冬晴れは寒さの強まる兆し…放射冷却で冷え込む。
昼間、太陽の光自体はあたたかさを注いでくれるけれど、夜の星は澄んで煌めき、月は冴え冴えとその輪郭をくっきりさせる。足下の雪はぎゅうぎゅうと鳴り、空気は容赦無く引き締まる…のは昔のことだ。
私の住む街の気候も昔とはずいぶん様変わりしてしまった。中途半端に暖かい冬が巡って来るようになり、最初のうちは「今年も暖冬」と言われた状況も「平年並み」と言い慣わされて久しい。暖かい冬が始まったのは私が中学生のときだったから、もう38年前だ。毎朝のものだったダイヤモンドダストやサンピラーは消えた。川沿いの木々が樹氷を纏うことも無くなり、スキー場の粉雪はエッジの引っかかるベタ雪になった。マイナス20度を下回るのが普通だったが、現在はひと冬に一度あるかないかだ。子供の手伝いに雪かきがうってつけだったのも、昔の雪は軽いパウダースノーだったから。今は大の男でも息切れするような重く湿った雪を「除雪」する。雪がべたつくようになって列車のトラブルも増えた。かまくらや雪だるまを作ることが夢のまた夢だったけど、今は簡単に作れる。そういえば、アラスカの平均気温が私の住む街とほぼ同じだと聞いて驚いた。やはりアラスカ鉄道もトラブルが増えて、運営コストは大変な状態らしい。ずいぶん前だが、NASAが地球の地軸変動を伝えていた。3度の傾き増と記憶している。現在、その原因を調べる活動も増えている。
あらゆるレベルで、育った記憶の冬とは違う冬の日々。同じ場所でのこれほどの変化は、冬晴れの日の気温差にも複雑な感慨をいだいてしまう。
1/5/2024, 2:24:34 PM