キーンと音がしそうなほどの冬晴れの青い空。風は冷たく、頬を赤くする。
ポケットに手を突っ込んで、俺はサクサク歩き続ける。どこに向かってるわけでもない、ただの散歩。
色々あったから、健康に良いと言われることはなんでも手を出したくなる。散歩もそのひとつ。
何にもなく、ただ歩く。君がここにいたら良いのにな。ふとそんなことを思いながら。
ここにいて、隣を歩いてくれたら良いのにな。いや前を歩いてくれても良い。俺はその背を永遠に見ていられる。
後ろを歩いてくれるので良いな。君は先を歩く俺をぎゅっと抱きしめてくれるかな?
「俺じゃダメかとか言ってくれないかなー」
そんな甘い妄想をしながら、俺は雲ひとつない冷たい青空の下、歩いたのだった。まる。
▼冬晴れ
1/5/2024, 2:39:08 PM