り着いたのが山小屋だった。どのくらい走ったろうか。もう足が動かない。
扉を開けて中に入ると、暖炉に火がかけられていた。暖かい。久し振りに感じる暖かさだ。竈には大きな鍋がかけられていて、グツグツと音を立てている。美味そうな匂い、腹が鳴る。
フラフラと鍋に近づいたところ、扉を開けて入ってきた者がいた。大きな犬のような顔をした生き物だった。だが、二本足で立っている。
「これはこれは……お客様でしたかな?ようこそ」
流暢に話す。俺の国の言葉だ。どういうことだ。
「あの」と話そうとしたところで、思い切り腹が鳴った。
目を丸くした生き物は、すぐに微笑んで鍋の中のスープを出してくれた。
美味い。暖かい食べ物なんて、何ヶ月ぶりだろう。夢中で食べた。
一息いれていると、生き物が話しかけてきた。
「見たところ、どこかに捕らえられていたようですね。他の国の方のようだ。もしよろしければ私の手伝いをしていただけますか。お食事と寝るところ、服だって用意します」
通報されてもおかしくない状況だというのに、願ってもない条件を提示される。
話がうますぎないか、と疑念が過るが、提示された話を飲む以外に俺には道はない。
「なんの手伝いだ」
「なに、簡単です。あなたは私が外に出ている間、家の中の用事をしてくださるだけでいいのです。掃除して、食事を作って、暖炉に薪を焚べて。そうしていただくと、私の仕事も捗るので」
「仕事、とは、なんだ」
「大したものではありません。この国の在り方を変えようと思っているだけで。ただ、そうすると今までのように人間の皆さんだけの世界ではなくなってしまいますが」
驚いて生き物の顔を見る。穏やか笑みを浮かべるが、目の奥の表情は知れない。
「……いいだろう、手伝うよ」
どのみち、俺もこの国を変えようとして捕まったんだ。少し違う変え方だろうが、目的は同じだ。
囚人をあんな扱いする国なんて滅びてしまえ。少しはマトモになるだろう。
「はぁー」
フレーは手を擦り合わせて空中に白い息を吐く。村に戻ってきたのは一年も経たないほどなのにどうしてこんなにも寒く感じるんだろうか。
オレは手袋をつけた手をコートのポケットに突っ込みフレーの頭に顎を乗せる。
「ちょっと!重いんだけど!」
「う、うるせ、っつーの...寒過ぎんだろ...」
あまりの寒さに歯の根がカチカチ鳴りながらもフレーに文句を言う。
「こ、こんな、寒いってのに、ここで何やってんだよ、お、おかげで、森の中まで、探してたんだぞ」
「ごめんごめん」
笑って謝るフレーの頬に手を当てる。冷たい!と悲鳴をあげるが、そんなこと知ったこっちゃない。それにこんなに冷たくなった原因はフレーにもある。
オレの幼馴染であり、婚約者でもあるフレーデル・アンドールは今日みたいな冬晴れの日、特に雪が積もった日は理由もなくふらっと外に出てしばらく帰ってこないことがある。
大抵は2、3時間ほどすれば帰ってくるのだが、今日は朝っぱらから抜け出して、心配になったアンドールおばさんがオレにフレーの場所を聞きにきた。
オレよりも2歳年上のくせして白い息を吐いて遊ぶなんて子供じみたことを続けてるなんて信じられない。
それにオレはマフラー、帽子、分厚いコート、裏毛のブーツを履いているのに対してフレーはマフラーとオレと比べると薄いコートしか着ていないのも信じられない。
「お前それだけで寒くねえのかよ。オレ凍えそうなんだけど」
「それは大袈裟じゃない?」
「じゃあお前の鼻なんで赤くなってんだよ」
むぎゅ、と赤くなった鼻を摘むとムッとしてオレの手を振り払う。
「はいはい、今日も私を探しにくるのお疲れ様ー。って言うか、いつもどうやって見つけるの?私いつも場所変えてるよね?」
「どうやってってお前...そりゃぁ、幼馴染のカンっつーか、お前のその髪色っつーか...雪の中でオレンジ色って目立つだろ」
「ふーん...エイベルにしてはあやふやな言い分だね。でもまぁ、それもそっか」
「おう、いい加減戻るぞ。朝飯食ってないだろお前」
「言われてみればお腹空いてきた。早く戻ろう!ほらほら、置いていっちゃうよエイベル!」
「あっ!おい待てよ!」
フレーは楽しそうに笑いながら走って木々の中に消えていった。慌てて追いかけるが地味にオレより足が速いフレーとの距離はどんどん引き離されていく。
相変わらずオレンジ色のおさげは木と木の間から見えるものの、だんだんそのおさげも小さくなっていくことに危機感を覚えた。
このまま見失ってしまうのではないだろうか。オレの手の届かない場所に行ってしまうのではないだろうか。あのオレンジ色の髪は雪景色に溶けていってしまうのではないか。
考えながら走っていたからか、フレーを見失ってしまった。
はっ、はっ、はっ、と浅く呼吸を繰り返す。
「ッフレー!どこだッ!」
木々の間に向かって叫ぶも返事は当然ながらない。
「フレー!!ッフレー!!」
しばらく呼び続けていたら木の幹からひょこっとフレーが出てきた。
「どうしたのそんな呼んじゃって...怪我でもした?」
オレの心配も知らず呑気なことを言うフレーを思わず思いっきり抱きしめる。
「うわっ、ちょっとどうしたの本当に!?」
「勝手にどっかいくなよ...心配するだろ...」
絞り出すような声で文句を言うとフレーは上げていた手をオレの背中に添えて子供をあやすように軽く叩いた。
「ごめんごめん、エイベルついてきてると思ってたの」
「ん、」
オレはフレーに自分の小指を差し出す。フレーはキョトンとした顔で小指をきゅ、と握った。
「違う、約束だ、約束。もうどっか勝手に行かないって約束しろ」
オレがそう説明すると納得したように、でも少し呆れたように笑い小指を絡めた。
「指切りげんまん、勝手にどこかに行かない、指切った」
「ふふふっなんだかエイベルのほうが子供みたい」
笑われたっていい。それでフレーが消えてしまわないなら、それでいい。
お題 冬晴れ
冬の晴れた日は寒い。冬の青空は寒さの証。
私は大して気にしない。青空は元気の証。
どうせ青空でも曇りでも変わらない。
いつもと同じように時間が流れるだけ。
変わらない日々に、飽き飽きする。
私の住む地方の正月はとても穏やかな冬晴れとなった 日差しも春なの?と思うほど明るく暖かだった… 一方でテレビの天気予報を見ると青森県が豪雪となっている 昨年の暮れから酸ヶ湯をよく耳にする 雪がほとんど降らない地方暮らしなので豪雪地方の生活の大変さは想像を絶する 改めて日本の広さを実感している…
ポポヤ
【冬晴れ】
青く澄んだ空にひとつ言葉を投げて
返ってくるのは冷たい風のみで
冷たく静かな風は優しく頬を撫で
ツキリと心に刺さる
二度と返って来ないと知っていながら
空の文字を持つあの人の名前を空に
二度と戻らないと知っている
龍の様に強く優しかった君の名前を風に
冬の晴れた空、人を包み込む風
全てに小さい本音を
どうか未来へ
「あぁ寒い」
なかなか寝付けず寝返りをうっていたら
いつの間にか日が昇っていた。
冬晴れの空は気持ちよくて
昨日のことを忘れてしまいそうだった。
昨日私は失恋をしてしまったから。
その事を忘れられるなら
今日はよく寝れるかも
─────『冬晴れ』
湿り気のない澄んだ空気を思い切り吸い込む。
胸の内側がひんやりして気持ちがいい。
ふうと息を吐きながら肩を落とすと背中のランドセルが揺れた。慌ててベルト部分を、手袋を付けた両手で掴んだ。吐く息はどれも真っ白で、目の前が曇るのが不思議だ。
これだけ寒くて晴れた日ということは。
通学路は川沿いの砂利道だ。大急ぎで向かえば道の隅っこが白く輝いていた。
恐る恐る片足を踏み入れる。
ザクッ
足に伝わる感触と、耳に届いた音にニンマリと口角が上がる。
もう片方の足をその隣に下ろす。
ザクッ
先ほどと同じことが繰り返されて笑ってしまった。
ザクッ ザクッ
学校に着くまでのほんの数分、ひたすらザクザク鳴る地面を踏んで足を進めた。
これが「霜が降りる」ということだと知る前の、小学生の頃の話。
『冬晴れ』
冬晴れ
冴え冴えした空気を通ってほんの少し太陽の暖かさが肌に届く。ひんやりしているからこそより敏感に熱を感じ取って心までほんのり温まり、固く縮こまった身体を緩ませる。
ふわりと右手を取られ、手袋を通しても伝わる日差し以上の温もりに包まれる。…あったかい。
「ほんっといっつも冷たいンすね。手袋してんのに冷たいの分かります」
手袋もしてないのにいつも温かいその大きな手からどんどん熱が移って、手袋越しに冷え切った指先が温められていく。
直接その温もりに温められるのは、まだもう少し先のことだった。
毎日寒いけど
ニーハイブーツの女子高生
が見れるからご褒美すぎる🤤
てか踏まれたいわ😍
久しぶりの穏やかな冬の昼下がり。
A子は一人、ベンチで手作り弁当を広げていた。
少しぐらい寒くても、ランチ会で周囲に気を遣うよりはこちらの方がよっぽど心が凪ぐ。
折角の昼休みなのだからこの時間ぐらいは誰にも遠慮なぞしたくない。
どこから嗅ぎつけたのか、おこぼれに預かろうととんできた鳩達が自分の足元をくるくると歩いている。
そんな光景に思わず口元が緩む。
願わくばずっとこんな日々が続けばいいのにな。
タコさんの形に切ったウインナーに箸を伸ばした。