海老body

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このクソみたいな世界は、このクソな俺を置いて進んでいく。時間、環境、人間。内外で形を変え、気がつけば先にいる。
どいつもこいつも、俺より先を行きやがって。俺より前を歩くな。後ろにいろよ。皆俺より後ろであればいい。
そうすれば、俺だってこんな気持ちにならずにすむだろ?
たばこの煙を吐き出す。今、通りすがりのOLに顔をしかめられた。ごめんて。平日昼間くらい外で吸わせろよ。

「……っはあ〜〜」

こんなクソ人間を下に、真っ白で綺麗な入道雲がやってきた。なんとも嫌な対比だ。これ以上惨めにさせないで欲しい。
きっと、こんな俺を見て雲も笑うに違いない。

眩し過ぎる日差しに思わず目をそらした。
入道雲は、もう消えていた。

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『午後12時30分』

6/29/2023, 1:41:24 PM