『入道雲』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
入道雲
「あのさー」
「んー?」
「あの入道雲さー」
「んー」
「中にラピュタありそう」
「あー」
「飛行船乗りたいなー」
「ねー」
「そんでそっから落ちてさ」
「んー」
「ぐしゃって潰れたい」
「おー」
「だからさー」
「んー」
「手ぇ放してくんない?」
「絶対ぇヤダ」
ぶらぶらと空中に投げ出された体が揺れる。そろそろ手も痺れる頃だろうに、手首はガッチリ捕まったまま動かない。汗だくで生返事を返してたくせに、最後だけは力強くて笑った。
高い空に モクモクの雲
広い海に もこもこ浮かぶ
白と青の コントラスト
いつまでも 見ていたい
真夏のパノラマ
『午後二時過ぎ』
昼下がり 休憩が終わる 空に積雲 雨が降りそうだ
やがて雨降り 雨宿りの列に並ぶ 上も下もない 右も左もない そんな列に並ぶ 私は昼食のラーメンについ入れてしまったにんにくのかけらの匂いに後悔しながら列の中ほどにいる 自分が思ってるほど他人は
周りの事を気にしていない スマートフォンがそれに一役買っている 午後二時過ぎになるようだ 雨が止めば 雨宿りも終わる 列に並んだ人々と再び会うことはないだろう 空では積雲たちが背比べ 再び晴天になるだろう
出逢いと別れを繰り返して10数年
キミ達とボク達は真実の蝶番になった
これ以上の出逢いと別れは無い
繰り返さない
狂愛で愛し、狂愛で愛される
なんて幸せな愛情なんだろう
ボク達が手に入れられなかった愛情を
キミ達が教えてくれた
ボク達はキミ達から
二度と離れないし離さない
だから
キミ達もボク達から
二度と離れないで離さないで
不器用な愛情だけれど受け取ってほしい
今までに無い愛をこれからのキミ達だけに捧ぐ
【入道雲】
―大きくて、迫力があって、綺麗じゃない?
夏の風物詩とも言えるかもね。
―何言ってるんだか、雨を降らしたらどっか行っちゃう、
悪い雲なんだよ。
そう思えばあの日、入道雲は不幸だけを産み落としていった。
わたしは彼女の遺影に手を合わせ、黙祷した。
ねえ、どこへ行ってしまったの。
彼女は、忽然といなくなってしまった。
空を見上げると、あなたはすぐそこに。
どれだけ手を伸ばしても届かない。
今年も、夏がやってくる。
今年も、あなたを見つけたい。
夏の始まりとともに、わたしは胸に誓った。
このクソみたいな世界は、このクソな俺を置いて進んでいく。時間、環境、人間。内外で形を変え、気がつけば先にいる。
どいつもこいつも、俺より先を行きやがって。俺より前を歩くな。後ろにいろよ。皆俺より後ろであればいい。
そうすれば、俺だってこんな気持ちにならずにすむだろ?
たばこの煙を吐き出す。今、通りすがりのOLに顔をしかめられた。ごめんて。平日昼間くらい外で吸わせろよ。
「……っはあ〜〜」
こんなクソ人間を下に、真っ白で綺麗な入道雲がやってきた。なんとも嫌な対比だ。これ以上惨めにさせないで欲しい。
きっと、こんな俺を見て雲も笑うに違いない。
眩し過ぎる日差しに思わず目をそらした。
入道雲は、もう消えていた。
⇌⇌⇌⇌⇌⇌⇌⇌⇌⇌⇌⇌⇌⇌⇌⇌⇌⇌⇌⇌⇌⇌⇌⇌⇌⇌
『午後12時30分』
つついたら
パチン!
って割れちゃいそう
たくさんの雲の夢が
詰まっているのかもね
(入道雲)
『入道雲』
私は子どもの頃から
空を見ているのが大好きだった。
庭にあった、向かい合わせの
ブランコに一人ですわり
ひたすら空を
刻々と変わっていく雲を
見ているのが好きだった。
一度は見ていたら、吐き気がしてきて。
たぶん夏休みだったと思う。
時計を見たら、なんと二時間も
首を上にあげ空を見ていたのだ。
それは気分も悪くなるだろう。
特に入道雲は真夏になると
とてつもない高さで
空にあらわれる。
真っ白ならだいじょうぶ。
下が黒いとあとでいきなり雨になる。
今でも見ると、ソフトクリーム食べたいなあ、とか
かき氷かな?、とか
いやいや、綿あめでしょう、と、
思いながら入道雲を見ている、食いしんぼうの私。
低いところの雲は、風で流れているのに、入道雲は高いから
びくともしない。
暑いのは苦手だけど、空が、雲が
好きだから、真夏の入道雲は好き。
セミが鳴き、暑さで気が遠くなりそうになって歩いている時、必ず見える雲。それはやっぱり入道雲でないと。
青い空に真っ白なもくもく。
嗚呼夏が来たんだなぁ。
夏を知らせる雲が
好きだった。
青い空に真っ白なもくもく。
嗚呼雷が鳴るのかなぁ。
雷雨をお知らせする雲が
嫌いだった。
青い空に真っ白なもくもく。
今度は何を知らせてくれる?
–入道雲ー
学校の帰りに寄り道で友人と浜辺を歩いていると、空に入道雲があった。
友人も其れに気づいたようで入道雲を見ながら言った。
「雨、降るのかなぁ」
「さぁな....」
「私は降らないでほしいな」
「俺も、降ってほしくないな。お前が家に来るから」
「ひっどぉい!」
「冗談だよ」
青い青空に合う入道雲が雨を降らせるなんて似合わないなぁ。
「入道雲には似合わないね」
............。
「どうしたの?」
「同じこと考えてたからびっくりしただけ」
「フフ!いつもなら入道雲見たら雨が降るから嫌だけど、今日は君がいるからなのかな?綺麗に見えるよ」
「...ふ〜ん、よかったな」
「あれ?照れてる?可愛いね〜」
「ムッ、俺は男!可愛くなんかねぇ!」
「う〜ん、じゃあ、君の目はとても綺麗だね」
「!.....うるせぇよ、ばぁか!」
そう言って、殴った。
「いったぁ!」
「...でも、ありがとな!」
「ツンデレな彼女を持つと大変だなぁ」
「黙れ」
彼とは、友人で有り、恋人だ。
みんなに内緒の、な。
この後、入道雲を見たことをお互い忘れてしまい、酷い雨にあったらしい。
# 48
入道雲を見ると、夏を感じてワクワクするって?
君ってポジティブだね
でも、あれは雷雨や雹を降らすんだせ
涼しくなるからいいって?
君ってほんっとにポジティブだね
えっ? 雷が怖いのかって?
そりゃあまあ、得意じゃないさ
それは君だってそうだろ?
だからさ、つまり僕が言いたいのは、エアコンが効いた部屋の中でのんびりしようよってことなんだけど
入道雲
初めて会った日のことを、あなたは覚えていてくれているでしょうか。
まだ暑くなりきれていない夏の始まりのようなその日、見事な青空ととても立派な入道雲が印象的でした。
突然降りだした豪雨のような、ともすれば通り雨のような雨の中、雨宿りができる場所を探して、走っていました。公園の東屋に着くと、そこには同じように雨宿りをしているあなたがいました。
雨に降られた同士、ちょっぴり気恥ずかしくて、気まずくて、苦く笑い合ったのをよく覚えています。
偶然の出会いは、いつしか必然のものだったと思えてきて、運命だなんて言葉を使ったらあなたは怒るでしょうか。嫌がるでしょうか。
それでも、あの日会えたことが私にとっては忘れられない思い出となったのです。
あなたがそれを見ると「泣きそう」って言うけど、私は何も思わない。
強いて思うのなら「洗濯物平気かな」ぐらいかな
お題「入道雲」
空に広がる入道雲。
明日は雨か、なんて思いつつも信号を渡りきる。
それから少し歩いた頃後ろに気配を感じた。
それは次第に近づいてきて、思わず「背負い投げ」と言いながら投げ飛ばしてしまった。
「い、っ」
「え」
なんとそこに居たのはまさかのI○koさん。
あ、本物に「背負い投げ〜」で投げてしまった。
「ごっごめんなさい!!」
「貴方、、ファスナー開いてるわよぉ」
「( ˙꒳˙ )ファ」
それからあの方は帰って行った。
いやはっず!!
※ご本人様は一切ご関係ありません
#入道雲
僕の日常は毎日が雨模様。
生きてて良かった、なんて思った事は生まれてこの方覚えてる限りでは1度もない。
友達が出来てもいつの間にか嫌われる。
親には捨てられて、顔すら覚えてない。
毎日毎日死にたくて、だけど死ぬ勇気なんかなくて、ただ無気力に生きる。
こんな事ばかり考えてたらまた死にたくなってきた。
あぁ、今日も心の中には入道雲が立ち込めてきた。
「入道雲」
僕は入道雲が苦手だ。
見るたびに恐怖と不安、嫌悪すらも感じるほどに。
いつからだったろうか。
初めからそうだったわけではなかった気がする。
まるで、雲の裏側に「なにか」がいるような気がするから。
プールの帰り道。
クタクタに疲れて見上げた青空の先に、大きな大きな入道雲がある時。
ああ、夏休み真っ只中だなあって感じがして、僕は、好きだ。
「入道雲」
夏の入道雲のあの眩しさは
どんな白よりも輝いている
真昼の太陽の光を反射しながら
心のままに成長を続けて
その雲の頂上がどんどん高くなる
夏空の青は入道雲をさらに美しくする
大きく大きくなった入道雲
やがて雷鳴と共に驟雨となる
すべては夏という季節がみせるドラマ
地上の水蒸気が雲になり成長し
分子の活動は電気を生み光を放つ
誰にも止められない水のエネルギー
心を研ぎ澄ませれば感じるだろう
わたしの傍にあなたの傍に
水の精霊の確かな息吹が
この世界の本当に大切なものは
目には見えない、けれど
手を伸ばせば、そこにいる
目の前に広がる、入道雲。
それはまた、
夏の主役を勝ち取ったかのような、
大きさでした。
そして、
それを背景に1人の少女が何か、
手元の手帳に書き込んでいました。
「筆走る ひとつの空に 爽やかな
風がうつした 夏の情景」
短歌でした。
それは、穏やかな彼女の心中が映し出されているかのような、短歌でした。
ちょうどその時、ひとつの風が吹きました。
まさにその、短歌に出てきたような爽やかな風でした。
その時の、
光景・時間は、
何かの物語の中ではないかと思わせる程、
鮮やかで、美しいものでした。
6月の午後の昼下がり。
たらいに足を浸して涼んでいた。
ゆうびんやさんが走り去る音がした。
ポストを覗くと一枚の絵葉書。
だれからだろう?
胸をはずませながら差出人を見る。
もう会えないと思ったあの人からの手紙。
待ち合わせ場所が書いてある。
こんな嬉しい手紙がかつてあっただろうか。
絵葉書の絵の部分には、青い空、入道雲をバックに
おおきな向日葵も描かれている。
嬉しすぎて、向日葵がにっこり笑っているように見えた。
待ち合わせの7月まで、あとすこし。
なんとも言えない感情に、たらいに浸した足をパタパタさせた。
こどもみたいに。