『冬晴れ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
冬晴れ
冬晴れの日には、外へ出てみよう。
外気に体をさらし、
ぴりりと冷えた空気を胸いっぱいに吸い込もう。
指先の細胞まで届くように。
目を閉じて太陽に顔を向けたら、
日差しは頬に暖かく、瞼の裏はこの体を流れる血で赤く透けるだろう。
新しい年は厳しく始まった。
それでも澄んだ空を見上げよう。
#138
仕事を止めて昼休み。
冷たい風を覚悟して、コート着込んでえいやと外に出てみると、思いがけない暖かさに拍子抜けした。
「まぶしいなぁ……」
いつもは薄暗いアスファルトの道。今日は日差しに照らされて、なんだか光っているみたいだ。
「お昼ごはん何食べようかな」
透き通るみたいに青い空の下、足取り軽やかに歩き出す。
『冬晴れ』
顔を上げる
青い空が広がる
冷たい空気を胸いっぱい吸い込んで
私はここに立っている
何を失おうとも
「冬晴れ」
#292
【冬晴れ】
空には雲ひとつない穏やかで澄んだ青色が広がる。木々は既に葉が落ちきって、代わりに真っ白な雪が衣となっている。
冷たい空気が身体中まとわりつくが 、私はこの季節が好きだ。雪の薄く積もるこの風景ももちろんだが、この澄み切った空間を散歩していると心も洗われた気分になる。鼻先と耳が冷たくなるのを感じながら、歩を進める。
すると、少し遠くに雀がやってきた。冬毛のため、まん丸としたフォルムが可愛らしい。私は小さく微笑むと、スマホを取りだし写真を撮った。あまり綺麗に撮れなかったが満足だ。
さて、そろそろ帰ろうか。暖かいココアが飲みたくなってきた。
木々は陽の光に照らされ光り輝いていた。
「冬晴れ」
凍え死にそうな中の唯一の光。
【#18】
キーンと音がしそうなほどの冬晴れの青い空。風は冷たく、頬を赤くする。
ポケットに手を突っ込んで、俺はサクサク歩き続ける。どこに向かってるわけでもない、ただの散歩。
色々あったから、健康に良いと言われることはなんでも手を出したくなる。散歩もそのひとつ。
何にもなく、ただ歩く。君がここにいたら良いのにな。ふとそんなことを思いながら。
ここにいて、隣を歩いてくれたら良いのにな。いや前を歩いてくれても良い。俺はその背を永遠に見ていられる。
後ろを歩いてくれるので良いな。君は先を歩く俺をぎゅっと抱きしめてくれるかな?
「俺じゃダメかとか言ってくれないかなー」
そんな甘い妄想をしながら、俺は雲ひとつない冷たい青空の下、歩いたのだった。まる。
▼冬晴れ
公園の真ん中に、ビー玉が一粒落ちていました。冬晴れの日差しを反射してきらきらと光っています。
追いかけっこをしていた子供のひとりが知らずのうちに蹴り飛ばして、ビー玉は茂みへ転がっていきました。
そのビー玉は不思議なことに、光の差さない場所でもずっときらきら光り続けました。まるで太陽の美しさを忘れられない子供のように。
ところが茂みの中には先客がいました。一羽の真っ黒いカラスでした。冷たい木枯らしで吹き溜まった枯葉を集めて隠れていたのです。
カラスは輝くビー玉をつついて、
「おうおう、人ん家に転がり込んで堂々光るたあ良い度胸じゃねえか」
ビー玉は無邪気にころころ転がりながら、
「僕は明るい方が好きなんだ」
「そうかそうか、俺は大嫌いだ。明るいと自分の姿が見えちゃうじゃないか」
「見えたって良いじゃないか」
「俺は嫌なんだよ。さあ、あっち行った、行った」
カラスがつつくと、ビー玉は彼の周りをくるりと一周転がって、きゃっきゃと笑いました。
「からかうな。さっさと出てけ!」
「どうしようかな、もう少しここにいようかな」
厄介な客に、カラスはやれやれとため息をつくのでした。
冬晴れ
冷たく広がる青空…足元は白く輝く霜柱をサクッと踏み乍ら、張り詰めた空気で顔が痛い…歳が明けて数日過ち、ぼちぼち日常が戻りつつある…青空には、眩しい太陽と、一筋の飛行機雲がすっと流れている…朝のこのひと時の凛とした空気と青空を、あなたと一緒に感じたい…
初めて冬晴れという言葉を知った
なんとなく暖かくて気持ちいいなって
小さい時や社会人になって
ふとしたときに思ってたときのことだったなんて
12月や今月はそう思うことはなかったなって思うと
ちょっと寂しくなったかな…
今日ね
私の回りで
インフルの人が多いって話してる人がいたんだよね
あとはくしゃみしてる人とか
鼻をしゅんしゅんしてる人とか…
私もなぜか今日はくしゃみが何度か出てたんだ
そんなに寒いとは思ってなかったけど
体調悪く思われるから
なんか嫌な1日だったかも
[冬晴れ]
家の中が
寒い。
でもなぁ、
じっと
籠もるってのも
飽きてきた。
スーパーに
買い物でも
行こうか。
ダウンを着て
マフラーして
手袋も着けて
外に踏み出すと
ぽかぽか
気持ちいい。
ダウンも
マフラーも
手袋も
要らなかったな。
スーパーまで
遠回りして
散歩でもしよ。
#冬晴れ
冬張れ
雲ひとつない空
とても寒い
すがすがしい気持ちになる
冬晴れは寒さの強まる兆し…放射冷却で冷え込む。
昼間、太陽の光自体はあたたかさを注いでくれるけれど、夜の星は澄んで煌めき、月は冴え冴えとその輪郭をくっきりさせる。足下の雪はぎゅうぎゅうと鳴り、空気は容赦無く引き締まる…のは昔のことだ。
私の住む街の気候も昔とはずいぶん様変わりしてしまった。中途半端に暖かい冬が巡って来るようになり、最初のうちは「今年も暖冬」と言われた状況も「平年並み」と言い慣わされて久しい。暖かい冬が始まったのは私が中学生のときだったから、もう38年前だ。毎朝のものだったダイヤモンドダストやサンピラーは消えた。川沿いの木々が樹氷を纏うことも無くなり、スキー場の粉雪はエッジの引っかかるベタ雪になった。マイナス20度を下回るのが普通だったが、現在はひと冬に一度あるかないかだ。子供の手伝いに雪かきがうってつけだったのも、昔の雪は軽いパウダースノーだったから。今は大の男でも息切れするような重く湿った雪を「除雪」する。雪がべたつくようになって列車のトラブルも増えた。かまくらや雪だるまを作ることが夢のまた夢だったけど、今は簡単に作れる。そういえば、アラスカの平均気温が私の住む街とほぼ同じだと聞いて驚いた。やはりアラスカ鉄道もトラブルが増えて、運営コストは大変な状態らしい。ずいぶん前だが、NASAが地球の地軸変動を伝えていた。3度の傾き増と記憶している。現在、その原因を調べる活動も増えている。
あらゆるレベルで、育った記憶の冬とは違う冬の日々。同じ場所でのこれほどの変化は、冬晴れの日の気温差にも複雑な感慨をいだいてしまう。
こんなつもりじゃなかった。
ただ、会って話がしたかった。
昨夜のことを聞きたくて、聞けなくて、
冬晴れの公園を、黙ったままで歩き続ける。
責めるつもりなんてなかった。
朝まで帰らなかった君が心配で、
何があったのかを聞きたくて、聞けなくて、
いつの間にか、無言で君を責めてた。
大切だったから、見過ごすことが出来なくて、
少しずつサヨナラを覚悟してゆく。
暖かい陽射しの中で、凍えるような気持ちを抱いて、
この公園が二人の、最後の思い出になることを。
Winter Comes Around
冬が訪れて、すべてを白く白く、
二人の時間を白紙に戻していく。
Winter Comes Around Slowly
ゆっくりと冬は訪れて、
ポケットの中で君がくれた手袋を握りしめる。
不意に君の声が背中越しに届いた。
「今までありがとう」
Winter Comes Around
Winter Comes Around Slowly
冬がゆっくりと訪れる。
こんなに空は晴れているのに。
遠くに春を目視できそうな暖かさ。久しぶりの空はこんなに水色だったっけ?3月みたいに眩しい空気が胸に満ちる。あなたと一緒に微笑み交わせたら。
山頂から町を見下ろす
小さく見えるボクの家
ダイヤモンドみたいに
空気が眩く光っている
冷え込んでいる証拠だ
この景色が好きなんだ
何度も瞳に焼き付けて
無心で滑り降りるのさ
晴天は視界良好で最高
子供は風の子元気な子
寒さは少し我慢をした
澄んだ青はスキー日和
『冬晴れ』
『冬晴れ 』
分厚くてもこもこの冬用衣服が乾く最高の天気。
駆け回りたくなるね。
『冬晴れ』
降り続いた雪は降り止み
吹き続いた冷たい風は止み
雲の隙間から暖かな光りが射し込む
やがて雲はなくなり
青空が広がる
時計の針は正午を指している
今日は外食でもしようか
END-名も無き小説家-
朝、肌を刺激する寒い霧の中を自転車で走って学校へ行く。いつもは少し嫌になる長い信号待ちの時間が手を暖めるための時間になり、すぐに青信号に変わってしまうと待ち時間が少し恋しく思う。そんな日のお昼の暖かさはとても気持ちがいい。雲ひとつないすっきりとした空。風は吹くけど太陽の暖かさがいつもより感じられる貴重な日。北風さえも気持ちよく感じてしまう。
こんな貴重な日が平日に来てしまうなんて…と残念がりながら受ける午後の授業はとても眠たくなる。給食で膨れたお腹とお昼休みで友達とはしゃいだ時に満たされた心と、気持ちの良い天気と。
また明日もこんな日になるといいなと思いながら過ごす一日になる。
最近は暖かい日が続いていますね。家にある桜の新芽が少しずつ出てきました。暖かいのが気持ち良いと思う反面、去年のような雪が沢山降っていたり、凍てついた水溜りを求めてしまいます。
今日もここまで読んでくださってありがとうございます。今日のお題は『冬晴れ』でした。
明日も寒暖差に気をつけて元気に頑張ります。
変わらない。ここは何も。
十年前と同じ景色を、今日も見ている。
古びた回転木馬。
軋む観覧車。
ひび割れた道。
子どもたちの笑い声。
冬晴れの空を見上げる。
澄み切って雲一つ無いそこを、小さな飛行機が横切った。
ここでは時の流れがひどく遅く感じる。
赤と白のストライプのひさしが見えた。
その下に、クレープのサンプルが一面に陳列されたショーウィンドウ。
小銭を握りしめて列に並んだことを思い出しながら、クリームたっぷりのクレープを買った。
あの日夢中になった味だ。
美味しいことに変わりはなくて、けれど記憶の中よりも甘い。
変わったのは自分か。
昔の流行りの歌を、いまだに流すスピーカー。
色褪せた楽しげな看板。
ゴーカートの排気ガスの匂い。
沈む夕日。
何度も通った遊園地。
思い出たちが染み込んだ景色は、どこか物悲しい。
もう帰るよ、と誰かの母親の声がした。
冬晴れ
やっぱり晴れが1番いい。
傘は好きじゃないから。
冬に晴れてると空気が冷たくて、
太陽はあったかくて気持ちが良くて好き。