『冬は一緒に』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
彼と別れて一年が経った。
東京のこの街のイルミネーションが彩る夜は思い出す。
楽しかったあの頃の記憶と彼の隣にいた時間。
私はこの選択を後悔してない。むしろ幸せになる為に別れたと納得すらしている。
それでも時々、街中で似た人を見かけると会いたくなる。
大切な宝物をたくさん贈ってくれた。
新しい恋人といつか冬を一緒に過ごす時間が来たとしても、彼と肩を並べて歩いた瞬間は特別で、今もスマホのフォルダーから消すことができない。
この先も、冬が来るたびに思い出すだろう。
→短編・貴方が誰かってことは知ってる、私に見せて。
廃屋の中、男女が向かい合って立っている。2人の強張った顔から緊迫感がにじみ出ていた。
「Please, John 」
女性の視線が男性の持つ書類に注がれる。女性の注意の方向を見ることもせず、男性はシニカルな笑顔を浮かべた。
「John? I'm Tom」
男性は、とある組織の構成員だ。彼の持つ書類が多くの人の命を握っている。片や女性は、たまたま事件に巻き込まれた元傭兵という経歴の持ち主だ。
張り詰めた場面に不穏な音楽が流れる。映画『テロリスト』は佳境に差し掛かっていた。
追いつ追われつの2人が初めて顔を合わせた、映画の肝となるパートだ。
ここから展開が一気に加速した。
彼女が手招きするように、手のひらを上に向けクイッと指を折った。
「I know……フユワイッショニ」
その言葉に反応した男性がいきなり発煙筒を投げて逃げて逃げ出した。追う女性。男性の救助のためヘリコプターがやってきた。女性の元同僚たちが応援に駆けつけた。しっちゃかめっちゃか、派手な音、煙、涙の対面、涙の別れ……、エンタメ映画のオール出演!
エンディングロールが流れる中、私はホッと息をついた。なんか後半はまとまりなく派手で、まったく覚えていない。それよりも気になった部分が!
スマホを手に取る。
キーボードを英語に変えて、マイクに一言。
「冬は一緒に」
「who you are, you show me.」
おぉ〜、ソラミミ、見事に変換された。
テーマ; 冬は一緒に
丘の上にある粉挽小屋にはチルチルおばさんと、1匹のロバが暮らしています。
おばさんもロバも太陽が昇る前に起き出して、ロバが粉を挽き、おばさんがその粉を捏ねてパンを焼きます。
晴れの日も雨の日も、はたまた風の強い嵐の日も、毎朝変わらずにパンを焼いています。
出来上がったパンは村のみんなの朝ごはん。丘の上から漂ってくる美味しい香りでみんな目を覚まします。
「おばさんのパンの美味しそうな香りがするぞ!」
「今日もきっと美味しいぞ!」
みんなおばさんのパンを毎日楽しみにして、丘の上からチルチルおばさんがやって来るのを楽しみにしています。
毎朝おばさんが持って来るパンは、いつも変わらず美味しくて、みんな大好きでした。
「どうやったらこんなに美味しく焼けるんだろう、コツでもあるのかい?」
ある時誰ががおばさんに尋ねました。
「コツなんてないの。ただみんなと『美味しい』を分け合えるのが嬉しいと私が思っているだけ。」
「一緒に誰かと何かを分け合える。それがとても美味しく感じられる秘密なの。」
それはいつも通りの、ある寒い冬の日の事でした。
2024.12.18「冬は一緒に」
-冬は一緒に-
こたつ、ソファ、ブランケット
あなたの隣でぬくぬくとしながら
ゆっくりとした時間を過ごせたらいいな。
夏とは違う静かな時を。
冬は一緒に
庭の地面に石で描いた落書きが、その日から雨が降らずに残り続ける。こっそり一人で描いたはずなのに、どうりで乾燥するはずだと今日もあなたと一緒に窓から眺めている。
「私も、貴方も」
曇った窓ガラスを見つめながら、彼はふと思いついたように口を開いた。
「多分一人である程度のことは出来てしまうんですよね」
外は雪。積もるかも知れないと予報で言っていた。
けれど暖房の効いた部屋との気温差でそんな外の様子はほとんど見えない。
白だか灰色だか分からない色で閉ざされた室内は、暖かい筈なのに何故か妙に居心地が悪かった。
「まぁ、そうだね。否定はしないよ」
どこか投げやりな調子で私は答えて、一人がけのソファからゆっくり立ち上がる。
彼は何も見えない窓ガラスを何故か睨みつけるように見つめていた。
「人は一人では生きていけない、なんて言うけれどそれは嘘だよ。どうとでもなる」
私も彼も、確かに一人である程度のことは出来てしまう。ハードルを下げれば苦手だと思う事もやれない事は無いだろう。別段、私と彼に限った事ではない。
そう言うと、彼は私を見上げて厳しかった表情を突然ふわりとやわらげた。
「そういう、ところですよ」
そう言って、隣に並んだ私にどかりと背を凭れかけてくる。なんと答えたらいいのか分からず、私は彼を見下ろして問うた。
「みんなからもよく〝そういうところ〟と言われるんだけどね。何が〝そういうところ〟なのかよく分からないんだよ」
言いながら手を伸ばし、曇ったガラスの上で掌を数回往復させる。氷のように冷たいガラスの水滴で手がみるみる濡れていくが、構いはしなかった。
もう既にうっすらと雪は積もり始めている。
「私も貴方も、寂しいとか苦しいとか、そういう事を口に出せない性分だから困りましたね。という話です」
彼は私を見上げながら微かに眉を寄せて微笑む。
どこかで見たような表情だな、と何故か思った。
「やっぱりよく分からないな」
「いいんですよ。分からないままで」
彼は答えて、まだ曇ったままのガラスに指で何かを書き始める。
「せめてこんな寒い冬は、一緒にいましょう」
彼が相合傘に自分の名前を書き入れた頃には、隣に書かれた私の名前はもう滲み始めていた。
END
「冬は一緒に」
冬眠の季節。
犬も猫も私も
コタツで丸くなっていた。
猫は私の手に噛み付いて
すぐにぺろぺろ舐める。
ただ自然が好きって言えばいいのに
花鳥風月が好きってわざわざ言う人を見た気分。
犬も犬で
私の真隣にピッタリくっついてきて暑い。
コタツの中なのに
なんでくっついてくるんだ…。
ため息をついて
テレビのリモコンに手を伸ばした。
1番最初に流れてきたのは
嫌なニュース。
みんながみんな同じ気持ちなんてことは
ないんだよなぁって
改めて思った。
他人事みたいに聞こえちゃうかもしれないけど、
これは私なりに理解しようとしてるつもり。
つもりってだけで
届かなきゃ意味無いんだけどね。
見る気が失せたので
テレビを切ると
コタツがより一層暖かくなった気がした。
電気の量って
わかりやすい時あるよね。
犬と猫は
流石に暑くなったのか
タイルの床で寝そべっている。
呑気な奴らだなぁ。
私はまだやる事が残ってる。
もう眠いのに
できるわけないから、
面倒事を全て明日の自分に託す!
"Good Midnight!"
終わり良ければ全て良し。
そんな私と冬は一緒に
どこまでも飛んでいけそうな
冷たい風をふーっと吹かせた。
冬は一緒にイルミネーションに行って、温泉に行って、雪景色を見て、寒さと一緒に冬を楽しみたい
厚着をして外に出て、吐く息が白くなって、耳の端が赤くしている君が視界の中で絵画の一部のように収まっているところを目に焼き付けたい
この間仕事帰りに肉まんを買ったときの話。
久しぶりに食べるのが嬉しかったので、写真を撮って友人に送りました。
友人は、ずっと気になってるけどまだ行けていない肉まん屋さんがあると話してくれました。
だったらわたしも食べたいから今度連れて行ってほしいと言ったら、「いいね」という返信。
「いいよ」じゃなくて「いいね」だったのが、些細なことだけどとても嬉しかったです。
『冬は一緒に』
冬の寒さ、君と一緒なら温かいはずなのに、
勇気が出ないまま、ただ雪を見てるだけ。
君が笑ってると、
心が溶けそうになるけど、
結局は『寒いね』としか言えない自分に、
雪より冷たい気持ちが降り積もる。
ぜんぜん会えてない…
どうしてるのかな?
寒いけど…
大丈夫かなぁ…
そんなこと考えてた歯医者の帰り道…
明日会えるかなぁ…
ねぇ…
美佐子さん…♪
……
ずーと…
ずーと…
君の事が気になってた
来てくれて ありがとう 嬉しかった 震えるくらい
同じ時を生きてきた 別々の場所で
聞かせて君の歌を その声で あの歌を
思いは何時か きっと届いてくれるんだね
やがて離れても けして忘れない
かわした約束も今日という この日の事も
……小田和正さん……
流されて流されて…
僕のところへ…
切ないね…
君の白い肌…
ああ…
早く9月になれば…
I love you
your the only one
I love you
……オフコース……
冬は一緒に……
冬は一緒に……?
なんだこのお題は。
冬は一緒に〜をする?
〜へ行く?
〜になる?
〜?
???
冬は一緒に……何?何をするの?それとも、何かになるの?
何?これはなんなの?
冬は一緒に、という文の意味が分からない。というよりは、文としておかしいんだね。
自分で続きを作れってことなんだろうけど……。
「一緒に」が邪魔すぎる。
冬は一緒に消える、としたとして、「何と?」とか疑問がでてくる。
何と?うーん、別れと共に消える、とかはあり得るかな?
『夏に去りし君を想フ』というボカロ曲があって、夏は暑いから一人の方が涼しくていいけど、冬は寒いから二人で寄り添いたい、っていう内容の歌詞なんだな。
まさに「冬は(別れと)一緒に消える」という文が成立する。
……。ここで終わるのはなんか不完全燃焼感。
季節の表れは明確に表せるかについて思い出した。
春が訪れるから桜が咲くのか?桜が咲くから春が訪れるのか?
これは後者だよね。
では、次は時間とは何かについてだ。
時が過ぎたから桜が咲いたのか?桜が咲いたから時が過ぎたのか?
今回に関して時間の定義をはっきりさせないと前者か後者かを選べない。
絶対存在、独立存在としての時間があるならば前者。
空間の変化、変容を時間とするならば後者となる。
うーん、後者になるのかな。絶対存在としての時間とか、少なくとも人間が認知することはできないから。
後者としか言いようがない。
さあ、ここからが本題だ。
ナーガールジュナの『中論』ではどちらも否定される。
いったいどういうことだろうか。
私は『中論』を正しく理解しているとは言えないため、これが正しい説明ではないということは留意して欲しい。
「桜が咲いたから時が過ぎた」
この文章は正しいだろうか。
考えてみよう、桜が咲くということはどういうことなのか。
時の流れない空間で桜が咲くということはまずあり得ない。
これは、時が流れていることが前提条件となってはいないか?(空間が時間無しに変化すると言うのが前提条件となっていたとしても、同じこと)
そう、これはさっき否定した「絶対存在、独立存在としての時間」を計らずして肯定することになっている。
私自身釈然としないところはあるが、ひとまず今の私にはこのような説明しかできない。
では、『中論』ではどのように説明されるのか?
このように説明されるだろう。
「空間と時間は相互作用の関係にあり、同時生成する」
だから
「桜が咲くということと時間が過ぎるということは同時に生成する」
ということになる。
「春が訪れるから桜が咲くのか?桜が咲くから春が訪れるのか?」
というのも、「桜が咲くということと春が訪れるということは同時に生成する」
というのが正しいということになる。
『中論』的な説明はできたが、私はまだ分かっていない。
冬は一緒に
冬は寒さと一緒にあたたかさをもってくる
あたたかい食べ物で心温まったり
誰かと過ごすことであたたかく感じたり
寒くてさむくて布団から出るのが嫌になったり
寒くて動きたくないこともあるけど
冬ならではのあたたかさと楽しさもある
『冬は一緒に』
いつの間にか冬が来て、
私は思う。
今日は寒いから、
一緒にいよう。
ほらくっついて。
離れないで。
抱きしめていて。
いつまでもそばに居てくれる貴方を探しているんだ。
いつかきっと出会える貴方は、
まるで雪のような。
綺麗なのに、
記憶にちゃんと残るのに。
スッと消えてしまう。
美しいような。
儚いような。
そんな貴方を探してるんだよ。
冬の寒さで凍えた私の心を
温めてくれる貴方を私は探しているんだ。
『冬は一緒に』
私の夫は冬だけ熊本にある我が家に帰ってくる。それ以外の季節は様々な地域を仕事で飛び回っているそうだ。正直寂しいが仕事だから仕方ないと自分に言い聞かせる。冬は一緒に過ごせるんだからと。
だが先日、偶然旅行先で夫を見つけた。声をかけようかと思ったが、かけられなかった。他の女と一緒にいたからだ。しかも聞き耳を立ててみると、結婚の話をしている。私は頭の中が真っ白になってその場を立ち去った。その後、夫に直談判しようかとも思ったがやめた。なぜなら、せめて冬だけは一緒に過ごしたいからだ。裏切られたとわかった今でも彼のことが好きだから。
【冬は一緒に】
寒い。
寒いと一段と人肌が恋しくなる。
つまり冬はなにかと人と一緒にいたいもの。
だが気楽に連絡を取れる者達、友人がいない。
ひとりには慣れている。
慣れているはずなのに冬の寒さが「淋しい」という気持ちを思い出させてくる。
冬だけでも一緒にいてくれないだろうか。
この「淋しい」という名の心の冬を君の心で温めて忘れさせてくれないだろうか。
ペンの先が震えている。涙のような色をして空は突き抜けたように砂糖菓子の光を降らす、日曜日の終わりにあなたの隣が温かいこと
『冬は一緒に』
冬は一緒に、
雪が舞い散る夜、
暖かな手を取って、
心が寄り添うように。
凍える風の中、
笑顔で包まれて、
星空に願いを込め、
二人の世界が広がる。
冬は一緒に、
どんな寒さも怖くない、
君となら、どこまでも、
温かさを感じていたい。
炬燵に入って丸くなるのが好きなのだけれど
一人ぼっちなんだなこれが
寂しくはないのだけれど
たまにはね
冬は一緒に
お題:冬は一緒に
冬は君と一緒にいたい。
こんなに寒い冬を一人で越せる気がしない。
一人だったころはどうしていたか、まるで思い出せない。